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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

「イングランド銀行ショック」で株が上がったが・・・

09月29日
昨日の米国株式相場は大きく反発した(DJIA +548.75 @29,683.74, NASDAQ +222.13 @11,051.64, S&P500 +71.75 @3,719.04)。ドル円為替レートは144円台後半での動きだった。本日の日本株全般は反発する銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,237に対して、下落銘柄数は536となった。都騰落レシオは86.76%。東証プライムの売買代金は3兆2455億円。

TOPIX +14 @1,869
日経平均 +248円 @26,422円

英イングランド銀行が突然、英国債の一時的な買い入れ(10月14日まで残存期間20年の長期国債を必要な分だけ金額無制限で購入する)と、10月上旬に予定していた保有国債の売却開始を10月末に延期すると発表したため、英長期金利は下落した。

もともと、英トラス新首相の大幅減税案、天然ガス価格急騰による家計の負担軽減のため今冬の暖房費を国が補助する案などが打ち出されたため、英国の財政不安が急速に高まっていた。これらのことを背景に英国債売りが急増していた。そこへ完全に虚を突かれるように、イングランド銀行が英国債を大量に買い始めた。それには理由があった。英国の年金基金が「短期金利支払い・固定金利受け取り」という金利スワップ取引も含むLDI(Liablity Driven Investment)という運用手法で1.5兆ポンド(2020年末時点)も運用している。この手法は英国における確定給付年金の主流の運用手法ではある。しかし、この金利スワップ「短期金利支払い・固定金利受け取り」では金利が上昇するとスワップの評価損が膨らむ。すると年金の取引相手である金融機関からは担保不足として追証を求められる。追証捻出のためにやむを得ず保有英国債を売る。するとさらに英長期金利が上昇してさらに追証を求められるという悪循環に陥った。水面下で、このように英年金基金が危機的な状況に陥ったため、それを救済する目的でイングランド銀行が動いた。理由は何であれ、QTのはずが突然、時限付ではあるが全く正反対のQEを実施した。売り方はマージン・コール(追証)を求められ、損切りの嵐となりマーケットが狼狽したのも無理はない。

その動きは米国にも波及し、4.0%を一時的に超えていた米長期金利が3.7%台へたった1日で20ベーシス・ポイント(0.20%)も急低下した。債券の利回りが1日で20ベーシス・ポイントも動くということは滅多にない異常事態である。これを好感して米主要株価3指数は揃って上昇したため、本日の日本株全般も上げた。日経平均の上げ幅は一時280円を超えた。ただ、日経平均は直前の4日営業日で1,100円超下落して25日移動平均線乖離率がマイナス5.7%まで拡大していたため、自律反発狙いの買いがもともと入りやすかった。配当権利落ち分で223円程度株価を押し下げているので、このマイナス分を除けば実質的には471円の上昇だった。ただ、この反発が長く続くとは今のところ期待薄である。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長い下ひげを引いた長陰線の翌日に、その実体部分に収まる陽線で終えた。つまり、安値圏での「孕み線」となった。もし、数日以内に「孕みの上抜け」となれば、当面の底値を確認したことになる。しかし、上抜けできずにもたもたしているうちに、また大きな悪材料が飛び出してきてさらに下へ放れることも想定しておく必要はある。


さて、配当権利落ちの影響もありますが、商船三井はやはり急落して来ましたね!皆さん、ちゃんと儲けましたか?

K株は、つなぎ売り玉を手仕舞い、同時に1枚買い増しました。
その結果、現在のポジションは「0-2」です。構えは「円月殺法音無しの構え」です。

33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、医薬品(1位)、繊維製品(2位)、陸運(3位)、鉱業(4位)、サービス(5位)となった。
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「アップル・ショック」で株価が急落

09月28日
昨日の米国ダウ工業株30種平均は続落した(DJIA -125.82 @29,134.99, NASDAQ +26.58 @10,829.50, S&P500 -7.75 @3,647.29)。ドル円為替レートは144円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は大きく下落した。東証プライムでは、上昇銘柄数が760に対して、下落銘柄数は1,011となった。騰落レシオは80.25%。東証プライムの売買代金は3兆7248億円。

TOPIX -18 @1,855
日経平均 -398円 @26,174円

米ダウ工業株30種平均が続落して年初来安値を更新し、さらにアップルがiPhone 14の増産計画を撤回したとの報道が加わり、東京市場ではアップル関連銘柄とされる電子部品銘柄は勿論、海運、鉄鋼、自動車などの景気敏感株を中心に売りが急増した。米長期金利(10年物国債の利回り)は一時4.0%を超え、景気下押し圧力が増すとの懸念が高まった。日経平均の下げ幅は一時600円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、長い下ひげを引いた長陰線で終え、今回の下げ局面の安値を更新した。ザラバでは7月1日安値@25,841円に迫る勢いで急落した。ここまで下げてくると、次に意識される下値支持線は6月20日安値@25,520円である。本日の長い下ひげから判断すると、これ以上の下げに対しては押し目買いが急増することで強く下げ渋ると見るのが定石である。但し、リスク資産である株を投げ出したくなるような強力な悪材料が飛び出してくればもう一段の下げもありうる。

