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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

日銀の金融政策修正リスクが当面はなくなる

07月29日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -273.40 @35,282.72, NASDAQ -77.18 @14,050.11, S&P500 -29.34 @4,537.41)。ドル円為替レートは139円台前半の前日比円安高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が757に対して、下落銘柄数は1,018となった。騰落レシオは95.41%。東証プライムの売買代金は5兆7000億円。

TOPIX -5 @2,291
日経平均 -132円 @32,759円

米4-6月期GDP速報値が予想を上回る強い結果だったことに加えて、米10年債利回りは大幅上昇して4%を超えたため、前日までにダウ工業株30種平均は1987年1月以来の13連騰も上昇していたため利益確定売りが出易いタイミングだったことも重なり、米国株式相場は反落した。

日銀は今回の金融政策決定会合で長短金利操作(YCC)の運用の柔軟化(10年物国債の連続指値オペの利回りを0.5%から1.0%へ引き上げ)を決めた。円相場は円高・ドル安へ動いた。これを受けて後場には先物主導で売り込まれて日経平均の下げ幅は一時850円を超えた。しかし、YCCの柔軟化にも拘わらず国債利回りはそれほど上がらなかったことで市場には安心感が広がり、大引けに向けて下げ幅を縮小した。円金利が上がれば円高・ドル安になり自動車株をはじめとする輸出関連銘柄が売られる一方、金利上昇で恩恵を受ける銀行株は大きく上昇した。今回の日銀の金融政策修正決定はマーケットにとってはサプライズだったが、数日以内に相場に織り込まれるだろう。その後は日銀の金融政策修正リスクが当面はなくなるので、株式相場にとっては悪材料出尽くしと解釈されそうである。

日経平均の日足チャートを見ると、長い下ひげを引いた陽線で終え、下向きの25日移動平均の上に辛うじて踏みとどまった。これで安値では押し目買いが直ぐに入ることが確認された。しかし、高値追いをして高値更新を目指すほどの買い需要が強いかどうかは別問題である。暫くの間は32,000〜33,700円の間のレンジ相場になりそうだと見ているが、さてどう動くか。

33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、食料品(2位)、鉄鋼(3位)、不動産(4位)、輸送用機器(5位)となった。
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米国は予想通り0.25%の追加利上げ、それが意味することは・・・

07月28日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +82.05 @35,520.12, NASDAQ -17.28 @14,127.28, S&P500 -0.71 @4,566.75)。ドル円為替レートは140円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,126に対して、下落銘柄数は621となった。騰落レシオは95.80%。東証プライムの売買代金は3兆2267億円。

TOPIX +12 @2,295
日経平均 +223円 @32,891円

マーケットの予想通り、米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25%の追加利上げを決定した。これで政策金利は「5.25~5.50%」へ引き上げられた。そしてパルエルFRB議長は今後の利上げについてはデータ次第であると述べた。ダウ工業株30種平均は続伸して13連騰して、1987年1月以来の実に36年半ぶりの連騰記録となった。

FOMCの結果発表を受けて、米国ではこれからさらなる追加利上げをする可能性が後退して本日の日本株全般は続伸した。結果的に正しいか間違っているかは別として、マーケットは9月の利上げはないだろうと織り込みに入っており、市場の関心はその次の11月に移っている。米国の利上げがもうないだろうという足元の観測は米金利の低下へ繋がり、それがドル安へ繋がる。さらに高い金利というドルの魅力が低下することで、資金が米株式や原油相場などより儲かりそうな資産へと移動することを意味する。ただ、欧州と日本の中央銀行の金融政策がどうなるかが気になり様子見ムードもある。28日には日銀が金融政策決定会合の結果を発表する。現行の大規模金融緩和政策を維持すると発表すれば株式相場は一段高となるはずだ。

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの25日移動平均を大陽線で上抜けた、7月19日の戻り高値に並んだ。明日も続伸すれば下げトレンドの典型パターン(高値も安値も切り下げる)から抜け出せるので、ある意味で正念場である。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、保険(2位)、その他製品(3位)、鉄鋼(4位)、海運(5位)となった。
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米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表待ちで小動き

07月26日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +26.83 @35,438.07, NASDAQ +85.69 @14,144.56, S&P500 +12.82 @4,567.46)。ドル円為替レートは140円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がやや多くなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が775に対して、下落銘柄数は945となった。騰落レシオは95.66%。東証プライムの売買代金は2兆7807億円。

TOPIX -2 @2,283
日経平均 -14円 @32,668円

米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えているが、相次いで発表されている第2四半期決算が概して良好だったことで主要3株価指数は続伸した。ダウ工業株30種平均は2017年2月以来の12連騰となった。

本日の東京市場では、日本時間で7月27日未明に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前にして様子見ムードが支配的となった。日経平均は一時下げ幅を200円近くに拡大したがその後は切り返して下げ幅を縮小した。外為市場で円相場が円高・ドル安方向へ動いたことも株価の重荷となった。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日とほぼ同じく、長めの下ひげを引いた短陰線となった。下向きの25日移動平均に頭を抑えられている形が続いている。米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ終了との見方が強まれば上に抜けるか。

33業種中20業種が下げた。下落率トップ5は、ゴム製品(1位)、その他製品(2位)、輸送用機器(3位)、鉱業(4位)、海運(5位)となった。
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日米両国の中央銀行の金融政策決定待ちで小動き

07月25日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA +183.55 @35,411.24, NASDAQ +26.07 @14,058.87, S&P500 +18.30 @4,554.64)。ドル円為替レートは141円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かったが日経平均は小安く終えた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,075に対して、下落銘柄数は685となった。騰落レシオは95.56%。東証プライムの売買代金は3兆877億円。

