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戦略コンサルタント&ベトナム株道先案内人 福森哲也
株式会社STIサポート代表取締役/コーポレイトディレクション(アジアビジネスユニット)シニアアドバイザー/アサヒ衛陶(東証2部)常務取締役他。

日欧の戦略コンサルティング会社にて、“第2の創業支援”プロジェクト(上場前後のベンチャー企業/中堅・準大手企業/地方有力企業)や M&Aプロジェクトに数多く従事。その後、上場ITベンチャーの執行役員や大手家電グループ企業の経営会議メンバーを経て、独立。現在は、企業内部に入り込む形での上場・未上場企業の“第2の創業支援”と、ベトナムを中心としたアセアンでの“事業&人材開発”支援に注力している。 ベトナムとベトナムビジネスの入門書『ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版)は、2012年に出したミャンマー・カンボジア・ラオス版と共に、アジア事業担当者・駐在員に幅広く活用されている。また、日本にベトナム株投資を最初に紹介した『日本人が知らなかったベトナム株』(翔泳社)などもある。

福森哲也のベトナム株投資

ベトナムの原子力発電(原発)

05月17日
自民党の原発利権を引き取ろうと仙石元官房長官中心に積極的に働きかけたベトナムへの原発の輸出はどうなるのでしょうか?政官財の癒着を突き崩して真の意味での政治主導をするのであれば、民主党は(事業仕分けなどというパフォーマンスではなく)原発の利権構造にこそ真っ先にメスを入れるべきだったのにと、今更ながらですが想います。自民党政権よりも更に原発中心のエネルギー戦略を策定して、海外にまで利権構造を輸出しようとして・・・

最近のやっと報道されるようになっていますが、官庁の作る資料の数字は全て結論をサポートするための数字です。ベトナムに提示している提案書の数字も全てそういった数字が使われているのでしょうし、そもそも賄賂など利権構造に染まりやすいベトナムですから、『日本で成功した原発利権構造』の丸呑みに走りそうで怖いです。政府&共産党と最大手国営グループ(ベトナム電力グループ=EVN)での強固な原発利権トライアングルなどが一度できてしまったら、日本と同じように苦しむのは一般国民(しかも地方の貧しいエリアの農民・漁民)になっていくのでしょう。原子力の技術の輸出は未だ許せるとしても、利権構造の輸出は止めて欲しいです。それでなくても、EVNは巨額債務が財政状況の悪化が表面化して社会問題化(第2のベトナム造船総公社)していますし。

東日本大震災を受けて、ベトナム中部でも津波からの避難訓練などが始まっています。でも、大型台風が来たら普通に海岸近くは浸水してしまう国です。どこに原発を建てるつもりなのでしょうか?今日の日経新聞にも書いていた様に、風力や最新式の水力、太陽光など、白紙からのスタートのベトナムならできるエネルギー戦略があるはずだと思う今日この頃です。白紙から絵を描ける東日本とベトナムが、過去の利権に囚われない、次の世代に誇れるエネルギー社会になっていくことを願うばかりです。

ヘンカップライ

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ベトナムに想いをはせる日本の若者たち

05月12日
昨日新橋で、日本の企業家精神を持った若者たちとベトナム、もしくはベトナムに進出を考えている日本の中堅・中小企業との橋渡しをしようとしている若者グループと会食をしました。それぞれ一流大学を出て、一流企業に勤めている/勤めていて既に脱藩して起業をしている男性4名、女性1名。人材開発&モチベーションエンジニアリング会社の講師の仕事で知り合った女性と拙著『ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本』が縁結びをしてくれた会合でした。その場に言ってみると、もう一人同じ仕事で知り合った男性もいて、他のメンバーともゆる〜い感じではそれぞれ接点が重層化して存在しており、なんとも縁(えにし)って面白いなって感じでした。

それぞれ今の仕事も一所懸命やりながら、日本の”人”の問題やアジア/ベトナムへの関わり方を真剣に考えていて、非常に楽しい時間を過ごしました。あっという間の3時間でしたが、こういう若者たちが増えていってくれているとしたら楽しみです。