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、不動産(2位)、鉄鋼(3位)、小売り(4位)、保険(5位)となった。
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「三空叩き込み」直後、自律反発狙いの買いが増加

09月27日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -329.60 @29,260.81, NASDAQ -65.00 @10,802.92, S&P500 -38.19 @3,655.04)。ドル円為替レートは144円台前半の前日比円安・ドル高水準での動きとなり、予想通り日銀の単独為替介入の効果は早くも消えた。本日の日本株全般は自律反発狙いの買いが優勢となり、多くの銘柄が反発した。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,093に対して、下落銘柄数は636となった。騰落レシオは80.58%。東証プライムの売買代金は2兆6736億円。

TOIPX +9 @1,873
日経平均 +140円 @26,572円

高進するインフレを抑え込むため欧米中央銀行が金融引き締め政策を強化している中、世界経済の後退懸念が高まっている。英国やイタリアでは財政悪化に対する警戒感が俄かに高まってきた。このようなことを背景に、米国株は続落した。しかし、日本株は既に「三空叩き込み」を示現するほど急落していたので、定石通り、本日は自律反発狙いの買いが優勢となった。やはり日銀の単独市場介入では相場の流れを逆転させることはできず為替レートが円安方向に揺り戻されたため、自動車関連銘柄が買われた。また、10月11日からは水際対策が緩和されることになっており、観光促進「全国旅行支援」も始まるため、旅行者が大きく増えると予想される。全国旅行支援策は12月下旬までとされるが、もし2023年3月末まで延長されれば、その経済波及効果は1兆8000億円になるとの試算もある。そのため、電鉄などリオープン銘柄も上げた。ただ、相場全体の上値は重い。

日経平均の日足チャートを見ると、「三空叩き込み」で急落した直後なので自律反発狙いの買いが急増して小幅反発した。ローソク足としては十字線で終り、前日の長大陰線と併せて安値圏での「孕み線」となった。数日以内にこの孕み線の上限を上抜けることができれば、当面の底を確認したことになる。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、食料品(2位)、サービス(3位)、非鉄金属(4位)、空運(5位)となった。
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欧米中央銀行の「ドミノ利上げ」に怯えて・・・「三空叩き込み」

09月26日
先週金曜日の米国株式相場は大きく下落した(DJIA -486.27 @29,590.41, NASDAQ -198.88 @10,867.93, S&P500 -64.76 @3,693.23)。ドル円為替レートは143円台後半での動きだった。本日の日本株全般は大きく下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が124に対して、下落銘柄数は1,687となった。騰落レシオは80.47%。東証プライムの売買代金は3兆3420円。

TOPIX -52 @1,864
日経平均 -722円 @26,432円

英国イングランド銀行が政策金利を0.5%引き上げ、その翌日にはトラス英首相が減税と国債増発を財源とする大規模な経済対策(例えばエネルギー価格の上限を設定する)を打ち出した。これによりインフレがさらに加速し、且つ、財政悪化も懸念され、英国債が売られて英長期金利が急上昇した。英国の金利は上昇しているが、英国ポンドはどんどに対ドルでポンド安・ドル高が進行している。一時は1ポンド=1.03ドルという水準を割り込み、1985年に付けた安値を更新して変動相場制移行の最安値を更新した。ポンド安、国債安、株安のトリプル安の展開となった。欧米の強まる金融引き締め政策とその結果起こりそうな世界景気の減速・後退を先取りするかのように米国株式相場は大きく下落した。この流れを受けて、本日の日本株全般も大きく下げた。

日経平均の日足チャートを見ると、3営業日連続で窓を空けて下げ、「三空叩き込み」となった。日本時間の今夜も何らかの理由により米国株式相場がさらに大幅続落しない限り、明日の日経平均は少なくとも一時的には強い下げ渋りを見せるだろう。しかし、早晩起こるであろう反発もそう長くは続かず、ある程度上げるとまた下げることを繰り返すと見ている。勿論、個別銘柄の動きはその銘柄独自の上げ下げの理由があるので、例えば、空運、陸運、百貨店などのインバウンド銘柄はしばらく反発基調が強そうだが。

K株は売りつなぎをした。1-1 (1ヤリ1買い)
業績見通しの変化から判断すると中期的なベクトルの方向は上向きと判断するが、相場全体に吹き荒れる嵐からは無傷ではいられないので、念のため一旦「デルタ」(株価の変化に対する損益の感応度)をゼロにした。

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、非鉄金属(3位)、卸売り(4位)、繊維製品(5位)となった。
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予想以上のタカ派となったFRBに驚いて・・・

09月22日
昨日の米国株式相場は大きく下げた(DJIA -522.45 @30,183.78, NASDAQ -204.86 @11,220.19, S&P500 -66.00 @3,789.93)。ドル円為替レートは144円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が626に対して、下落銘柄数は1,105となった。騰落レシオは83.33%。東証プライムの売買代金は2兆6158億円。

