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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

非常に長い下ひげを引いた短陽線で下値の堅さを示した

10月29日
昨日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +239.79 @35,730.48, NASDAQ +212.28 @15,448.12)。ドル円為替レートは113円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,026に対して、下落銘柄数は1,052となった。騰落レシオは74.11%。東証1部の売買代金は3兆5317億円。

TOPIX +2 @2,002
日経平均 +73円 @28,893円

米国株式市場では取引時間終了後にアマゾンやアップルが決算発表をしたが、それを受けて時間外取引で株価は大きく下げていた。また、週末には衆議院選挙を控えており、自民党が単独過半数取得に懐疑的な見方が強まると売りが優勢となり、下げ幅は一時340円を超す場面もあった。他方、四半期決算の発表が相次いでおり、キーエンスやソニーなど好業績発表やや業績見通しの上方修正をした銘柄が買われて、日経平均は一時180円高まで上げた。

日経平均の日足チャートを見ると、非常に長い下ひげを引いた短陽線で終えた。今年3月5日にも非常に長い下ひげを引いた短陽線が出て下げ止まった。深押しするとすぐに押し目買いが入り、下値は堅いことを示している。週末の衆議院選挙結果次第で上下どちらかへ大きく振れるはずだが、当然、どんなに今日までのチャートを分析しても分かるはずがない。どちらへ振れても動じないように心と建玉の準備をしておくのみである。

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、パルプ・紙(2位)、鉄鋼(3位)、食料品(4位)、繊維製品(5位)となった。
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決算発表の内容が期待に届かなかったために売られた銘柄が続出

10月28日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -266.19 @35,490.69, NASDAQ +0.12 @15,235.84)。ドル円為替レートは113円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が951に対して、下落銘柄数は1,143となった。騰落レシオは85.40%。東証1部の売買代金は5兆0699億円。

TOPIX -14 @2,000
日経平均 -278円 @28,820円

ダウ工業株30種平均が下げたことに加えて、現在進行形の決算発表の内容がマーケットの期待に届かなかったために売られる銘柄が少なくなかった。世界的な半導体不足が主な原因になっている銘柄もある。日経平均は一時400円を超える下げ幅となったが、押し目買いが入り、下げ幅を縮小した。特に、ファナックの1銘柄だけで日経平均を72円押し下げたが、これは狼狽して売り払ったのではないかと思う。

米債券市場では長期金利が下がった一方、短中期金利は上がり、イールドカーブの傾きが穏やかになるフラット化が進んだ。これは銀行や保険など利ザヤで儲ける業種には都合が悪い。さらに悪いことは、短中期金利が上がり長期金利が下がるパターンというのは景気後退期に起こる特徴(日本のバブル経済崩壊の初期にも観測され、私はその現象をリアルタイムで「肌」で実感しながら融資業務を行っていた)なので、マーケットが警戒しやすく、株式相場にも悪影響を及ぼすということだ。イールドカーブのフラット化が一時的であれば大きな問題にはならないが、今の段階ではまだ分からない。

日経平均の日足チャートを見ると、上向きの10日移動平均と下向きの25日移動平均の両方の下に沈み込んだ。ただ、長い下ひげを引いた短陰線で下げ渋ったことを示している。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、鉄鋼(3位)、保険(4位)、精密機器(5位)となった。
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衆議院議員選挙を週末に控えて様子見

10月27日
昨日の米国株式相場は小幅続伸した(DJIA +15.73 @35,756.88, NASDAQ +9.01 @15,235.72)。ドル円為替レートは114円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が698に対して、下落銘柄数は1,391となった。騰落レシオは81.04%。東証1部の売買代金は2兆6240億円。

TOPIX -5 @2,014
日経平均 -8円 @29,098円

ダウ工業株30種平均は連日で史上最高値を更新した。ただ、昨日、日経平均は500円超も上げたので、本日は利食い売りも出たため、上値は重かった。さらに、米中関係の悪化を懸念して香港ハンセン指数や上海総合指数も下げていたので、日本株全般の重しとなった。それに加えて、週末には衆議院議員総選挙と即日開票が待っているため様子見が支配的だった。そのため、日経平均は一時200円超下げる場面もあった。

日経平均の日足チャートを見ると、長い下ひげを引いた短陽線で「たくり線」のような形となった。上向きの10日移動平均線の上で株価は推移しており、これだけに注目すると株価の短期トレンドは上向きである。しかし、25日移動平均線がまだ下向きなので下方向のモメンタムも残っており、両者の力を差し引きして、力がより強い方へ株価は動く。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、電気・ガス(3位)、情報・通信(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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与党自民党が単独過半数を取れる見込みとの報道で・・・