前回の訪越時にも、拙著を読んでベトナムに来たので一度会いたい、という大学を出たばかりの若者と会いました。仲間と二人でベトナムとカンボジアを回り、飛び込みや本・WEB情報などで現地で頑張っている日本人を訪ね歩いて、カンボジアで起業することを即断していました。即断が良いかどうかは議論が分かれるところではありますが、まずは現地を歩いて・飛び込んで・やってみて、それから必要な修正は柔軟に行っていく姿勢は評価できるかと思います。ベトナムでも、「日本人は、調査・研究はずっとしているけど結局何も決断しない人たち」とレッテルを貼られてしまっていますが、新しい世代の日本人たち(ある意味では、失うもの《=経済大国とか、終身雇用の保証された大企業エリートコースとか》が少ない世代)が変えていってくれるかもしれません。

ヘンカップライ



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ベトナムでの光ファイバーインターネットサービス

05月10日
信頼しているベトナム人若手経営者(グリーンサン社のベト社長)のメルマガからの転用になりますが、現状のベトナムのIT・通信事情の一環を知る手がかりとして。。。

『4日付のベトナム紙アイシティニュース(電子版)によると、CMC技術グループ傘下の通信インフラ会社「CMCTI」はこのほど、FTTB(光ファイバーを加入者の建物まで引き込む形の通信サービス)の光ファイバーインターネットサービス「GiganetB」を正式に開始した。
CMCTI社は既にいくつかのビルの地下にある機械室に光ケーブルシステムを設置した。これらの機械室から利用を希望する各家庭に銅ケーブルを引く予定。ネットワーク構造の99%が光ケーブルであるため、顧客は光ファイバーインターネット接続に近い高帯域幅を享受することができる。
CMCTI社により、大量のデータ送信、ビデオ会議、オンラインテレビ、オンラインゲーム、ビデオオンデマンド(VOD)などに対応した設備が設置されたビルに居住する顧客は、Giganet B1(12Mbps/8Mbps)と Giganet B2(18Mbps/12Mbps)の2種類のパッケージからサービスを選択できる。現在、同サービスはハノイ、ホーチミン、ダナンの3つの都市で提供されている。』

ヘンカップライ

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ベトナムでも”自粛モード”

05月06日
3月〜4月(含むゴールデンウィーク)という日本人観光客の多いはずの季節に、痛ましい東日本大震災が起き、ベトナムへの日本人観光客もかなり少なかったようです。前に書きましたが、日本人向けのガイドさんがタクシー運転手のアルバイトをしていたり、思いがけない形で影響が広がっています。

今月の後半にホーチミンを顧客(?)と一緒に回るのですが、ここでも日本企業の中には自粛モードがあるようで、会食のお誘いはNGだったりします。原発事故のベトナムでの風評被害も心配される中で、変に日本企業が縮こまってしまったら、年々低下しているベトナムでの日本企業のプレゼンスが一気に落ちてしまわないか心配になります。

ベトナムにとっては、ODAの行方、原発の行方、新幹線支援の行方、重要な輸出先としての日本の回復の度合い・・・・東日本大震災は他人事ではないはずです。一方で、実利的な(合理的な)ベトナム人政治家&経営者たちは、日本の政治や経済や企業のポテンシャルを冷徹に見極めようとしているはずです。

昔は東アジア人を見たら「こんにちわ」と片言で話しかけられるのが常だったのに、最近では「アニハセヨ」「ニイハオ」が主流になっています。東日本の方々の生活の復興を果たすためにも、アジアの中での日本の位置付けを強固にしておくことも重要な気がします。