TOPIX -5 @1,916
日経平均 -159円 @27,154円

世界中の市場関係者が注目していた米連邦公開市場委員会(FOMC)が声明を発表した。事前の予想通り、3回連続の0.75%(通常は1回で0.25%)の利上げを決めた。しかし、予想外のことも入っていた。政策金利は2022年末までに4%を超えるシナリオが示された。これは11月のFOMCで連続4回となる0.75%の利上げを実施しても尚、12月にはさらに0.5%の利上げを想定しているからだ。エコノミストの間ではFRBは政策金利を2023年末までに4.65%を超えて5%近くまで上げるという見方も出てきた。つまり、景気を犠牲にしてでも「より高く、より長く」金融引き締めを実施して何としてもインフレを退治するというFRBの強い意志表明である。米株式相場は一旦下げてから、過去の経験則通り上昇したが、その後は売りが圧倒的に優勢となり大きく下落した。米国株式市場は超タカ派となったFRBの金融引き締め政策はインフレを抑え込むことを超えて米国経済を後退に追い込む「オーバーキル」となることを織り込み始めたようだ。ダウ工業株30種平均の日足チャートには既にそのサインが出ている。

これを受けて、本日の日本株全般も大きく下げる銘柄が多く、日経平均は一時360円近く下げた。海運などの景気敏感銘柄は特に売られた。ただ、日銀の金融政策決定会合で現状の大規模金融緩和政策の継続が決まると、24年ぶりに145円台まで進行した円安・ドル高の恩恵を受ける自動車など輸出関連銘柄に買いが入り、日経平均は下げ幅を縮小させた。さらに日本株にとってプラスの材料は、新型コロナウィルス感染に対する水際対策を緩和するのでインバウンド需要が高まり関連銘柄の上昇が期待され、日本株相場を下支えするはずである。

本日、株式市場が終わってから、午後5時過ぎに政府・日銀が外為市場でドル売り・円買いの市場介入を実施した。日銀による単独介入である。40分ほどで5円も円が急騰した。1985年のプラザ合意の時とは対照的に、「単独介入」でしかも相場の「トレンドに逆らう」市場介入なので、短期的には効果があるが、中長期的にはほとんど効果がない。効果がないこと百も承知の上で、「何もしない」日銀に対する世論の風当たりを緩和するために「なにかをやった」感を出すために渋々やったという印象を受けた。円安・ドル高の原因が消えない限り、基調としての円安・ドル高は変わらない。日本経済の構造変化と輸出産業の国際競争力の悪化により、貿易黒字・経常収支黒字が恒常的に大きく減少している。それに加えて、昂進するインフレに対処するため米国、EUに加えて英国も金融引き締めに舵を切った中で、世界の先進国で唯一日銀だけが大規模金融緩和を継続している。その結果、資金は金利の高い国へ流れるという「アセット・アプローチ」理論によりドル高・円安が進んでいる。第二の原因である日米金利差による円安・ドル高効果は米国の高金利政策が終われば、放っておいても次第に弱まってくる。しかし、第一の原因である日本経済の構造変化と輸出産業の国際競争力の悪化はより厄介な問題である。

日経平均の日足チャートを見ると、2日連続でギャップダウンしながら下げた。昨日は陰線だったが、本日は陽線で終えたところから判断すると、当面は十分安くなったので「お買い得だ」と思う投資家による押し目買いで拾う動きが強くなったということであろう。

本日、以前から注目していたK株を1枚買い建てた。5月には底打ちしてから緩やかな上昇トレンドを描いている。業績見通しの変化がこの動きを裏付けている。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、保険(2位)、繊維製品(3位)、サービス(4位)、銀行(5位)となった。
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無題

09月21日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -313.45 @30,706.23, NASDAQ -109.97 @11,425.05, S&P500 -43.96 @3,855.93)。ドル円為替レートは143円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は反落した。東証プライムでは、上昇銘柄数が288に対して、下落銘柄数は1,491となった。騰落レシオは89.60%。東証プライムの売買代金は2兆4919億円。

TOPIX -26 @1,921
日経平均 -375円 @27,313円

日本時間の明日9月22日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表があり、金融引き締めに積極的な姿勢を改めて示してくると株式市場の警戒感が高まった。その結果、米長期金利は一時3.6%まで上昇し、11年ぶりの高値を付けたため、理論的に金利上昇の悪影響を受けやすい高PERのハイテク成長株を中心に幅広い銘柄が売られた。これを受けて、本日の日本株全般も売り優勢で始まり、日経平均は一時390円安まで下げた。他方、昨日大きく売られた海運株は本日は買い戻された(配当狙いか)。また、米長期金利の上昇により運用利回りが上昇することで恩恵を受ける保険株も上げた。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして始まりさらに下げて陰線で終えた。上向きの60日移動平均線も割り込み、9月7日安値@27,268円の下値支持線手前で辛うじて踏みとどまった。FOMCの結果次第ではさらに下へ振れることも想定しておきたい。ただ、FOMCが「タカ派的」な姿勢を示すことは既に衆目の一致するところなので、例えそのようなコメントが公表されたとしても株式相場は既に先取りしてかなり調整している。したがって、一時的にショックでさらに下げたとしても、すぐに押し目買いが入り下げ止まると見ているが、さて、どう動くか。

33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、ガラス・土石(2位)、空運(3位)、医薬品(4位)、卸売り(5位)となった。
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大手海運株に注目する理由!