10月26日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +64.13 @35,741.15, NASDAQ +136.51 @15,226.71)。ドル円為替レートは113円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数は1,685に対して、下落銘柄数は398となった。騰落レシオは77.91%。東証1部の売買代金は2兆5741億円。

TOPIX +23 @2,018
日経平均 +506円 @29,106円

米国株式相場は主要3株価指数が揃って上昇した。これに加えて、1部報道機関が10月31開票の衆議院議員選挙について、与党自民党が単独過半数を取れる見込みだと報道した。これに反応して海外投資家が主力銘柄を買い、株価指数を押し上げた。

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの25日移動平均を陽線で上抜けた。10月20にも上抜けたがあの時は陰線で上抜けたため、持続力が弱かった。今回は陽なので持続力がありそうだ。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、その他金融(3位)、情報・通信(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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下げたが悲観一方に傾いて下げているわけではない

10月25日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +73.94 @35,677.02, NASDAQ -125.50 @15,090.20)。ドル円為替レートは113円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では上昇銘柄数が736に対して、下落銘柄数は1,326となった。騰落レシオは76.39%。東証1部の売買代金は2兆2792億円。

TOPIX -7 @1,995
日経平均 -204円 @28,600円

先週金曜日の米国株式相場ではハイテク株比率が高い米ナスダックが下げ、フィラデルフィア半導体株価指数(SOX)も下落した。この流れを受けて、東京市場でもハイテク株を中心に売りが優勢となり、日経平均の下げ幅は一時300円を超える場面があった。この下げに拍車をかけたのが、10月24日開票の参議院静岡選挙区の補欠選挙において与党自民党の候補が敗北したことだった。これが、今月末の衆議院議員総選挙でも自民党の議席数が伸び悩み、岸田政権の求心力が低下すると連想された。もしそうなれば、期待したほど経済対策が実行されず、日本経済の正常化が遅れるとの読みである。ただ、米株価指数先物が日本時間午後の取引で堅調に推移していたため、日本株の下値を支えた。

日経平均の日足チャートを見ると、終値で下げはしたが、先週金曜日の陽線に続き本日も陽線で終えている。悲観一方に傾いて下げているわけではないことを示している。

33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、ゴム製品(1位)、食料品(2位)、情報・通信(3位)、保険(4位)、証券(5位)となった。
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もし自民党が単独過半数を取れないと・・・

10月22日
昨日米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -6.26 @35,603.08, NASDAQ +94.02 @15,215.70)。ドル円為替レートは114円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部の内、上昇銘柄数が933に対して、下落銘柄数は1,122となった。騰落レシオは77.27%。東証1部の売買代金は2兆4303億円。

TOPIX +1 @2,002
日経平均 +96円 @28,805円

中国恒大集団の利払いの猶予期限が迫っていたが、米ドル債の利息を送金したと報道された。これにより市場の警戒感がひとまず和らぎ、さらにナスダックが上げたので東京市場でも半導体関連銘柄が上げて、日経平均は一時300円近く上昇した。それでも日本株全体では伸び悩んだ。衆議院選挙で与党、自民党が議席数を減らすかもしれないという見通しが引き続き相場の重しになっている。もし、自民党が単独過半数を取れないと、大胆な包括的政策を打ち出すことは困難だと市場は見ているからだ。政策での相場押し上げ効果が期待できなければ、外国人投資家の買いが引っ込み、日本株全体が上がることが期待できなくなる。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして始まったものの反発して上ひげを引いた陽線で引けた。ただ、前日の長大陰線の一部に食い込んだだけで、ローソク足は「当て首線」であり、反発力は弱いと言える。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、鉱業(2位)、鉄鋼(3位)、証券(4位)、銀行(5位)となった。
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今のようなジェットコースターのような相場では・・・

10月21日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +152.03 @35,609.34, NASDAQ -7.14 @15,121.68)。ドル円為替レートは114円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数は323に対して、下落銘柄数は1,786となった。騰落レシオは73.60%。東証1部の売買代金は2兆4488億円。

TOPIX -27 @2,001
日経平均 -547円 @28,709円

米長期金利がまた上昇したことに反応して、資本コスト上がることで理論株価が大きく下がりやすいハイテク成長株が下げた。また、オランダの半導体回路の露光装置大手であるASLMホールディングスの株価が下落した。この流れを受けて東京市場でもハイテク成長株を中心に売りが優勢となった。香港市場で中国不動産大手の恒大集団の株式が3週間ぶりに再開されたが、売買直後に13%を超える急落となった。ハンセン指数は軟調となり日本株にも悪影響を及ぼした。さらに、一部報道で、今回の衆議院選挙で与党が過半数の233議席をできるかどうかの攻防だと報道されると、株価の下げ圧力が増した。日経平均は午前中は下げ渋っていたが、後場になると下げ幅を急拡大した。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日15日ぶりにやっと25日移動平均線の上に浮上したばかりだったが、陰線で終えて弱そうだった。そして、本日は長大陰線で大幅下落した。当面の底値は確認したが、かといって目先はどんどん反発し続けるような相場環境でもない。今のようなジェットコースターのような相場では、トレーリングストップを毎日移動して小回りの利く身軽なトレードをするか、安いところで仕込んだ買い玉はどっしり構えて右往左往しないことが重要だ。

