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塩坂洋一


ロビンスカップの日本版オンライン商品先物競技会にMystery Tigerのハンドルネームにて、第1回大会では297%の運用成績で4位、第2回大会では30%で8位、第3回大会では499,84%(半年で元本は六倍、同期間の日経平均はマイナス19.3%)の収益率で優勝するなど、素晴らしい運用成績を収めた真の実力者。株式先物・商品先物トレードの傍ら、業界紙への寄稿やラジオでもマーケットコメンテーターとして活躍。豊富な実践ノウハウを有しており、現在ではポピュラーとなったシーズナル分析、限月別アノマリー分析の先駆者として有名。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

『投機術・覚書』

空売り規制などより・・・

10月29日

プロ中心の市場にするとかいうビジョンで、机の上で議論された政策実行のせいで、
一般個人投資家が参入し難い市場になり、リスクテイカーが減少したことで、肝心の
プロ(学者達の想定するところの当業者など)の参入も一向に進まない。国内商品市場は
歴史的な上げ相場があったのに、1980年代・1990年代のような活気がなく、いままた、
歴史的な下げ相場で、これだけ相場が大きく動いているのに、売買高は縮小する一方で
である。とりあえず、個人投資家の金を市場に誘導するには投資家税制を変えてもらう
のがいい。

Mystery Tiger コモデティーレポート 2008/10/28 No.273号

<投機眼>
前号の予測通り、セントラルリーグのクライマックスシリーズ第二ステージは巨人が勝利
して日本シリーズ進出を決めた。この流れで行くと、日本シリーズの予想でもするか?
両チームにまつわる過去データとか、過去2度目のシリーズ出場監督と初出場監督の勝率
だとか、戦力評価(いわば、ファンダメンタルズ)以外のところから、前号でも述べた一見
こじつけにしかならないようなアノマリーが見つかるかどうか。ところで、日本シリーズ
は英国公営のブックメーカーあたりからオッズとか出ているのだろうか?
オッズからオプション感覚で予想することも一つの手だ。
野球の予測ばかり書いていても仕方ないと思われるが、相場の方は「売り」の大波の中に
あり、少々のアノマリーを見つけても呑み込まれてしまう。売りの暴風が落ち着くまでは、
相場思考であれこれ楽しむのも一興である。戦力だけでは勝負とは見えないものであるが、
クライマックスシリーズでも分かるように、日本シリーズ進出の為の制度・条件が変わって
前年に比して格段に優勝チームに優位性が齎された。条件・制度ひとつで人の心理も変わる。

商品・株式の投資家の売買益に3年間無税くらいの投資家優位政策を出してくれたら、市場に
どんどんお金が戻って来ると思うのだがどんなものだろう。


<昨日の続き>
3日成立銘柄の10/27の値洗い合計+4,626,000円。
ここまで 10/06 ・+523,500 10/09 ・+936,000円 10/10・+1,404,000円
10/17・+2,261,200円 10/20・+2,259,800円 10/23・+3,496,200円の推移。

何度も言うが、これは各商品1枚売った時の合計成績値洗いである。
前回、その値洗い増が一服したが、チャートで言えば新値益更新の大幅増。
つまり、まだ商品全体の下げ止まりシグナルが出ていないということ。

値洗いチェックをして20%ドローダウンしたら手仕舞う、それがトレイリングストップと
した訳だが、現状で20%ダウン時に総手仕舞して370万程のプラスとなるので、どう転んでも
大幅利益は確保される状況である。ドローダウンがあっての数字で前号より100万増えている。
10月末まで、このIndexを追う。


Mystery Tiger コモデティーレポート 2008/10/24 No.272号

<投機眼>
セントラルリーグのクライマックスシリーズの第二ステージが始まった。現在、2勝1敗で
巨人がリードしている。No.270号では暗に阪神の敗退を予言し、その理由は同号と前号で
既に述べた通りだが、No.270号では同時に暗に巨人の勝利を予言している。
昨年同様に「歴史は繰り返す」のか、今年は昨年になかったリーグ優勝チームへ1勝の
アドバンテージがあり、条件が変わったことと、昨年CSシリーズまでの間隔が開いて
実戦感覚が鈍って負けた失敗の対策も講じているだろうという見方の綱引きで後者と読んだ。

また、「歴史は繰り返す」という点で、今年の巨人は阪神との10・8決戦を制して優勝して
おり、1994年の巨人と中日の10・8決戦に通じるアニバーサリーデーを味方にしている。
こういうことは、ある意味こじつけでもあるのだが、相場のアノマリー分析なども得て
して似たものを結びつけて都合よく解釈していく「好奇心」のようなものから、ある種の
パターンを発見していく一面もあるのだ。いろいろな事象を読み解くことは相場脳を活性
化するのに役に立つものである。まあ、プロ野球にはサッカーのtoto振興クジのような
ものがないので、当たり外れは単なる余興・ご愛嬌である