09月21日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +197.26 @31,019.68, NASDAQ +86.62 @11,535.02, S&P500 26.56 @3,899.89)。ドル円為替レートは143円台前半の先週末比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,293に対して、下落銘柄数は477となった。騰落レシオは93.93%。東証プライムの売買代金は2兆5566億円。

TOPIX +9 @1,947
日経平均 +121円 @27,688円

先週末には日経平均は大きく下げていたこともあり、米国株式相場の上昇を受けて本日の日本株全般は自律反発狙いの買いが優勢となった。日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。しかし、日本時間の9月22日未明には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えており、米金融政策の先行きを見極めたいとのムードが支配的となったため、次第に売りが優勢となり上ひげを引いた陰線で終えた。

上げる銘柄が多い中でひときわ目立って下げたのが大手海運株である。大手海運3社はコロナ特需でコンテナ運賃が異常な水準まで上げていたことで巨額の利益を得ていたが、ここに来てコンテナ運賃指数が明らかにピークアウトして下げ始めている。新造船のコンテナ専用船が次々と完成して就航し始めており、半年後や1年後を考えると、ほぼ確実にコンテナ運賃はもっと下がるだろう。ということは、日々の神経質な動きを無視すれば、半年から1年先を見通した時、株価がどのような軌跡を描くか、そのベクトルの方向は上か下かと考えると答えは自明だと思うが、どうだろうか。

日経平均の日足チャートを見ると、反発はしたが上ひげ付きの陰線で終えた。今日のところは上値では売りが急増して押し戻す力が強いことを示している。中期的に考えると、日々上げ下げはあるが、米金融引き締め政策が峠を越えたとマーケットが或る程度確信を持てるまでは良くて横這いで、経験則で最もありそうなシナリオは戻りを繰り返しながら戻り高値が徐々に切り下がっていく動きだろう。それはいつ頃かというとFRB高官たちがインフレを抑え込んだと確信するまでで、おそらく、来年秋か、おそければ冬になるのではないか。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、食料品(2位)、鉄鋼(3位)、卸売り(4位)、繊維製品(5位)となった。
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米長期金利の上昇を嫌気して・・・

09月16日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -173.27 @30,961.82, NASDAQ -167.32 @11,522.36, S&P500 -44.66 @3,901.35)。ドル円為替レートは143円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が551に対して、下落銘柄数は1,233となった。騰落レシオは90.21%。東証プライムの売買代金は3兆4047億円。

TOPIX -12 @1,939
日経平均 -308円 @27,568円

米国の金融引き締め政策はまだ峠が見えず先行き不透明なままである。米長期金利は上昇してハイテク株を中心に米国株は反落した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.6%下落し、景気後退を見越して石油先物相場(WTI)が下げた。上海総合指数も香港ハンセン指数も軟調となった。さらに日本市場は明日から3連休となるため、買い持ち高を減らす動きも混じって売り優勢となり日経平均は反落した。下げ幅は一時350円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、260日移動平均線を割り込んでほぼ横向きの60日移動平均線を少し割り込んだ。9月7日安値@27,268円が下値支持線で持ち堪えるかどうかに注目したい。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉱業(2位)、電気機器(3位)、その他製品(4位)、機械(5位)となった。
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予想通り自律反発狙いの買いが優勢となったが力強さに欠ける

09月15日
昨日の米国株式相場は小幅反発した(DJIA +30.12 @31,135.09, NASDAQ +86.10 @11,719.68, S&P500 +13.32 @3,946.01)。ドル円為替レートは143円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上昇銘柄数の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が960に対して、下落銘柄数は773となった。騰落レシオは99.22%。東証プライムの売買代金は2兆3326億円。

TOPIX +3 @1,950
日経平均 +57円 @27,876円

米国株式相場が小幅反発し、日経平均は昨日800円近く急落していたので本日は自律反発狙いの買いが多く入った。日経平均の上げ幅は100円を超える場面もあったが、力強い反発となならなかった。政府が10月にも新型コロナウィルス感染防止のための水際対策を緩和すると伝えられたことで、空運、鉄道、消費財関連、インバウンドなど需要回復が期待できる銘柄が特に買われた。株式相場は日銀による円高誘導のための市場介入を警戒しており、これが輸出関連銘柄の頭を抑えた。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日は260日移動平均線で辛うじて下げ止まり、本日は自律反発狙いの買いにより短陽線で小幅反発した。米国株が急落しない限り、今日を含めて少なくとも数日は自律反発狙いの買いが優勢となると見ているが、さてどうなるか。比較のためダウ工業株30種平均の日足チャートを読むと、8月下旬には中期上昇トレンドラインを割り込み、その後2点天井を形成したため、例えこれからしばらく反発したとしてもそれは戻りと見る。買いで仕掛ける場合、欲張らずに利益確定売りをする戦術が賢明だろう。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、不動産(2位)、陸運(3位)、鉱業(4位)、その他製品(5位)となった。
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米金融・資本市場に再び「CPIショック」が駆け巡った