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、精密機器(2位)、電気機器(3位)、輸送用機器(4位)、海運(5位)となった。
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下向きの25日移動平均を上抜けたが・・・

10月20日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +198.70, NASDAQ +107.28 @15,129.09)。ドル円為替レートは114円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が790に対して、下落銘柄数は1,280となった。騰落レシオは81.96%。東証1部の売買代金は2兆7099億円。

TOPIX +1 @2,028
日経平均 +40円 @29,256円

米国株式相場では主要3株価指数が続伸していることを受けて、本日の日本株全般も続伸して高く始まった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.3%上昇し、これを好感して半導体関連株が買われた。日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。新型コロナウィルスの新規感染者が明確な減少傾向を示しており、経済が正常化へ戻ることにより旅客も戻るとの期待から空運や鉄道株が買われた。円安・ドル高が進んでいることを背景に自動車株の一部も買われた。しかし、原油高がコスト増となる海運は売られた。

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの25日移動平均を上抜けたが、陰線で終えたので上方向の力は十分強い訳ではない。陰線ということは、今日のところは寄り付いた後は売りが優勢だったということである。明日以降の細かい値動きは動きはその日その日の株価材料で決まる。中期的なトレンドは新型コロナウィルスの新規感染者の減少傾向が続けば日本国内の経済活動の正常化が早まることで企業業績を改善して株価を押し上げる力となる一方、原油高・資源高が企業のコストを上げるので企業業績を押し下げる力となる。さらに、米長期金利がさらに上昇するのかこのまま向こう半年から1年くらい横這いが続くのか次第で株価を押し下げる力になる。もう一つ注意をすべき変数は中国経済の成長率が低下してきているということである。

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、陸運(2位)、証券(3位)、銀行(4位)、情報・通信(5位)となった。
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下向きの25日移動平均線に接するところまで回復してきた

10月19日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -36.15 @35,258.61, NASDAQ +124.47 @15,021.81)。ドル円為替レートは114円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりもやや多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,115に対して、下落銘柄数は962となった。騰落レシオは86.70%。東証1部の売買代金は2兆4409億円。

TOPIX +7 @2,027
日経平均 +190円 @29,216円

米国株式相場の上昇が一服したことを好感して、値がさ半導体銘柄など成長株を中心に買われた。他方、外為市場では円安・ドル高の動きが一服したため、これまで円安メリットで買われてきた自動車株など輸出関連銘柄の一部は売られた。新型コロナウィルスの新規は減少傾向が続いており、国内の経済活動の正常化が期待されるので、小売り株の一部に買いが向かった。衆議院選挙が本日公示され、10月31日の開票日に向けて、経験則通り政策期待による株高となるか?

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの25日移動平均線に接するところまで回復してきた。今後も上昇し続けるためには25日移動平均線は必ず上抜けしなければならない。10月18日現在の予想EPS=2,044円、予想PER=14.2倍である。この予想PER(楽観度・悲観度を表す)が平常時の16〜17倍に戻るだけで、日経平均は32,704円くらいまで上昇する。このまま新型コロナウィルスの新規感染者が向こう6ヵ月くらい低いままであれば、十分可能性はあると見ている。但し、他の悪い材料が湧きだして来なければの話であるが。

33業種中15業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、精密機器(2位)、その他製品(3位)、情報・通信(4位)、電気機器(5位)となった。
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新型コロナ感染拡大の鎮静化、株価にはしばらくは追い風

10月18日
先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA +382.20 @35,294.76, NASDAQ +73.91 @14,897.34)。ドル円為替レートは114円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりもやや多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,124に対して、下落銘柄数は985となった。騰落レシオは91.97%。東証1部の売買代金は2兆5295億円。

TOPIX -5 @2,019
日経平均 -43円 @29,025円

米国株式相場が続伸した流れを受けて、本日の日本株全般は続伸して始まったが、前2営業日で大きく上げたこともあり、利益確定売りが優勢となり日経平均は結局小幅安で終えた。原油価格の上昇を価格転嫁しにくい内需株が売られたが、原油価格高や円安メリットがある資源株や自動車株は上げた。中国の7〜9月期国内総生産(GDP)は4〜6月期(+7.9%)比で市場予想を上回る減速(+4.9%)となった。上海総合指数や香港ハンセン指数は下げたが日本株に対する悪影響は限定的だった。

日経平均の日足チャートを見ると、短陰線でわずかに下げたが、上昇途中の小休止と考えられる。日本全国で新型コロナウィルスの新規感染者が減少し続けており、経済活動の正常化が強く期待されているため、株価にはしばらくは追い風となるはずだ。

33業種中15業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1)、石油・石炭(2位)、非鉄金属(3位)、鉄鋼(4位)、輸送用機器(5位)となった。
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相場格言「半値戻しは全値戻し」の通りとなるか?

