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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

チャートは再びちょっとまずい形になってきた

03月31日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -104.41 @33,066.99, NASADQ -14.26 @13,045.39)。ドル円為替レートは110円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が491に対して、下落銘柄数は1,650となった。騰落レシオは125.84%。東証1部の売買代金は2兆9084億円。

TOPIX -24 @1,954
日経平均 -254円 @29,179円

米長期金利が1.75%まで上昇したため、さらなる米長期金利の上昇を警戒して米国株式相場は反落した。この流れを受けて、本日の日本株全般も下げる銘柄が多かった。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの高レバレッジ取引失敗による金融機関への悪影響がどの程度まで拡大するのかが現時点では不明で、投資家心理を悪化させている。東京市場では、悪影響は一部の金融株に限定されているが、今後一番懸念されることは、当局による規制強化である。他方、米長期金利の上昇により円安・ドル高基調となっており、自動車株など輸出関連株は買い優勢となった。

日経平均の日足チャートを見ると、10日および25日移動平均線は収斂しながら下向きとなっており、株価もほぼ同じ軌跡となっている。チャートだけで見ると、ちょとまずい形ができつつある。ただ、個別株は必ずしも日経平均と同じ動きをするわけではない。日経平均構成銘柄でない銘柄は特にそうであるし、業績見通しが良い銘柄も日経平均との連動性は低い。

昨日、アルケゴス・キャピタルとの絡みで野村HDの株価について触れたので、今日も少しだけ触れておく。昨日の「たくり線」の後、少しだけ高寄りして始まったがその後は売りに押されて長陰線で終えた。昨日の安値を更新してはいないが、まだ下げ止まりの兆候は見えない。数日間、安値を更新しなくなることが最初の下げ止まりの兆候となる。2022年3月期の予想税前利益が3,400億円なのでこれから2,200億円の推定損失を引くと、税前利益は1,200円に減少する。すると税引き後利益は917億円程度なので、予想EPSは28.45円まで低下する。これに最近のPER=7.5倍を掛けると、株価は28.45x7.5=213円まで低下することになるが、話はそんなに単純ではない。株価は常に先の先を見ているので、早晩、2023年3月期の予想EPSを取り込んで来るはずだ。今回の特別損失が1回限りで終るとマーケットが納得すれば、株価評価のベースは再び元に戻ることになる。

33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、ゴム製品(2位)、その他金融(3位)、陸運(4位)、金属製品(5位)となった。
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配当権利落ちを撥ね退けて続伸

03月30日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +98.49 @33,171.37, NASDAQ -79.08 @13,059.65)。ドル円為替レートは110円台に迫る円安水準となった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が541となり、下落銘柄数は1,564となった。騰落レシオは127.01%。東証1部の売買代金は2兆7235億円。

TOPIX -15 @1,978
日経平均 +48円 @29,433円

景気回復期待は根強い。本日は3月期末の配当権利落ち日なので、日経平均を理論上178円ほど株価を下押しする力が作用したがそれを撥ね退けて48円高となった。つまり、実質的には226円高となった。ただ、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの投資損失が、既に報道されている野村HDやクレディ・スイス以外の金融機関にどの程度波及するのかがまだはっきりしない。このことが保険、銀行、証券などの頭を抑えている。アルケゴスの失敗はレバレッジを高め過ぎたことが主な原因であるため、最終的な影響の大きさ次第では、当局がレバレッジ規制を今後強めてくる可能性高くなる。そうなると株式相場を冷やすことになる。

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの10日・25日移動平均線の上に辛うじて浮上してきた。業績見通しは良好なので目先はもみ合いながらも徐々に上方向へ動くと見ているが、2月16日高値@30,714円を上抜くのはまだしばらく時間がかかりそうだ。そうは言っても、再び25日移動平均線の下に沈み込んだ場合は調整が予想以上に長くなると覚悟しておくべきである。

昨日から急落している野村HDは本日は長い下ひげを引いた短陰線、つまり「たくり線」となった。もし、明日、下値を更新しなければ自律反発狙いの買いによって徐々に戻っていくと見ている。アルケゴスによる損失は野村HDにとっては「もらい事故」のようなものであり、一過性のものだからである。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、保険(1位)、電気・ガス(2位)、パルプ・紙(3位)、卸売り(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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アルケゴス・ショックは一部の銘柄のみに限定された

03月29日
先週金曜日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +453.40 @33,072.88, NASDAQ +161.05 @13,138.73)。ドル円為替レートは109 円台半ばの選手末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,225に対して、下落銘柄数は900となった。騰落レシオは137.10%。東証1部の売買代金は3兆7153億円。

TOPIX +9 @1,993
日経平均 +208円 @29,385円

米国株が大幅上昇した(ダウ工業株30種平均もSS&P500も史上最高値を更新した)流れを受けて、本日の日本株全般は買い優勢となった。日経平均は一時上げ幅を400円超まで拡大した。本日は3月期末の配当権利付き最終売買だったため配当取り狙いの買いが膨らんだ。

他方、米投資会社アルケゴス・キャピタルの500%近いレバレッジ取引解消に関連した金融機関の損失で相場が混乱するのではないかと警戒された。アルケゴス・キャピタルは巨額のマージンコールと200億ドル程度の持ち高や担保の投げ売りを余儀なくされたと報じられた。投資先の一つである米メディア大手のバイアコムCBSは昨年末から3月22日までの3か月で株価は3倍近く上昇していた。ところが3月22日にバイアコムが増資計画を発表すると株価が急落し始めた。それをきっかけにアルケゴスのポジションが急速に悪化し、バイアコムだけでなく他の銘柄も売らなくてはならなくなった。