09月14日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -1,276.37 @31,104.97, NASDAQ -632.84 @11,633.57, S&P500 -177.72 @3,932.69)。ドル円為替レートは143円台後半での推移だった。本日の全般は大きく下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が131に対して、下落銘柄数は1,675となった。騰落レシオは98.29%。東証プライムの売買代金は3兆620億円。

TOPIX -39 @1,947
日経平均 -796円 @27,819円

8月の米消費者物価(CPI)が市場予想(前年同月比8.0%増)を上回り(前年同月比8.3%増)、インフレを抑え込むために連邦準備制度理事会(FRB)がますます金融引き締めに動くとの懸念が高まった。FRBは政策金利を4%強まで引き上げるという見方が有力となり、少なくとも今年いっぱいは大幅利上げを続けるとの見方が支配的となった。米長期金利が急上昇し、ドルが主要通貨に対して買われてドル高・その他通貨安が進んだ。今年末から2023年にかけて米国経済は景気後退局面に入るとの懸念が急速に高まってきた。これを受けて、ダウ工業株30種平均は1,276ドル急落し、今年最大の下げ幅を記録した。本日の東京市場でもこの流れを引き継いで幅広い銘柄が売られてほとんどの銘柄が下げた。特に高PERの値がさ成長株は大きく売られた。ただ、航空、鉄道、百貨店などインバウンド銘柄の一部は堅調な動きだった。

日銀が為替介入の準備として行う「レート・チェック」を実施したと報道されたことも株価指数先物の売りを誘った。以前にも整理して述べたが、日銀の為替介入には障害が多く、例え実施したとしても効果は非常に限定的且つ短期だろう。その理由は大きく分けて3つある。第一に、ドル安になると輸入物価が上がるのでインフレと格闘している米国の理解が得られない。第二に、円売り・ドル買い介入と違い(財務省短期証券FBを発行して円資金を調達し、外為特会で一般会計とは別管理される)、円買い・ドル売り介入するには売るためのドルが必要だが、これには限りがある。外貨準備のほとんどを占める米国国債を売ると米長期金利を上昇させてますます円安・ドル売りを促進してしまい逆効果となる。第三に、1985年のプラザ合意後の円買い・ドル売りの協調介入の時はドルが既に下落基調にあったために、ドル売りによるドル安誘導は成功したが、今回はトレンドに逆らいながらドル高全面高基調の中でのドル売り介入、しかも日銀の単独介入をすることになりほぼ確実に失敗する。

日経平均の日足チャートを見ると、大きく逆ダウンして始まりさらに下げて長大陰線を引いた。25日移動平均線だけでなく10日移動平均線も下抜けし、辛うじてほぼ水平となっている260日移動平均線で今日のところは止まった。下げ過ぎ感もあり、明日は少しくらいは反発すると思われるが、その後は不透明である。

33業種中、空運と鉱業を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、ゴム(1位)、電気機器(2位)、精密機器(3位)、化学(4位)、サービス(5位)となった。
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「三空踏み上げ」の直後だけに自然な動き

09月13日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +229.63 @32,381.34, NASDAQ +154.10 @12,266.41, S&P500 +43.05 @4,110.41)。ドル円為替レートは142円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,008に対して、下落銘柄数は735となった。騰落レシオは102.51%。東証プライムの売買代金は2兆3608億円。

TOPIX +6 @1,987
日経平均 +73円 @28,615円

足元の株価の動きを見ると9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では3会合連続で0.75%の利上げがあると相場に織り込み済みのようである。また、原油価格が下落基調となっており、現在の米国金利上昇の背景にあるインフレ率がピークアウトするのではないかという期待が高まり主要3株価指数が揃って続伸した。この流れを受けて本日の日本株全般も続伸する銘柄が多かった。日経平均の上げ幅は一時100円を超えた。ただ、日経平均は直前の3営業日だけで1,100円超上げているため利益確定売りや戻り待ちの売りの圧力が強いだけでなく、日本時間の今夜、8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、さらに上値追いで買い上がろうとする勢いはなかった。

日経平均の日足チャートを見ると、続伸はしたが伸び率が急速に小さくなった。「三空踏み上げ」の直後だけに自然な動きと言える。通常のリズムなら、25日移動平均線辺りまで調整した後、再度上に向かうというシナリオを描く。その場合、8月17日高値@29,222円が上値抵抗線として意識される。

33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、陸運(2位)、空運(3位)、非鉄金属(4位)、海運(5位)となった。
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「三空踏み上げ」となったが・・・

09月12日
先週金曜日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +377.19 @32,151.77, NASDAQ +250.18 @12,112.31, S&P500 +61.18 @4,067.36)。ドル円為替レートは143円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,259に対して、下落銘柄数は488となった。騰落レシオは101.37%。東証プライムの売買代金は2兆1699億円。

