「生涯現役のトレード日記」
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日銀が動かない代償:急激な円高⇒株の急落 04月29日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +51.28 @18,041.55, NASDAQ -25.14 @4,863)。後場からドル円為替レートは108円台後半の円高方向へ大きく振れた。急な円高を嫌気して本日の日本株全般は大きく下げた。東証1部では、上昇銘柄数が228に対して、下落銘柄数は1,681となった。騰落レシオは96.19%。東証1部の売買代金は3兆1868億円へ急増した。
TOPIX -44 @1,341
日経平均 -624円 @16,666円
最近はECBは追加金融緩和に動かず、FOMCも利上げに動かず、そして、今日、日銀も動かずだった。その結果、急激な円高を引き起こし、TOPIXも日経平均も後場から急落した。
物価見通しを下方修正し、2%の物価目標の達成時期も先送りにしたほどで、追加金融緩和を決定しても不思議ではないタイミングだった。しかし、日銀は先行き市場がさらに混乱したときなどに備えて「貴重な弾」を温存したかったのだろう。無駄玉は打ちたくないとういうのが本音ではないだろうか?日銀によるETFやREITの買い増しも期待されていたが、4月22日時点ですでに9兆3000億円に膨れていたので、現状のペースで計算すると7月には10兆円(東証1部時価総額の2%)を超えると予測されている。ETFを現物株に交換した場合、3月末時点で日銀はミツミ電機を7.5%、アドバンテストを6.5%、ファーストリテイリングを5.9%、太陽誘電を5.6%、TDKを5.4%、東邦亜鉛を5.0%実質的に保有している。日銀は一旦買ったら政策が終了するまで売らないが、「ものを言わない株主」なので、ガバナンスに問題が発生するとも指摘され始めた。
日銀は現状維持という何もしない代償として、「安全資産」とされる円が大きく買われ、日本株の相場急落を招いた。他方、追加緩和への期待が今後も継続することになり、押し目買いを誘いやすくなる。5月下旬に予定されている伊勢志摩サミットを控え、政府が消費増税の延期と景気下支え策をパッケージで打ち出すのではないかとの期待が依然として高い。
もうひとつの意識しておきたい視点は、ドル安が進行すれば、逆相関の原油価格には更なる上昇圧力が増すということだろう。
33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、証券(1位)、銀行(2位)、海運(3位)、保険(4位)、鉄鋼(5位)となった。
24 ゴム製品(東証1) 3,046 -105 -3.33
25 輸送用機器(東証1) 2,480 -92 -3.58
26 その他製品(東証1) 1,646 -73 -4.26
27 不動産業(東証1) 1,405 -70 -4.72
28 その他金融業(東証1) 577 -29 -4.79
29 鉄鋼(東証1) 475 -24 -4.89
30 保険業(東証1) 721 -42 -5.54
31 海運業(東証1) 292 -17 -5.54
32 銀行業(東証1) 146 -10 -6.30
33 証券・商品先物取引(東証1) 330 -28 -7.91
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金融政策決定会合とFOMCの結果待ちで様子見 04月27日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +13.08 @17,990.32, NASDAQ -7.50 @4,888.28)。ドル円為替レートは111円台前半の円安方向へ動いた。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が840に対して、下落銘柄数は978となった。騰落レシオは99.53%。東証1部の売買代金は2兆2630億円。
TOPIX -7 @1,384
日経平均 -63円 @17,290円
米国株は高安まちまちだったが、円相場は円安方向に動いていた。しかし、TOPIXも日経平均も小幅安となり、これで3日続落となった。4月27日〜28日にかけて日銀金融政策決定会合、米国FOMCが開催されているため、投資家は様子見を決め込んでいる。3月決算の上場企業の決算発表も始まっているが、悪い決算内容が多くなっている。市場は悪い材料に敏感に反応しやすい。日銀が何らかの形で追加金融緩和を実施してくるか?何もしなければ目先は失望売りがどっと出てくるだろう。
33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、陸運(1位)、電気機器(2位)、鉄鋼(3位)、空運(4位)、医薬品(5位)となった。
