浅川夏樹の「海外の気になる金融ニュース」
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海外のジャパンファンドが投資する日本企業 11月30日
12月13日(土)のセミナー 『世界から見た日本企業の勝機』
日時:12月13日(土) 13:00〜17:00
場所:ベルサール西新宿
講師
澤上篤人氏/さわかみ投信代表取締役社長
岡本和久氏 インベストライフ主催
鈴木一之氏/フィスコ 日本株 チーフアナリスト
お申し込み:http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=2011075600000
事前に沢山の質問をいただいております。
・長期投資で成功するのか?
・日本企業は世界から見て買いか?
・国際競争力がある日本企業はどこか?
・日本企業は海外のグローバル企業に比べて配当利回りが低いので長期保有に向かないのではないか?
・トヨタは買いか?
・さわかみファンドが300銘柄に分散しているのは利益寄与率が低いのではないか?
・投資の判断基準の優先順位は?(PER/PBR/営業利益/経営者の質)
セミナーは一方的に話を伺う場ではなく、プロに直接質問ができる貴重なチャンスにしたいと思っております。講師の方達も質問をどんどん受け付けたいとおっしゃっておりますので、お時間がございましたら是非ご参加ください。
わたしは日本企業の株式を選ぶ時に海外のジャパンファンドの投資先も参考にしております。多くのジャパンファンドは時価総額が大きい企業を選ぶ傾向がありますが、DWS Noor シリーズのようなイスラム金融に準じたファンドが選ぶ日本企業はまた異なります。DWS Noor Japan Equity Fund の組み入れ比率のトップはニトリです。
イスラム金融は社会的責任(SRI:Socially responsible investment)に近いイメージがありますが、最近ではSRIよりも"Sustainable"(持続性がある)という言葉のほうがよく利用するかもしれません。
最近は円高傾向なので海外でも円建てのジャパンファンドやETFが販売されております。
Fidelity Japan Advantage -JPY 年初来 +10.68% ←ベンチマークを上回るミューチュアルファンド
NETS TOPIX Index Fund -JPY 直近3カ月 -20.32% ←ベンチマーク
DWS Noor Japan Equity Fund-USD 直近1カ月 +5.95%% ←イスラム金融のジャパンファンド
Short ETF
UltraShort MSCI Japan -USD 直近3カ月 +7.53%
日本企業を選ぶ基準は海外の先進諸国の企業株式を選ぶのとおなじですが
1)グローバル企業である ー 投資は流動性が重要なので常に売却ができる、上場廃止にならない
2)技術力 ー 製品の質がいいこと、購入したい、絶対に必要な技術がある
3)ブランド力 ー どんなに技術が優秀でも認知度がなければ高く売れない
3)配当利回り ー 長期投資なので配当は大事
フィスコの鈴木一之氏の「ビジネスサイクル投資法」レポートなどを読むと日本企業は精密機器なども世界シェアが高いと注目するようになりました。
セミナーでお逢い出来るのを楽しみにしています。
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下落相場でのプラスリターンのファンド・ETF 11月22日
海外のプライベートバンキングや海外の運用アドバイザー会社のレポートでは、中国は10月末の時点でアンダーパフォームからニュートラルを飛び越してアウトパフォームになっております。直近1カ月の世界のマーケット市場は上海A株市場だけがプラスです。この上昇はサミット向けのアピールだったのか、それとも景気刺激策の期待によるものかですが、どちらにしても中国のマーケットは国家的な仕手相場に思えます。
DJIA (米国) -18.49%
Nikkei225(日本) -14.46%
FTSE100(英国)- 9.52%
DAX(ドイツ)-12.72%
Hang Seng(香港)-19.74%
Shanghai A(上海)+0.5%
Sensex30(インド) -17.33%
直近1年でプラスリターンのファンド一例
PIMCO Total Return Bond +1.11%
Baring International Bond (EUR)+6.09%
Ground Rent Income (GBP) +7.42%
Student Accommodation (GBP) +9.98%
Man AHL Diversified +16.76%
Superfund +56.57%
株式は全滅ですが債券は底堅く、英国の学生寮に投資するスキームのファンドは景気後退においても留学生の数が極端に少なくなることがないのか意外に堅調な運用を継続、ヘッジファンドは8割はマイナスですが、金融と商品の先物で投資するマネージド・フューチャーズが健闘しています。Man AHLは金融先物が7割、商品先物が3割ぐらいですが、Superfund は金融と商品先物は50%づつです。