アルケゴスは米国野村の顧客の1つであり、野村証券は20億ドル(2200億円)程度の損失(顧客への請求額)を抱えた可能性がある。これにより野村HDは16%強の急落となった。おそらく、アルケゴス・ショックは2007年のパリバ・ショック(2008年のリーマン・ショックの入り口となった)とは異なり、数日で収まるのではないだろうか。金融危機のときはサブプライムローン関連商品に投資・リスクが集中・蓄積していたが、現在はハイテク銘柄など特定の銘柄に人気が集中する「ハーディング現象」が起きている。家庭への現金給付が進んでおり、その一部は株式市場へ流れ込んでいる。さらに金融緩和政策により過剰流動性となっているためレバレッジをかけてでも投資する投資家が多い。ただ、レバレッジは諸刃の剣であり、相場の潮目が変わった途端に大きく逆回転する。

日経平均の日足チャートを見ると、25日移動平均線にギリギリ接するまで戻して来た。ここからが正念場である。一気に上放れすれば良いが、再び25日移動平均線の下に沈むと下方向への弾みが付くからだ。明日は権利落ちで下げるだろうが、その先1週間くらいの動きがどうなるか?

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、小売り(1位)、ゴム製品(2位)、機械(3位)、電気機器(4位)、化学(5位)となった。
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2日連続で反発したがまだ下向きの25日移動平均線の下にある

03月26日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +199.42 @32,619.48, NASDAQ +15.80 @12,977.68)。ドル円為替レートは109円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,781に対して、下落銘柄数は350となった。騰落レシオは130.63%。東証1部の売買代金は2兆8093億円。

TOPIX +29 @1,984
日経平均 +447円 @29,177円

米国株式相場は反落した流れを受けて、本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。バイデン米大統領が新型コロナウィルスワクチンの接種目標を倍増させると表明したことで、景気回復に対する期待が高まった。日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。ただ、欧州へ目を向けるとあちらこちらで再びロックダウンしなければならないほど感染が再拡大している。このような状況では慎重にならざるを得ず、上値はどうしても重くなる。米長期金利の上昇は一服中ではあるが、景気が回復していることに加えて、巨額財政出動のために国債を増発するので上昇基調は変わらないだろう。これからも何かのきっかけで米長期金利の上昇にマーケットの注意が向くと株価が大きく調整することは何度もあるはずだ。10年物の利回りは1.7%前後だが、30年物の利回りは2.45%まで上昇した。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップして始まり陽線で終えた。その結果、上向きの60日移動平均線の上に再浮上してきた。それでもまだ10月30日安値と3月5日安値を結んだ上昇トレンドラインの上には僅かに届かない。通常は単なる戻りであっても下向きの25日移動平均線辺りまでは反発してくる。来週月曜日にもそこへ届くだろう。問題はその先である。今回の反発が十分強ければ、上げ続けるが、そうでもない場合は一旦25日移動平均線上に少しだけ浮上してもすぐにまだその下へ沈み込むことが多から要注意である。

33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、海運(1位)、精密機器(2位)、陸運(3位)、ゴム製品(4位)、サービス(5位)となった。
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自律反発狙いの買い戻しが優勢となった

03月25日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -3.09 @32,420.06, NASDAQ -265.81 @12,961.89)。ドル円為替レートは108円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,925に対して、下落銘柄数は228となった。騰落レシオは117.66%。東証1部の売買代金は2兆7080億円。

TOPIX +27 @1,956
日経平均 +324円 @28,730円

米国株式相場は続落したが、日経平均は昨日までの4営業日で1,800円超下げていたため、自律反発狙いの買いが優勢となった。昨日目立って売られた海運、非鉄金属、鉱業、鉄鋼などの景気敏感株が買い戻された。

日経平均の日足チャートを見ると、3月5日安値@28,308円が下値抵抗線として意識されてその直前で踏み留まり反発した形となった。ただ、依然として上向きの60日移動平均線の下に沈み込んだままである。一旦「2点天井」が形成されたので、これから戻る過程では戻り売りが株価の頭を抑えに来るはずだ。それらの戻り売り玉をすべて買い尽くさないと高値を更新することはできない。欧州では新型コロナウィルスの感染再拡大が進む一方、巨額の財政出動により米長期金利の上昇が不可避となってきた。これらの悪材料が株価を押し下げる力以上に業績見通しの改善が進まないと株価の高値更新は期待できない。いよいよ金融相場から業績相場へ移行できるかどうかの正念場だ。

33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、海運(1位)、非鉄金属(2位)、鉱業(3位)、鉄鋼(4位)、水産・農林(5位)となった。
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「2点天井」形成が明確になった

03月24日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -308.05 @32,423.15, NASDAQ -149.84 @13,227.70)。ドル円為替レートは108円台半ばの前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が139に対して、下落銘柄数は2,026となった。騰落レシオは111.09%。東証1部の売買代金は3兆2154億円。