24 電気・ガス業(東証1) 437 -3 -0.61
25 機械(東証1) 1,403 -9 -0.63
26 保険業(東証1) 763 -6 -0.81
27 不動産業(東証1) 1,474 -13 -0.85
28 輸送用機器(東証1) 2,573 -28 -1.09
29 医薬品(東証1) 2,764 -31 -1.10
30 空運業(東証1) 293 -3 -1.10
31 鉄鋼(東証1) 500 -6 -1.18
32 電気機器(東証1) 1,679 -27 -1.56
33 陸運業(東証1) 2,062 -33 -1.60
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日銀の「黒田バズーカ」不発に備えたか? 04月26日
昨日の米国株式相場は小幅安となった(DJIA -26.51 @17,977.24, NASDAQ -10.44 @4,895.79)。ドル円為替レートは110円台後半の円高方向へ動いた。本日の日本株全般は反落した。東証1部では、上昇銘柄数が417に対して、下落銘柄数は1,427となった。騰落レシオは98.70%へ急低下した。東証1部の売買代金は2兆804億円まで縮小した。
TOPIX -10 @1,392
日経平均 -86円 @17,353円
為替レートが円高方向へ動きTOPIXも日経平均も一時は大きく下げたが切り返して寄り付きとほぼ同じ値まで戻した。形としては「トンボ」となった。日銀に対する追加金融緩和の期待が大きい一方で、投資家は日銀が現状維持を決める不発リスクにも備え始めているようだ。今週末には米国FOMCと日銀の金融政策決定会合の発表が控えている。円相場に関しては少し変化もある。日銀の追加金融緩和が不発に終わったとしても、それほど円高にはならないという指摘もある。直近の円安方向への動きの背景にあるのは、日銀の追加金融緩和期待だけではない。原油価格が底入れしたと見てリスク回避の円買いが後退し、英国の欧州連合EU離脱懸念が和らいだことによるポンドの買い戻しもあったからだ。
33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、証券(5位)となった。
24 輸送用機器(東証1) 2,601 -28 -1.06
25 卸売業(東証1) 1,107 -13 -1.15
26 鉱業(東証1) 265 -4 -1.50
27 不動産業(東証1) 1,487 -28 -1.84
28 ガラス・土石製品(東証1) 922 -18 -1.97
29 証券・商品先物取引(東証1) 358 -8 -2.16
30 保険業(東証1) 770 -17 -2.22
31 銀行業(東証1) 157 -4 -2.53
32 鉄鋼(東証1) 506 -15 -2.94
33 海運業(東証1) 309 -14 -4.40
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4連騰した割には下げが小さい 04月25日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +21.23 @18,003.75, NASDAQ -39.66 @4,906.23)。ドル円為替レートは111円台前半の円安方向へ動いた。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が704に対して、下落銘柄数は1,097となった。騰落レシオは110.29%。東証1部の売買代金は2兆2600億円。
TOPIX -6 @1,402
日経平均 -133円 @17,439円
円安が進行したが、前週末にかけて4営業日連続で日経平均は約1,300円も上昇したため高値警戒感が強まり、本日は手仕舞い売りが優勢となった。しかし、日経平均は。日銀の追加金融緩和を見込んで株式を買う「日銀プレー」が途切れなかったためだ。日銀が4月27〜28日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に動くとの期待感が膨らんでいる。国債やETFなどの買い入れ枠拡大やマイナス金利幅の拡大だけに留まらず、「金融機関へのマイナス金利での貸し出し」まで飛び出してきた。
「マイナス金利での貸し出し」は欧州中央銀行ECBの新型の長期資金供給オペ(TLTRO)にならったものだが、
欧州で新型TLTROを通じてマイナス金利での資金供給が始まるのは6月なので、まだ効果が検証されたわけではない。しかし、日銀が金融機関へマイナス金利で貸出すれば、中小企業向けの金利が下がる可能性が高い。大手企業への融資金利は一般的に市場金利連動だが、中小企業向けは短プラ連動であることが多い。短プラは2009年からずっと一定水準のままでマイナス金利導入後も下がっていない。 その結果、短プラが下がらないために、金利低下の恩恵が大企業に限定され、中小企業は低金利の恩恵を受けられないままである。