TOPIX +4 @2,285
日経平均 -18円 @32,683円

7月25~26日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の追加利上げが確実視されている。しかし、その後の利上げはなく米経済はソフトランディングしそうだとの期待を背景に、ダウ工業株30種平均は11日続伸した。これは2017年2月に12連騰して以来の記録である。ナスダックもS&P500も上げた。

日本では、日銀の金融政策決定会合と主要企業の4〜6月期四半期決算の発表を目前に控えているため、様子見姿勢が強まり、利益確定売りが出易かった。材料不足の中、日経平均は後場になると下げ幅を200円近くまで拡大する場面があった。中国当局は不動産政策により住宅市場の長引く不振に対応する姿勢を示したことで、上海総合指数と香港ハンセン指数が大きく上昇し、これが日本株相場を下支えした。

日経平均の日足チャートを見ると、長めの下ひげを引いた寄引同事線で小幅安となり、依然として下向きの25日移動平均の下に沈み込んでいる。これからお盆過ぎまで「夏枯れ相場」が本格化する中、7月3日のバブル崩壊後の終値ベースでの戻り高値@33,753円を更新するのは非常に難しいだろう。まずは、25日移動平均線の上に再浮上するかどうか。例え再浮上できたとしても、昨年9月中旬、12月中旬のように数日以内にまたその下へ沈み込むようだと下方向のベクトルが強くなる。

33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、非鉄金属(2位)、石油・石炭(3位)、証券(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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現行の金融緩和を維持するとの観測報道が相次いだため・・・

07月25日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +2.51 @35,227.69, NASDAQ -30.50 @14,032.81, S&P500 +1.47 @4,536.34)。ドル円為替レートは141円台半ばの先週末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,501に対して、下落銘柄数は279となった。騰落レシオは95.42%。東証プライムの売買代金は2兆9727億円。

TOPIX +19 @2,281
日経平均 +397円 @32,701円

先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなったが、ダウ工業株30種平均はわずかに続伸して2017年8月以来の10連騰となった。

本日の東京市場では、日銀が今週の金融政策決定会合では金融政策を修正せずに現行の金融緩和を維持するとの観測報道が相次いだことで、円安・ドル高が進んだ。この効果もあり、輸出関連銘柄をはじめとする幅広い銘柄に買いが入った。さらに、日銀が金融政策を修正するとの見立てで日経平均先物を売り建てて来た海外短期筋は買戻しを余儀なくされた。その結果、日経平均の上げ幅は一時500円に迫った。円安の恩恵を受ける自動車関連株や機械株だけでなく、(原料である鉄スクラップ価格が安いことを反映して東京製鉄が2024年3月期見通しを上方修正した)鉄鋼株全般も上げ、金融緩和政策が継続することで助かる不動産株も買われた。また、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が反発したので、東京エレクトロンやアドバンテストが買い戻された。他方、金融政策が修正されて金利が上昇することにより利ザヤが改善すると期待して先行して買われていた銀行株はその思惑が外れて売られた。

日経平均の日足チャートを見ると、先週金曜日には下向きの10日移動平均線の下に沈み込んだが、本日はその上に再浮上した。しかし、下向きに転じた25日移動平均線の下に沈み込んだままである。反発基調を続けるには何としても25日移動平均線を明確に上抜けする必要がある。本日の反発は海外短期筋が売り玉分をただ買い戻しただけで、新規買いはなかった可能性が高いので、要注意である。さらに、日銀が最終的にどのような発表をするかは蓋を開けてみないと分からない。足元の報道に反してYCC政策を修正してマーケットをサプライズさせる可能性が全くない訳ではない。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、パルプ・紙(2位)、輸送用機器(3位)、電気・ガス(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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生涯現役の株式トレード技術:悟りへ道程

07月23日
とても忙しいので走り書きのように書き残します。何をどうしたら良いか分からない人は参考にしてください。第63期売買ルール構築勉強会に参加する人は以下のことを意識して勉強して下さい。

(1)迷いこそが諸悪の根源⇒迷いを絶つ⇒どうやって?⇒一番最初に決めなくてはならないことは時間軸である⇒デイトレード?スイングトレード?ポジション・トレード?長期投資?⇒これが決まらないとすべてのことが曖昧な焦点が定まらないトレードとなる。

(2)トレード・ルールを決める⇒但し、期待値が十分プラスで高くなければならない

(3)どうやって期待値が十分高いトレード・ルールを決めたらよいか?

(4)株価がどのように決まり、なぜどのように変動するのかについて「原理原則」を理解する⇒しかし、原理原則の理解だけでは実戦では不十分⇒なぜか?

(5)現実の株価の動きは原理原則だけでは説明し切れないほど複雑だから⇒ではどうする?