Mystery Tiger コモデティーレポート 2008/10/21 No.271号

<投機眼>
前号で予測したように、セントラルリーグのクライマックスシリーズの第一ステージで
阪神タイガースが敗退した。如何に逆転されてリーグ優勝を逃したショックがトリガー
とはいえ、そのことを引きずった形で戦う前に現場指揮官が辞任を口にした時点で、
勝負の運気が離れていったことは疑いない。辞めるにしてもグッと我慢し、シリーズが
全て終わるまで黙っているべきだった。

さて、商品・株式・為替の相場を張っている投資家の皆さんも暴落をとってウハウハの
人もいれば、ポジションに直撃を受けて失意の人もおられるであろう。
儲かった人は相場の環境に感謝して奢らず、損をした人は相場環境に愚痴をこぼしたり、
落ち込んだりせずに、次に巡ってくるチャンスを信じて準備を怠らないように、自分の
投資環境や体制の再構築に努めるべきである。相場の神様は気まぐれだが、奢っている
ものやネガティブな考えをもっている者のところには良い運気を運んでくれない。
特に負けている人はグッと堪えて、もう一度、相場の研究に勤しんでいただきたい。

日本の商品取引ではオプションが仮死状態であり、投機を職業とするものにとっては、
上げようが下げようが値段が動いてくれるのがチャンスであり、値段が動かないことは
儲かる機会が失われることに等しい。上がっても下がってもいいのである。

Mystery Tiger コモデティーレポート 2008/10/17 No.270号

<投機眼>
1994年のメイクドラマ、中日戦と同じアニバーサリー・デー10・8決戦を制した巨人が阪神
を逆転してメイクレジェンド、セ・リーグ優勝を成し遂げた。
さて、昨年もリーグ優勝をした巨人だが、クライマックスシリーズに破れて日本シリーズ
には出られず、中日にいいところを持っていかれてしまった。「歴史は繰り返す」というが、
今年はどうだろう。今年は昨年になかったリーグ優勝チームへ1勝のアドバンテージが
あることと、昨年CSまでの間隔が開いて実戦感覚が鈍って負けた失敗の対策も講じて
いようから、巨人優位と観る。さて、心配なのは対抗馬となる阪神である。指揮官の
岡田監督がペナント終了前に辞意を漏らして、そのまま退任が決定した。まだ今シーズン
全てのイベントが終わっていない段階で、CSを闘うのにも関わらず、これは頂けない。
やはり今年限りで勇退したソフトバンクの王監督が、現場指揮官である自分の士気が選手に
影響した旨を反省の弁としておられたが、辞める監督に花道を飾ってあげようという選手の
気持ちがあっても空回りしてしまうのではないか。
13ゲームの大きな値洗い益がなくなったばかりか、マイナスに転じて優勝を逃したショックは、
金融市場の混乱から商品・株式の暴落で利益を飛ばし、大きな痛手を負った投資家と共通する
ところがあるやも知れない。

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自前の商品FUND INDEX

10月27日
国内商品相場はNo.266号(10/03)で『現状は成行売り』からしか入れないとして、
指定した各銘柄を10月3日に1枚成行で売り、成立銘柄は東京金・東京白金・東京銀・
東京ガソリン・東京灯油・東京NON-GMO大豆・東京コーン・東京アラビカコーヒー。
これらの値洗いをレポート発行日前日毎に並べると、
10/06 ・+523,500 10/09 ・+936,000円 10/10・+1,404,000円 10/17・+2,261,200円
10/20・+2,259,800円 10/23 ・+3,496,200円 の推移。
もう一度言うが、3日成立商品1枚売った時の合計成績値洗いである。
20日、その値洗い増が一服したが、23日にチャートで言えば新値益更新の大幅増。
まだ商品全体のの下げ止まりシグナルが出ていないということだ。
この値洗い合計を追って行くことは、ひとつの商品Fund Indexになる。
『もうはまだなり、まだはもうなり。』の位置を探るのにも、個別銘柄で見るのでなく、
商品全体からの資金逃避がいつ止まるかという観点で見ることが必要だ。
値洗いチェックをして20%ドローダウンしたら手仕舞う、それがトレイリングストップと
した訳だが、現状で20%ダウン時に総手仕舞して279万程のプラスとなるので、どう転んでも
大幅利益は確保される状況である。
現在の売り持ちを持続、売るか、買いを持たないという選択を見直す時期は上記の
商品Indexが教えてくれる。
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言わんこっちゃない、いつか来た道

10月12日
まずは、9月26日のMystery Tigerコモデティーレポート・・・
『2008/09/26 No.264号<投機眼>
三菱UFJホールディングスが米証券大手モルガン・スタンレーに出資、普通株の20%を取得する、
あるいは野村ホールディングスが経営破綻したリーマンブラザーズのアジア太平洋部門の
事業買収、続いて欧州・中東部門も買収との報道が新聞紙面を賑わせている。
これまでの日本企業にない僅かな期間での経営判断だが大丈夫か?