円相場が円安方向へ振れている。その理由の一つがIMM通貨先物ポジションの建玉残にある。19日時点で投機筋による円の買越残高は7万1870枚と過去最高水準に積み上がった。
http://zai.diamond.jp/list/fxmarket/imm
日銀の追加緩和期待が高まる中で、円買い・ドル売りの持ち高に巻き戻しが起こっていると推察できる。投機筋が円売りを仕掛け心理的節目とされた1ドル=110円を一旦ブレークすると、そこに新たな支持線が意識・設定される。もはや「実質実効為替レート」、「購買力平価」などの経済理論より、市場の力学が優先するのが相場の現実である。高速取引が席巻するパワーゲームの市場では、理論は短期的には無力である。
目先は円安・株高が期待できるが、中長期的視点で考えると、企業収益を改善させるには金融政策だけでは力不足であることは明白だ。日銀による金融政策だけでなく、補正予算を含む財政出動、さらには消費税の先送り・凍結といった企業業績を支える政府の固い決意が求められる。
33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、パルプ・紙(1位)、情報・通信(2位)、鉱業(3位)、海運(4位)、食料品(5位)となった。
24 その他製品(東証1) 1,736 -15 -0.84
25 サービス業(東証1) 1,626 -15 -0.90
26 小売業(東証1) 1,073 -10 -0.95
27 水産・農林業(東証1) 463 -5 -0.97
28 建設業(東証1) 1,068 -14 -1.33
29 食料品(東証1) 1,798 -26 -1.45
30 海運業(東証1) 323 -5 -1.59
31 鉱業(東証1) 269 -4 -1.61
32 情報・通信業(東証1) 3,037 -62 -2.01
33 パルプ・紙(東証1) 453 -9 -2.02
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「日銀がマイナス金利で貸出」報道で大幅高 04月23日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -113.75 @17,982.25, NASDAQ -2.24 @4,945.89)。ドル円為替レートは110円台前半の円安方向へ動いた。円安を好感して、本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,175に対して、下落銘柄数は637となった。騰落レシオは108.70%。東証1部の売買代金は2兆7889億円へ増加した。
TOPIX +14 @1,408
日経平均 +209円 @17,572円
本日後場、一部通信社から日銀が金融緩和の一環として金融機関に対する貸し出しにもマイナス金利を適用することを討していると伝わり、円安・ドル高が進み、円相場が1ドル=110円台前半と円安・ドル高方向に転じた。これを材料に、TOPIXも日経平均も大幅高となった。市中銀行は日銀からマイナス金利で資金を調達すれば、マイナス幅で貸し出すことができ、一定の利ざやを確保できる。これが実現すれば、銀行は低利融資でも利ざやが稼げるようになるので、銀行株は大きく上げた。好影響を受ける不動産も上げた。勿論、円安の恩恵を受ける輸出関連株も上げた。日銀は4月27〜28日に金融政策決定会合を開くため、追加金融緩和の思惑が高まっている。ただ、タイミングが難しいのではないか。5月26〜27日には主要7カ国首脳会議(G7)を控えているので、ここでの合意が出来る前に日銀が単独で追加金融緩和を実施するのは難しいかもしれない。
33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(2位)、海運(3位)、不動産(4位)、鉄鋼(5位)となった。
1 銀行業(東証1) 160 +7 +4.80
2 証券・商品先物取引(東証1) 369 +12 +3.36
3 海運業(東証1) 328 +9 +2.97
4 不動産業(東証1) 1,508 +39 +2.64
5 鉄鋼(東証1) 524 +10 +2.03
6 保険業(東証1) 768 +15 +1.98
7 鉱業(東証1) 273 +5 +1.70
8 その他金融業(東証1) 613 +10 +1.63
9 倉庫・運輸関連(東証1) 1,509 +20 +1.35
10 輸送用機器(東証1) 2,613 +35 +1.34