(6)原理原則に「体験・経験」から導き出した「定石」を加える

(7)具体的にはどするか⇒株価の数十年に渡る過去の変動を観測、考察する

(8)チャート・リーディングについて数々の閃きが湧いて来る⇒チャートだけでは足りない⇒「相場の背景の変化」も理解しておくとチャート・リーディングの精度が高まる

(9)チャート・リーディングの仮説を立てる

(10)その仮説を数十年バックテストして検証する

(11)仮説が十分実用的であることが検証出来たら、それをチャート・リーディングのルールの一つ(定石)として採用する

(12)銘柄選択の妥当性についても同様に仮説を立てる⇒検証を重ねて銘柄選択法についてのルールを作る⇒銘柄選択法の定石

(13)建玉法の定石も同様に作る⇒定年退職後、年金では不足するお金を500万円くらいのトレード資金を元金として、贅沢ではなく「快適に生活できる程度稼ぎ続ける」ためにはどのような建玉法をすれば良いか、株価の動きと連動させながら考察し続ける⇒閃く⇒株価は上げて下げてもどちらでも構わない⇒予測をしてポジションを取るがその見立てが外れても建玉法で補正するば良いのでは?⇒全天候型建玉法⇒その閃きを仮説に変換する⇒検証する⇒期待値が十分高ければ建玉法のルールとして採用する⇒建玉法の定石

(14)「株価の原理原則」、「チャートリーディングの定石」、「銘柄選択法の定石」、「建玉法の定石」を首尾一貫した体系として有機的に構築したものが売買ルールとなる。その売買ルールがどの程度有効かどうかは様々な銘柄で、様々な局面で、20年くらいは遡ってバックテストをすれば見えてくる。

(15)期待値が十分に高い売買ルールを実践しているということは何を意味するか⇒たとえ3〜5回連続でロスカットとなるようなトレードを繰り返したとしても、数十回、数百回、数千回繰り返せば必ず大きなプラスの金額の累積となる

(16)しかし、どんなに有効性が高い売買ルールを構築したとしても、それを実行しなければ意味がない。具体的には損切り・つなぎができない、利食いができない、仕掛けができない、買い直しができない、売り直しができない、増し玉ができない、など。なぜか?当然、「すべての結果には理由がある」のだが、その理由と解決法を真に知ろうとしないからそこから先へ進めない。株式投資・トレードに関する知識が十分にあっても期待した成果が出せない人の最大の原因はここにある。
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「TSMCショック」で半導体関連株は大幅下落

07月22日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +163.97 @35,225.18, NASDAQ -294.71 @14,063.31, S&P500 -30.85 @4,534.87)。ドル円為替レートは140円台前半の前日比円安・ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が755に対して、下落銘柄数は988となった。騰落レシオは92.15%。東証プライムの売買代金は3兆1288億円。

TOPIX +1 @2,262
日経平均 -186円 @32,304円

米国株式相場は高安まちまちとなった。ダウ工業株30種平均は2017年以来となる9連騰を記録して昨年3月以来の戻り高値を更新した。他方、半導体受託生産大手の台湾積帯電路製造(TSMC)が業績見通しを下方修正した(23年4〜6月期は4年ぶりの減収減益、7〜9月期は市場予想未満、23年12月期通期も下方修正)ことでエヌビディアやアプライドマテリアルズなど米半導体銘柄も軒並み売られた。これによりナスダックも大幅安となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅安(3.6%安)となった。ナスダックもS&P500も4日ぶりに反落した。TSMCは世界の半導体産業の「炭鉱のカナリア」という位置づけで、TSMCの業績見通し下方修正は「TSMCショック」とでも呼ぶべき半導体関連銘柄の下げを引き起こした。

本日の東京相場では、「TSMCショック」を嫌気して、東京エレクトロンやアドバンテスト、スクリーンなど値がさ半導体関連銘柄を中心に大幅安となった。日経平均の下げ幅は前場で一時400円を超えた。売りが一巡すると外為市場で円相場が前日比円安・ドル高となったことを材料に株価指数の買戻ししや売り方の買戻しが起り、下げ幅が縮小した。これからお盆休みに向けて市場参加者が少なくなっていき「夏枯れ相場」が起こりやすい季節となるため、「小さな悪材料」に反応した「少しの売り」でも相場が崩れやすくなる。

日経平均の日足チャートを見ると、既に昨日の時点でほぼ水平となった25日移動平均線に下へ弾き返され、本日は6月末から下向きに転じている10日移動平均線の下へ沈み込んだ。もはや7月3日のバブル崩壊後の戻り高値@33,762円を更新するのはかなり遠のいた。ダブルトップ形成後の下げ過程の最初の戻り相場にあると見るのがチャートリーディングの定石である。

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、電気・ガス(2位)、パルプ・紙(3位)、医薬品(4位)、空運(5位)となった。
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日米で金融政策を決定する重要な会合を控えているため・・・

07月20日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +109.28 +35,061.21, NASDAQ +4.38 @14,358.02, S&P500 +10.74 @4,565.72)。ドル円為替レートは139円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が497に対して、下落銘柄数は1,264となった。騰落レシオは92.10%。東証プライムの売買代金は2兆9697億円。

TOPIX -18 @2,261
日経平均 -406円 @32,491円

米国では、相次いで発表される物価指標がインフレ率の鈍化を示しており、FRBによる利上げ長期化懸念が和らいでいる。市場の予想を上回る第2四半期決算発表が相次ぎ、米国景気はソフトランディングするとの期待が高まって来た。ダウ工業株30種平均は2019年9月以来の8連騰となった。ナスダックもS&P500も3日続伸して、2022年4月以来の戻り高値を更新している。ただ、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1%ほど下落した。

米国株式相場の続伸にもかかわらず、本日の日経平均は3営業日ぶりに反落した。米国株式市場で半導体関連銘柄の多くが売られた流れを受けて、東京エレクトロンやアドバンテストなどの株価指数寄与度が高い銘柄が売られた。本日から4〜6月期決算発表が本格化し、来週は米国では連邦公開市場委員会(FOMC)があり、日本では日銀の金融政策決定会合を控えているため、売り買いどちらの方向でも大きなポジションを取ることを避けるだろう。暫くは高値圏でのレンジ相場が続きそうだ。

日経平均の日足チャートを見ると、ほぼ水平となった25日平均線に弾き返されるように陰線で下げた。戻り売り圧力に力負けしたと言える。もし、明日以降下向きの10日移動平均線の下にまた沈み込むなら、調整期間が長くなりそうである。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、電気機器(2位)、機械(3位)、保険(4位)、サービス(5位)となった。
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やはり今の海運株は面白い!