10月15日
昨日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +534.75 @34,912.56, NASDAQ +251.80 @14,823.43)。ドル円為替レートは114円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇する銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,989に対して、下落銘柄数は155となった。騰落レシオは89.23%。東証1部の売買代金は2兆8420億円。

TOPIX +37 @2,024
日経平均 +518円 @29,069円

10月14日に発表された米卸売物価指数(PPI)は市場予想を下回り、最近の過度のインフレ懸念がやや後退したため、米国株式相場では主要3株価指標が揃って大きく上昇した。香港ハンセン指数も上海総合指数も上げた。この流れを受けて、本日の日本株全般も大きく続伸した。日本国内では、新型コロナウィルスの新規感染者が明らかに減少しており、10月31日開票の衆議院議員選挙を前に経済対策も期待される。

外為市場では円安・ドル高がさらに進み、1ドル=114円台になったため自動車株など輸出関連銘株が買われた。米中長期金利が上昇しているため、日米金利差からドルの金利面での魅力が高まりドル買い・円売りが続いている。

原油高は原油のほぼすべてを輸入に依存している日本経済にとっては打撃となる。ミクロでは各企業のコスト増を招き利益を縮小させ、マクロでは輸入物価の上昇と交易条件の悪化を招いている。その結果、貿易収支・経常収支を悪化させ、円売り・ドル買いを促している。

日経平均の日足チャートを見ると、2日連続の大幅続伸となった。9月14日高値@30,795円から10月6日安値@27,293円までの下げ幅3,502円に対して1,775円(50.7%)、つまり半値戻しとなった。「半値戻しは全値戻し」という相場格言の通りに展開するかどうか?一つの区切りは10月31日の衆議院選挙開票日だろう。

33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、機械(1位)、海運(2位)、電気機器(3位)、金属製品(4位)、証券(5位)となった。
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とりあえずこれで底値は確認した

10月14日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -0.53 @34,377.81, NASDAQ +105.71 @14,571.64)。ドル円為替レートは113円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,048に対して、下落銘柄数は1,037となった。騰落レシオは86.83%。東証1部の売買代金は2兆5647億円。

TOPIX +13 @1,987
日経平均 +411円 @28,551円

米長期金利の上昇が一服したため、ハイテク成長株が上昇してナスダックが上げた。フィラデルフィア半導体指数(SOX)が4営業日ぶりに反発した。この流れを受けて、東京市場でも値がさ半導体株など成長株を中心に買われ、値嵩株のウェイト高い日経平均の上げ幅は430円を超える場面もあった。しかし、東証1部全体で見ると上げ下げはほぼ半々であった。

いよいよ衆議院が本日10月14日に解散した。今回の衆議院選挙は10月19日公示、31日開票の日程である。経験則では、選挙を有利に進めるために与党が何か経済にプラスとなるような政策を打ち出してくるのではないかという期待が膨らみ、株価を押し上げやすい。

原油価格(WTI先物)が1バレル=80ドル台で高止まりしている。これはほとんどの産業のコストを上げて利益を圧迫するが、特に海運や空運など物資や人を運ぶ業種にとってはかなりの重荷になる。このまま原油価格が高止まりすれば大きな減益要因となる。この見方を先取りして海運株は空運株の下げが大きかった。

日経平均の日足チャートを見ると、9月17日以来約1カ月ぶりに10日移動平均線の上に浮上してきた。10日移動平均線の傾きがまだ下向きなので上方向の力は不安定だが、とりあえずこれで底値は確認したと言える。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、水産・農林(1位)、精密機器(2位)、電気機器(3位)、その他製品(4位)、化学(5位)となった。
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世界経済の減速懸念もあるが・・・

10月13日
昨日の米国株式相場は小幅続落した(DJIA - 117.72 @34,378.34, NASDAQ -20.28 @14,465.93)。ドル円為替レートは113円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が608に対して、下落銘柄数は1,491となった。騰落レシオは89.74%。東証1部の売買代金は22兆4039億円。