TOPIX -43 @1,929
日経平均 -590円 @28,406円

欧州で新型コロナウィルスの変異種の感染が拡大している。ドイツやフランスなどで行動規制の再強化の動きがでてきた。新型コロナウィルスに対するワクチン接種による景気回復への期待が急速に萎み、世界経済の回復が今までの想定よりも遅れるとの懸念が急速に高まってきた。これを受けて米国株式相場は反落し、今日の日本株全般も下げた。日経平均の下げ幅は一時600円を超えた。

日経平均の日足チャートを見ると、4日続落してきて遂に60日移動平均線も割り込んだ。10月30日安値と3月5日安値を結んだ上昇トレンドラインも割り込んだ。これにより「2点天井」形成が明確となったため、調整が深く、長くなりそうだ。目先の下げ止まり目途は3月5日安値@28,308円、その下は2月1日安値@27,649円である。

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、鉱業(2位)、海運(3位)、鉄鋼(4位)、銀行(5位)となった。
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25日移動平均線が下向きに⇒かなりまずい

03月23日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +103.23 @32,731.20, NASDAQ +162.30 @13,377.54)。ドル円為替レートは108円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が391に対して、下落銘柄数は1,748となった。騰落レシオは117.55%。東証1部の売買代金は2兆8900億円。

TOPIX -19 @1,971
日経平均 -178円 @28,996円

米国株は反発したが、本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。日経平均は前場では300円超上げたが上値は重く、次第に売りに押された。特に、空運、海運、陸運、鉄鋼などの景気敏感株や銀行株が目立って下げた。1.9兆ドル(約200兆円)の新型コロナ救済経済対策の実施に続き、バイデン政権が選挙公約だったインフラ投資としての第2段の総額3兆ドル(約330兆円)の新たな経済対策を提示すると報道された。これにより米国債増発による長期金利のさらなる上昇が懸念されるため、値がさ成長株は売られやすい地合いである。民主党政権は巨額財政出動の財源として、米企業の海外収益への課税強化や法人税の引き上げ、富裕者に対する所得税増税などを目指すはずだ。これらの増税政策は実現すればどれも株式相場を押し下げることになる。上げ潮はいつまでも続かない。必ずどこかで引き潮に変わる。潮目の変化の兆候を注意して監視する必要がある。そのような兆候の最重要なものが米長期金利である。

日経平均の日足チャートを見ると、25日移動平均線が下向きに変わり始め、株価はその下で続落した。チャート的にはかなりまずい。まだ上向きの60日移動平均線の上にあるが、後数日続落すればこれをも割り込んでしまう。7月31日、10月30日のように1日だけ割り込んで翌日には回復すれば傷は浅いが、何日も60日移動平均線の下に沈み込んだままなら上げ相場が一旦終わったと見る必要がある。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、海運(2位)、陸運(3位)、銀行(4位)、鉄鋼(5位)となった。
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「2点天井」のフォーメーションを形成直前

03月22日
先週金曜日の米国株式相場は、ダウ工業株30種平均が大きく下げ、ナスダックは上げた(DJIA -234.33 @32,627.97, NASDAQ +99.07 @13,215.24)。ドル円為替レートは108円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が908に対して、下落銘柄数は1,190となった。騰落レシオは126.53%。東証1部の売買代金は3兆338億円。

TOPIX -22 @1,990
日経平均 -618円 @29,174円

先週金曜日はダウ工業株30種平均が大きく下げた。米大手銀行は「補完的レバレッジ比率(SLR)」と呼ばれる資本規制の緩和措置を当初の予定通り3月末で終了するとFRBが発表したからである。この規制緩和措置により米大手銀行は米国債を保有しやすかったが、この規制緩和が終了する。規制が復活することで米大手銀行が米国債を売るため米長期金利の上昇が懸念された。実際に米国債10年物の利回りは1.7%まで上げた。東京市場では、長期金利の上昇は成長株の売りを誘った。これに加えて、先週末、日銀はETFの購入から日経平均型を除外すると発表したが、時差の関係で発表と同時にすぐに対応できたのはアジアのヘッジファンドだけであり、欧米系のヘッジファンドは出遅れて今日売りで反応した。悪い時には悪いことが重なるように、ルネサスエレクトロニクスの茨木県内の工場が火事になった。以前から米国の大寒波で自動車向け半導体は供給不足だったのが、さらに追い打ちをかけられ、完成車メーカーや自動車部品株が売られた。これら三重苦の結果、本日の日経平均は700円近く下げる場面があった。

海外コンテナ不足やナイロン原料高も進んでおり、日本の製造業、特に自動車産業にはコストが増加している。規制の復活により米大手銀行が米国債を大量に保有できなくなるが、米長期金利の上昇は日本の機関投資家など、海外の投資家にとって投資資産としての魅力が高まるため、早晩、米大手銀行の売りを完全に吸収するだろう。もう一つ気になることはエルドアン大統領の金融政策介入に抵抗してきた中央銀行総裁が更迭されたことでトルコ・リラが急落していることである。1ドル=8.1リラ台と約3カ月ぶりの安値となっている。トルコは新型コロナウィルスの世界的感染拡大により観光客が激減して外貨収入も大きく減少し、サービス収支が悪化している。自国通貨安と経常収支の悪化を防ぐためには自国金利を引き上げるのが定石だが、エルドアン大統領は景気を悪化させる金融引き締め政策がずっと気に入らなかった。