ヘンカップライ
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ベトナム人の『囚われない心』

05月03日
今朝の日経新聞に、「ベトナム国家銀行のザウ総裁がインフレ抑制のために金融・財政面での対策に全力を挙げる」という記事が載っていました。4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比17.5%なのですから当然で、何をいまさらという気分です。インタビュー記事が載った『ベトナム株投資術』(廣済堂出版)の36Pでも言ったように”中銀総裁が代わる”ことを期待していましたが、駄目だったようです。前回の想定外のベトナムドン切り下げも?という風に感じています。後は中国元の切り上げを旨く活用した対中貿易赤字の抜本的な削減が不可欠だと想うのですが……

さて、この間ベトナムで読んだフリーペーパー(ベトナムでは週刊/隔週刊/月刊の日本人向けフリーペーパーの競争が激化しています)に載っていた、「ストレスフリーのベトナム人」という随筆が心に残っています。ハノイ在住の今川さんというエッセイストの方の文章ですが、『ベトナム人は、これはくあるべきだ、これしかないといった固定的な考え方をしない』と指摘しています。固定観念や常識に囚われて生きている現代日本人が躁鬱やストレスで苦しんでいるのに対して、何ものにも囚われないベトナム人はストレスフリーなライフスタイルを持っていると見ておられます。

私自身、多くの現代日本人に比べると固定観念や常識、”当り前”に囚われない傾向が強いのですが、又ひとつ自分がベトナムと相性が良いわけがわかったような気がしました。大震災という非常時には、それまでの/平時の固定観念や当り前、常識に囚われない発想や生き方も重要になってくるのかもしれません。プラス面だけではなく、マイナス面も非常に大きいベトナム人の『囚われない心』ですが、あらためて見つめなおしてみたいなと想う今日この頃です。

ヘンカップライ
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ハノイ⇒広州⇒ホーチミン

04月24日
東日本大震災から1ヶ月経過した4月12日にハノイに行きました。3月11日はちょうどホー
チミンから日本に戻る日で、日本からのメールでテレビを見て愕然としました。ANAもJAL
も成田便は欠航になる中で、唯一ベトナム航空のみが1時間半遅れで成田に向けて出発。
成田ではバスも電車も動いておらず改めて「本当に大変なことが起きたのだ」と知りまし
た。それからの1ヶ月間で日本は大きく変わってしまいました。ちゃんとした政治が機能
して、震災の影響を受けてしまった方々の生活が復興することを願ってやみません。「被
災地の復興ではなく、本当の意味での被災者の生活の復興であるべき」という新聞のコラ
ムが頭に残っています。

ベトナムでも中国でも皆に「日本は大丈夫ですか?何か影響を受けていませんか?」と
まず聞かれました。特にベトナムでは、日本に留学していた人や、日本と関係する仕事を
している人と多く会うので、皆本当に心配してくれています。個人レベルでの心配もある
でしょうし、国としても輸出やODA等の援助など日本への依存度が高い国なので、他人事
ではいられないのでしょう。日本企業とベトナム企業のM&Aの業務提携の話をしにいった
証券会社の投資銀行部門のトップも、「大震災の影響で、日本の国も企業も国内に資金を
集中してしまい、ベトナムへの関心をなくしてしまうのではないか?」と盛んに聞いてき
ました。確かに、業界・企業によってはそういう傾向が出てくるのは仕方がないことだと
は思いますが、一方でさらにベトナム等アジアへの進出を加速させざるをえない企業も出
てくるはずと説明しておきましたが。

今回、非常に印象に残っている出来事が1つあります。良く乗るマイリンタクシーに乗っ
たときに、「日本人ですか?私、日本語ペラペラです」とタクシー運転手に話かけられた
のです。英語が話せる運転手すら殆ど出会わないのに、何故?と思っていると、「いつも
は日本人観光客のガイドをしています(聞いてみると良く使っているAEX社ガイドさん)
。津波でいつも日本人が一杯来てくれる3月・4月が暇で、ゴールデンウィークも駄目そう
なので、親戚の車でタクシーのバイトをしています」とのこと。経済大国日本の津波の被
害による影響は、色々な国で、多分予想しない形で、ボディーブローのように効いていく
のだと実感した瞬間でした。

ヘンカップライ
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