Business Week: Every Stock Mutual Fund Has Lost Money in 2008, Except One によれば、
モーニングスターによる11月20日までの米・国際ミューチュアルファンド成績、1万5854本のうち1本除き全てマイナスと発表。記事には「データ集計責任者のアネット・ラーソン氏は、「このような惨憺たる状況は、経験したことはない」とし、結果をみた際には、「(集計結果は)正しいはずがない」とし、集計に誤りがあったと考えたという。同氏は、あらためて複数回の分析作業を行ったが、「すべてのファンドが、マイナスのリターンとなっていることを認識した」としている
すべてのファンド会社がデータを日々、モーニングスターに提供しているわけではないので、通年ベースでみた場合にいくつかのファンドがプラスの成績を収めている可能性は否定できない。しかし、2008年の株式ファンド全体の動向を見る限りでは、仮に現在プラスのファンドが、年末にはマイナスに転落する可能性があるそうで、米ミューチュアルファンドは、「質への逃避」ではなく「流動性への逃避(Flight to liquidity)」が加速しそうです。
直近1年でプラスリターンのETF Data: BOOM 22/Nov/2008
ProShares UltraShort Semiconductors +228.24%
ProShares UltraShort Industrials +215.04%
ProShares UltraShort Basic Materials +157.27%
ProShares UltraShort MSCI EAFE +155.94% *EAFE =北米を除く先進諸国
ProShares UltraShort Financials +140.80%
ProShares UltraShort Real Estate +129.52%
市場価格が下がると利益を獲得できる売りポジションのショートETFの圧巻です。Ultra Financials は直近5日間で+76.62%です。Ultra Short は2倍のレバレッジですが3倍のレバレッジをかけている Direxion Shares Financial Bear 3X の直近5日間の成績は +130.76%なので2.3倍です。DJ30を下げているのは、GMとシティ・グループですからショートETFはセクターの選定がポイントだと思います。
ProShares ETF一覧・詳細
*ProSharesのETFは米国市場に上場していますので、シティバンク香港や海外の米国株口座がある証券会社で購入が可能。
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BusinessWeek Interbrand Ranking 100 11月20日
ビジネスウイークで紹介されていた2008年度のInterbrand Rankingです。
新たに登場した企業は
アパレルのH&M〔22位)
トーマス・ロイター(44位)
ブラックベリー(73位)
フェラーリ(93位)
アルマーニ(94位)
マリオット(96位)
Fed Ex(99位)
VISA(100位)
日本企業は
トヨタ(6位)
ホンダ(20位)
ソニー(25位)
キヤノン(36位)
任天堂(40位)
パナソニック(78位)
レクサス(90位)TOYOTAではなく LEXUSブランドの構築
大きな特徴は米企業はセクターが分散されており、世界的に見てその国を代表する銀行はランクインされておりますが、日本は自動車及びエレクトロニクスはグローバル企業として認知度がありますが銀行はそう見られていないようです。
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金融サミットに観る 日本のアピール度 11月16日
Reuters:金融サミット
世界は日本よりも中国に期待している光景の1つかもしれません。お金を提供するにしても、「日本は米国の同盟国だから、円建ての米国債を発行する」と提案すれば、世界だってRMB(人民弊)建よりも円建のほうがいいと思う。日本は本当にアピールが下手です。中国はこのサミットに向けて上海A株の代表指数を上昇させてアピールしています。
政治でみれば、民主党はこの危機はチャンスかもしれません。舛添大臣の私生活をあれこれ言うよりも「舛添大臣の専門は国際金融ですから、欧州を担当してもらいたい」と厚生大臣は専門外の仕事だとほのめかせばいいと思う。自民党は佐藤ゆかり議員が金融を理解しているし、英語が完璧なのだから、サミットに同行させて日本のスポークスマンとして米金融メディアに日本の証券市場の透明性と企業の技術力をアピールして欲しいと思います。
なにより、首相、外務大臣、財務大臣、防衛大臣、日銀総裁、メガバンクの頭取は全員語学が堪能でちゃんと日本をアピールできる人になってもらいたいです。サミットの度に担当が変わっている国なんて世界で信用されません。世界はどうせ日本は米国のお財布ぐらいにしか思っていないのでしょう・・
日本の金融は体力があるうちに、大証を先物市場をCMEグループと合併するなどしてアジアの先物市場の地位を確立すべきだと思います。このチャンスを逃すと中国が上海か天津に先物市場が登場してその地位も危なくなるかもしれません。香港もシンガポールもアジアのオフショアですが小国ですし、自国の通貨はハードカレンシーにペックしているだけなので、円というハードカレンシーを持つ日本は優位性があります。