日経平均の日足チャートを見ると、10日移動平均線も25日移動平均線もあっさりと再び割り込んだ。後少し続落すれば「2点天井」のフォーメーションを形成し、その後戻っても売りに押されやすくなる。今週が正念場か。ただ、個別銘柄を見ていると、確かに日経平均に大きな影響を与える値がさ株は下げる銘柄が多いが、それ以外で業績見通しが良好な銘柄はほとんど下げていない、というかむしろじり高となっている。優利加塾で常時監視している2つのN株もR株もそのような銘柄である。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、保険(2位)、機械(3位)、非鉄金属(4位)、電気機器(5位)となった。
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再び米長期金利の上昇が注目される

03月20日
昨日の米国株式相場は大きく反落した(DJIA -153.07 @32,862.30, NASDAQ -409.03 @13,116.17)。ドル円為替レートは108円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,491に対して、下落銘柄数は623となった。騰落レシオは127.39%。東証1部の売買代金は4兆4456億円。

TOPIX +4 @2,012
日経平均 -425円 @29,792円

米長期金利が1.7%台まで上昇して来て1年2カ月ぶりの高値を付けたことで昨日、ハイテク成長株が多いナスダックが大きく反落した。「良い金利上昇」の臨界点と見られていた1.5%を超えてきたため、「悪い金利上昇」の懸念が高まってきた。米国では、米国債増発、財政赤字膨張、悪性インフレの進行というシナリオが再び懸念され始めた。イエレン財務長官とパウエルFRB議長による「財政ファイナンス」のような手綱捌きに市場の注目が集まる。この流れを受けて、本日の日経平均も半導体関連株が売られて大きく反落して始まった。午後には日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、上場投資信託(ETF)の購入について、これからは日経平均連動型は除外し、すべて東証株価指数(TOPIX)連動型のみにするという方針が示された。これに反応して、日経平均寄与度が高い銘柄、特に、ファーストリテイリングをはじめとする値嵩株が売られた。日経平均の下げ幅は一時、600円に迫った。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして反落して下落したが上向きの25日移動平均線の手前で踏み留まった。このまま下げ続けると「2点天井」のフォーメーションを形成することになるため、チャート的には芳しくない。企業の業績見通しは良好なので、すぐに押し目買いが入ると見ているが、米長期金利の動向に左右される面もある。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、銀行(3位)、証券(4位)、不動産(5位)となった。
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米長期金利の上昇は押さえる⇔日本の長期金利は上振れを認める

03月18日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +189.42 @33,015.37, NASDAQ +53.63 @13,25.20)。ドル円為替レートは108円台後半の前日比円高での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,444に対して、下落銘柄数は654となった。騰落レシオは122.27%。東証1部の売買代金は3兆3544億円。

TOPX +24 @2,009
日経平均 +302円 @30,217円

米連邦準備制度理事会(FRB)が、注目されていた3月17日のFOMCで2023年末まではゼロ金利政策を続ける方針を示した。2021年の経済成長率は6.5%と見込まれており、これは1984年以来37年ぶりの高成長となる。それにも拘らず金融緩和政策を続けるのはサービス業の雇用が戻っていないからである。通貨の安定だけを使命とする日銀と違い、米国のFRBは「通貨の安定」と「雇用の最大化」というデュアル・マンデートを責務として負うている。今は多少のインフレが起こっても目をつむり雇用の回復を優先する決意の表明である。これを好感してダウ工業株30種平均とS&P500が最高値を更新した。この流れを受けて、日経平均も大きく上昇し、一時は500円以上上げた。しかし、日銀は金融政策決定会合で長期金利の変動幅を「現状より若干広げ、プラスマイナス0.25%程度とする方向」と報じられると、国内金利の上昇が容認されると解釈されてドル円相場は円高方向へ動き、株価の上値を抑えた。

日経平均の日足チャートを見ると、長い上ひげを引いた短陽線で終えた。上値では強い売り圧力で押し戻されたことを示している。それでも米国株が続伸して行けば、徐々に上がるだろうが、目先の関門、つまり上値抵抗線は2月16日のザラバ高値@30,714円である。これを一気に抜ければ、抵抗線らしきものが30年以上遡らないと見当たらない。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(1位)、ゴム製品(3位)、その他金融(4位)、輸送用機器(5位)となった。
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米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて小動き

03月17日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -127.51 @32,825.95、NASADQ +11.85 @13,471.57)。ドル円為替レートは109円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄が1,409に対して、下落銘柄は682となった。騰落レシオは117.61%。東証1部の売買代金は2兆5794億円。

TOPIX +3 @1,984
日経平均 -7円 @29,914円

今日は、米連邦公開市場委員会(FOMC)および日銀の金融政策決定会合の結果発表を前に、小動きとなった。日経平均の日中の値幅はわずか160円ほどであった。株式市場はFOMCの結果とそれに続くパルエル議長の会見に注目しており、そこから米長期金利が上がるのかどうかを見極めようとしている。米国長期金利がしばらくは上昇しないとなれば、成長株がまた買われ、反対にバリュー株が売られる展開が予想できる。国内では、やっと首都圏での緊急事態宣言が3月21日まででその後は解除される見通しとなった。これにより人々の動きが回復するとの期待から、鉄道、不動産、百貨店などに買いが入った。

日経平均の日足チャートを見ると、60日、10日、25日移動平均線はすべて上向きで、2日連続で短陽線だが、上値が重い動きである。2月16日高値@30,714円の更新はしばらく先だろう。