TOPIX -9 @1,974
日経平均 -90円 @28,140円

国際通貨基金(IMF)が10月12日に世界経済の見通しを改定して、2021年の実質成長率を5.9%へ前回予想よりも0.1ポイント下方修正した。日本の経済成長率も2.4%と前回予測よりも0.4%引き下げた。原油価格をはじめとして資源価格が上昇しているため今回の下方修正は妥当だろう。米国固有の事情だけでなく世界経済の減速懸念も加わり、米国株式相場は続落した。これを受けて、本日の日本株全般も景気敏感株を中心に下げた。日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。しかし、国内での新型コロナウィルスの新規感染者は減少を続けており、日本経済の早期の正常化が期待されているため、ある程度下げるとすぐに押し目狙いの買いが入って下げ幅を縮小した。

日経平均の日足チャートを見ると、続落はしたが上下に長いひげを引いた短陽線であり、10月11日の長大陽線の範囲内に収まっている。2月1日を起点とした高値圏でのレンジ相場の底値から反発初動の位置にある。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、ゴム製品(3位)、銀行(4位)、保険(5位)となった。
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ほぼ予定通りの反落

10月12日
昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -250.19 @34,496.06, NASDAQ -93.34 @14,486.20)。ドル円為替レートは113円台前半での動きだった。本日の日本株全般は反落した。東証1部では、上昇銘柄数が375に対して、下落銘柄数は1,743となった。騰落レシオは96.48%。東証1部の売買代金は2兆5637億円。

TOPIX -14 @1,983
日経平均 -268円 @28,231円

米国株が続落したのを受けて、本日の日本株全般も反落した。特に、原油価格10月11日には一時、1バレル=82ドル台まで上昇し、約7年ぶりの高値を付けた。これによりコスト・プッシュ・インフレが懸念され、且つ、企業のコスト増へとつながり、さらに世界的に長期金利の上昇を招くとの連想から、長期金利上昇のネガティブな影響を必然的に受ける成長株を中心に売られた。原油価格上昇による悪影響をもろに受ける業種である空運、陸運、ガス株などが目立って売られた。日経平均は一時300円超下げる場面もあった。しかし、円安・ドル高が進行したので、円安の恩恵を受ける自動車株などには買いが入った。

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの10日移動平均にはじき返された形となった。まだ強力なダウンプレッシャーの余韻が市場参加者の記憶に色濃く残っているので一進一退を繰り返すと見ておこう。直前の3日間で約1000円反発したので、これくらいの下げは当然だろう。それでも新型コロナウィルスの感染が引き潮になっているのは明確なので、国内の経済は正常化へ向かい、それに合わせて株価も徐々に上方向へ動くと考えられる。但し、この好材料を打ち消すような強い悪材料が出てこなければの話であるが。こればかりは、どんなにチャートを見ても事前には決して分からない。チャートは占い師の水晶玉ではなからである。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、空運(2位)、小売り(3位)、陸運(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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悪材料が少し弱まったのでリバウンドを試しに行く

10月11日
先週金曜日の米国株式相場は小幅安となった。(DJIA -8.69 @34,746.25, NASDAQ -74.48 @14,579.45)。ドル円為替レートは112円台後半の先週金曜日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇した。東証1部では、上昇銘柄数が1,834に対して、下落銘柄数は295となった。騰落レシオは107.29%。東証1部の売買代金は2兆7085億円。

TOPIX +35 @1,997
日経平均 +449円 @28,498円

先週まで株価を下へ引っ張ていた悪材料がやや後退したことで本日の日本株全般はリバウンドした。岸田文雄首相が唱えていた金融所得課税の見直しは当面触れないと明言したため、株価にマイナスとなる税率引き上げ懸念が遠のいた。また、中国の電力不足による供給制約については、石炭の輸入を増加させ、当局が電力料金の値上げを容認すると伝わり、電力の供給制限で中国景気が悪くなるという心配も遠のいた。さらに、米国長期金利の上昇により円安・ドル高が進んだことで自動車などの輸出関連銘柄が買われた。日本国内では新型コロナウィルスの新規感染者は明らかな減少を描いており、日本国内の経済活動が正常化へ向かうとの期待が高まった。

米国連邦政府の法定債務上限を4800億ドル(54兆円弱)引き上げることで与党民主党と野党共和党が合意したため、米国債の債務不履行(デフォルト)はとりあえず回避された。しかし、これは当面回避されただけに過ぎず、12月初旬にはまた資金が尽きる。8月へ少し話を遡らせると、債務上限が近づいて来たので財務省は手元資金を取り崩しつつ、短期国債の発行を抑制してきた。そのため金融市場ではカネ余りとなった。昨年の夏には1.7兆ドルあった政府預金残高は民間部門へ資金が流出したことで、現在は900億ドル割れ寸前まで激減した。他方、FRBの量的緩和と新型コロナウィルス対策として巨額の財政出動を行ってきたため、こちらの経由でも金融市場にはお金が溢れ返ってカネ余り度を増した。財務省が短期国債の発行を抑制しているため、現在は発行が償還を下回り、「償還超過」の状態となっている。その結果、短期国債を中心に運用してきたMMF(マネー・マーケット・ファンド)は資金運用先が枯渇して窮地に追い込まれた。そこへFRBが「リーバース・レポ」で緊急避難場所としての助け舟を出した。この取引によりFRBは0.05%の利息を民間の資金運用者へ払うので資金が殺到し、9月末の残高は1.6兆ドルに膨張した。しかし、これは健全なマネーマーケットの状態ではない。巨額の資金がリバース・レポに長期間滞留すれば、民間のレポ市場のレポ金利が急騰するリスクがある。

