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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

これで下方新値6本目だが・・・

09月30日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +90.73 @34,390.72, NASDAQ -34.24 @14,512.44)。ドル円為替レートは111円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は続落する銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が789に対して、下落銘柄数は1,298となった。騰落レシオは122.99%。東証1部の売買代金は4兆3914億円。

TOPIX -8 @2,030
日経平均 -92円 @29,453円

本日午前中に発表された9月の中国購買担当者景況感指数(PMI)が好況・不況の分水嶺とされる50を割り込み、49.6となった。中国景気の悪化懸念が高まり、日本株は売り優勢となった。日経平均は一時200円超の下げ幅となった。さらに、日経平均の銘柄入れ替えに伴い資産配分が調整されて需給が悪化したことも相場の重しとなった。ただ、緊急事態宣言は本日9月30日で終了となり、明日からは経済が正常化へ向かうとの期待も大きく、下げ幅が大きくなると買いが優勢となり差幅を縮小した。自民党の新総裁が岸田氏と決まり、自動的に新首相となることが決まっているが、本日はそのご祝儀相場とはならなかった。米国長期金利の上昇を背景に半導体などのハイテク株は今日も売り優勢となった。

日経平均の日足チャートを見ると、ザラバで昨日の安値@29,329円を一時的に割り込み、29,311円まで下げた後切り返して29,452円で終えた。これで下方新値6本となり、標準の押し目(下方新値4〜5本)よりも少し深押しとなった。それでも25日移動平均線は上向きであり、6月15日高値@29,235円が下値支持線として意識される。さらに、明日から緊急事態宣言が解除されるので株価にはプラスの力が働く。昨日も本日も短陰線だが下ひげは長いので、下値では大量の買いが直ぐに入ることを示している。しかし、海外発の悪材料はいつどんな風に飛び出して来て、それがどのようにどれだけ日本株に悪影響を与えるかは事前にはなかなか分からない。予想はするがその予想だけに賭けるのは賢明ではない。予想は外れても大きな痛手を被らないように建玉する「技術」が必須である。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、電気・ガス(3位)、ゴム製品(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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米国長期金利の上昇で日米株安

09月29日
昨日の米国株式相場は大幅安となった(DJIA -569.38 @34,299.99, NASDAQ -423.29 @14,546.68)。ドル円為替レートは111円台半ばの前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は大きく下落した。東証1部では、上昇銘柄数が336に対して、下落銘柄数は1,768となった。騰落レシオは132.86%。東証1部の売買代金は3兆8556億円。

TOPIX -43 @2,038
日経平均 -640円 @29,544円

金融緩和の縮小(=テーパリング)とインフレ率が高まっていることを背景に、米国長期金利が一時1.56%と6月中旬以来の水準まで上げた。長期金利上昇が上昇すると、それに反応して割高感があるハイテク株中心に株が売られた。反対に米ドル金利上昇の恩恵を受ける米銀行株は上げた。これを受けて、本日の日本株全般は半導体などの値がさハイテク株をはじめとして大きく下げた。米金とは違い、米ドル金利が上昇してもその恩恵を受けにくい銀行株も下げた。日経平均は一時850円安まで下げた。また、自民党総裁選挙の1回目投票の結果を受けて、大企業と富裕層に寛容な新自由主義を見直そうとする、脱市場原理主義という姿勢の岸田文雄氏が新総裁になりそうになると日本株の売りが加速した。2020年の米国大統領選挙に次いで、今月26日のドイツ連邦議会選挙と「格差是正」を掲げる「左派」が勝利した。そして今日の日本は岸田氏の勝利を目前にして株安、円安、債券安のトリプル安、つまり「日本売り」となった。本日は日経平均採用銘柄の配当権利落ち分として180円くらいは下げて当たり前だったので、実質的な下げ幅は約460円である。米国の金利上昇は早晩止まり一服するはずであり、そうなれば景気敏感株を中心にまた上がるだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、大きく窓を空けて急落して9月22日の押し目の安値@29,573円を下抜けて一時は@29,329円まで下げた。これで9月14日を起点として下方新値5本となった。これで下げ止まれば標準的な押し目である下方新値4~5本の定石通りとなるが、さらに続落するようなら定石以上の下げ圧力があるということになる。長い下ひげを引いた短陰線なので、下げ渋り感は強い。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、電気機器(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、機械(5位)となった。
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国内発の材料で深く沈み込むことは考えにくいが・・・

09月29日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +71.37 @34,869.37, NASDAQ -77.73 @14,969.97)。ドル円為替レートは111円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,033に対して、下落銘柄数は1,057となった。騰落レシオは150.44%となり、遂に150%台まで上昇して来た。東証1部の売買代金は3兆8105億円。

TOPIX -6 @2,082
日経平均 -56円 @30,184円

米国株式相場は高安まちまちとなったため明確な株価材料とはならなかった。しかし、米長期金利は8月上旬には歴史的な低水準である1.1%台まで低下していたのに、足元ではブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が2.3%台と歴史的な高水準で推移しているため、昨日までに1.5%台前半(3カ月ぶりの水準)まで上昇した。ハリケーン「アイダ」の被害によりメキシコ湾からの供給が減少したことで供給が不足して価格を押し上げている。そのため原油先物価格も3年ぶりの高値まで上昇して来ており、人手不足と半導体不足も重なり消費者物価指数は高い水準で推移している。WTI原油先物価格は一時、1バレル=76ドル台まで上昇した。これらを嫌気してハイテク株が中心のナスダックが下げた。これを受けて、東京市場でも値がさ半導体関連銘柄が下落した。これに中国経済の先行き不安も重なり、日経平均の下げ幅は一時200円を超えて30,000円ちょうどまで下げた。