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、医薬品(1位)、不動産(2位)、陸運(3位)、化学(4位)、水産・農林(5位)となった。
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景気回復期待と長期金利上昇・テーパリング懸念の綱引き

03月16日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA +174.82 @32,953.46, NASDAQ +139.85 @13,459.71)。ドル円為替レートは109円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,529に対して、下落銘柄数は592となった。騰落レシオは120.10%。東証1部の売買代金は2兆9091億円。

TOPIX +13 @1,982
日経平均 +154円 @29,921円

米長期金利の急上昇がしばらく続いたためハイテク成長株が乱高下していたが、長期金利の上昇が足元で一服してきたため、ダウ工業株30種平均だけでなくナスダックも上昇した。これを好感して、東京市場でも半導体関連株などの値がさ成長株も買われた。日経平均はザラバでは30,000台を回復する場面もあったが、米国FOMCを3月16~17日に控えていることもあり、利益確定売りに押し戻されて上値が重かった。

目下のマーケットの注目点はパルエルFRB議長が米長期金利の上昇を牽制する発言をするかどうかである。長期金利上昇に対する牽制発言があれば、成長株が買われて株価指数をさらに押し上げると見る。米国の人口の2割がコロナウィルスのワクチンを接種済みとなった。5月末までに希望者の全員が接種できる見通しである。米国は経済の正常化に向けて着々と進んでいる。それとともに長期金利の上昇圧力も高まっている。さらに、テーパリング(量的緩和の縮小化)も議論され始めるはずだ。これからは、景気回復による株価上昇圧力と長期金利上昇およびテーパリングによる株価下落圧力の綱引きに注目しなければならない。金利上昇が景気回復ペースと釣り合っている限り、株高はつづくはずだが、パウエルFRB議長の手綱捌き次第だろう。

日経平均の日足チャートを見ると、60日移動平均線も10日移動平均線も25日移動平均線もすべて上向きで株価はその上にあるので、上昇トレンド継続中である。

33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、その他製品(3位)、不動産(4位)、情報・通信(5位)となった。
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株価のトレンドは「必然的に理論的に」決まる

03月15日
先週金曜日の米国株式相場はダウ工業株平均は上げて、ナスダックは下がった(DJIA +271.11 @32,756.70, NASDAQ -78.81 @13,319.86)。ドル円為替レートは109円台前半の先週末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,800に対して、下落銘柄数は338となった。騰落レシオは120.33%。東証1部の売買代金は2兆9345億円。

TOPIX +18 @1,969
日経平均 +49円 @29,767円

米国の追加経済対策案が成立し、新型コロナウィルスワクチン接種が進んできたことを背景に先週金曜日の米国株式相場は、ダウ工業30平均は過去最高値を更新した。この流れを受けて、東京市場でも景気敏感株の買いが優勢となり上げた。特に海運株の上昇が目立った。米長期金利の上昇基調により、円ドル相場は円安ドル高基調となっている。これにより自動車などの輸出関連銘柄は大きな恩恵を受けることから買われた。円ドルレートが109円、円ユーロレートが130円という為替レートが2021年度を通して続くとすると主要19の輸出企業だけで年間利益を4000億円押し上げる計算になる。また、長期金利の上昇により銀行や保険などの金融株も恩恵を受けることから買われた。他方、長期金利の上昇は成長株には逆風となるので、半導体関連株や電子部品株は売りが優勢となった。結局、差し引き、日経平均は小幅続伸となった。

今後の日本株全体の動きは世界経済の動向次第である。IMFの最新の予測によれば、世界の経済成長率は2020年のマイナス3.5%から2021年はプラス5.5%へ成長し、2022年はさらにプラス4.2%へ成長すると見られている。米国の巨額な財政出動による経済回復のテコ入れとコロナワクチン接種の普及により世界の経済回復はもう少し高く期待されるかもしれない。他方、個別銘柄の株価のトレンドは、決してたまたま偶然そうなるのではなく、「必然的に理論的に」その銘柄の予想PSの変化が決定する。これが株価の原理原則である。しかし、ほとんどの人はこのことを心底理解していない。

日経平均の日足チャートを見ると、先週金曜日に大幅だかとなったが本日も利益確定売りに押し戻されることなく小幅続伸した。昨年11月以降、株価は高値も安値も徐々に切り上げており、名実ともに上昇トレンド継続中である。ただ、2月16日高値@30,714円を更新するには今少し日柄が必要だろう。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、銀行(3位)、鉄鋼(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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押し目は完了

03月12日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +188.57@32,485.59, NADAQ +329.84 @13,398.67)。ドル円為替レートは108円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,243に対して、下落銘柄数は844となった。騰落レシオは114.40%。東証1部の売買代金は3兆6235億円。

TOPIX +26 @1,951
日経平均 +506円 @29,718円

米長期金利の上昇が一服している中、米国株式相場は続伸した。また、欧州中央銀行(ECB)が国債などの資産買い入れペースを加速すると決めたことで、金利上昇に対する警戒感が緩和された。この流れを受けて、本日の日本株全般も上げ、特に最近は売られ気味だった半導体や電子部品などが買い直された。今日はメジャーSQだったが、波乱なく通過したことで安心感が増した。