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3月14日高値(日経平均@17,291円)を上抜けた 04月22日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA +42.67 @18,096.27, NASDAQ +7.80 @4,948.13)。ドル円為替レートは109円台後半の円安方向へ動いた。これらを好感して、本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,753に対して、下落銘柄数は149となった。騰落レシオは106.02%。東証1部の売買代金は2兆4742億円。
TOPIX +28 @1,394
日経平均 +457円 @17,364円
米国株高と円安を好感して、TOPIXも日経平均も続伸して3月14日高値(日経平均@17,291円)を上抜けた。これで、しこり玉帯を突破し、ざっくり表現すれば、2月4日以降に買った玉すべてが含み益となったことになる。原油高を背景に世界経済の減速懸念が後退し、買い戻しの動きが強まった。しかし、従来からある今期業績の悪化懸念が払拭されたわけではないため、半身の構えで臨みたい。
やや円安に動き始めた現状を簡潔に整理しておこう。原油高・株高を受けた市場心理の好転を受けて、投資家のリスク回避姿勢が後退し「低リスク通貨」とされる円売り・ドル買いにつながった。また、海外ヘッジファンドなどが過去最高水準まで膨らませた円買いの持ち高の一部を解消していることも円売り・ドル買いにつながっている。さらに、海外の投機筋などを中心に、政府と日銀がヘリコプターマネー政策(政府と中央銀行が一体となって財政政策・金融緩和を実行し、まるでヘリコプターで上空から市中に現金をばらまくかのように、市場を経由せず大量の現金を直接国民にばらまく)に踏み切るのではないかとの思惑から円を売り、ドルを買っているとの読みもある。
33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、不動産(2位)、海運(3位)、非鉄金属(4位)、証券(5位)となった。
1 鉱業(東証1) 269 +14 +5.46
2 不動産業(東証1) 1,470 +54 +3.84
3 海運業(東証1) 319 +11 +3.72
4 非鉄金属(東証1) 827 +28 +3.52
5 証券・商品先物取引(東証1) 357 +12 +3.45
6 保険業(東証1) 753 +25 +3.44
7 鉄鋼(東証1) 514 +17 +3.32
8 輸送用機器(東証1) 2,578 +71 +2.83
9 倉庫・運輸関連(東証1) 1,489 +37 +2.58
10 ゴム製品(東証1) 3,093 +77 +2.54
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17,000円前後のしこり玉帯に跳ね返された 04月21日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +49.44 @18,053.60, NASDAQ -19.69 @4,940.33)。ドル円為替レートは108円台後半の円高方向へ動いた。本日の日本株全般も高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が834に対して、下落銘柄数は993となった。騰落レシオは95.36%。東証1部の売買代金は2兆2393億円。
TOPIX +3 @1,366
日経平均 +32円 @16,907円
米国株は高安まちまち、円相場はやや円高方向へ動いたが、TOPIXも日経平均も高く始まり失速して陰線を引きながらも、辛うじて続伸した。チャートを見ると17,000円前後のしこり玉帯に跳ね返された形だ。2月12日安値と4月8日安値で2点底を形成しており、3月14日高値を上抜けるとさらに弾みがつきやすい。
株価がトレンドを継続するためには、売買代金が膨らむ必要がある。4月20日の東証1部の売買代金は2兆2393億円と、今年第一四半期(1〜3月)の1日平均(約2兆5600億円)を下回った。ということは、今のところ、先物中心の海外短期筋による買い戻しが入っているに過ぎないという見方もできる。
33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、鉱業(2位)、その他金融(3位)、海運(4位)、不動産(5位)となった。
1 石油・石炭製品(東証1) 946 +21 +2.32
2 鉱業(東証1) 255 +5 +1.85
3 その他金融業(東証1) 589 +9 +1.56
4 海運業(東証1) 308 +4 +1.41
5 不動産業(東証1) 1,415 +17 +1.23
6 電気機器(東証1) 1,680 +18 +1.09