07月19日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +366.58 @34,951.93, NASDAQ +108.69 @14,353.64, S&P500 +32.19 @4,554.98)。ドル円為替レートは139円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,615に対して、下落銘柄数は179となった。騰落レシオは98.05%。東証プライムの売買代金は3兆2189億円。

TOPIX +27 @2,279
日経平均 +402円 @32,896円

米国では、6月小売売上高が前月比+0.2%の伸びとなり事情予想の+0.5%を下回った。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化懸念が後退して、株価を押し上げた。また、バンク・オブ・アメリカやモルガンチェースなどの大手金融機関の決算が軒並み市場予想を上回ったことも株価全般を下支えした。主要3株価指数は揃って年初来高値を更新した。

米国株高の流れを受けて、本日の東京市場では東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクなどを中心に上げて、日経平均は400円超上げた。外為市場では為替が円安・ドル高に転じたことも自動車関連株を押し上げた。円安・ドル高に転じた背景は、日銀の植田和男総裁が持続的・安定的な2%の物価目標の達成には「まだ距離がある」との見方を示したことである。この発言により、日銀が7月27~28日に開く金融政策決定会合で金融政策の修正に動くという観測が後退した。

海運株が良く動く。目先上げている限りは買いで良いが、業績見通しから中長期的には下げると見ている。但し、25日移動平均線が下向きに転じるまでは売り仕掛けはタイミングが早すぎる。2024年3月期の業績見通しは海運大手3社とも前期比7〜8割の減益見通しである。これを打ち消して同じ株価水準を維持するためには予想PERが現在の4〜5倍になる必要がある。例えば、商船三井は現在の予想PER=6.3倍なので、8割減益となっても現在の株価(=3,700円程度)を維持するためには5倍のPER30倍程度まで人気が沸騰する必要がある。果たしてそんなことは起こるだろうか。

33業種中すべての業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、証券(3位)、鉱業(4位)、不動産(5位)となった。
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下向きの10日移動平均線に押さえつけられる形

07月18日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +76.32 @34,585.35, NASDAQ +131.25 @14,244.95, S&P500 +17.37 @4,522.79)。ドル円為替レートは138円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,300に対して、下落銘柄数は478となった。騰落レシオは93.43%。東証プライムの売買代金は3兆1122億円。

TOPIX +13 @2,252
日経平均 +103円 @32,494円

米国では、7月消費者物価指数(CPI)も7月生産者物価指数(PPI)も予想を下回ったことで利上げ長期化の懸念が和らぎ、先週に引き続き株式相場の支援材料となっている。主要3株価指数ともに上げた。

利上げ打ち止め期待を背景とした米国株高を好感して、半導体関連銘柄が買われて本日の日経平均は前場では上げ幅が300円超まで拡大した。しかし、香港や上海の株式相場が下落して始まるとその後は戻り待ちの売りに押されて上値が重くなり、後場には一時マイナス領域に入る場面もあった。

日経平均の日足チャートを見ると、上下に長いひげを引いたほぼ寄引同事線となった。3月下旬以降の上昇相場では上向きの10日移動平均線が下げてくる株価を支えていたが、今は下向きの10日移動平均線に押さえつけられる形となっている。継続した反発のためにはまず、10日移動平均線を明確に上抜けし、さらに25日移動平均線からも上放れする必要があるが、今週はどのような展開が待っているか?

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、電気機器(2位)、輸送用機器(3位)、繊維製品(4位)、卸売(5位)となった。
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日米金融政策のベクトルの違いから円高・ドル安が進行しているが・・・

07月14日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +47.71 @34,395.14, NASDAQ +219.61 @14,138.57, S&P500 +37.88 @4,510.04)。ドル円為替レートは137円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が624に対して、下落銘柄数は1,134となった。騰落レシオは94.63%。東証プライムの売買代金は3兆7640億円。

TOPIX -4 @2,239
日経平均 -28円 @32,391円

米国では、既に前日の6月消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びとなっていたが、昨日発表された6月生産者物価指数(PPI)も予想を下回る伸び(+0.1%<予想+0.4%、5月改定値+0.9%)となった。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを長期化するという懸念がさらに和らいだため、10年債の利回りは前日の3.86%台から3.76%台へ低下した。7月25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の追加利上げが実施されることは確実視されているが、その後の利上げは見送られるだろうというのが現在の主流の見通しである。FRBによる利上げ局面もう最終盤であるとの見通しに支えられてハイテク株が主力のナスダックは4日連騰となり、2022年4月以来の高値を付けた。

米国株式相場の続伸を好感して、本日の日本株も上昇して始まり、日経平均は一時360円以上上げた。特に、米国の利上げ局面が最終コーナーを回りつつあるという見方に支えられたナスダックの上昇に刺激されて半導体関連銘柄が上げた。しかし、利上げが後一歩で終了しそうな米国に対して、日本はこれから金利が上げそうであるという日米金融政策のベクトルの違いから、円相場が1ドル=137円台まで円高・ドル安が進み、輸出関連銘柄を中心に売り優勢となり下げ、日経平均は一時200円安まで迫った。