本日の外為市場では円相場が下落し、一時1ドル=113円台前半と2018年12月以来2年10カ月ぶりの円安水準となった。前週末に発表された9月の米雇用統計で米国の雇用情勢が底堅いことが改めて確認され、米長期金利が1.6%台まで上昇したため、日米金利差拡大により米ドルの魅力が増したことが背景にある。

原油価格が売り手であるOPECが心配するほど上昇している。WTI先物の期近物は10月8日に1バレル=80.11ドルまで上げる場面があった。80ドルを超えるのは約7年ぶりである。商品である原油の価格が上昇すると売り手であるOPECには一見すると都合が良いと思うかもしれないが、実はそうではない。原油価格が上がり過ぎると、米国産のシェール・オイルの採算が良くなり、OPEC産の原油のシェアが落ちてしまうからだ。米国シェール・オイル油井の平均開発コストの上限は1バレル=58ドルである。OPECにとって頭が痛いのはライバルである米国シェール・オイルの動向だけではない。根本的な問題は世界が、特に先進国が、脱炭素社会へ向かっていることである。それでも新興国は石油や石炭への依存が下がることはなく、経済発展を重視するなら寧ろ高まる可能性の方が高いと見られている。

日経平均の日足チャートを見ると、10月6、7日で形成された安値圏での「孕み線」を上抜けした。これで暫くはリバウンドの力強さを試しに行くだろう。ただ、このまま一気に上にいくことは稀で、暫く反発を続けるとまた直ぐに売りが優勢となりもう一度下値の底堅さを試しに行くことが多い。

33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、鉱業(3位)、輸送用機器(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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下げ止まりはしたが・・・上ひげが・・・

10月08日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA + 337.95 @34,754.94, NASDAQ +152.10 @14,654.02)。ドル円為替レートは111円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇した。東証1部では、上昇銘柄数が1,746に対して、下落銘柄数が358となった。騰落レシオは100.04%。東証1部の売買代金は3兆1984億円。

TOPIX +22 @1,962
日経平均 +371円 @28,049円

米議会上院が10月7日、連邦政府債務の上限を拡大する法案を賛成多数が可決した。これにより米国債が債務不履行(デフォルト)するリスクが当面は回避される見通しとなった。また、休場明けの上海株式相場も上昇したため、日本株を下支えした。日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。ただ、日本時間の今夜には9月の米雇用統計の発表を控えているので、上値は重かった。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日と同様に長い上ひげを引いて始まり値と終値はほぼ同じとなる寄引同事線となった。下げ止まりはしたが、かといってすぐに上方向に力強く上がる訳でもないというメッセージである。

33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、輸送用機器(2位)、サービス(3位)、電気機器(4位)、情報・通信(5位)となった。
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久しぶりの「買い線」=安値圏での「孕み線」

10月07日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +102.32 @34,416.99, NASDAQ +68.08 @14,501.91)。ドル円為替レートは111円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が839に対して、下落銘柄数は1,249となった。騰落レシオは98.64%。東証1部の売買代金は2兆9449億円。

TOPIX -2 @1,940
日経平均 +149円 @27,678円

米長期金利の上昇および原油高が一服したため、米国株式相場全般は反発した。日本株も日経平均で8日間で2,700円超も下げていたので割安感が出ただけでなく、日本時間で米株価指数先物も反発していたため、主力株を中心に自律反発狙いの買いが入った。日経平均の上げ幅は一時450円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、9月29日以来毎日安値を更新していたのが、今日は安値の更新が止まった。今は1月29日を起点として始まった高値ボックス圏での値動きの下限にあり、下げ止まって反発するにはちょうど良い株価位置である。ローソク足に注目すると昨日の長大陰線と本日の十字線と合わせて安値圏での孕み線(=買い線)となった。向こう数日位は反発するか?