日経平均の日足チャートを見ると、10日移動平均線も25日移動平均線も一気に上抜けた。これで今回の押し目は完了し、再び上昇基調に戻った。次の関門は2月16日高値@30,714円を更新できるかどうかである。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、金属製品(1位)、電気機器(2位)、海運)(3位)、機械(4位)、鉄鋼(5位)となった。
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配当権利確定日に向けて徐々に上げていくか

03月11日
昨日の米国株式相場は大きく上げた(DJIA +464.28 @32,297.02, NASDAQ -5.0 @13,068.03)。ドル円為替レートは108円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,558となり、下落銘柄数は570となった。騰落レシオは117.35%。東証1部の売買代金は2兆8691億円。

TOPX +5 @1,925
日経平均 +175円 @29,212円

米連邦議会で上院に続いて下院でも1.9兆ドル(約220兆円)規模の追加経済対策案が可決された。後はバイデン大統領が署名するだけとなった。これにより米景気回復が加速するとの期待が強まり、ダウ工業株30種平均は大きく上昇して史上最高値を更新した。これを受けて、東京市場でも景気敏感株を中心に買いが優勢となり、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。上海総合指数や香港ハンセン指数も大きく上昇した。ただ、米長期金利の上昇基調を意識してハイテク成長株の一部は売り優勢となり下げた。

市場では3月10日の10年物米国債入札(380億ドル)が注目された。利回りは1.52%台で引け、投資家の不安を和らげた。

米国の経済対策は腰が入っており、全力投球である。「米国救済計画」と名付けらた今回の新対策では、1人最大1,400ドル(約15万円)の現金給付を行う。年収8万ドル以上の高収入層は対象外だが、総額で4,000億(約43兆円)ドルと巨額であり、これだけのキャシュが新に市場に流れ込むことになる。この一部だけでも株式市場に流れ込めば株価を大きく上げる力になる。2020年3月に始まった第1弾、第2弾(昨年12月)と合わせると1人最大3,200ドル(約35万円)にもなる。今回の第3弾の現金給付は3月中に開始することになっている。4月以降の株価の上昇に弾みが付くはずである。失業給付金も2,500億ドル(約28兆円)用意された。

日経平均の日足チャートを見ると、3日続伸してようやく下向きの10日移動平均線の上に辛うじて浮上した。まだ25日移動平均線の下に沈み込んだままなので明確な上昇基調には戻っていない。それでも米国株が大崩れしない限り、配当権利確定日に向けて徐々に上げていくだろう。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、非鉄金属(2位)、電気・ガス(3位)、サービス(4位)、建設(5位)となった。
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小幅続伸したがまだ下向きの10日移動平均線の下に沈んだまま

03月10日
昨日の米国株式相場は上昇した、特にナスダックが大きく反発した(DJIA +30.30 @31,832.74, NASDAQ +464.67 @13,073.83)。ドル円為替レートは108円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が879に対して、下落銘柄数は1,218となった。騰落レシオは118.99%。東証1部の売買代金は2兆8999億円。

TOPIX +2 @1,920
日経平均 +9円 @29,037円

米長期金利が低下して金利上昇に対する過度な警戒が小休止したため、ハイテク株を中心とするナスダックは急反発した。この流れを受けて、東京市場でも半導体関連株の一部が買われた。日経平均は一時200円超上げる場面があった。しかし、3月10日に予定されている米10年物国債の入札結果次第ではまた金利上昇することも想定されるため、ハイテク成長株を買い上がることが躊躇われた。

米長期金利の上昇がどれくらい速く進むのかは事前には分からない。しかし、米経済が回復すれば長期金利はほぼ確実に上昇するだろう。株価に対するインパクトは景気回復と長期金利上昇の綱引きとなる。景気回復により予想EPSは上昇する一方、長期金利上昇により期待成長率が下がるので予想PERは低下するだろう。その場合でも、景気回復局面では、「EPS上昇率>PER低下率」となり、結局、P=EPS x PERは大きくなり、株高となる。特に日本株は景気敏感株が非常に多いので、長期金利上昇の悪影響は相対的に小さい。さらに、ドル金利の上昇は円安・ドル高をもたらすので、輸出関連銘柄には有利に働くはずである。

日経平均の日足チャートを見ると、本日は少しだけ続伸したが、短陰線であり上方向への勢いが弱い。依然として下向きの10日移動平均線の下、且つ、25日移動平均線の下に沈み込んだままである。但し、これはあくまでも株価指数である日経平均の話であり、業績見通しが良好な個別銘柄は明確な上昇トレンドを維持している。優利加塾では定番の2つのN株も上昇トレンドが明確な銘柄例である。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、水産・農林(3位)、石油・石炭(4位)、海運(5位)となった。
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「切り込み線」で反発したがまだ25日移動平均線の下にある

03月09日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +30.6.14 @31,802.44, NASDAQ -310.99 @12,609.16)。ドル円為替レートは109円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,848に対して、下落銘柄数は302となった。騰落レシオは123.18%。東証1部の売買代金は3兆2706億円。