日経平均の日足チャートを見ると、続伸して始まったが売り方に押し戻されて陰線で終えた。下向きの10日移動平均線に弾き返される形となった。騰落レシオは100を割り込み、6月下旬までの割高感は完全に消えた。何かのきっかけで押し目買いが優勢となることもある。ただ、日米金融政策の方向性の違いから円高・ドル安進行はまだしばらくは続きそうであり、これが株式相場の重石となる。また、悪材料は最初の内は大きく過剰なくらい反応するが、人間と言うものは慣れるので同じ悪材料が継続しても反応は次第に小さくなっていく。その結果、悪材料が出ると当初は急速に下げるがその内にその悪材料に慣れて来て安値更新が止まり、やがて横ばいとなるか、押し目買いが入り反発を試す動きに転じる。

33業種中20業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、小売り(2位)、陸運(3位)、保険(4位)、空運(5位)。
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一旦は下げ止まったが、戻り売りをすべて買い切れるか?

07月13日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +86.01 @34,347.43, NASDAQ +158.26 @13,918.96, S&P500 +32.90 @4,472.16)。ドル円為替レートは138円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は反発した。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,089に対して、下落銘柄数は668となった。騰落レシオは102.50%。東証プライムの売買代金は3兆2828億円。

TOPIX +22 @2,243
日経平均 +475.50円 @32,419円

米国では、6月の消費者物価指数(CPI)が前年同期比+3.0%となり、2021年3月以来の低水準となった。食品とエネルギーを除外したコア指数も+4.8%上昇となり、5月の5.3%上昇から伸びが鈍化した。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを長期化する懸念が和らいだため、ハイテク株も景気敏感株も買いが優勢となり、主要3株価指数は揃って3日続伸した。

米国の利上げ長期化懸念が後退したことを好感した米国株の3日続伸を受けて、本日の日本株全般は反発した。特に、目立ったのがエムスリーなどの成長株も東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連株だった。日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。他方、1ドル=138円台まで円高・ドル安が進んだことを嫌気して、三菱自動車、マツダ、SUBARUなどの自動車株が売られた。金利が上がりそうな日本と、金利がもうこれ以上は上がらず後は時間の問題で早晩下げると予測される米国は金利のベクトルの方向が反対向きであるため、これからは円高・ドル安に振れやすくなると見る。その分だけ日本株全体には下押し圧力がかかり易い。

日経平均の日足チャートを見ると、ダブルトップを形成した後も下げ続けたが、本日は陽線で切り返した。しかし、ある程度戻った後で戻り売りを浴びて再び反落するパターンが多いので買い方は要注意である。例えば、25日移動平均線辺りまで戻した後で再び下げるパターン。売り方は戻りの力が尽きて、また反落し始めた初動を狙い撃ちするのが定石である。ダブルトップの天井を上抜けしてバブル崩壊後の戻り高値を更新するには戻り売り玉をすべて買い切らなければならないが、今それだけの余力があるかどうか。

33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、サービス(1位)、電気機器(2位)、精密機器(3位)、医薬品(4位)、卸売(5位)となった。
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相場の定石通りの展開となっている

07月12日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +317.02 @34,261.42, NASDAQ +75.22 @13,70.70, S&P500 +29.73 @4,439.26)。ドル円為替レートは139円台半ばの前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は続落した。東証プライムでは、上昇銘柄数が464に対して、下落銘柄数は1,313となった。騰落レシオは97.14%。東証プライムの売買代金は3兆3989億円。

TOPIX -15 @2,221
日経平均 -260円 @31,944円

米国株式相場では前日に続き、7月12日の消費者物価指数(CPI)と7月13日の6月の生産者物価指数(PPI)の発表を前に買戻しが続き、主要3株価指数は揃って続落した。7月25~26日の米公開市場員会(FOMC)では0.25%の追加利上げがほぼ確実と見られている。ただ、その後の9月のFOMCでは利上げは再度見送られるとの見方が有力となっている。

本日の東京市場では、円相場が1ドル=139円台前半まで1カ月ぶりの円高・ドル安水準となり輸出関連銘柄を中心に売り優勢の展開となった。今年に入ってからの最安値@145円台を付けた6月30日から僅か2週間で6円も円高になった。7月7日を起点とすれば僅か3営業日で5円も円高になった。その背景には日銀が7月27~28日の金融政策決定会合で長短金利操作(YCC)をはじめとする大規模金融緩和政策を見直すとの観測がある。他方、米国のインフレ率は鈍化しつつあるため、利上げ局面は早晩終わる。日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。キャリー・トレード目的も混じり、海外勢を中心に膨らんでいた円売り・ドル買いポジション(総額1兆5千億円)の巻き戻しが急速に起っている。

日経平均の日足チャートを見ると、7月6日以来5日連続陰線で下値を切り下げている。急速に進みつつある円高・ドル安が目下の大きな悪材料となっている。もしこれに米国株式相場の大幅下落が重なれば、一挙に下げが加速する。その時々の相場の背景は異なるが、面白いことに今までのところ、今回も相場の定石通りの展開となっている。しかし、必ずどこかで底を打ち下げ止まる。リアルタイムで底を判断するのは極めて困難だが、定石を念頭に観測し続ければ、しばらく後には底打ちを確認できる。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、卸売(1位)、医薬品(2位)、電気機器(3位)、機械(4位)、保険(5位)となった。
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「ダブルトップ形成&25日移動平均線を割り込み」が意味すること

