戦略コンサルタント&ベトナム株道先案内人 福森哲也
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株式会社STIサポート代表取締役/コーポレイトディレクション(アジアビジネスユニット)シニアアドバイザー/アサヒ衛陶(東証2部)常務取締役他。
日欧の戦略コンサルティング会社にて、“第2の創業支援”プロジェクト(上場前後のベンチャー企業/中堅・準大手企業/地方有力企業)や M&Aプロジェクトに数多く従事。その後、上場ITベンチャーの執行役員や大手家電グループ企業の経営会議メンバーを経て、独立。現在は、企業内部に入り込む形での上場・未上場企業の“第2の創業支援”と、ベトナムを中心としたアセアンでの“事業&人材開発”支援に注力している。
ベトナムとベトナムビジネスの入門書『ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版)は、2012年に出したミャンマー・カンボジア・ラオス版と共に、アジア事業担当者・駐在員に幅広く活用されている。また、日本にベトナム株投資を最初に紹介した『日本人が知らなかったベトナム株』(翔泳社)などもある。
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福森哲也のベトナム株投資
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ベトナムの真実090224 02月24日
昨年旧正月前からの金融引締めの影響で取引価格の下落が始まり、昨年後半の世界金融危機の影響で取引自体が停滞してしまっているベトナム不動産市場ですが、新たな動きも始まっています。
一つは、銀行の担保には入っている優良不動産を安く仕込む投資ファンドの組成です。銀行との強いパイプを有する現地のファンドマネジメント会社が海外投資家に打診を始めており、強い関心を寄せている海外投資家も出てきているようです。当然ながら日本の投資家への高い期待を現地の投資ファンド側では持っています。強い円や、決定までは時間がかかるが決定後はきちんと計画通りに投資を行っていくジャパンマネーへの信頼と期待が日に日に高まっています。
また、優良高額不動産物件を大幅な値下げをして販売する動きも出始めました。比較的体力のある上場不動産開発会社では、不動産価格高騰前に仕入れた土地に建てた高級コンドミニアムの販売価格を40%以上(平米単価2300ドルを1350ドル)引き下げる、大幅値下げキャンペーンを行っています。大幅値下げにも関わらず30%〜40%の荒利は確保できるとのことで、現地での反応も良いようです。すでに100件を越える契約とさらに100件を越える予約も入っているようです。適正(何が適正なのかは難しいですが)価格だと思われれば、買い手は動く状況ではあるようです。
旧正月前にベトナム特有の縁起物の盆栽が1億円円近い価格で取引されたニュースが話題になっていましたが、まだまだお金を持っている層は十分にお金をもっているようです。「ホーチミンのメイン通りにはドイツの大型高級車が日本よりも沢山走っている」と先週訪越していた日本の上場ベンチャー企業の社長がびっくりしていましたが、現地の高級レストランや寿司レストランも、食事を楽しむベトナムの人の熱気で今日も大いに盛り上がっています。
ヘンカップライ
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”すし鮑”&”牛丸”&”ヨシカミ” 02月20日
緊縮財政の中、今週はかなり贅沢な時間を過ごしてしまった。。。反省!ごめんなさい、財布さん。。。
水曜日に打合せで築地の朝日新聞に行き、1時間半ほどベトナムの魅力を新書編集の友人に話し、5時半に大きな建物を出て、築地の方へテクテク。閉まったお店の中でちょっとそそられる店構えのお寿司屋さんが見え、ついつい中へ。こじんまりとしたお店だったけど、感じも良くて、久しぶりに回っていない真っ当なお寿司を堪能。頭の中のイメージよりも3000円ほど高いお会計をして退出。少し残念な感じ。。”築地黒瀬 すし鮑(ほう)”
木曜日は仲間で美味しいものを食べようという定例のSの会が神楽坂で。毎回遅刻する仲間が幹事なので、8時開始(それでも幹事は1時間遅刻)。私と幹事が前から気になっていた”牛丸”さんで、特別コースを堪能。しかも2千ほど安い特別価格!美味しい牛さんと、美味しい赤ワインさんと、政治(簡保の宿の総務大臣は本当に???)や経済の話、ベトナムの夜の話(ハノイとホーチミンの違い・・)など、女性2人と野郎4人の会は大いに盛り上がり、神楽坂で20年、「牛のことしかわかりません」という大将に見送られて、最後の客として帰路につく。グループでも、デートでもOKなのではないでしょうか。美味しかったし、雰囲気も良かったし。楽しい会でした。
今日は、11時半に蔵前で打合せが終わったので、テクテクと”ヨシカミ”へ。既に行列でへこんだが、実は11時45分のオープン前の行列でした。すぐにお店が開いて、カウンターへ。ハヤシライスはGOODでした。前回同じ会社の昼前の打合せの時は、昼から”駒形どぜう”にしけこんでしまったが、今回の”ヨシカミ”も良い選択でした。満足!