TOPIX +24 @1,918
日経平均 +285円 @29,028円

米追加経済対策は上院が3月6日に可決して下院で今週中にも可決されて成立する見通しとなった。ドル円為替レートは109円台のドル高・円安となり、輸出関連株、特に自動車株が買われた。また、景気回復への期待感が高まり、景気敏感株が買い優勢となり上げた。他方、長期金利の高止まりを懸念してハイテク株を中心とした成長株が売り優勢となり下げた。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の強烈な「被せ線」に対して、本日は「切り込み線」となり反発の兆候となった。それでも依然として下向きの10日移動平均線と上向きの25日移動平均線の下に沈み込んだままであり、明確な反発モードとはなっていない。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、不動産(1位)、電気・ガス(2位)、輸送用機器(3位)、鉄鋼(4位)、陸運(5位)となった。
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調整は当初予想よりも少し深く長くなりそう

03月08日
先週金曜日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +572.16 @31,496.30, NASDAQ +196.68 @12,920.15)。ドル円為替レートは108円台前半の先週末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,211に対して、下落銘柄数は889となった。騰落レシオは109.61%。東証1部の売買代金は2兆9862億円。

TOPIX -3 @1,894
日経平均 -121円 @28.743円

米追加経済対策が米議会上院で既に可決されているが、米雇用統計で2月の雇用者数が市場予想以上に増えたことで景気回復期待がさらに高まった。これらを背景に米株式相場は大幅高となり、その流れを受けて、本日の日本株全般も上げて始まった。ドル円相場が円安に動いたこともあり、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。しかし、米長期金利の高止まりが警戒される中、買いが一巡する頃になると、米株価指数先物が反落し始めた。上海総合指数や香港ハンセン指数などアジア株も下げた。米国では巨額の財政出動と景気回復の進展により、長期金利が想定以上に速く上昇して経済回復が失速するのではないかという不安が高まってきた。この不安と、金融緩和政策の継続とコロナワクチン接種の普及により経済回復が早まるという期待感が綱引きをしている。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップして始まったが、失速して長陰線を引いて前日比安値引けとなった。これで25日移動平均線を3日連続で下回っている。5日以上長く25日移動平均線を割り込み続けとそのダメージはボディーブローのように効いてくる。10日移動平均線が明確に下向きになっており、25日移動平均線の下に株価は沈み込んだ。長期金利上昇による不安と景気回復への期待感が真正面でぶつかり合っている。最終的には景気回復への期待感が勝ると見ているが、調整は当初想定していたよりも少し深く長くなるかもしれない。目先では、昨年7月31日、10月30日のように上向きの60移動平均線で下げ止まるかどうかである。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、石油・石炭(3位)、保険(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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続落したが強い下げ渋りを示した

03月05日
昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA -345.95 @30,924.14, NASDAQ -274.28 @12,723.47)。ドル円為替レートは108円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,352に対して、下落銘柄数は753となった。騰落レシオは107.13%。東証1部の売買代金は3兆1752億円。

TOPIX +11 @1,896
日経平均 -66円 @28,864円

3月4日のパウエルFRB議長の発言をきっかけに米長期金利が上昇して米国株式相場が大幅続落した。この流れを受けて、本日の日本株も前場はハイテク株を中心に大きく下げた。日経平均の下落幅は一時600円超となった。しかし、後場になると、日銀によるETF買いが期待されて切り返し始め、押し目狙いの買いも入り下げ幅を大きく縮小した。2月の米雇用統計の発表を日本時間の今夜に控えているのでポジションを一方向に傾けること控えたようである。

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップダウンして始まったが、長い下ひげを引いた短陽線となった。上向きの60日移動平均線の手前まで下がった後、強い下げ渋りを見せた。こらから数日間本日の安値を下抜けなければ、横ばい或いは反発に向かうと見る。しかし、それでも2月16日高値はそうやすやすとは更新できないと見ている。気を付けなけらばならないのはしばらく反発を続けて25日移動平均線および10日移動平均線の上に浮上した後、失速して再びこれら移動平均線の下に沈み来んだ場合である。その場合は「2点天井」形成となり、その後の調整が深く長くなりやすい。

33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、電気・ガス(3位)、水産・農林(4位)、食料品(5位)となった。
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「はらみの下抜け」明確な売り線

03月04日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -121.43 @31,270.09, NASDAQ -361.03 @12,997.75)。ドル円為替レートは107円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が787に対して、下落銘柄数は1,295となった。騰落レシオは106.64%。東証1部の売買代金は2兆7612億円。

TOIX -20 @1,885
日経平均 -629円 @28,930円

米長期金利が再び上昇して1.5%の水準まで上げてきたため、米国株式相場、特にハイテク成長株の多いナスダックは大きく下げた。これを受けて東京市場でも値がさ成長株を中心に売り優勢となった。米株価指数先物やアジア株も下げたため、日本株全般の売りが加速した。日経平均の下げ幅は一時、800円以上となった。今は、新型コロナウィルスよりも米長期金利の上昇が株式相場にとってより大きな懸念材料となってきた。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の「はらみ線」を下抜けて「はらみの下抜け」となり明確な売り線となった。25日移動平均線を再び割り込み、10日移動平均線は下向きである。10月30日安値と2月1日安値を結んだ上昇トレンドラインも割り込んだ。どうやら調整が少し長引きそうである。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、情報・通信(2位)、その他製品(3位)、空運(4位)、精密機器(5位)となった。
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高値圏での「はらみ線」「被せ線」「はらみ線」と続き・・・

03月04日
昨日の米国株式相場は再び反落した(DJIA -143.99 @31,391.52, NASDAQ -230.04 @13,358.79)。ドル円為替レートは106円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,338に対して、下落銘柄数は776となった。騰落レシオは106.89%。東証1部の売買代金は2兆4664億円。