07月12日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +209.52 @33,944.40, NASDAQ +24.76 @13,685.48, S&P500 +10.58 @4,409.53)。ドル円為替レートは140円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は続落した。東証プライムでは、上昇銘柄数が718に対して、下落銘柄数は1,026となった。騰落レシオは97.52%。東証プライムの売買代金は3兆1791億円。

TOPIX -7 @2,236
日経平均 +14円 @32,204円

米主要3株価指数は4日ぶりに反発した。7月12日には6月の消費者物価指数(CPI)、13日には6月の生産者物価指数(PPI)の発表があるのでその前に買戻しが優勢となった。

本日の東京市場では、日経平均が前日までに5日続落していたため、米国株の反発を受けて押し目買いが優勢で始まった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇を好感して、アドバンテストや東京エレクトロンなどの半導体関連銘柄が上昇して、日経平均の上昇幅は一時270円を超えた。しかし、後場になると売りに押された。特に、円相場が140円台の円高・ドル安水準になり、トヨタ自動車などの自動車株は売られた。需給を悪化させると警戒されてた上場投資信託(ETF)の分配金捻出目的の売りは7日と10日で出尽くしたと見られているため、買い安心感は出て来たと見る。ただ、外為市場では、円高・ドル安が急速に進んだため、輸出関連銘柄の売りにつながり易く、株式相場全体の重石となりそうである。

では、なぜ今、急に円高・ドル安方向へ振れ出した(1週間で4円の円高)のだろうか。それは7月27〜28日の金融政策で日銀が長期金利操作(YCC:イールド・カーブ・コントロール)の修正を行う(利上げ方向へ)との観測が浮上して来たからである。7月7日に発表された5月の毎月勤労統計調査で、名目賃金である一人当たり現金給与総額が前年同期比2.5%増加した。さらに、生鮮食糧費を除く消費者物価指数(CPI)も2022年4月以降は前年同月比2%を上回って推移しているため、YCCの修正を行う大義名分が成り立つ。もし日銀がYCCの修正を実施して、7月12日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ減速を示すような内容ならば、ドル金利は先行き低下して日米金利差が縮小するとの見通しから円高・ドル売りが進むと予想される。

日経平均の日足チャートを見ると、高く始まったが売りに押されて陰線で終えた。安値は更新していないが、昨日と同じくらいの実体の長さの陰線が並んだ。売り材料がまた出てくればさらに下げそうな線である。ダブルトップ形成、且つ、25日移動平均線を割り込んでいる。相場の定石では、次の戻りがあればそれが買い方の最後の逃げ場となる。さて、どう動くか。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、電気・ガス(2位)、医薬品(3位)、保険(4位)、空運(5位)となった。
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ダブルトップ形成が確定

07月10日
先週金曜日の米国株式相場は続落した(DJIA -187.38 @33,734.88, NASDAQ -18.32 @13,660.72, S&P500 -12.64 @4,398.65)。ドル円為替レートは142円台の先週末比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が932に対して、下落銘柄数は814となった。騰落レシオは99.35%となった。東証プライムの売買代金は3兆6945億円。

TOPIX -12 @2,243
日経平均 -199円 @32,190円

6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想を下回ったが、賃金の伸び率が予想を上回った。これを受けて、FRBによる利上げは長期化するとの見方は変わらず株式相場の重石となり続けた。主要3株価指数は揃って3日続落した。

米金融危機締めの長期化懸念が強まる中、高金利に弱い成長株である値がさ半導体関連株は売られた。円高・ドル安も自動車株など輸出関連銘柄の足を引っ張った。上場投資信託(EFT)の分配金捻出のための売り(本日は7000億円程度)も意識され、日経平均の下げ幅は一時320円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、ダブルトップのネックラインである6月27日安値@32,306円を終値ベースで割り込だため、ダブルトップ形成が確定した。これでバブル崩壊後のさらなる高値更新は遠ざかったと言える。労働人口の減少、不動産バブルの崩壊、安全保障上の理由から工場を中国から他国へ移す動きなども重なり、中国景気の経済成長率の鈍化は避けられない。中国市場に依存度が高い企業の株は要注意だろう。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、医薬品(3位)、電気機器(4位)、精密機器(5位)となった。
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ダブルトップ完成目前!持ち堪えられるか?

07月08日
昨日の米国株式相場は大きく続落した(DJIA -366.38 @33,922.26, NASDAQ -122.61 @13,679.04, S&P500 -35.23 @4,419.59)。ドル円為替レートは143円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が456に対して、下落銘柄数は1,312となった。騰落レシオは105.56%。東証プライムの売買代金は3兆8131億円。

TOPIX -22 @2,255
日経平均 -385円 @32,388円

日本時間の今夜には世界が注目する6月の米雇用統計の発表を控えているが、6月の米ADP民間部門雇用者数が予想の2倍以上に増加した。6月の米ISM非製造業総合指数(PMI)も予想を上回る強さを示した。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化するとの懸念が高まり、政策金利に敏感な米2年債の利回りが前日の4.95%台から急上昇して一時は5.12%台となった。この水準は16年ぶりの高水準である。10年債利回りも前日の3.94%台から一時4.08%台へ上昇した。尚、短期金利の方が長期金利よりも高い「逆イールド」(景気後退の兆候として恐れられている)となっている。主要3株価指数は揃って2日続落した。

米国株の続落を受けて、本日の日本株全般も続落した。前場では、日経平均が400円超下げる場面があった。さらに、上場投信信託(ETF)の分配金拠出のための売りが引き続き警戒されて大引けに向けて相場の重石となった。

