角山智の「株本執筆記」
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低PBR銘柄を買えば儲かるの?(その2) 05月17日
今回は、PBRについての続編です。
【質問】
低PBR銘柄を買えば儲かるの?
【回答】
あなたが、ある会社に1,000万円の出資を行い、株主としての持分を得たとします。
その会社は、1,000万円に対して、たった20万円の利益しかあげることができませんでした。これはROE(自己資本利益率)に換算すれば2%です。
あなたは「たった2%のリターンでは割りに合わない」と経営者に詰め寄ります。それに対して、経営者は「来年はもっと稼げるようになる」と答えました。
ところが、翌年も持分に対する利益は20万円でした。あなたは、会社に愛想をつかし、持分を売却することにしました。早速「買ってもいいよ」といってくれた資産家に話を持ち込みます。
すると「毎年20万円の利益だから、その10年分でどうだろうか」と切り出されました。資産家はPER10倍の200万円を妥当と考えたのです。
あなたは「この持分は1,000万円の価値があります。それはあんまりです」と答えます。PBR0.2倍で売らされてはかなわないからです。
しかし、資産家は「毎年20万円しか稼げない持分にそんな価値はない」と受けつけません。あなたは途方に暮れます。
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以上が、低PBR銘柄についての注意点です。収益力(ROE)に劣る会社の資産は、それなりの評価しかされません。
オーナー経営者が責任を取らずに居座り、リストラも掛け声だけの会社ではなおさらです。
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バリュエーションはいつの利益で計算するの? 05月03日
【質問】
バリュエーション指標(PERなど)に用いる際の営業利益や当期利益は、現在の営業利益、当期利益を用いるべきなのか、それとも、5年ぐらいの平均値(その会社のおおよその通常値)を用いるべきなのでしょうか。
【回答】
マーケットは、将来を織り込みながら動くため、基本的には来期(今なら2010年3月期)の予想利益を用いるべきでしょう。
ただし、景気循環株の業績ボトムや一時的な業績不振に陥っている企業では、過去5〜10年の業績より「本来であれば、この程度は稼げるであろう」という利益水準を求めます。
DCF法で企業価値を求める際の営業利益についても、然るべき増益率を設定します。
もちろん、予想利益につき不確定要素も多いのですが、投資自体がそういうものである以上は致し方ないことです。
できるのであれば、控えめに計算して「プラスの誤差が出ればラッキー」と思えるようにしたいですね。
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