イールドカーブは8月から9月にかけてはフラット化していたものが、足元ではスティープ化(立ってきた)している。イールドカーブのフラット化は景気減速局面の特徴なので警戒感が高まってきた。2年物のような短期では政策金利が引き上げられて上昇し、10年物などの長期では先行きの景気減速を織り込んで下がるからイールドカーブはフラット化する。

ドル円相場は3カ月ぶりに111円台の円安水準となってきた。米国FRBが年内にも段階的に量的金融緩和を縮小し始める(テーパリング開始)ことが直接の原因であるが、市場はその先の利上げを2022年中にあると見て長期金利が先取りして上昇しているからである。さらに、国際商品相場が上昇して来たため、交易条件が悪化して日本が貿易赤字に転じたことも影響している。8月の貿易統計によれば、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3カ月ぶりの赤字に転じた。通常は円安となれば輸出が増加するはずだが、今回は原油輸入額が大幅に増加したため、資源価格高騰の悪影響の方が大きかった。8月の企業物価指数で裏を取ると、前年同期比で円ベースの輸入物価指数は22.9%上昇したのに対して、輸出物価指数は10.9%増にとどまった。輸入物価の価格転嫁が進んでいないことを示している。多くの日本企業は1985年秋のプラザ合意以降の急激な円高に対応して海外に生産拠点を移したため、円安になってもかつてほど輸出が増えない構造に変化した。その分だけ交易条件が悪化した。さらに、日本人の所得が過去30年間ほとんど増えていないのだから、不用意に価格転嫁すれば売り上げが急減しかねないので、怖くてできないというのが実情だろう。9月末で緊急事態宣言が解除されると、国内需要の高まりとともに輸入需要も上昇するのでますます輸入額は増えて貿易赤字は増加しそうだ。そうなると、円安はもう少し進むと見ておこう。

日経平均の日足チャートを見ると、ほぼ水平の10日移動平均線の少し下に沈み込んだ。しかし、新型コロナウィルスの新規感染者が明確に減少してきているために緊急事態宣言が解除される状況では、国内発の材料で深く沈み込むことは考えにくい。しかし、米国株の急落等、海外発の悪材料はそれなりに堪えるだろう。

33業種中18業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、精密機器(2位)、空運(3位)、その他製品(4位)、サービス(5位)となった。
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日経平均の10日移動平均線が完全に水平となった

09月27日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +33.18 @34,798.00, NASDAQ -4.54 @15,047.70)。ドル円為替レートは110円台後半で先週金曜日比で円安・ドル高の動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が736に対して、下落銘柄数は1,355となった。騰落レシオは146.35%。東証1部の売買代金は3兆2582億円。

TOPIX -3 @2,088
日経平均 -9円 @30,240円

米国株式相場は高安まちまちとなったため日本株の売買材料とはならなかったが、日本株全般は強含みで前場は動いていた。しかし、ブルームバーグが「中国大手不動産、融創中国が浙江省紹興市の当局に支援を要請した」と報じると、中国不動産市場に対する懸念が蒸し返されて売りが増えた。それでも大きく崩れる気配はなかった。政府が9月30日で緊急事態宣言を解除することはほば確実であるため、鉄道、空運、観光関連銘柄が買われた。他方、これまで大きく買い上げられてきた海運株には利益確定の売りが優勢となった。

日本株全般の業績見通しは良好である。10月後半には決算発表が本格化する。緊急事態宣言が後数日で解除され、企業の業績見通しがより良いものになれば、株価のもう一段の上げが期待できる。いや、業績見通しが変わらなくても、先行き悲観度が下がり、予想PERが本来あるべき16~17倍に戻るだけでも十分な上昇圧力となる。

自民党新総裁が打ち出すであろう経済対策に対する期待は依然として高い。円安・ドル高の動きも日本株を下支えした。権利付き最終売買日を明日9月28日に控え、権利取りのための買い需要も大きい。8月23日から始まった今回の上昇相場に乗り遅れた投資家は下げればすぐに押し目狙いの買いを入れているようだ。

9月30日には中国の9月の購買担当者景気指数(PMI)が発表される。8月の製造業PMIは50.1だったが、月の数字が好景気・不景気の分水嶺である50%以上を維持できるかどうかに注目が集まっている。

日経平均の日足チャートを見ると、10日移動平均が完全に水平となっており、株価はその10日移動平均と接している。これは目先の数週間は上下それぞれ50%の確率で動きうることを暗示している。好調な業績見通しと先行き経済に対する悲観度が低下していることを考えると、いずれ9月14日高値@30,795円を上抜けると見ている。ただ、それがいつかは分からないが、遅くとも衆議院議員選挙の開票日当たりまでか?