7 陸運業(東証1) 2,073 +18 +0.88
8 ガラス・土石製品(東証1) 909 +6 +0.66
9 電気・ガス業(東証1) 442 +3 +0.62
10 その他製品(東証1) 1,738 +10 +0.57
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大幅反発して昨日の急落を帳消しにした 04月19日
原油相場(WTI)が強く下げ渋り、昨日の米国株式相場は大きく上昇した(DJIA +106.70 @18,004.16, NASDAQ +21.80 @4,960.02)。ドル円為替レートは109円台前半の円安方向へ動いた。 これらを受けて、本日の日本株全般は大きく反発した。騰落レシオは95.59%。東証1部の売買代金は2兆863億円。
米国株高と円安を好感して、TOPIXも日経平均も大幅反発し、昨日の下げを帳消しにした。短期間で上にも下にも大きく振れ、方向感がはっきりしない。今日のところは、短期の投機筋が空売りしてきた銘柄が反発するリターンリバーサルに過ぎないという冷めた見方もできる。
TOPIX +43 @1,363
日経平均 +598円 @16,874円
日本株全体は相変わらず原油相場、円相場、中国経済の動向に振り回されている。ドーハ産油国会議をイランが欠席したことが原因で物別れに終わり、原油相場を急落させたが、昨日のNY原油相場は明確に下げ渋りを示した。円相場は日銀の黒田総裁が追加金融緩和を示唆しており、さらにFRBが6月には利上げに踏み切るのではないかという見通しもあり、投機筋が深追いしてまで円売りを仕掛けにくくなっている。
33業種すべてが上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、海運(2位)、保険(3位)、非鉄金属(4位)、電機機器(5位)となった。
1 銀行業(東証1) 151 +8 +5.82
2 海運業(東証1) 303 +13 +4.43
3 保険業(東証1) 732 +31 +4.41
4 非鉄金属(東証1) 796 +33 +4.27
5 電気機器(東証1) 1,662 +68 +4.26
6 輸送用機器(東証1) 2,526 +103 +4.24
7 機械(東証1) 1,379 +47 +3.56
8 証券・商品先物取引(東証1) 344 +12 +3.53
9 精密機器(東証1) 4,534 +154 +3.51
10 ガラス・土石製品(東証1) 903 +29 +3.29
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「四重苦」で急落した 04月18日
先週金曜日の米国株式相場は小幅安となった(DJIA -28.97 @17,897.46, NASDAQ -7.67 @4,938.22)。ドル円為替レートは107円台後半の円高方向へ大きく振れた。悪い材料が幾重にも重なり、本日の日本株全般は大きく下落した。東証1部では、上昇銘柄数が209に対して、下落銘柄数は1,696となった。騰落レシオは94.97%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆1312億円と大きくはなく、市場がパニック売りに走ってはいないことがわかる。
TOPIX -41 @1,320
日経平均 -572円 @16,276円
悪材料が多重に発生し「四重苦」となった。(1) 熊本県で発生した大地震は余震が続き被害が拡大している。(2) 先週末に開催されたG20財務省・中央銀行相殺会議ではルー米財務長官が円高進行に対して「市場の動きは秩序的」と発言して円売り介入を牽制したことで円高が一挙に進んだ。(3) さらに昨日の産油国の会合では増産凍結の合意に至らなかった。(4) 米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の減産継続が伝わった。これらの悪材料を嫌気して、TOPIXも日経平均は大幅下落した。
円相場について少し考えてみよう。原油の先安観が強まり、オーストラリアドルなど、原油価格と連動しやすい産油国通貨の下落ったことも、「安全資産」とされる円への資金シフトを強めた。また、理論的根拠無きある種のジンクスで円買い圧力が高まった。1995年の阪神大震災や2011年の東日本大震災など過去の震災直後には、どちらも円高が進んだからだ。冷静に考えれば、震災復興活動に伴う輸入の増加は経常収支の黒字を減らし、中長期的には円安要因として働くはずである。日銀はどう対応するか?G20で為替介入を牽制されて身動きがとれず、日銀の追加緩和への期待は一段と高まっている。27〜28日に開かれる日銀の金融政策決定会合で、金融緩和とETFの買い入れ増額をセットで繰り出してくるのではないだろうか?