しかし、どのニュースも株価の下支えは個人投資家頼みのようなコメントですが、運用のプロこそ企業価値が割安の時に積極的に投資して将来のリターンのために仕込んでほしい。自国の国民や金融機関が購入しない魅力のない株式市場を海外の投資家は投資しようと思わないのではないでしょうか・・
日本株は引き続き様子見・・
ヘッジファンド業界
The Wall Street Journal : Hedge Funds On Congressional Hot Seat
著名ヘッジファンド・マネージャーが米下院に招かれてヘッジファンドが金融市場へ与える影響について質疑が行なわれました。招致されたのは。ジョージ・ソロス氏、ルネッサン・テクロジーのジェームズ・シモンズ氏、シタデルのケン・グリフィン氏、ハービンジャーのフィリップ・ファルコン氏、ポールソンのジョン・ポールソン氏など。
公聴会に呼ばれた5人は「現在の金融危機の原因はヘッジファンドではない。ヘッジファンドに対する過剰な規制は金融システム全体にとって不利益である」と見解。ヘッジファンドの情報開示の推進、CDSなどデリバティブ取引における公的なクリアリングハウスを創設することに支持を表明。
ヘッジファンドはいかにして市場の下落を乗り切ったのか? という問いに対して
「入念な準備をして格付け会社に頼らない、流動性を維持する」と説明。
シタデルのグリフィン氏は「ヘッジファンドにポジションの開示を求めるのは、コカ・コーラに製造法の開示を求めるのに等しい」と語っております。
市場でリスクをとる人達がいるから取引が成り立っているわけで、ヘッジファンドを金融危機の犯人にするのはおかしいように思います。投資家としてポジションの開示は求めませんが、レバレッジは報告しておいたほうがいいかもしれません。CDSも相対取引などにせずに取引所で取引すればリスクコントロールが可能になるのではないでしょうか・・
ヘッジファンドの45日ルールは、既に10月上旬の時点で解約申請は3カ月かかるとのレターが届いているので、報道されているよりも売りの影響がないと思いますが、FOHF(ファンド・オブ・ヘッジファンズ)は規制により解約に応じなくてはならないので年内に清算する運用会社が増える見通し。
ヘッジファンドに見習うべき点は、格付け会社の判断だけに頼らず、視点を変えて分析を行なう必要性です。そして今回の金融危機で改めて確認したことは、投資は「流動性」が大事だという点です。
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FT: 中国が必要とする経済改革 11月13日
FT:China needs a true change of course
中国はこれから2年間で総額5,860億ドルの景気刺激策を発表しました。住宅、上下水、災害支援、交通などの整備ですが、FTは「中国が必要なのは鉄道などではなく中国の経済モデルの再設計を必要としている」と伝えています。中国の経済成長は消費を犠牲にして輸出と投資によって支えられておりますが、国内需要は低い状況です。社会保障がないため、可処分所得の1/4近い金額が預金になっております。「中国の景気刺激策は正しいが、公共事業だけに集中し、国民の消費増強を視野にいれなければ改革の機会を失う」と指摘。
今回の中国の景気刺激策は既に5カ年計画で発表されていることであり、輸出が回復するまでのつなぎ的な刺激対策として発表されたと思えなくもありませんが、日本の景気刺激策よりもはるかに世界にインパクトがありますし、今週末にワシントンで行われるサミットでも世界経済を牽引するプレイヤーである存在感をアピールできると思います。
株式市場が反発局面では、アジアのインフラ関連企業の株式は上がりました。 インフラ関連では、Invesco Asia Infrastructure や DWS Invest Global Infrastructure といったファンドがあります。インフラ関連では日本企業は技術力がありますが、これだけ円のボラティリティが高いと海外の機関投資家は保有に躊躇するのかファンドの組み入れ比率は低いです。
ヘッジファンド業界
大手ヘッジファンドがマイナスリターンを記録し、償還を延期する手紙を投資家に送っています。市場がすでに底を打ったと認識する向きもありますが、 Market Watch: Hedge fund managers "funereal" in midst of crisis の記事によれば、Hayman AdvisorsのKyle Bass氏は、
"There will be a time to buy stocks," he added. "That time is a few years into the future when the strong have separated themselves from the week ... a time when unemployment has hit 10% and U.S. GDP has dropped 4-5% (maybe more)."
