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林知之
うねり取り 基本と実践 1963年東京都杉並区生まれ。1976年から商品のサヤ取りを始め、相場の世界に入る。FAIクラブの誕生とともに株式へ移行、証券会社3社で営業を経て、2000年に林投資研究所の代表取締役に就任する。
一般社団法人投資顧問業協会において、業務第五部会員、自主規制第五部会員、関東部会幹事を兼任。
『林知之の相場「確信ある自分流」』

損切りより利食いが難しい!?

09月29日
ダメ玉を抱えていても、いいことはひとつもありません。

  • 資金がムダに寝る

  • 別のチャンスを逃す

  • 売買のリズムが崩れる

  • 「取り返そう」とリキむ

  • 酒がまずい

  • なにより気分がわるい


ということで、「いかにして、必要な損切りを的確に実行するか」が私たちプレーヤーの課題と考え、そこにフォーカスしたテクニック情報が意外と多いのです。

損切りを実行する際に感情がジャマするのは間違いありませんが、冷静に考えると、利食いのほうが難しいと思うのです。

その理由は……

損切りは、「ダメだ」と思う銘柄とサヨナラするだけ。当然の行動です。
「こいつとは一緒にいたくない、会いたくない」という人と距離をおくことです。

対する利食いは、自分の優秀さを証明しているポジションを消し去る行為。
たとえるなら、ラブラブの恋人との別れ。天井圏での見事な利食いは、そんな恋人とクリスマス直前に別れてしまうこと。

だから難しい!

このたとえ、思いついてから繰り返し使って気に入っているのですが、いまひとつウケません。「はあ、なるほど」と言ってくれるのですが、期待ほど笑ってくれる人がいないのです。

でも、ちょっとニヤッとしてやろうか、という人は、思い出したときにでも動画を見てください。


損切りより利食いのほうが難しい(林投資研究所YouTubeチャンネル)


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ためし玉

09月28日
新たにポジションを取る(新しい銘柄を手がける)ときの、細かい方法を考えてみます。

タイミングは人それぞれですが、根底に「ためし玉」という発想をもっているでしょうか?

例えば「合計500株買う」計画、とします。
狙って狙って「ここだ!」と、500株を1本で買うのではなく、「まずは100株」というのが、ためし玉です。

超短期の売買では、仕掛けも手仕舞いも単発的になりがちです。
でも通常、ためし玉は、値動きへの対応をスムーズに行うために必須です。

食べ物を買うときの試食、車を買うときの試乗と同じです。
その銘柄になじみがない状態だし、なにより予測(想定)が当たる保証はないので、値動きを見て「本格的に仕込むかどうか」を決めるのです。

いや、すでに真剣に見ているよ──こんな反論もあるでしょうが、ポジションがない状態と、たとえ100株でも現実にポジションを取った状態では、まったくちがいます。ホンモノの臨場感がある状態で、さらに真剣に値動きを観察して出処進退を決定するのです。

「あっ、早かったか……」とか「見込み違いかもしれない」といった場合には、株数が少ないうちに撤退して、もういちど入り直すことができます。

中源線建玉法では、3分割の1回目が「ためし玉」に相当します。

うねり取り練習帖、第15回(パンチャンネル)
中源線建玉法 基礎講座 第3回
3分割によるドテン売買(試し玉と本玉)



最初がためし玉、「いける」と判断して増やすのが本玉──必然的に、「分割売買」が基本形です。


プロの技法の第一歩は「分割売買」だ(林投資研究所YouTubeチャンネル)



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再投資の正しい計算

09月21日
株式投資・トレードのデータは、すべて数字で処理できます。
だから「計算」に頼ることが多いのですが、誤った計算をするケースもあります。

「300万円の資金が6カ月で10%増加した」という状況を考えてみます。

6カ月で30万円の利益が出た、資金が330万円になった、ということですが、この時点で「資金は330万円だから、ポジションサイズを10%アップする」というのは正しいのでしょうか?