33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、空運(2位)、陸運(3位)、銀行(4位)、石油・石炭(5位)となった。
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下方新値4本で押し目完了=定石通り

09月24日
一昨日に続き、昨日も米国株式相場は大きく反発した(DJIA +506.50 @34,764.82, NASDAQ +155.39 @15,052.24)。ドル円為替レートは110円台半ばの全営業日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は大きく上げた。東証1部では、上昇銘柄数が2,104に対して、下落銘柄数はわずかに68だった。騰落レシオは141.50%。東証1部の売買代金は3兆5578億円。

TOPIX +47 @2,091
日経平均 +609円 @30,249円

中国恒大集団の巨額債務問題とその資金繰り悪化に対する不安は後退しつつあり、とりあえず株価に織り込まれた。本日は株価指数先物を中心に急いで買戻された結果、日経平均は大幅高となった。ドル円相場も円安方向に動き、日本株の反発を後押しした。9月21~22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は大きなサプライズもなく、米国株式相場の反発を支えた。

日経平均の日足チャートを見ると、9月14日の高値を起点として9月22日までに下方新値4本下げた。上昇相場での上方新値の目途は14〜15本に対して、押し目の目途は下方新値4~5本なので、今回もその「定石」通りとなった。3万円台を回復したが、まだ脆弱である。9月14日の戻り高値@30,795円を完全に上抜けできるかどうかに注目している。もし、その直前でうろうろするようなら、またつなぎ売り玉を建てるか、買い玉は一旦利食いするのも良い作戦だろう。売り切った後また上がったらどうするか?買い直せば良いだけのこと。

33業種中すべてが上昇した。上昇率トップ5は、海運(1位)、保険(2位)、鉱業(3位)、銀行(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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恒大集団の巨額債務問題の衝撃はまだ収まらず

09月22日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -50.63 @33,919.84, NASDAQ +32.50 @14,746.40)。ドル円為替レートは109円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は続落した。東証1部では、上昇銘柄数が287に対して、下落銘柄数は1,847となった。騰落レシオは134.77%。東証1部の売買代金は2兆8901億円。

TOPIX -21 @2,044
日経平均 -200円 @29,639円

中国恒大集団の巨額債務問題の衝撃はまだ収まらず、米国株式相場は高安まちまちとなり、日本株全般も続落した。ドル円相場は円高方向へ動き、輸出関連銘柄を中心に売りが優勢となった。日経平均の下げ幅は一時260円超まで拡大したが、恒大集団が9月23日に人民元建て債の利払いを実施すると発表したことで下げ幅を縮小した。同日にはドル建て債の利払いも予定されているが、こちらは30日間の猶予期間があるので、例え23日に支払われなくても直ちにデフォルトとなる訳ではない。

中国政府は無為無策で放置しておいてシステミックな金融危機に発展することは何としても阻止する姿勢を示しているので、早晩、目先は小康状態になると見ている。それでも、年内の利払いは社債だけでも700億円あり、年が明けると合計で6本の社債(76億ドル)の償還期限を迎えるため、資金繰りの問題は続く。2022年償還の社債の現在の流通利回りは320~620%であり、借り換えはほぼ不可能である。万が一、恒大集団がドル債でデフォルトを起こしたとしても、投資家が分散しており、影響はそれほど大きくないとみられている。それでも、社債や長期借入の場合、通常一つの社債でデフォルトを起こすと、他の全ての社債もでデフォルトを起こしたとみなす「クロス・デフォルト条項」が付いている場合が多いので注意が必要である。

日経平均の日足チャートを見ると、8月20日を起点として9月14日まで上方新値14本まで上げた後、今日まで下方新値4本下げた。強い上昇相場の時、押し目の目途は下方新値4〜5本となる場合が多い。後1本くらい下げて下げ止まるかどうか?

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、卸売(1位)、食料品(2位)、機械(3位)、化学(4位)、金属製品(5位)となった。
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中国恒大集団の過剰債務問題が・・・

09月21日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -614.41 @@33,970.47, NASDAQ -330.07 @14,713.90)。ドル円為替レートは109円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が218に対して、下落銘柄数が1,942となった。騰落レシオは138.51%。東証1部の売買代金は3兆3780億円。

TOPIX -36 @2,065
日経平均 -660円 @29,840円

33兆4000億円もの負債を抱える中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰り懸念が高まり、日本が祝日中に欧米株が急落した。この流れを引き継いで、日本株全般も大きく下落した。日経平均も6月21日以来の大きな下げ幅となった。中国のスタートアップ企業に多額の投資をしているソフトバンクグループは勿論、中国景気の影響を受けやすい海運や鉄鋼株の下げが目立った。ただ、売り一巡後は押し目買い狙いの買いも入り、今のところ2008年秋のリーマンショックのような世界的な暴落はないだろうという見方が主流であり、最終的には中国政府が何らかの救済する可能性が高いと市場は見ているようだ。その証拠に、米国株価指数先物は時間外で上げている。

2008年秋のリーマンショックがあのように強烈に拡大した主な理由は、証券化商品があまりに複雑なため債権債務のつながりとそのネイティブ・インパクトの波及が計量化できず、不安が不安を呼んだために世界的な信用収縮が起こったためであった。しかし、今回の中国恒大集団は不動産会社であるため、どの銀行が融資しているか、誰が工事を請け負っているか、誰が投資家として債券をもっているか等、ある程度把握できる。ただ、そうはいっても規模が巨大なだけに当面は余震が続くだろう。9月23日に利払い日を迎える米ドル債の時価は1ドル当たり30セントを下回り、利回り換算すれば500%以上である。当然、新規の社債発行によって借り換えることは不可能であり、株式の新規発行も買い手が見つからないだろう。過剰債務問題は中国恒大集団だけの話でなく中国の不動産産業全体の特徴である。これからも繰り返し蒸し返される問題として覚悟しておく必要がある。

日経平均の日足チャートを見ると、高値圏での売り線である「包み線」「はらみ線」の出現の後、本日、急落した。中国恒大集団の過剰債務問題が直接の引き金だが、もともと当面の高値圏で推移していたので良い「売る口実」になったと見ることもできる。この悪材料を今日1日で消化したかどうかはまだ判明しない。数日間は経過観察が必要だろう。