少し前を振り返ると、みずほコーポレート銀行が今年一月、米証券大手メリルリンチに
約千三百億円を出資、三井住友銀行は六月、英銀大手バークレイズに約千六十億円の出資
なども記憶に新しい。しかし、考えてみると野村Hはともかく、件の銀行さん達はつい
この間まで日本政府から国民の税金=公的資金を援助してもらっていたようなところである。
それが外資のような金融ノウハウもないのに、また、相手の不良債権も本当のところは
精査出来ているとはとても思えないのに、簡単に出資するのは何か大きな圧力が働いて
いるのであろう。こんな構図はかつてロックフェラービルを高値で買った三菱地所が
最後はタダ同然で売らされたときに見たような光景に似ていないか?』

そして、株価下落の止まらない10月10日のNY株式市場でモルガン・スタンレーの終値は
9.68ドルと10ドルを割っている。三菱UFJホールディングスは週明けの14日に予定通り90億ドルの
出資をすると言っているようだが、そのうち30億ドル分は普通株の出資で、その取得価格は
1株当たり25.25ドル。現時点でモルガンの時価総額は100億ドルまで減少しているのに、
90億ドルを出資する三菱UFJホールディングスが確保出来る出資比率は21%に過ぎない。
株価が回復するかどうかは将来のことで、最初から巨額の含み損を抱える投資に果たして
正当性があるのか、株主からみればとんでもないことである。
バフェット氏がゴールドマンサックスにしたように安い権利行使価格の優先株方式にするとか
特約条項が入っているなら別だが、そういうことはしていないだろう。
さりとて、この段階で見送りとなれば、更なる市場の失望を呼び込むことにもなるので
厄介である。9月26日のレポートで述べたように「これまでの日本企業にない僅かな期間での
経営判断だが大丈夫か?」・・・慣れぬことをする(させられた?)からである。







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底なし沼

10月10日
9時半現在、日経平均先物1,300円安でマーケットを停止するという状況になっていた。
日経平均も900円安い。投資家が「底無し沼」の恐怖にパニック売りに走っている。
凄い1週間だった。

Mystery Tiger コモデティーレポート No.268号より抜粋

<投機眼>
NYダウ10,000ドル割れ、日経平均の10,000円割れなど国内外の株式市場暴落の連鎖、
そして商品市場の暴落、ドル・ユーロなど主要通貨の急落、8日には下落率で歴代3番目と
なる日経平均952円安、そして米欧6ヶ国中銀協調利下げから中国・新興国の加わった
世界10ヶ国中銀による同時利下げ、公的資金投入による銀行国有化の動き、ロシアでは
取引所閉鎖など、未曾有の事態が連続して起こった10月の出来事は今後の歴史に刻まれる
ことだろう。多くの投資家が資産を失った一方で、投資家に超ハイリスク商品を売り付け
て経営破たんしたリーマンブラザーズのファルドCEOがこれまで数百億円の収入を得て
いるという事実。1ドル110円で換算した日刊ゲンダイ2008年10月1日掲載の2007年
の各金融機関CEO報酬は、ゴールドマン・サックス81億920万円、リーマン・ブラザーズ
・79億900万円、JPモルガン ・チェース・22億7,480万円、バンク・オブ・アメリカ・
22億1,430万円、モルガン・スタンレー・19億4,150万円、メリルリンチ ・17億3,250万円。
これは1人殺せば殺人罪だが、戦争で何万人も殺せば英雄というような論理であろうか。
大掛かりな資金収奪システムは詐欺罪に問われず、尻拭いに公的資金まで引っ張るのだから。
お上が保障してくれない個人投資家は、現況の投資環境で如何に自らの資産をヘッジ保全
するか、真剣にマーケットの利用方法を考えなければならない。