TOPIX +15 @1,980
日経平均 +327円 @28,542円

米長期金利の上昇一服を好感して米国株が続伸した。半導体銘柄で構成数するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も上昇した。これを受けて、本日の日本株全般もソフトバンクGやファーストリテイリングをはじめとする値がさ成長株を中心に買いが優勢となった。また、政府が10月までを目途に、これまで新型コロナウィルスの水際防衛策として実施して来た1日当たりの入国者数の上限を撤廃する調整に入ったと報道された。これを受けて、訪日外国人観光客数の回復を期待して、空運、鉄道、百貨店に買いが集まり上昇した。その結果、日経平均の上昇幅は一時400円に迫った。ただ、足元の上げが急ピッチなため、上値では利益確定売りや戻り待ちの売りが増えて伸び悩んだ。東証プライムの年初来高値を付けた銘柄数が前営業日から32銘柄増加して148銘柄となっった。これは6月8日以来3カ月ぶりの多さである。ただ、円安による増収増益効果が高い銘柄い製造業、訪日客の増加で恩恵を受けそうなインバウンド銘柄など業種に偏りがあり全面的な上げとはなっていない。業種別日経平均の36業種別で見ると9月以降に年初来高値を付けたのはまだ6業種だけであり、買われている業種に偏りがあることを示している。

おまけとして「株式相場暴落7年周期」というジンクス(jinx)にも触れておく。株式相場には約7年ごとに大暴落がやってくるというジンクスに当てはめると今年はその7年目に当たる。2001年前後に起こったITバルブ崩壊、2008年のリーマンショックと金融危機による世界的株価の大暴落、2015年のチャイナショック、そして今年がその7年後に当たる。

日経平均の日足チャートを見ると、9月7日に半値押しで下げがとまると反発を開始して、3日連続で窓を空けて急上昇して「三空踏み上げ」となった。上値抵抗線として意識されていた6月9日の戻り高値@28,389円を一気に上抜けた。ただ、短期的に「三空踏み上げ」で上昇エネルギーをかなり使ったため、ここからの上昇はペースが落ちる可能性が高いと見ている。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、陸運(1位)、空運(2位)、精密機器(3位)、小売り(4位)、不動産(5位)となった。
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政府・日銀による「口先介入」、その効果は非常に短期的だろう

09月09日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +193.24 @31,774.52, NASDAQ +70.23 @11,862.13, S&P500 +26.31 @4,006.18)。ドル円為替レートは142円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇する銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,205に対して、下落銘柄数は535となった。騰落レシオは102.15%。東証プライムの売買代金は3兆1436億円。

TOPIX +8 @1,966
日経平均 +149円 @28,215円

米国株式相場の続伸を受けて、本日の日本株全般も上げる銘柄が多かった。アジア株式市場も総じて堅調な動きを見せ、値がさハイテク株を中心に買われて日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。

岸田首相と日銀の黒田総裁が円相場について「口先介入」をした。市場からはほとんど効果なしと見透かされてはいるが、今日のところは1ドル=142円台半ばまで円高・ドル安の方向に振れた。しかし、株式相場への反応は限定的だった。多くの輸出企業は1ドル=120円を前提として予算を立てており、140円台で推移している限り、かなりの為替益を期待できることに変わりはないからだ。また、「口先介入」の効果は、例えあるとしても非常に短期的である。

日銀はアジア通貨危機に対処するため1998年6月に大量の「円買い介入」を実施したが、介入でトレンドを変えることはできず1998年8月には147円64銭まで円安・ドル高が続いた。これが最後の市場介入だった。しかも、米国の理解を得た上での「協調介入」だった。それでも流れを変えることはできなかった。今回のドル高・その他通貨安の動きの起点は米国の高需要と供給制約が原因のインフレである。ドル高は輸入物価を下げるため現在の高インフレに悩む米国には都合が良いので、わざわざ日本のためにドル安にする目的で日本に協力することはあり得ないだろう。つまり、日銀による「円買い・ドル売り」の市場介入は決して支持しないはずである。となれば、日銀が単独介入をするしかない。しかし、介入資金の制約にぶつかる。

自国通貨である「円売り・ドル買い」を大規模に実施するには資金の制約をほとんど受けないが、反対に巨額の「円買い・ドル売り」で市場介入するには売るためのドルの保有量の制約を受ける。また、日本の外貨準備のほとんどは米国債であり、ドル資金捻出のために大量の米国債を短期間で売れば米長期金利を上昇させ、結果的にますます円安・ドル高を招くことになる。

では、日銀が実施可能な為替相場を動かすもう一つの方法、つまり、円金利を短期間に十分高く引き上げることはどうだろうか。これは日本経済全体に大きなダメージを与えるとして黒田総裁自身が明確に否定している。

結局、結論として、日本政府・日銀は現在の円安・ドル高に関して、口先介入以外に何もできないということである。欧州は少し事情が違う。欧州中央銀行(ECB)は1999年のユーロ誕生以来初めて1回で0.75%の大幅利上げを全会一致で決めた。この背景にはエネルギー価格の上昇によるインフレに加えて、1ユーロ=1ドルとなるパリティ(等価)を割り込んでユーロ安・ドル高が進行したことがある。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日、下向きの10日移動平均線を上抜けし、本日は続伸してほぼ水平となっている25日移動平均線をもう少しで上抜けできるところまで反発してきた。ここで上値抵抗線として意識されるのが6月9日の戻り高値@28,389円である。この水準を一気に突破できるか、或いはまた下に弾き返されるかに注目している。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、電気・ガス(2位)、不動産(3位)、鉱業(4位)、サービス(5位)となった。
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世界景気の減速懸念が高まり・・・株高の奇妙さ