33業種中20業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、電気・ガス(3位)、空運(4位)、陸運(5位)となった。
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五重苦で強い下押し圧力に晒されている

10月06日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +311.49 @34,314.41, NASDAQ -311.22 @14,255.48)。ドル円為替レートは111円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,073に対して、下落銘柄数は1,015となった。騰落レシオは100.30%。東証1部の売買代金は3兆7420億円。

TOPIX -6 @1,942
日経平均 -293円 @27,529円

昨日も書いたように日本株は少なくとも五重苦で強い下押し圧力に晒されている。今日は自律反発狙いの買いも多く入り、前場は上げ幅が300円超となる場面もあったが、結局、8日続落した。8日続落は2009年7月に9日続落して以来、約12年3カ月ぶりの珍しい記録である。米長期金利は一段と上昇したため、その影響を最も受ける値がさ成長株中心に売りが優勢となった。また、原油高により日本企業のコストが増加するため、企業収益を押し下げる懸念が高まっている。このため、日経平均は一時500円超の下げとなった。今日は300円プラスから500円マイナスまで振れ幅が大きかった。

現在起こっている原油高はコロナ禍のピークアウトにより世界経済が急回復する過程で需要が急拡大する圧力だけでなく、構造的な供給制約の問題も原油高を促進している。それは2050年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする「脱炭素」の世界的な動きとそれを実現するための規制強化である。これにより、原油高の圧力が増強され、温暖化ガス排出枠取引の価格も上昇し、両方のコスト増により日本企業のコストを押し上げている。規制強化が先行しているため原油・シェールオイルの供給にはブレーキがかかる一方、再生可能エネルギーへの転換は遅れている。それでもエネルギーは世界的に必要なため、原油だけでなく石炭の価格も高騰している。その先に見えるものは世界的な「コスト・プッシュ・インフレ」と、それから派生して起こる金利の上昇である。金利が上昇すれば景気が悪くなるので、株価も当然下がる。このような連想が株価を押し下げている。

日経平均の日足チャートを見ると、9月14日を起点として下方新値10本まで下げてきた。また、今年1月29日を起点として見ると27,600〜30,700円のレンジで横這い相場が続いてきた。その下限まで下げてきた。8月20日安値@26,954円を割り込んで下抜けするかどうかに注目している。新型コロナウィルスの新規感染者がピークアウトして経済が正常化へ向かいつつあるという好材料と五重苦を測りにかけて短中期的にどちらの力が強そうなのかというその時々の感触が相場のベクトルを決める。事前に見極めるのは至難の業である。だから「相場の見方」だけでは不十分であり、相場の見方の誤りを補正するために、「相場のやり方」である買い玉だけでなく売り玉も混ぜた「建玉操作」の「技術」が重要なのである。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、銀行(3位)、電気・ガス(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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やはり「もうはまだ」の相場格言は正しかった

10月05日
昨日の米国株式相場はまた大きく反落した(DJIA +323.54 @34,002.92, NASDAQ -311.22 @14,255.48)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。東証1部では、上昇銘柄数が288に対して、下落銘柄数は1,843となった。騰落レシオは106.26%。東証1部の売買代金は3兆6152億円。

TOPIX -26 @1,948
日経平均 -623円 @27,822円

やはり「もうはまだ」の相場格言は正しかった。悪い時には悪い材料が幾つも重なって飛び出して来て相場を大きく下へ引き下ろす。日経平均の下げ幅は一時900円を超えるほどで、これで7日続落した。7日続落は2019年4月26日から5月14日の時以来約2年5カ月ぶりである。これで菅前総理の退陣表明をきっかけに急上昇した株価は振出しに戻った。主な悪材料を整理してみる。

(1)中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰り問題。
(2)米国連邦政府の債務上限問題。
(3)原油高・資源高によるインフレ懸念の高まりとそれを受けてFRBの量的金融緩縮小と利上げの開始が早まるかもしれないとう懸念。長期金利が上昇すれば成長株の理論株価はより大きな下方圧力がかかるため、実際の株価も下がる。既にGAFAMの時価総額は9月上旬には9.3兆ドル(約1,030兆円!)だったものが10月4日時点では8.4兆ドルまで約1割下げた。
(4)岸田新内閣が金融所得課税を検討しており、これを嫌気して売りが増加している。2014年に証券優遇税制が打ち切られた際には、実施直前に向けて駆け込み的に売りが急増して、13年11~12月の2カ月間だけで個人投資家は約4兆円も売り越した。
(5)原油高・資源高と人手不足により日本企業の業績見通しが10〜12月期とさらにその先の2022年1〜3月期は事前予想よりも下がるのではないかという懸念が高まりはじめた。

日経平均の日足チャートを見ると、大きく窓を空けて下落して5月13日安値@27,385円直前まで急落して来た。陰線引けではあるが実体部分よりも長い下ひげを引いたため、今日のところは渋り感が強い。260日移動平均線はしっかり上向きなので中期的にはまだ上方向で間違いないが、目先は乱高下が続くと見ておく。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、機械(2位)、情報・通信(3位)、医薬品(4位)、電気機器(5位)となった。
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値幅ではかなりの調整をしたので・・・