*WebTVにも出ています。今週のランキング3位です!
http://www.worldinvestors.tv/
ヘンカップライ
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沸騰都市 シンガポール 02月16日
昨晩、NHKスペシャルの「沸騰都市 シンガポール」を見ました。小国が生き残っていく上での国家戦略が非常に明確で、国家戦略に基づいた優秀な外国人人材の獲得(リクルート)に邁進している姿が伝えられていました。自分の生まれた国ながら、すごいなと思います。もし、あのまま親が日本に帰国しないでシンガポールに定住していたら、自分の人生ってどうなったいたのかなと考えてしまいました。
投資会社を経営している友人は、昨年日本からシンガポールに家族と共に移り住み、シンガポールを拠点に日本・ベトナム・カンボジア・タイ・オーストラリアを飛び回っています。再生医療のベンチャーを立ち上げていた別の先輩は、やはりシンガポールにも拠点を設けて、そこを中心に事業展開を画策しています。シンガポールは1億円相当を持ってくれば、無条件で永住権をくれるようです。日本―ベトナム―シンガポールの3拠点展開に向けて、耐えるところは耐えて、頑張っていかなくては思った夜でした。
工事現場での労働者やハウスキーピングの女性に対しては、徹底的な管理と永住防止策をシンガポールは実施していました。単純労働の女性は、毎年(?)の妊娠検査で妊娠が判明すると国外退去処分になるとのことです。でもルールが明示されているので、不満はないようでした。
単純労働者が世界金融危機の影響で解雇されている現状に関して質問されたりー首相が、『外国人労働者はシンガポールにとって、経済状況の変化時のバッファー(調整弁)になっている。シンガポール国民に選ばれている、シンガポールの首相として、まずはシンガポール国民を守るのは当たり前だ』と明確に述べているのが印象的でした。その後に、どこかの国の財務大臣が記者会見でヘロヘロになっている(薬?酒?脳内疾患?)のを見たので、余計に印象的でした。
ヘンカップライ
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ベトナムの真実090109 02月11日
2月1日より、ベトナムの基準金利は1.5%引き下げられて7%になりました。貸出金利の上限は10.5%です。この大幅な金利引き下げが旧正月明けの株式市場(2月2日〜2月6日)にどう影響するか注目されましたが、ホーチミン市場のインデックスは7%超の下落で終わりました。
市場の関心は、2008年度の決算内容や今回の決算で表面化しつつある幾つかの上場企業/有力未上場企業の過去を含めた決算内容の信頼性に移っているように感じられます。現在、ホーチミン市場上場企業では、バク・トゥェト・コットン(BBT)が、過去の粉飾決算で上場廃止の危機を迎えています。また、今回の決算で株主資本を越える赤字額を発表したチベコ飲料(TRI)が国家証券委員会の調査下に置かれています。第4四半期の速報値と監査済み決算値にかなり大きな差が出る企業が増えそうなことも、現地投資家心理に影響しています。
そんな中で、外国人投資家は、売り・買い共に売買代金の20%弱のシェアを占め、63億ドン(3500万円程度)の買い越しとなっています。売り・買い共に、ビナミルク、ペトロベトナム・ドリリング、ファーライ火力発電、ペトロベトナム化学肥料、FPTなどの時価総額上位銘柄に集中しています。
今週は、皇太子様のベトナム公式訪問(昨年の日越国交樹立35周年及び今年の日メコン交流年などにより実現)の週です。ハノイ、ダナン、ホイアン、フエ、ホーチミンの各都市を訪れるかなりハードな日程ですが、ベトナムにとっては非常に嬉しいご訪問です。麻生総理大臣が、「アジア経済の支援のために1兆5千億円以上のODA(政府開発援助)を提供する」ことを発表していますが、贈収賄事件のために現在凍結されているベトナムへのODAが早く再開されることが期待されます。
ヘンカップライ
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ベトナムの真実090204 02月04日
1月26日からの旧正月休暇も終わり、2月2日からベトナムでは本当の意味での2009年度が始まりました。丁度1年前は、それまで2年間安定していた基準金利(商業銀行によるドン建て貸出金利の基準)を年間8.25%から8.75%に引き上げ、経済成長よりもインフレ対策を重視するメッセージを明確にした国家中央銀行でした。そのため、「旧正月明けから株式市場は回復するだろう」という、株式市場関係者の一致した楽観論が吹き飛ばされ、旧正月明けからベトナムインデックスの底なし急落が始まりました。
ベトナムの基準金利は、その後も順次引き上げられ、08年6月には14%になりました。「経済成長よりもインフレ抑制を最優先するというベトナム政府の賢明な決定」とゴールドマンサックスのリポートが賞賛をしていました。ベトナムでは、貸出金利の上限が基準金利の1.5倍と定められており、7月には実際に上限の年利21%での貸付が実施されていました。
その後のアメリカ発の世界金融恐慌の広がりの中でも、なかなか基準金利の引き下げへの政策転換を決断できずにいたベトナム国家中央銀行でした。08年10月21日になって、14%から13%への引き下げを決定し、11月・12月も数度にわたる引き下げを行いました。そして、12月22日に1.5%の大幅引き下げを行い、基準金利8.5%で09年1月を迎えていたのです。
そして、2月1日より、基準金利はさらに1.5%引き下げられて7%になりました。貸出金利の上限は10.5%です。旧正月前に300ポイントで小康状態だったベトナムインデックスがこの大幅利下げにどのように反応するのか、今週の市場を注視しておきたいものです。
月・火の2日間は、利下げには全く反応せず、業績や監査・決算の不透明さへの嫌気から続落しました。あっさり300ポイント割り込み、288ポイントまで下がっています。このまま今週は下げ続けるかもしれません。
ヘンカップライ
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