09月08日
昨日の米国株式相場は大きく反発した(DJIA +435.98 @31,581.28, NASDAQ +246.99 @11,791.90, S&P500 +71.68 @3,979.87)。ドル円為替レートは143円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇した。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,703に対して、下落銘柄数は103となった。騰落レシオは100.33%。東証プライムの売買代金は2兆9818億円。

TOPIX +42 @1,958
日経平均 +635円 @28,065円

欧米の金融引き締め政策により世界景気の減速懸念が高まっている。さらに中国では四川省成都などの主要都市でまたロックダウンを実施したため、中国の景気も減速するのは必至とみられる。原油先物相場(WTI)が1バレル=81ドル台まで下げた。米国でインフレ懸念が和らぐとの思惑により米長期金利が低下し、米株式相場は反発した。この流れを受けて、本日の東京株式市場でもほとんどの銘柄が上昇した。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日、半値押しの目途である27,371円をザラバで一時的に割り込んだが、本日は大陽線で大きく反発して下向きの10日移動平均線の上に浮上した。これにより一旦下げ止まったと仮判断できる。9月7日のザラバ安値@27,268円を割り込むことなく推移するかどうかに注目している。

英国ポンドは対ドルで1ポンド=1.140ドルと、1985年以来37年ぶりの安値を付けた。ポンド安によりエネルギーなどをはじめとして輸入物価は急上昇しており、インフレ率は年率10%まで上昇している。他方、日本円は24年ぶりの安値である。どちらのインパクトの方が大きいかは自明だろう。円高を食い止めるために日銀に利上げを迫る識者もいる。英国は利上げで先行している。にも拘わらずポンド安が止まらない。この事実が意味することは、金利を上げるだけで通貨安を止めることができるほど外国為替相場は単純ではないということである。中長期的なトレンドは貿易収支・経常収支の動向である。

33業種中、鉱業を除く32業種が上げた。上昇率トップ5は、せいみ(1位)、空運(2位)、医薬品(3位)、電気機器(4位)、化学(5位)となった。
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米国の好景気を示す統計が出ると株が売られる奇妙さが続く

09月07日
昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -173.14 @31,145.30, NASDAQ -85.95 @11,544.91, S&P500 -16.07 @3,908.19)。ドル円為替レートは144円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が432に対して、下落銘柄数は1,369となった。騰落レシオは91.67%。東証プライムの売買代金は2兆7522億円。

TOPIX -11@1,916
日経平均 -196円 @27,430円

8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が市場予想を上回ったため、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを長期化するとの観測から米株式相場は下落した。これを受けて、本日の日本株全般も売り優勢となった。高PERの成長株や景気敏感株を中心に売られ、日経平均の下げ幅は一時350円を超えた。今週末にはSQがあるため、プットオプションの売り手が権利行使に備えてデルタ・ヘッジのために株価指数先物を売った分が株価の下げを加速したと見られる。

日米の金融政策のベクトルの違いから円安・ドル高がさらに進行して1ドル=144円台の水準となった。1985年のプラザ合意以降の急激な円高基調に対応して、日本企業の多くが生産設備を海外へ移転させて来たため円安になっても日本からの輸出は以前ほど増加しなくなっている。他方、2011年3月の東日本大震災時の福島の原発事故に怯えて日本中の原発を止めて来た。その結果、発電のために原油や天然ガスなど化石燃料の輸入を大幅に増やして来たことで、巨額の輸入が続いている。そのため、日本は1960年代から何十年も貿易黒字が当たり前だったのが、今では貿易赤字にすらなる年も珍しくなくなって来た。以前は国全体として貿易黒字で稼いだ巨額のドルを売っていた(円高・ドル安)のに、今では輸入のために不足するドルをドル買い(円安・ドル高)している。しかも、このドル買いは実需なので買い切りであり、売り戻すことはなく、中長期トレンドを形成する主要因となる。それに加えて、短期的には金利が高いドルへ世界中のお金が流れているため、円安・ドル高に弾みが付いている。但し、世界の外為取引の約9割は実需ではなく、短期的に売買益を稼ごうとする投機取引なので、ドル買いポジションをそれほど長く維持することはなく、比較的短期間で反対売買をする。そのため、何かのきっかけで急激に円高・ドル安に振れることも十分想定される。例えば、リーマンショックの時のキャリー・トレードの巻き戻しにより急激に円高になった時のように。

いよいよ大手海運株の総崩れとなってきた。一時的に戻す局面があるはずだが、そこは絶好の戻り売りのポイントと考えられる。大手海運会社が持ち分法で連結利益に加算しているコンテナ船事業は2020年春以降、コンテナ運賃の異常な急上昇により巨額の利益を計上してきたが、コンテナ運賃が遂にピークアウトし始めた。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉱業(2位)、石油・石炭(3位)、水産・農林(4位)、サービス(5位)となった。

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横這いから短期的な反発へ移行するか?