10月04日
先週金曜日の米国株式相場は大幅反発した(DJIA +482.54 @34,326.46, NASDAQ +118.12 @14,566.70)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が872に対して、下落銘柄数は1,229となった。騰落レシオは111.50%。東証1部の売買代金は3兆588億円。

TOPIX -12 @1,974
日経平均 -326円 @28,445円

米国株式相場は大幅反発したにもかかわらず、本日の日本株全般は下げた。その背景には、岸田新総理が掲げる金融所得課税の引き上げという「増税」に対する懸念と、中国恒大集団の株式が香港市場で理由を明かされずに取引停止となったことがある。さらに、米国政府の債務上限問題が根本的には解決しておらず、10月18日にも米国債が債務不履行に陥るのではないかとの懸念が高まっている。米国のバイデン政権では富裕層税、英国のジョンソン政権では配当収入に対する増税を検討しており、「富の再分配」が今年・来年の世界の流れとなりつつある。他方、日本国内の良い材料としては、緊急事態宣言が解除が解除されたため、経済が正常化に向けて動き出した。これを好感して空運やレジャー関連銘柄が上げた。好材料と悪材料が入り乱れて混ざり合い、暫くは力の強い方へトレンドを描く。

日経平均の日足チャートを見ると、下方新値8本下げた。押しとしてはかなり深い押しとなった。値幅では、昨年2月16日高値@30,714円から3月5日安値@28,308円までの下げ幅(=2,406円)と今年9月14日高値@30,795円から本日10月4日安値@28,343円までの落差(=2,452円)はほぼ同じとなった。値幅ではかなりの調整をしたので、そろそろ下げ止まっても良さそうだが、悪材料がさらに飛び出してくれば「もうはまだなり」である。

33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、陸運(2位)、その他金融(3位)、パルプ・紙(4位)、不動産(5位)となった。
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日経平均、半値押しの水準まで下げてきた

10月01日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -546.80 @33,843.92, NASDAQ -63.86 @14,448.58)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は大幅続落した。東証1部では、上昇銘柄数が173に対して、下落銘柄数は1,981となった。騰落レシオは114.93%。東証1部の売買代金は3兆5442億円。

TOPIX -44 @1,986
日経平均 -682 @28,771

米国株式は主要3指数が揃って大きく下落したことを受けて、本日の日本株全般も大きく続落した。以前から懸念となっている米国連邦政府の債務上限問題は、12月3日までのつなぎ予算が9月30日の議会上下院で可決されたため、政府機関の一部閉鎖は回避され、とりあえずは危機を乗り切った。

しかし、根本的な解決ではないので、政府の資金が枯渇して米国政府が「債務不履行」に陥るかもしれないという問題は今後もまた蒸し返されるはずである。しかし、このような心配は全く杞憂である(支払うお金そのものが無い経済破綻寸前の後進国と違い、米国政府はその気にさえなれば米ドルならいくらでも発行できる。ドル紙幣を増刷するか国債を発行するだけで良い)にも関わらず、株式式市場は相変わらず間抜けな反応をしている。お金そのものが無くて支払えない「債務不履行」とお金は十分あるが単に行政手続き上の理由ですこし遅れるかもしれない「債務不履行」ではその性質が天と地ほどの差がある。

米国ではまもなく量的金融緩和の縮小(=テーパリング)が始まるが、それと並行して供給側の制約によるインフレ(コスト・プッシュ・インフレ)懸念が高まっている。さらに、中国の購買担当者景況感指数(PMI)が50を少し割り込んだため、中国の景気減速懸念が強まっている。これら悪材料に対して、前場開始前に発表された9月の日銀短観では、大企業の業況判断指数(DI)は製造業、非製造業ともに市場予想を上回る良い数字だった。だた、先行きに関しては不安が残る内容だったため、本日はプラスの材料としてはほとんど力が無かった。日本は欧州並みにワクチン2回接種率60%を超えてきており、新型コロナウィルスの新規感染者がピークアウトしてきた。そして緊急事態宣言が解除された。岸田文雄内閣がどのような経済対策を打ち出すか、その内容と規模に市場の関心が集まっている。

日経平均の日足チャートを見ると、上向きの25日移動平均線を大きく割り込んだ。これで下方新値7本目である。押し目としてはかなり深くなった。ざっくりと見て半値押しである。8月20日安値@26,954円と9月14 日高値@30,795円までの上昇幅3,841円なので半値押しは28,874円である。本日の下げにより、ほぼこの水準まで下げた。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、その他製品(1位)、金属製品(2位)、倉庫・運輸(3位)、卸売り(4位)、機械(5位)となった。
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