計算上、誤りはなさそうですが、疑問は残ります。

上手下手に関係なく、その時々で、利益が先行したり損が先行したり……偏りはゼロではないでしょう。

今回挙げたケースでは、「6カ月で10%利益」→「残りの6カ月も10%利益」と計算しているわけですが、『6カ月で10%利益、残り6カ月で3%損失、年間7%利益のトレード』かもしれないのです。

株式投資・トレードの結果は、「一定期間」で確認しなければなりません。
自分の都合で「6カ月」と区切りをつけたとしても、それが正しい一定期間なのか──。

正確な計算はできないでしょう。
せめて「資金が1.5倍になったら株数を増やしてみる」くらいが、実践的でまちがいのない設定のはずです。
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目標株価

09月17日
おすすめ銘柄の「目標価格」という表現、よく目にしますね。
これについて、もの申したいと思います。

ひねくれの揚げ足取りに聞こえるかもしれませんが、売買(トレード)を実践するうえで生じる錯覚、きわめてデリケートな狂いについて考えておきたい──これがテーマです。

目標とは、「行動において実現・達成を目指す水準」です。
つまり、自らの努力で「ここに到達したい」「こういう状態になりたい」と考え、モチベーションを維持するための“目じるし”ですよね。

でも、株価って、自分の努力がおよぶものではありません。
株価操縦(違法行為)をしているなら、話は別ですが……。

もちろん、「この水準までは上がると予測する」って意味なのは理解できます。
ただ、「目標」という表現によって、「そこまで売らずに頑張るんだ」と固執して売り場を逃すとか、実は期待以上の勢いが出てきたのに売ってしまうとか、そんなこともありそうです。

トレンドの継続を見極める、株価上昇の勢いを読む──こういった観点が薄まって、チャートのタテ軸(価格)のみに目を向ける姿勢は、つくりたくないのです。

私も「値ごろ感」を抱えて売買します。
でも、頼りすぎずに「トレンドがつづくか」「トレンドが転換しそうか」といった観察を怠らないようにします。

それで当たる、と言いきったらウソですが、迷いや後悔のない決断をするために、大切にしています。
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まずは投資家の上位10%に

09月16日
株式投資で勝つのは、マーケット参加者の数%といわれます。

上か下か……こう考えると勝つのは50%ですが、継続的に行うことで大きな損をして退場、というケースが多いのです。

実売買で成績を競う、トレードコンテストに参加することを想像してください。
あなたを含めて合計100人の競争です。

トップの人たちは、本当に上手か単なる偶然かを別として、積極的にトレードして素晴らしい成績を出すはずです。でも、下位の人たちは……うまくいかずに損切りがつづき、「取り返そう」とムリして損が膨らむという悪循環でしょう。

では、いっさいポジションを取らずにいたら、どうなるでしょうか?
トップ5に入ることはゼッタイにありませんが、もしかしたらトップ10にギリギリ引っかかる可能性はありそうです。

統計を取ったわけではなく、単なる肌感覚の想像ですが、この“仮説”を業界の人たちに話すと、みな口をそろえて「あるかもね」と答えます。経験によって、「負けないこと」「生き残ること」が重要だと強く認識しているからです。

何もしないでいるなんてバカげた話ですが、ちょっとおもしろいアプローチです。たまには、目の前の値動きから離れて、ちょっと哲学してみませんか?

ガラッと視点を変えて株式投資・トレードをの本質を考える私の著書です。

プロが教える株式投資の基礎知識 新常識



フリーアナウンサー大橋ひろこさんが、この本の感想を語った動画もあります。


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この相場で何を買うか

09月14日
日経平均3万円、TOPIXはバブル期以来の高値更新──。

投資家なら誰でも、プレーヤーとしてソワソワします。
当然のように、個人投資家をあおる情報が飛び交います。

でも、個別銘柄を丁寧に見ると、まだまだ局地戦だということがわかります。

それから、自民党総裁選とからめた相場解説も多数ありますが、政治と株価の関係を証明する理論はありません。条件を限定すると「相関関係」があるかもしれませんが、少なくとも「因果関係」は説明できないのです。取って付けたような開設に目を向けず、切り離して考えましょう。

そもそも、ほとんどの解説は、東証一部の約1割の銘柄だけで算出する、日経平均という数字です。手っ取り早いのですが、考えてみれば実に無責任な内容です。

さて、個別銘柄について「局地戦」と述べました。
上昇して、高値で値もちのいい銘柄が再び上昇する動きが目立ちます。こういった銘柄に“ついていく”のが意外と手堅かったりするのですが、あえて出遅れ銘柄にも目を向けてみるとおもしろいと思います。