TOPIX +10 @1,905
日経平均 +151円 @29,559円

米国株式相場は下げたが、日本株の先高観が勝った。新型コロナウィルスワクチンが早晩普及して世界経済の回復が早まるとの期待が根強いことや、米長期金利の上昇に対する心配がやや緩和されたことも株価を下支えた。バイデン米大統領は3月2日、「米国の全成人のコロナワクチンを5月末までに供給できる」と述べた。また、ブレイナードFRB理事が2日「雇用とインフレはFRBの目標からはほど遠い」と発言した。これにより米長期金利の上昇をけん制した。上海株、香港株などアジア株全般も上昇し、鉄鋼、非鉄金属、空運、海運など景気敏感業種を中心に上げ、日経平均は一時200円高まで上げたが、昨日の高値には遠く及ばなかった。

日経平均の日足チャートを見ると、反発はしたが依然として下向きに転じた10日移動平均線の下に沈んだままである。高値圏での「はらみ線」、「被せ線」、「はらみ線」と続き、もし「はらみの下抜け」となると下方への圧力が増すが、先高観が依然として強いので深押しはしないと見ている。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、非鉄金属(2位)、空運(3位)、ゴム製品(4位)、海運(5位)となった。
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上値の重さが鮮明になってきた

03月02日
昨日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +602.12 @31,535.51, NASDAQ +396.49 @13,588.83)。ドル円為替レートは106円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が745に対して、下落銘柄数は1,346となった。騰落レシオは107.83%。東証1部の売買代金は2兆6132億円。

TOPIX -8 @1,895
日経平均 -255円 @29,408円

米国株式相場は大幅高となったが、日本株は昨日既にこれを先取りして大幅上昇していた。上海株式相場や米株価指数先物が軟調となり、日経平均は高く始まった後、徐々に売り優勢となった。日経平均の下げ幅は一時340円を超えた。米長期金利の上昇は一服したとは言え、高止まりしていることが株価の頭を抑えている。

日経平均の日足チャートを見ると、寄り付き直後はやや下向きになった10日移動平均線を辛うじて回復したが、次第に売りに押されて下げ続け、結局、長めの陰線で下げた。昨日の陽線を本日の陰線が完全に被せる「被せ線」となった。それでもまだ上向きの25日移動平均線の上で踏みとどまっている。明日は、25日移動平均線の上で踏みとどまるか、或いはまた割り込むかに注目したい。

日経平均株価が30,000円とすると、その根拠は何だろうか?株価P=EPS x PERなので、30,000=1,500 x20くらいを見込んでいると考えられる。現在の予想EPSは1,300円くらいなので、これからさらに15%増を織り込んでいる。PER=20倍というのは資本コストを8%とすると1/(0.08-0.03)=20となり、日本経済が長期的に3%成長を続けると期待していることを意味する。しかし、3%成長は非常に難しく、精々2%成長が現実的な見積もりだと思う。ということは、PER=1/(0.08-0.02)=17倍が巡行水準であり、現在の22倍というのはやや期待し過ぎということになるが、株価は上げるときも下げるときもしばしばオーバーシュートするものだから、その勢いに乗るのはトレーダーとして正しい選択である。但し、反転の兆候は見逃さないように注意を払い続ける必要がある。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、鉱業(3位)、パルプ・紙(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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1日で25日移動平均線を回復した

03月01日
先週金曜日の米国株式相場はダウ工業株30種平均株価は大きく続落したがナスダックは小幅反発した(DJIA -469.64 @30,932.37, NASDAQ +72.91 @13,192.34)。ドル円為替レートは106円台半ばの先週末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、 上昇銘柄数が1,931に対して、下落銘柄数は229となった。騰落レシオは107.34%。東証1部の売買代金は2兆4773億円。

TOPIX +38 @1,902
日経平均 +697円 @29,664円

先週末は米長期金利の急上昇(1.61%まで)を警戒して株式相場は急落したが、その後は金利上昇が一服した(1.4%台で推移)したことで株式市場に安心感がやや戻った。先週末に日経平均は1,202円安と大幅安になったので、自律反発狙いの買いや押し目狙いの買いも入混じり、日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。日本企業の業績回復期待は根強く、下げるとすぐに押し目を拾おうとする買いが入る。だた、今日のところは先週末に急落した値幅の半分弱しか取り戻せなかった。米長期金利の上昇傾向に対しては、FRBのパウエル議長は「経済再開や経済成長への市場の期待の表れ」として静観しているが、金利上昇が行きすぎて景気を冷やしかねないと判断すれば、量的金融緩和を強化するはずだと市場関係者の多くは見ているようである。米長期金利の動向と新型コロナウィルスの感染状況とワクチン接種の普及の速さを睨みながら、高値圏でのもみ合いがまだしばらく続きそうだ。

日経平均の日足チャートを見ると、先週末に上向きの25日移動平均線を割り込んんだが、今日は早くもその上に再浮上した。これで再び上昇トレンドの範囲内に戻った。25日移動平均線が上向きである限りは買い狙いが確率的に正解である。ただ、2月16日の高値@30,714円を上抜けるにはある程度の日柄が必要だろう。

33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、パルプ・紙(1位)、情報・通信(2位)、建設(3位)、小売り(4位)、機械(5位)となった。
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