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、鉄鋼(1位)、機械(2位)、海運(3位)、倉庫・運輸(4位)、情報・通信(5位)となった。
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下げるとすぐに押し目買いが入るため深押しはしないだろう

09月17日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -63.07 @34,751.32, NASDAQ +20.39 @15,181.92)。ドル円為替レートは109円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,423に対して、下落銘柄数は645となった。騰落レシオは138.40%。東証1部の売買代金は4兆3205億円と大商いとなった。

TOPIX +10 @2,100
日経平均 +177円 @30,500円

米国株式相場は高安まちまちとなったが、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が連日で最高値を更新した。これを好感して東京市場でも半導体関連銘柄など成長株中心に買われて株価指数を押し上げた。昨日まで下げていた香港ハンセン指数が上がったことで日本株を支えた。本日告示された自民党総裁選挙には4人が立候補した。各氏の新型コロナ感染抑制対策や経済対策に市場の関心が集まる中、市場は期待先行で上げて来ている。どのような経済対策が打ち出されるかは別として、新型コロナウィルスの新規感染者が減少傾向にあることは確かであり、先行き悲観の度合いが低下することに貢献している。

ただ、中国恒大集団の過剰債務問題や資金繰り問題が大きく取り上げられるようになり、中国経済の下振れリスクを市場は警戒し始めたため、日立建機、ピジョン、ソフトバンクグループなどのように中国と深いかかわりのある中国関連銘柄の一角が下げた。中国の経済成長率の鈍化は既に明確である。成長性を見る一つの指標として、「クレジット・インパルス(12カ月前からの変化」がある。これは名目国内総生産(GDP)に対する銀行与信の割合である。この数値は昨年末までプラス(+8.31%)だったが、今年7月末時点ではマイナス圏に落ち込み、企業にお金が回りにくくなっていることを示している。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長陰線に対して本日は短陰線となり、昨日の「包み線」の次に「はらみ線」となり、2日連続の売り線の出現である。しかし、好調な企業業績見通しに加えて、新型コロナウィルスの新規感染者が減少傾向にあり、自民党の新総裁が誰になるにせよ経済対策を打ち出してくると強く期待されている現状では、下げるとすぐに押し目買いが入るため深押しはしないだろうと見ている。それでも、相場には「上り坂」と「下り坂」に加えて「まさか」があることは常に肝に銘じておく必要はある。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、サービス(3位)、陸運(4位)、情報・通信(5位)となった。
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12連続陽線の記録が途切れ、売り線である高値圏での「包み線」の出現

09月16日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +236.82 @34,814.39, NASDAQ +123.77 @15,161.53)。ドル円為替レートは109円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が982に対して、下落銘柄数は1,186となった。騰落レシオは134.31%。東証1部の売買代金は3兆4660億円。

TOPIX -6 @2,090
日経平均 -188円 @30,323円

米国株式相場が反発したのを受けて、日経平均も買い優勢で始まった。しかし、短期間に31年ぶりの高値まで駆け上がってきた(8月20日の27,013円から9月14日の30,670円まで)ため、高値警戒感から利益確定のため売り優勢へ転じて失速し始めた。上海総合指数も香港ハンセン指数も下げたため、日本株の足を引っ張った。日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、8月31日から9月15日まで続いた12日連続陽線(33年7カ月ぶり)の記録が止まり、今日は陰線となった。しかも、売り線である高値圏での「包み線」となった。しかし、やがて決まるであろう新首相の下で打ち出される経済対策に対する期待は根強く、大きく崩れることは考えにくく、ある程度下げるとすぐに押し目狙いの買いが入るだろう。

9月15日時点ではS&P500の年初来上昇率は19%に対してTOPIXは16%まで迫ってきて日本株の出遅れ感は薄れてきた。これからが日本株の真価が試される時である。新型コロナウィルスの新規感染者がこれからも減少傾向を続けるならば、予想PER15~16倍が射程距離に入ってくる。その場合の日経平均は31,575円〜33,680円となる。

最新の投資部門別売買動向によると、海外投資家は9月第2週(9月6〜10日)に日本株を現物・先物合計で1兆547億円買い越した。これは2020年11月以来約10カ月ぶりの高水準である。海外投資家の買い越しは3週連続であり、その間の買い越し額合計は2兆円を超えた。ただ、2020年初めから計算すると、外国人投資家は現物・先物合計で約6兆円も売り越している。新型コロナウィルスの新規感染者が明確に減少基調を続けると、この売り越し額累計が下げ続けてやがて買い越しに転じると期待される。もしそうなればかなりの大相場となっているだろう。

33業種中18業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、ガラス・土石(2位)、不動産(3位)、その他製品(4位)、空運(5位)となった。
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「新値14本の壁」を破ることはできなかった

09月15日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -292.06 @34,577.57, NASDAQ -67.82 @15,037.76)。ドル円為替レートは109円台後半の前日比円高水準での動きだった。東証1部では、上昇銘柄数が329に対して、下落銘柄数は1,783となった。騰落レシオは135.99%。東証1部の売買代金は3兆1502億円。