日米中央銀行の金融政策の違いから日米金利差は約5%に拡大している。アメリカの年金基金など機関投資家が日本株を買う時には為替リスクを負うことになる。それを避けるためにはどうすれば良いか。それは「直物」で「ドル売り・円買い」をして日本株を買い、同時に「先物」で「ドル買い・円売り」をして為替リスクとヘッジする(=為替スワップ)ことである。こうすると、年率換算で5%の金利収入に相当するスワップポイントが確実に稼げる。これに加えて、数%の配当利回りが入り、ほぼ確実に10%近い利回りとなる。これは実に美味しい話で、これが外国人の日本株買いの背景の一つである。その後、日本株がさらに上げると円建て評価額が増加して為替リスクヘッジ額が不足するので、先物予約で追加の円売り・ドル買いをする。すると外為市場では円安・ドル高がさらに進み、日本株が上げ易くなる。このような構図でも過去2カ月の日本株高が続いてきた。

日経平均の日足チャートを見ると、ダブルトップのネックラインとなる6月27日安値@32,306円に迫る32,327円まで下げて来た。しかも、長い上ひげを引いた短陰線「トンカチ」である。これは大引けに向けて上場投資信託(ETF)が分配金拠出のために大量の売りを出したためと考えられる。同じことは10の大引けでも繰り返されると予想されている。もし、ネックラインを大引けで割り込むと、テクニカル上、ダブルトップ形成が明確となる。ダブルトップ形成が完成すると、定石ではその後、下げが加速する。今回は根強い先高観があるので、踏み留まるかどうか。例え、日経平均という株価指数が下げても、上げる理由が明確な個別株(インバウンド銘柄や業績見通しが改善している銘柄)は多少は連れ安しても、大崩れはしないと考えられる。そのような銘柄は株価指数の下げが止まると真っ先に反発し始めると見ている。

33業種中、陸運と空運を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、機械(1位)、不動産(2位)、輸送用機器(3位)、電気・ガス(4位)、電気機器(5位)となった。
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ダブルトップ形成が濃厚となってきた・・・

07月06日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -129.83 @34,288.64, NASDAQ -25.12 @13,791.65, S&P500 -8.77 @4,446.82)。ドル円為替レートは143円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が318に対して、下落銘柄数が1,477となった。騰落レシオは117.55%。

TOPIX -29 @2,277
日経平均 -566 @32,773円

6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されたが、大半のメンバーが年内に利上げに積極的だったことが判明した。これにより利上げの長期化懸念が再び高まり、主要3株価指数は下げた。

本日の日本株は、アジア株が軟調な動きをしたことに加えて、今月上旬にも起こると警戒されている上場投資信託(ETF)の分配金捻出目的の売りによる需給悪化(7日と10日の大引けで合計1兆1000億円の売り需要があると見積もられている)と米国半導体銘柄の下落を受けて、東京エレクトロンやアドバンテストなどをはじめとする主力半導体銘柄が売られた。海外投資家は先回りして売り越す動きが活発化している。ただ、これはただ単にExchange of Future for Pysical (EFP)、つまり、先物で日本株買いをした後で先物を売り、最終的に現物株に振り替える手法を実施しているとの見方もある。また、純粋に売っている投機筋も7日と10日の大引けで出てくる分配金捻出のための売りに買い戻しで向かってくるとも見られている。

さらに、日本株の下落に拍車をかけたのは、上場日から180日間の売却禁止期間(ロックアップ期間)を経過したことで、富士通、パナソニック、日本政策投資銀行などの大株主3社が保有する持ち分(発行済み株式数の37.5%、初値から6倍程度上げていた)をすべて海外市場で売りに出すと発表し、半導体設計のソシオネクスト(2022年10月上場)に売りが殺到してストップ安(22.8%安)となった。信用倍率が6月30日申し込み時点で240倍超まで上昇していた。大量の追証発生は確実だろうから、まだ下げると見る。日経平均の下げ幅は一時700円を超えるほどだった。

日経平均の日足チャートを見ると、陰線で下げて終値ベースで上向きの25日移動平均線を割り込んだ。これでダブルトップ形成が濃厚となってきた。もし、6月27日安値@32,306円を終値ベースで割り込むとダブルトップのネックラインも割り込んだことになり、ダブルトップ形成が確定して見切り売りが加速すると見るのが定石である。勿論、いつも定石通り動くわけではないが。しかし、定石に逆らい続ければ、期待値は確実にマイナスとなる。ダブルトップ形成が確定しないまでも、このまま高値を更新できずに高値圏保ち合いに入れば、毎年繰り返される「夏枯れ」相場になりそうである。

33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、機械(1位)、精密機器(2位)、その他製品(3位)、その他金融業(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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上放れするか、ダブルトップを形成するかはまだ分からない

07月05日
昨日の米国株式市場は独立記念日の祝日のため休場だった。ドル円為替レートは144円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が632に対して、下落銘柄数が1,126となった。騰落レシオは124.75%。東証プライムの売買代金は3兆3634億円。

TOPIX ±0 @2,306
日経平均 -84円 @33,339円

前日の米国株式市場が独立記念日の祝日のため休場だったので材料不足気味の中、利食い売り優勢で始まり、日経平均は一時約380円安まで下げた。ファーストリテイリングが売られて2%安となった。6月のユニクロの国内既存店売上高が7カ月ぶりに前年同期比でマイナスとなったためである。この1銘柄だけで日経平均を約94円押し下げた。それでも、(1)日銀による大規模緩和の継続期待と(2)東証による低PBR改善要請などを背景に、日本株の先高観は根強く、押し目買いが入り下げ幅を縮小した。また、海運市況が期待されて海運株が大幅続伸した。