09月06日
昨日はレイバー・デイのため米国株式市場は休場だった。ドル円為替レートは141円台前半まで円安・ドル高が進行した。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄が883に対して、下落銘柄は850となった。騰落レシオは89.64%。東証プライムの売買代金は2兆1250億円。

TOPIX -2 @1,927
日経平均 +7円 @27,627円

米国株式市場が休場だったため材料不足気味だったが、日本市場の立ち合い時間中に米株価指数先物が上昇したたことも手伝い、少なからず自律反発狙いの買いが入った。日経平均の上げ幅は一時200円に迫った。ただ、天然ガス価格の高騰などにより高インフレに苦しむ欧州が景気減速に陥りそうだという警戒感から、上げ一巡後は戻り売り圧力が強まった。それでも、現在の日本株相場の支えの一つは中国景気の動向である。本日の上海総合指数は堅調な動きだったが、足元の経済統計データは芳しくなく、さらに四川省成都市が新型コロナウィルス感染対策でロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。それでも、金融緩和と財政出動のミックスにより中国景気はその内底入れするとの期待が大きい。また、米中の金融政策の違いから、ドル高・人民元安となっているが、これは中国からの輸出を増加させる方向に働く。

日経平均の日足チャートを見ると、9月1日に下げ止まり、その後今日まで3日ほぼ横ばいの動きが続いている。今後しばらくの間、特に悪い材料が出て来なければ横ばいから反発を試す動きは十分に想定される。株価は悪材料があってもいつまでも下げ続けない。ある程度下げると割安感が増してくるので必ずどこかで買い需要が高まるからである。但し、25日移動平均線の傾きが上向きになるほど反発の動きが継続する可能性は暫くは低いと見ているが、さてどう動くだろか。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、サービス(1位)、海運(2位)、電気・ガス(3位)、食うん(4位)、パルプ・紙(5位)となった。
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半値押しの27,371円を手前にして下げ渋ったが・・・

09月05日
先週金曜日の米国株式相場は下落した(DJIA -337.98 @31,318.44, NASDAQ -154.26 @11,630.86, S&P500 -42.59 @3,924.26)。ドル円為替レートは140円台前半の先週末比円安・ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が687に対して、下落銘柄数は1,085となった。騰落レシオは94.42%。東証プライムの売買代金は1兆9985億円。

TOPIX -1 @1,929
日経平均 -31円 @27,620円

8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数増加は市場予想並みだった一方、失業率は小幅上昇した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)によるタカ派的金融引き締め政策は当面変わらないとマーケットは見ており、米国景気の後退が懸念される。さらに、欧州では、ロシアからの天然ガスの供給不安が再燃してガス価格上昇をはじめとする物価高で苦しんでおり、高インフレの進行とそれを抑え込もうとする金融引き締め政策が続くと予想される。その当然の結果として世界的な景気悪化が強く懸念されている。9月20~21日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)は3回連続で0.75%の利上げを行うのではないかとマーケットは身構えている。その結果、成長株が下がるのは理論的に不可避だが、景気後退となれば景気敏感株も大きく下がることになる。このようなことを背景に米国の主要3株価指数は揃って下落した。この流れを受けて、本日の日経平均は下げて始まったが、値ごろ感から買いが入り短陽線で終えた。

日経平均の日足チャートを見ると、「下放れ並び黒」に続いてさらに下げたが、半値押しの27,371円を手前にして下げ渋った。こまま持ち堪えて暫く横這いが続けば少なくとも短期的な反発が期待できるが、さてどう展開するか。

33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、陸運(1位)、空運(2位)、輸送用機器(3位)、水産・農林(4位)、食料品(5位)となった。
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無題

09月02日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +145.99 @31,656.42, NASDAQ +31.08 @11,785.13, S&P500 +11.85 @3,966.85)。ドル円為替レートは140円台前半まで円安・ドル高が進行した。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が650に対して、下落銘柄数は1,096となった。騰落レシオは92.94%。東証プライムの売買代金は2兆4774億円。

TOPIX -5 @1,930
日経平均 -11円 @27,651円

8月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想を上回ったため、景気よりもインフレ退治を優先する姿勢を鮮明にした米連邦準備制度理事会(FRB)がさらに利上げを続けるとの見方がより強くなった。このため米ドルは日本円を売はじめとする幅広い他通貨に対してドル高が進んだ。円相場は24年ぶりに1ドル=140円台に突入した。本日の日本株は、自律反発狙いの買いにより値嵩株の一角が買われて始まり、日経平均は高く始まったが、戻り売りに押し戻された。日本時間の今夜、米雇用統計の発表があるため、その内容次第で株価も為替も大きく動くかもしれない。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日は下放れして陰線で終わり、本日は高く始まったがまた陰線で終わり、下放れした後に2本の陰線がほぼ並ぶような形、つまり、「下放れ並び黒」となった。通常、「下放れ並び黒」はさらに下に動きやすいことを暗示する線である。今回は半値押しとなる27,371円の直ぐ手前まで下げているので、これ以上の下げがあると押し目買いが強くなり下げ渋ることが予想される。但し、大きな売り材料が飛び出してくれば、チャート上の支持線は簡単に突破されるため、チャートを盲信しないことが極めて重要である。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、鉄鋼(1位)、空運(2位)、非鉄金属(3位)、海運(4位)、鉱業(5位)となった。
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