TOPIX -22 @2,096
日経平均 -158円 @30,512円

米国では新型コロナウィルスの新規感染者数が高止まりしており、感染を恐れて幅広い業種で求職者数が増えないため、深刻な人手不足が続いている。海運をはじめとして世界的な物流停滞も続いている。米国では8月下旬以来期待インフレ率がじわじわと上昇しており、マーケットの一部はスタグフレーションを警戒しはじめた。もともと9月は米国株が下げやすいのだが、米国で景気減速懸念が高まり米国株式相場が反落し、本日の日本株全般も反落した。利益確定売りが優勢となり日経平均の下げ幅は一時300円を超えたが、ある程度下げると買い遅れていた投資家による押し目狙いの買いが入り、下げ幅を縮小した。8月30日以来昨日まで出来過ぎなくらい続伸を続けてきたので、これくらいの反落は自然である。景気テコ入れのため財政政策と金融政策ともにマネーを市場に潤沢に供給しているので世界的なカネ余りはまだ当分は続く見通しである。さらに、今のところ日本企業の今期の業績見通しは良好である。米国株式相場が大崩れしない限り、日本株も大きく崩れることはなさそうだ。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日まで上方新値14本まで上げたこともあり、流石に今日は一休みとなった。今日のところは「新値14本の壁」を破ることはできなかった。他の指標でみても当面の一服は当然なくらい上げていた。25日移動平均線乖離率は7.6%、騰落レシオは149%。好調な業績見通しを考えると、このまま暫くは高値圏での保ち合いが続き、何かのきっかけで上放れすると見ているが、相場では常に想定外の何かが突然起こるので決め打ちは禁物である。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、不動産(1位)、証券(2位)、金属製品(3位)、繊維製品(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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悲観度合いが低下してきてバブル崩壊後最高値更新

09月14日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA +261.91 @34,869.63, NASDAQ -9.91 @15,105.58)。ドル円為替レートは110円台前半での動きだった。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,707に対して、下落銘柄数は380となった。騰落レシオは149.06%まで上昇して来た。東証1部の売買代金は3兆3450億円。

TOPIX +21 @2,119
日経平均 +223円 @30,670円

高まる高値警戒感もなんのその、日本株は続伸した。海運をはじめとする景気敏感株を中心に上げた。

今回の株価の急上昇は、菅義偉首相が退陣表明したことがそもそものきっかけ、つまり「触媒」となったが、これはもともとファンダメンタルズはかなり良くなっていたにも拘わらず、先行きを悲観し過ぎていたため低すぎた予想PER(12倍台)を中立の水準(16〜17倍)に戻し始めていたに過ぎなかった。これだけでは途中でガス欠となっていたかもしれないが、「補給燃料」として新型コロナウィルスの新規感染者の減少傾向が明らかになっており、さらにワクチン2回接種済みの人口割合が50%を超えてきた。その結果、先行きに対する悲観度合いがさらに低下してきて、本日の予想PERは14.1倍まで上げてきた。しかし、予想PERでまだ2倍(2,150✖2=4,300円)くらいは上昇余地が残っている。機関投資家は「持たざるリスク」を意識せざる得ないだろう。欧米株に比べてまで出遅れているが、短期的な高値警戒感も高まっているため、一気にそこまではいかないだろうが。

日経平均の日足チャートを見ると、ザラバで2月16日のザラバ高値@30,714円を更新し、終値ベースでも高値を更新した。これは1990年8月1日(3万838円)以来約31年ぶりの高値となった。8月20日を起点として数えると、本日で上方新値14本目となり、そろそろ一服あってもおかしくはないが、勢いがあるので、もう1,2本上がるか?因みに、昨年2月下旬から3月中旬にかけての急落時も下方新値14本で下げ止まった。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、海運(2位)、石油・石炭(3位)、サービス(4位)、輸送用機器(5位)となった。
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今回の日本株上昇の構図と上昇余力

09月13日
先週金曜日の米国株式相場は下落した(DJIA - 271.66 @34,607.72, NASDAQ -132.76 @15,115.49)。ドル円為替レートは110円をちょうど挟んだ動きだった。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,534に対して、下落銘柄数は554となった。騰落レシオは144.37%。東証1部の売買代金は2兆8504億円。

TOPIX +6 @2,098
日経平均 +66円 @30,447円

米国株式相場が反落しても日本株は続伸した。短期的な高値警戒感が高まっているにも拘わらず日本株は上げ続けている。

今回の株価急上昇のきっかけは、不人気が続く菅義偉首相が退陣して次期自民党総裁選挙には立候補しないと表明したことである。これとセットで、もう直ぐ実施される衆議院議員選挙後の新首相&内閣による景気浮揚策を株式相場は大いに期待している。一種の「政局ラリー」である。また、日本国内のワクチン2回接種者の比率は50%に近づいており、経済活動の正常化への道筋が付いてきた。これらの材料が合流して、これまで日本経済の先行きに対して悲観の度合いが強すぎるために低くなりすぎていた予想PERを上方方向へ修正しつつある。ただ、これらの好材料は「触媒」に過ぎず、これらが出てくる遥か前から今回の力強い上昇の下地は整っていた。それは、大幅に改善している業績見通し(予想EPSは今年2月の1,200円台から現在の2,100円台へ大きく上昇している)である。そして今回の上昇相場を側面から支援する材料が長期化する世界的低金利・金融緩和である。以上が今回の日本株上昇の構図である。

経験則だが「7万枚の天井」という現象がある。外資系証券の日経平均の買い建玉の枚数が7万枚に達すると株式相場が当面の天井を打つという経験則である。9月10日現在でやっと3万枚を少し超えた水準なので、天井まではまだ半分にも達していない。つまり、まだそれだけ買い余力が残っていると見ることができる。

日経平均の日足チャートを見ると、下ひげを引いた短陽線で終えたが、8月31日以来10日連続陽線または十字線である。如何に強いかが分かる。日経平均は今年2月16日以来約7カ月ぶりの高値となり、3月18日のザラバ戻り高値@30,485円とほぼ並び、「面合わせ」となった。2月16日のバブル相場崩壊以来の戻り最高値@30,714円を今週中に更新できるかどうか?