日経平均の日足チャートを見ると、2日続落してザラバでは10日移動平均線を割り込む場面があったが、その後は切り返して下ひげを引いた陽線で終えた。根強い日本株の先高観があり、下げるとすぐに押し目買いが入った。上放れするか、ダブルトップを形成するかはまだ分からない。どちらへ動いても構わないように建玉することが正解となる。

33業種中17業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、医薬品(2位)、保険(3位)、鉄鋼(4位)、ゴム製品(5位)となった。
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短期的な過熱感から利益確定売りが優勢

07月04日
昨日の米国株式相場は小幅続伸した(DJIA +10.87 @34,418.47, NASDAQ +28.85 @13,816.77, S&P500 +5.21 @4,459.59)。ドル円為替レートは144円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が616に対して、下落銘柄数は1,152となった。騰落レシオは120%。東証プライムの売買代金は3兆3933億円。

TOPIX -14 @2,306
日経平均 -331円 @33,423円

米国株式市場は、翌日に独立記念日の祝日を控えているために半日の短縮取引となった。6月ISM製造業PMIが予想を下回る弱い結果となったために景気後退の懸念が高まったが、販売台数が予想以上に伸びたテスラ株が7%近く上昇したことに刺激されてダウ工業株30種平均は小幅高となり、ナスダックもS&P500も共に小幅高で終えた。

本日の東京市場では、昨日の時点で日経平均は大幅高となって33年ぶりの終値ベースでの高値更新をしていたこともあり、短期的な過熱感から利益確定売りが優勢となった。さらに上場投資信託(ETF)の分配金捻出目的の売りも警戒され、それを先回りする売りも出た。それでも、米大手銀行株が堅調なことを受けて、メガバンク株は力強い上昇が継続している。

ただ、米国の債券市場に目を転じると不安要因も目立つ。それは逆イールド(2年債の利回り>10年債の利回り)がより顕著になってきたことである。通常、逆イールドは不況に入る前に現れるが、その逆イールドの幅が109ベーシス(=1.09%)まで拡大した。これは1981年9月に記録した111ベーシスポイント以来の記録である。インフレ率が予想以上に長く高止まりしているため、金融引き締めは今まで想定していたよりも長くなるとの見方が強まり(利下げは2024年以降になりそう)、その分だけ遠い未来の景気は悪くと予想されて長期金利はそれほど上がらない一方、手前の金利は高まる政策金利を反映して高くなる。その結果が逆イールドとなって現れる。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日、終値ベースでバブル崩壊後の戻り高値を更新したが、本日は短陰線で反落した。もし、このまま高値を更新できずに反落して10日移動平均線を割り込むとダブルトップ形成を疑う必要が出てくる。さらに25日移動平均線まで下抜けるとダブルトップがほぼ確定するため高値更新はますます遠のく。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、医薬品(1位)、パルプ・紙(2位)、ゴム製品(3位)、機械(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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6月16日の戻り高値@33,772円にほぼ並んだ!

07月03日
先週金曜日の米国株式相場は大きく上昇した(DJIA +285.18 @34,407.60, NASDAQ +196.59 @13,787.92, S&P500 +53.94 @4,450.38)。ドル円為替レートは144円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,499に対して、下落銘柄数は292となった。騰落レシオは119.53%。東証プライムの売買代金は3兆4046億円。

TOPIX +32 @2,321
日経平均 +564円 @33,753円

5月の米個人消費支出(PCE)価格指数(FRBが利上げするかしないかを決める際の重要指標の一つ)の伸びが予想を下回った(前年同期比+4.6%<予想+4.7%)ことを好感して、米長期金利が低下した。これを好感してハイテク株を中心に幅広い銘柄が買われた。

米国株の大幅高を受けて、さらに6月の日銀短観で企業の景況感が改善した(大企業・製造業DI=+5)ことを好感して、本日の日本株全般も上げる銘柄が多かった。日経平均は終値ベースで1990年3月以来約33年ぶりの水準となり、バブル崩壊後の戻り高値を更新した。6月の日銀短観では物価見通しの鈍化も指摘され、これが日銀による大規模金融緩和継続の根拠となると解釈された。金融引き締めがまだ当分の間継続しそうな欧米とは対照的に、日本は反対にまだ大規模金融緩和が続きそうであるという見方が強まった。まだ海外からの投資資金が日本株へ流入すると期待される。

日経平均の日足チャートを見ると、6月16日の戻り高値@33,772円にほぼ並んだ。このまま上に放れるか、反落して25日移動平均線を割り込むか次第で向こう1カ月くらい先の株価の方向性が左右される。勿論、今の時点で、この先どうなるかは誰にも分からない。もし、分かると断言する人がいたら、その人は妄想に憑りつかれているか、詐欺師である。

今現在分かっているすべての情報(ファンダメンタルズの変化とチャートの変化の両方)を考慮した上で、売りか買いかのポジションを持つが、その判断正しいかどうかは1週間後〜1年後には判明する。勝率は平均約50%だが、局面(株価サイクル3や6)によっては80%くらいまで高まることもある。事前の見立てが結果的に誤りだった、つまり、株価が事前のトレード・プランと反対の動きをした場合は建玉操作により補正・対処する。具体的には、事前に決めておいたロスカット・ポイントで損切りするか(スイング・トレードの場合)、反対玉を建てて傷口が拡大しないよう止血し、次の一手をどうするか考える(ポジション・トレードの場合)。

33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、機械(1位)、電気機器(2位)、海運(3位)、化学(4位)、石油・石炭(5位)となった。
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