「購入時期は、今後訪れることになる。それは、米国で失業率が10%を付けて、GDP(国内総生産)が4ー5%(あるいはそれ以上)に減速した後になる」と述べています。
こんな状態が続くと米国は戦争でもするのではないかと心配になってきます。個人投資家にとっては買い場が続くのかもしれません。これだけボラティリティがあると購入タイミングが難しいのでファンドの積立投資を継続。
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domein-b.com : ノルウェー年金基金 インド株への投資 11月03日
domain-b.com ノルウェーの年金基金 インドへの投資
Norwegian pension fund Global to invest $2 billion in Indian stocks news
ノルウェー年金基金、今後3カ月でインド株式市場に20億ドル投資へ
「ノルウェーの年金基金グローバルは、20億ドル規模の資金をインド株式市場に投下する見通し。新規投資は、来年1月までの今後3カ月で実施される見通しという。ノルウェー財務省のThorvald Moe副局長によれば、同国年金基金によるインドへのエクスポージャーは0.2%引き上げられ0.94%とされ、したがって基金は、20億ドル規模の資金をインド株式市場に投下することが可能となっている」
年金運用として日本が見習いたいのがノルウェーといわれております。多分、1つのセクター(地域)へのエクスポージャーを2%以下にしていると思われますが、エマージング諸国の中のインドへの比率を上げても1%以下です。この記事は、将来の年金あるいは安定運用を目指す個人投資家の方にはエマージング諸国の1つの国への投資比率は参考にしたいところです。
=日本企業は様子見
先週の反発を受け、日本株市場は底入れをしたという意見も多いですが、米国のGM、スイスのUBSの決算発表と下落の火種がまだあります。とくにUBSの決算発表が予想以上に悪ければ、避難場所であるスイスフランが売られ、残る円が買われ、円高になる可能性は否定できません。日本では円高は輸出企業が多いので売り要因ですが、通常は海外の機関投資家からすれば円高は利益確定売りです。
ただ、いつも思うのはホンダのようなグローバル企業は現地決済をしているのでそんなに為替を気にすることはないのではないかと思われます。ここまで日本の株式市場に海外機関投資家の比率が増えたのは、日本の金融機関が円高=グローバル企業の株式を売り、そして売られすぎて企業価値が割安になった株式を海外の機関投資家が積極的に購入していった蓄積のような気がいたします。
= レッドクリフ(赤壁)
香港からの帰りにキャセイ航空で見たのですが字幕が中国語だったので劇場に足を運びました。三国志は日本の忠臣蔵と同じように中国でも”義”が好きな人が多いのに、実際の中国人の行動は“お金を信じる”人が多いのはなぜなのでしょう?? 中国の美人は”傾城の美女”といわれるように、国を傾けるくらいの大きな戦が美人のバロメーターになっています。
先週、HSBC が1株80HKDを下回って予想配当利回りが9%になり円高だったこともあり追加購入しました。HSBCは現在保有する個別企業で筆頭になりました。中国共産党は諸葛孔明のように今回の金融危機による株式暴落の風の向きを変えることはできるのでしょうか。
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