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、石油・石炭(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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今回の株価上昇の背景をもう一度整理しておこう

09月10日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -151.69 @34,879.38, NASDAQ -38.39 @15,248.25)。ドル円為替レートは109円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,923に対して、下落銘柄数は222となった。騰落レシオは135.30%。東証1部の売買代金は3兆9283億円。

TOPIX +27 @2,092
日経平均 +374円 @30,382円

日経平均の25日移動平均線乖離率が7%台まで上昇し、騰落レシオは135%まで上げているなど、短期的な過熱感を示すテクニカル指標は複数出てきているのだが、勢いがあるときはそう簡単には止まらない。米国株式相場は下げたが、日本株全般は続伸した。米フィラデルフィア半導体指数(SOX)が上昇したことを受けて値がさ半導体関連株が上げた。東京エレクトロンとアドバンテストの2銘柄だけで日経平均を約120円押し上げた。昨日急落した香港ハンセン指数は今日は急反発したことも日本株を下支えした。

日本株がこんなにも力強く上昇している背景をもう一度整理しておこう。

(1)不人気が極まった菅義偉首相が退陣することが決まり、自民党政権はどうやら維持される見通しとなった。衆議院議員選挙を控え、次期自民党総裁及び首相が打ち出すであろう経済対策が景気回復を促進するとマーケットは期待している。
(2)米国の景気回復のペースが思っていたよりも遅く、その分だけFRBによる量的金融緩和の縮小(=テーパリング)の開始およびその後に来る利上げは後ろ倒しになるとの見通しが有力となってきた。つまり、株式相場にとって嫌なことが先送りになりそうだということは「良い」ことである。
(3)先進国では新型コロナウィルス対策によりさらに増加した過剰流動性は金融市場に溢れており、少しでも儲かりそうな国と市場へ資金が向かっている。史上最高値を更新している米国株式市場よりも、企業業績見通しの改善に比べて出遅れている日本株式市場の方が期待リターンは高くなるとの見立てもあり、外国人投資家の日本株の買い越し額が急増している。
(4)新型コロナウィルスの新規感染者が減少傾向になったため、行動制限が緩和される見通しとなった。

これだけ好条件が揃うことは滅多にない。但し、上昇は必ずどこかで止まり、誰かが最高値で買い「ババ」を引く。ファンダメンタルズ分析である「株価変動の原理原則」とテクニカル分析である「定石」を意識しながら最高値圏に達したら新規の買いはしばらく控えることが重要だ。

日経平均の日足チャートを見ると、直前の2つの売り線である「包み線」と「はらみ線」を振り切り、今回の戻り高値を更新した。3月18日の戻り高値@30,485円に並んだ。こうなると、来週中に2月16日の高値@30,174円を上抜けできるかどうかに注目したい。もしそれが実現すると、株式相場は「成層圏」に入る。予想PERが現在の14倍から16倍(=長期的に1.8%の成長を織り込む水準)へ戻るだけで、日経平均は34,640円にまで上がる。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、証券(1位)、その他金融(2位)、化学(3位)、金属製品(4位)、サービス(5位)となった。
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「包み線」「はらみ線」と連日の売り線の出現だが・・・

09月09日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -68.93 @35,031.07, NASDAQ -87.69 @15,286.64)。ドル円為替レートは110円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が706に対して、下落銘柄数は1,363となった。騰落レシオは127.74%。東証1部の売買代金は3兆761億円。

TOPIX -15 @2,065
日経平均 -173円 @30,008円

日経平均は、昨日まで8日続伸して2,500円超の急上昇となり、約5か月ぶりに30,000円台を回復したことで或る種の目標達成感が出た。本日の上昇一服は極めて自然である。自民党総裁選や衆議院議員選挙に絡んだ思惑が株高のきっかけを作ったが、それに加えて、新型コロナウィルスの対策の行動制限が緩和される(特に飲食店の営業制限や酒類提供制限が緩和されることを期待)ことになり、経済が正常化に向かうとの期待も高まった。

8月29日から9月4日までの間に、外国人投資家は日本株を4216億円買い越した。週間での買い越し額は今年4月下旬以来の大きさとなった。1990年代以降の国政選挙では自民党が勝利した年は必ず株高となっていることを当然調べた上での行動だろう。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日は「包み線」、本日は「はらみ線」となり連日の売り線となっている。少しくらいの下げはありそうだが、中期的な基調は上昇だろう。少なくとも衆議院議員選挙が開票されるまでは下げるとすぐに押し目買いが入り、深くは押さないと見ているが、さてどう動くだろうか?

33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、ゴム製品(2位)、機械(3位)、医薬品(4位)、その他金融(5位)となった。
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勢いがあるときは止まりそうでなかなか止まらない

09月08日
昨日の米国株式相場、特に、ダウ工業株30種平均株価は大きく下げた(DJIA -269.09 @35,100.00、NASDAQ +10.81 @15,374.33)。ドル円為替レートは110円台前半の先週金曜日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,599に対して、下落銘柄数は474となった。騰落レシオは125.17%。東証1部の売買代金は3兆6724億円。