動きがわるいから出遅れ……だから、安易に「出遅れ狙い=手堅い」なんて固定観念をもたず、「ホントにくるの?」と疑いながら検討するのが正解ですが、物色の対象が広がって循環の流れが出る可能性もあります。

こんな観点で、個別銘柄を取り上げて解説したのが、昨日のYouTube動画です。ぜひ、ご覧になってください。

逆張り好きの売買戦略〜春高銘柄が狙い目?!



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プロのトレードでは「ゴメンナサイ」が有効

09月13日
テレビでテニスの試合を見ていると、サーブが外れる(フォールトになる)ケースが非常に多いと感じます。
テレビに映る超一流の選手たちは、ほぼ100%の確率で枠の中にサーブを打つことができるのでしょう。でも外れる……バシッと打たないと、勝負に勝てないからです。

世の中には、相手がいなくても、うまくできないケースがあります。
例えば、2メートル先のかごに、ほぼ100%の成功率でボールを投げ入れられるとしても、一発勝負で「入れたらご褒美」「外したら晩メシ抜き」なんて条件をつけられただけで、ビビって確率が落ちますよね。

床に幅30センチでテープを貼り、その中を歩く。カンタンですよね。
でも、高さ10メートルの場所に渡した幅30センチの足場板の上を歩けと言われたら……コワくてできません。

ここで、トレードの現実を考えてみます。
上記の例と同じで、「勝負がかかっている」「(カネのことだから)非常に緊張する」状況で売り買いを決めなければならないのです。
しかも、選択肢は無限にある……未知の未来に向けて「さあ、決めなさい!」と迫られるので、ミスをするのが当たり前なのです。

ティッシュ配りをして、何%の人に受け取ってもらえますか?
街で女の子をナンパして、何%の人が首をタテに振ってくれますか?
食品売り場の「試食」なんて、販売員としては「疑う余地なくおトク。なんで食べてくれないの?」というところでしょうが、多くの人は素通りします。

まあ、仕事でもなんでも、成功率は意外と低いものです。それでも、「そんなもんだよね」と片づけて次のステージに進んでいるはずです。

相場の見込み違いなんて当たり前、ちがったら「ゴメンナサイ」とひと言、そしてサッと対処して次のトレードにそなえればいいのです。
力を入れるのは、「当てる」ことではなく「対応する」ことです。
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“真の理想”を求めよう

09月10日
一般的な投資家に「あなたのゴールは?」と質問すると、「稼げるだけ稼ぎたい」なんて、オトナとしては不十分な返答が多いそうです(『凄腕ディーラーの戦い方』巻末対談、坂本慎太郎氏の言葉)



私も多くの投資家と接する中で、「的中率9割を実現したい」とか「資金を毎年2倍にしたい」なんてムチャを言う人が多いことを経験してきました。

値動きをビシッと言い当てることができたら素晴らしいのですが、不特定多数の投資家が同じ土俵で競争しているのですから、さすがに絵空事といわざるを得ません。
「最安値を買う」とか「最高値を売る」なんて、たった1回でも偶然に頼るしかないのです。

私が提唱するのは「50%」という数字です。
いろいろなものに、この「50%」を当てはめるのです。

  • 「買いだ!」と確信して、その通りの結果になるのは50%。

  • そこそこの幅で動いたとき、値幅の50%取れればサイコー!

  • 資金全体をうまくコントロールするには、稼働率の上限が50%。

  • 「いけるかな」と感じる場面でも、出動を50%に抑えてちょうどいい。

  • 「この情報はスゴいかも!」と思っても、話半分、50%に評価する。

  • 「この銘柄は1万株買いたい」と思っても、50%の5千株にしておく。


クソつまらないと感じることでしょう。
でも、日々カネの取り合いが演じられる株式市場で、それなりの結果を出そうと考えるならば、これくらいの力加減が適切、真の意味での「理想」なのです。

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平均の落とし穴

09月09日
経済紙の「市況解説」記事など、多くの株式市場の解説は、「まずは日経平均の変動、そして水準」を語ることからスタートします。この部分を素直に受け入れた時点で、情報弱者、情報難民だと断言します!