=全商品=
No.266号(10/03)で『現状は成行売りからしか入れない』と記した通りであり、その後の推移。

東京金10/03寄付09/08限2,797円売り、10/06大引2,744円、10/09大引2,883円、値洗い-86円。
東京白金10/03寄付09/08限3,165円売り、10/06大引3,145円、10/09大引3,257円、値洗い-92円。
東京銀10/03寄付09/08限373円90銭売り、10/06大引363円40銭、10/09大引374円50銭、値洗い-0円60銭。
東京ガソリン10/03寄付09/04限70,340円売り、10/06大引67,040円、10/09大引62,840円、値洗い+7,500円。
東京灯油10/03寄付09/04限74,260円売り、10/06大引71,520円、10/09大引64,050円、値洗い+10,210円。
東京一般大豆10/03寄付09/08限45,070円売り、10/06大引42,370円、10/09大引42,130円、値洗い+2,940円。
但し3日ストップ安で不成立。
東京NON-GMO大豆10/03寄付09/08限46,680円売り、10/06大引44,230円、10/09大引47,950円、値洗い-1,270円。
東京コーン10/03寄付09/09限24,320円売り、10/06大引23,050円、10/09大引22,400円、値洗い+1,920円。
東京粗糖10/03寄付09/11限34,960円売り、10/06大引33,460円、10/09大引29,610円、値洗い+5,350円。
但し3日ストップ安で不成立。
東京アラビカ10/03寄付09/09限20,720円売り、10/06大引19,940円、10/09大引18,700円、値洗い+2,020円。

成立銘柄で金・白金・銀・NON-G大豆は売値より上昇して値洗いはマイナスになったが、
東京ガソリン・東京灯油・東京コーン・東京アラビカの値洗いは大幅増、10/06の値洗い
合計が+523,500円に対して、10/09の値洗い合計は+936,000円となっている。
驚くべきは、これは僅か6営業日で各商品1枚売った時の合計成績である。

<投機眼>で述べた世界10ヶ国中銀同時利下げも効を奏することなく、株式市場は典型的な
パニック商状にある。商品市場への心理的圧迫も大きい。前号も述べたように現在の売り
持ちを持続、売るか、買いを持たないという選択となる。

No.266号(10/03)指示枠外2商品・・・
東京ゴム10/03寄付09/03限232円70銭売り、10/06大引226円30銭、10/09大引206円90銭、値洗い+25円80銭。
東京小豆10/03寄付09/03限9,900円売り、10/06大引9,560円、10/09大引9,780円、値洗い+120円。

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投資家の市場離れ

10月08日
昨日(7日)の日経新聞商品欄に国内商品市場の8割のシェアを占める東工取の建玉総数が
6日現在32万6千枚で、直近のピークである7月11日水準より15万枚(32%)減少したことが
掲載されていた。投資家の市場離れを顕しているが、このことは出来高面からも鮮明である。
東工取の9月の出来高が前月比1.8%減の3、210,604枚、東穀取は前月比5.7%減の496,634枚で
東工取の6分の1以下と出来高の低迷が恒常化してしまっている。行政の施策により取引員
営業のダイナミズムが封じられたこともあって、本来は顧客・預かりが増大すべき棒上げ
買い相場のときに顧客が増加していないのだから、下げ相場の現在、出来高の減少傾向は続く。
前号でも述べたように、商品・株式・ユーロ&ドル為替など、世界の投機・投資市場全て
が金融不安・信用収縮等による投機心理の冷え込みで「売り」一色の様相を呈し、いったい
誰が何の商品を買うのかということを考えれば、核になる買い手が不在であることは深刻で
ある。ボラティリテイーが高く、僅かな玉変動でストップ高安がつきやすいことも、投資家の
売買行動を鈍らせている。

ところで、東穀取は一般大豆の取引単位を現行の1枚当たり50トンから10トンに引き下げる
ことを決定し、16日発会する10月限から適用する。しかし、取引単位を5分の1にし、
証拠金を5分の1にしたのに、取引員が取引所に支払う定率会費は1枚あたり69円から
39円に変更とのことだ。これはおかしくないか?
当然、定率会費も5分の1にするべきだろう。ただでさえシステム導入で取引員に多大な
負担をかけていることもある。
出来高減少に苦しむ東穀取は取引単位の変更で出来高を増やそうということだろうが、
取引員にかけている負担を軽減しなければ、取引員も手数料を下げることは出来まい。
取引員の肩を持つわけではないが、一般投資家を市場に呼び戻す手立てとして、取引所は
もう少し取引員を大切に扱った方がよいだろう。
倍率が5分の1になって手数料がそのままだったら、手抜けはいままでの5倍で投資家と
してはそっぽを向くことになる。手数料が現行の2分の1になっても実質的に高くなる。
見かけの出来高が増えて取引所の収入が増えても、負担は取引員と投資家が負うことになる。
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