TOPIX +16 @2,080
日経平均 +265円 @30,181円

日経平均は最近の上昇ピッチが急速過ぎることから、寄り付きは下げて始まったがすぐに切り返して高値追いとなり、これで8日続伸した。8日続伸は昨年11月2日から12日以来10カ月ぶりの連続記録となった。こんなにも速い上昇が続いている背景にあるものとして次の5つを指摘できる。(1)新しく選ばれる首相の下で経済刺激対策が打ち出されるという期待感、(2)新型コロナウィルスの感染拡大がピークアウトしている可能性が高い、(3)4〜6月期の国内総生産(GDP)改訂値が速報値より高くなったこと、(4)米FRBのパルエル議長は年内に量的金融緩和を縮小(=テーパリング)する意向であることを示したが、他方、利上げは急がないとの姿勢も示したことでマーケットに安心感を与えいること、(5)予想PERが欧米株に比べてかなり低く、出遅れ感が強い。これらに加えて、今日はドル円為替レートは110円台前半の円安方向で動いることである。

今年4月以降は日銀のETF買いが4月21日と6月21日の2回のみで購入金額は1,400億円程度である。今年初めから3月までの購入額は6,000億円だった。では、その後は誰か買っているかと言うと、個人投資家である。今年4月以降、個人は1兆3268億円買い越して来た。日銀の存在感が薄れてきた一方で、個人投資家の比重が高まっているということは良い傾向である。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日現れた「赤三兵思案星」にもかかわらず、今日も続伸した。相場に勢いがあるときは上方向でも下方向でも、止まりそうでもなかなか止まらないことがある。4月6日戻り高値@30,208円に並んだ。次の目標値は3月18日戻り高値@30,485円である。もし、新型コロナウィルスの感染拡大が明らかに下火になったとの市場のコンセンサスが形成されるようになれば、2月16日高値@30,714円もあっさり上抜けるはずである。なぜなら、その株価水準でも予想PERはまだ14.22倍に過ぎないからである。そうは言っても、25日移動平均線乖離率が7.5%まで拡大してきたので、短期的な過熱感はかなり高まってはいるが。

33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、情報・通信(1位)、パルプ・紙(2位)、金属製品(3位)、銀行(4位)、サービス(5位)となった。
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当面の目標達成✖「赤三兵思案星」

09月07日
先週金曜日の米国株式相場はお休みだった。ドル円為替レートは109円台後半での動きだった。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,477に対して、下落銘柄数は602となった。騰落レシオは115.06%。東証1部の売買代金は3兆4335億円。

TOPIX +22 @2,063
日経平均 +256円 @29,916円

日経平均は7日続伸した。菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことで自民党を中心とした政権が続き、次期政権は新たな経済対策を打ち出してくるはずだとういう期待感の高まりが主な上昇要因である。ただ、これは新聞解説並みの浅い理解である。正確には、政局の不透明感が大きく低下したために将来に対する「楽観・悲観の尺度」である予想PERが適正値である16~17倍を大きく下回って12倍台(=通し将来まで全く経済成長しないことを織り込んだ水準)まで下げていたものがやっと13倍台へ戻ってきたことが株価上昇の理論的な理由である。また、国内での新型コロナウィルスの拡大がピークアウトした可能性が高くなってきた。さらに、米国の雇用統計が予想していたよりも悪い数値となったため、量的金融緩和(=テーパリング)の開始は少し遅れそうであるという観測も出始めたことが株式相場を下支えしている。

日経平均の日足チャートを見ると、7日続伸して、昨日予想した通りザラバでは30,000円台にワンタッチした。しかし、この7日間で2,275円も急上昇して来て、さらに、30,000円回復という当面の目標も達成したことから、短期的には上昇一服となっても極めて自然である。今日は、高値圏で続伸した後に十字線や上下にひげを引いた短陽線などが出現する「赤三兵思案星」となった。短期的に、つなぎ売り玉を少しだけ建てて相場の強さを「実感」で測るのも悪くない。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、情報・通信(2位)、陸運(3位)、倉庫・運輸(4位)、水産・農林(5位)となった。
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日経平均、30,000円台回復が当面の目標として意識されるが・・・

09月06日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -74.73 @35,369.09, NASDAQ +32.34 @15,363.52)。ドル円為替レートは109円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,554に対して、下落銘柄数は532となった。騰落レシオは118.07%。東証1部の売買代金は3兆419億円。

TOPIX +26 @2,041
日経平均 +532円 @29,660円

月の最終営業日には株価は下げるという悪い「ジンクス」が8月には破れ、上昇期待が高まっていたところへ、菅義偉首相が退陣表明したことで、次期首相が打ち出すであろう経済対策を当てにして株価が急上昇している。本日で6連騰となり、この間2,000円以上も上昇した。TOPIXも6連騰して2,041となり、1990年8月16日以来、31年ぶりの高値を記録した。新型コロナウィルスの新規感染者の拡大がひとまず止まったことも買い安心感を作っている。

日経平均の日足チャートを見ると、下から順番に、上向きの260日移動平均線、上向きの25日移動平均線、上向きの10日移動平均線、そして下向きからほぼ横向きに転じた60日移動平均線が走っており、株価はこれら移動平均線の遥か上に上昇してきた。上値抵抗線として意識された6月15日戻り高値@29,480円を上値抜け、その上の上値抵抗線である5月10日戻り高値@29,685円にほぼ並んだ。ここまで反発が続くと30,000円台回復が当面の目標として意識されるが、反発がやや急過ぎるだけにある程度の自律反落か、或いはザラバで30,000円に届いた後に利食い売りに押し下げられるというシナリオも十分ありうる。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、証券(2位)、機械(3位)、情報・通信(4位)、その他金融(5位)となった。
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大胆な経済対策が打ち出されるという期待が高まった

09月03日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA +131.29 @35,443.82, NASDAQ +21.80 @15,331.18)。ドル円為替レートは110円ちょうどを挟む展開となった。本日の日本株全般は大幅続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,768に対して、下落銘柄数は343となった。騰落レシオは106.80%。東証1部の売買代金は3兆2808億円。