平均は、単なる“中央値”です。
「日経平均」は、構成する225銘柄それぞれの変化を正確に表現していません。極めてざっくりと、「株が総じて高ければ日経平均の水準も高い」と説明できるだけで、実践では利用価値のない観点です。

私はよく、学校のテストの成績にたとえます。
数学が50点、英語が50点だったら、平均は50点です。
次のテストで、数学が0点、英語が100点だったら……平均は前回と同じく50点です。

数学が0点になったのも“事件”ならば、英語が100点になったのも“事件”ですが、平均は前回と変化なし・・・。

日経平均そのものがトレードの対象ならば(株価指数先物あるいはETF)、構成する225銘柄を見る方法と、日経平均そのものを見る方法、どちらも考えられます。
でも、トレードの対象が個別銘柄だったら、日経平均を見る意味はゼロ、いやマイナスの効果しかないのです。

どの銘柄でも、日経平均との動きのズレは、その時々でまちまち。だから、「先行指標にはなり得ない」のです。

「本日の株式市場、日経平均は○○○」ではじまる、雑で無責任な解説には警戒しましょう!
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【データ料が完全無料】チャート・ギャラリー(パソコンソフト)

09月02日
株式市場は公設の場です。
したがって、「株価」というものは、取引所が所有する独自データというよりも、“社会の共有財産”と考えることができます。

しかし、ここまでデジタル化が進んだ現在でも、個人投資家が株価データを手軽に手に入れる手段がありません。とてもザンネンです。

以前、パン社の後藤社長が言っていました。
「データはいずれ無料になる。だから、データの分析方法だけが価値を生む」

今でも納得の観点ですが、取引所がデータ販売を大きなビジネスと位置づけている現状では、多数の銘柄の株価を、継続的かつ安定的に入手するのが困難です。

そんな状況のなか、パンローリング社のパソコンソフトは、後藤社長の考え方を色濃く反映し、購入すれば日々のデータ料は完全に無料です。

最も安い「チャート・ギャラリー スタンダード」を買えば、追加料金なしで、パソコン内に株価データを蓄積しておくことができます。



ちなみに、林投資研究所の「FAIクラブ」で作ったExcelシート(ダウンロード無料)を使えば、パソコン内のパンローリングソフトからデータを抽出してカンタン管理が実現します。

ダウンロードに、登録などの手続きは不要です。
Excelシートをダウンロード



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【投資の基礎を学ぶ】億トレIII(実践家インタビュー集)

09月01日
例えば「ボールの投げ方」を、完全なマニュアルにすることは不可能です。
原則を教わり、あとは本人が実践して“つかむ”しかありません。

相場はどうでしょうか。
市場の値動きが極端なので、ほかのどの分野よりも“自分でつかむしかない”部分が大きく、「これで儲かる」なんて数式を求めても迷走するだけです。

いわゆる正解がないなかで、見本とすべき実践家たちはなにをしているのか──。
まさに十人十色、ひとまとめにできないのですが、共通しているのは「自分のこだわりを貫いている」ことでしょう。

「そこにこだわる?」と疑問を抱いたり、「そこまでやる?」と驚く内容もありますが、実践家の内面に触れるうちに「自分はこうしよう!」という自然な感覚が芽生えるものです。

相場師インタビュー集第三弾『億トレIII 〜プロ投資家のアタマの中〜』に登場する目玉の人物は・・・

林輝太郎──私の実父が、じっくりと半生を振り返りました。他界する6カ月前にインタビューした内容です。

若林栄四氏──為替の世界で著名な人ですね。なかなかヘンタイのこだわりは、読みものとしても楽しめます。

プロギャンブラーのぶき氏──なぜギャンブラーなのか? 彼が計算づくで行うシゴトとしてのギャンブルは、相場の世界にいる人間(プロからアマまで)がそのまま見習うべきものとして必読です。

照沼佳夫氏──完全な素人レベルから独学で相場研究を行い、ちまたの法則をすべて自作プログラムで検証した結論はなにか?

ほか、タイプも思想も異なる合計10人の実践家が本音を語っています。




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