TOPIX +32 @2,015
日経平均 +585円 @29,128円

米雇用指標の改善(週間の新規失業保険申請件数が市場予想よりも低下)を受けて米国株式相場は上昇し、S&P500とナスダックが共に史上最高値を更新した。日本国内では、前場終了後に菅義偉首相が自民党総裁選挙への出馬をしないと表明したことで、日経平均は先物主導で値がさ大型株を中心に急上昇した。なぜなら、新しい自民党総裁候補により大胆な経済対策が打ち出されるという期待が高まったからである。今後、衆議院議員選挙に向けて各党から景気浮揚策が出てくるはずだ。新自由主義的な菅首相が降りることで、総裁候補が令和版「所得倍増計画」を唱えている岸田元政調会長に一本化される可能性が高まった。これにより自民党内で「左派・右派」に分裂してオウンゴールのように左派色の強い立憲民主党に政権を取らせるという最悪のシナリオがほぼ消えた。株式相場はこれも好感して急騰した。日本株はしばらくは上げ基調が続きそうである。今夜、米雇用統計が発表される。結果次第では金融政策に影響を与える。しかし、テーパリングは年内に開始されるが、FRBは利上げを急がないという現在の見方は当面変わらないだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、下から順番に、上向きの260日移動平均線、上向きの25日移動平均線、上向きの10日移動平均線、上向きに転じたばかりの60日移動平均線が走っており、株価はこれらすべての上にある。そして、7月13日の戻り高値@28,852円も上抜けし、6月25日の戻り高値@29,174円に並んだ。この4日間で4連騰して1,487円も上げた。これだけ急上昇すると、来週月曜日は少しくらい調整があっても自然な動きではあるが、さて、どう動くだろうか?

33業種すべてが上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、電気機器(2位)、証券(3位)、機械(4位)、医薬品(5位)となった。
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本日の十字線は目先の上昇一服感を暗示

09月02日
昨日の米国株式相場は高安まちまちだったが、ハイテク株が主力のナスダックは史上最高値を更新した(DJIA -48.20 @35,312.53, NASDAQ +50.14 @15,309.38)。ドル円為替レートは109円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が896に対して、下落銘柄数は1,197となった。騰落レシオは102.97%。東証1部の売買代金は2兆6395億円。

TOPIX +3 @1,984
日経平均 +92円 @28,544円

米長期金利が下がったため資本コストが下がり、理論株価が上がりやすい長株・ハイテク株が主力のナスダックが史上最高値を更新した。この流れを受けて、東京市場でも半導体関連銘柄が買い優勢となった。ただ、日経平均は昨日までの3日間で800円強上げていたので、利食い売りも出易く、上値は重かった。今日の注目点は、JR西日本が公募増資により大規模な資金調達を発表すると株価は急落し(一時マイナス16%)、他の鉄道株も総崩れとなり大きく売られたことである。増資に対して過剰に反応している。

日経平均の日足チャートを見ると、4日続伸し、本日は上下に長めのひげを引いたほぼ十字線となった。特に前の2日間は長陽線で上げたので、本日の十字線は目先の上昇一服感を暗示している。それでも買い材料が続けば上がるのが相場である。さて、明日以降、どう動くか?

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、金属製品(1位)、その他製品(2位)、保険(3位)、精密機器(4位)、化学(5位)となった。
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総選挙を意識した経済対策を期待して大幅続伸

09月01日
昨日の米国株式相場は小幅安となった(DJIA -39.11 @35,360.73, NASDAQ -6.65 @15,259.24)。ドル円為替レートは110円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,548に対して、下落銘柄数は532となった。騰落レシオは99.30%。東証1部の売買代金は2兆7721億円。

TOPIX +20 @1,981
日経平均 +361円 @28,451円

1979年から2017年までの14回の選挙結果から、衆議院解散・総選挙後が株高となる「経験則」がある。株式市場は、菅義偉首相が9月中旬に衆議院解散に踏み切ると先読みして買い優勢となった。しかし、菅首相は「今のような厳しい状況では解散できる状況ではない」と述べて解散を否定した。それでも年内に衆議院選挙があることには変わりないため、選挙を意識した経済対策が打ち出されると期待され、株価は下げなかった。昨日は、毎月最終営業日には株安となる「月末安」というジンクスを1年ぶりに覆した。そして、今日も大幅続伸した。もっと下がる方に賭けて売り建ててきた売り方はさぞや慌てているだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、下から順番に、上向きの250日移動平均線、上向きの10日移動平均線、上向きの25日移動平均線、さらにその上にはまだ下向きの60日移動平均線が走っており、株価はこれらすべての上に浮上してきた。しかも、8月12日の戻り高値@28,279円を一気に上抜けた。こうなると、目先の上値抵抗線は7月13日の戻り高値@28,852円となった。海外株式、特に米国株式相場が大きく崩れない限り今しばらくは上への動きが続きそうである。

一つ気になる動きがある。米国債券市場で米国政府の債務不履行(デフォルト)を警戒する動きが少し出てきた。背景にあるのは、政府の借金に上限を設ける債務上限が8月に復活したことである。そのため、今年10〜11月にもその上限に達し、米政府の資金が枯渇して支払いができなくなるのではないかと警戒され始めた。最終的には過去の事例と同じく、民主党と共和党の政治的決着によりデフォルトは回避されると予想されるが、それまでに債券市場や株式市場に何らかの影響があることは覚悟しておく必要があるだろう。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、パルプ・紙(1位)、空運(2位)、証券(3位)、保険(4位)、銀行(5位)となった。
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