熊本の大地震により、政府の対応で注目されるのは、「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、予定通りに引き上げる」としている消費税率である。繰延になる可能性がさらに高まったと見ている。
33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、保険(1位)、海運(2位)、その他金融(3位)、輸送用機器(4位)、電機・ガス(5位)となった。
24 卸売業(東証1) 1,060 -37 -3.36
25 不動産業(東証1) 1,363 -53 -3.72
26 銀行業(東証1) 143 -6 -3.75
27 電気機器(東証1) 1,594 -64 -3.84
28 証券・商品先物取引(東証1) 333 -14 -3.93
29 電気・ガス業(東証1) 431 -18 -3.94
30 輸送用機器(東証1) 2,423 -99 -3.94
31 その他金融業(東証1) 562 -26 -4.38
32 海運業(東証1) 290 -14 -4.47
33 保険業(東証1) 702 -43 -5.82
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潮目が変わってきた 〜 外国人投資家が買い越しに転じた 04月16日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +18.15 @17,926.43, NASDAQ -1.53 @4,945.89)。ドル円為替レートは109円台半ばの推移。材料不足と3日大幅続伸した後だけに、やはり本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が565に対して、下落銘柄数は1,262となった。騰落レシオは104.66%へ下げた。東証1部の売買代金は2兆592億円。
TOPIX -10 @1,361
日経平均 -63円 @16,848円
米国株は高安まちまちで材料不足な中、3日連騰で大幅高となった直後だけに、本日のTOPIXも日経平均も小幅反落した。どちらも昨日の時点で明確に25日移動平均線を回復している。日経平均で見ると、17,000円前後の価格帯は滞留期間が3月3日から3月31日まであり、累積売買高が積み上がっている。この価格帯はある意味でしこり玉の雲である。そして現在はそのしこり玉の雲の目前まで戻してきた。来週以降、この雲を一気に上に突き抜けるかどうかに注目したい。
円高が一服し原油相場も上昇基調を維持している。さらに日本株の売買シェアの約6~7割を占める海外投資家の売りが止まった。投資主体別売買動向をチェックしてみると、海外投資家は4月第1週に日本株を14週ぶりに買い越している。これに加えて、日銀や政府による政策期待が高まっているため、売り方はこれ以上売り込みにくいと判断したはずである。
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/gai.cgi
今週後半からのリバウンドには円高懸念の後退と政策期待という2つの背景がある。米国では先週後半から米国債利回りが上昇に転じており、ドル売り・円買いの流れに歯止めをかけた。畳み掛けるように、13日の夜にはニューヨーク市内での講演で、黒田日銀総裁は緩和策について「技術的限界はない」と強調し、金利だけでなく、量と質の3次元で緩和余地があると自信を示した。なかなかの策士だと感心した。このはったりのような強気の発言が追加金融緩和を強く期待させた。
株価を大きく動かしそうなイベントが続く。4月14日に開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議と、4月17日にカタール・ドーハで開かれる産油国会議の結果はどう出るか?円高是正の動きと原油反発の流れがどれだけ続くか?さらに、4月末からは3月決算企業の決算発表が本格化するが、来期予想がどの程度悪くなるのか?
33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、銀行(2位)、電気機器(3位)、その他金融(4位)、輸送用機器(5位)となった。
24 非鉄金属(東証1) 788 -8 -0.96
25 繊維製品(東証1) 655 -7 -1.00
26 証券・商品先物取引(東証1) 346 -4 -1.06
27 不動産業(東証1) 1,416 -16 -1.10
28 保険業(東証1) 745 -9 -1.17
29 輸送用機器(東証1) 2,522 -30 -1.17
30 その他金融業(東証1) 588 -7 -1.20
31 電気機器(東証1) 1,658 -26 -1.52
32 銀行業(東証1) 148 -2 -1.62
33 鉱業(東証1) 251 -6 -2.21
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米国株大幅続伸と円安を好感して日本株も大幅高 04月14日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +187.03 @17,908.28, NASDAQ +75.33 @4,947.42)。ドル円為替レートは109円台半ばまで円安方向へ動いた。これらを好感して、本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,797に対して、下落銘柄数は125となった。騰落レシオは115.01%へ上昇した。東証1部の売買代金は2兆6689億円。
TOPIX 1,371
日経平均 +530円 @16,911円
米国株高と円安を好感して、TOPIXも日経平均も大幅続伸し、この3日間で日経平均は1,159円上昇した。主力の輸出関連株は軒並み高となった。資源、鉄鋼、建機など幅広い銘柄に見直し買いが入り、東証1部の9割超の銘柄が上昇した。後場になると一段高となり、短期筋による株価指数先物への断続的な買いが主導したとの指摘が多い。日本株の上昇要因は、原油安・中国経済不安・円高の3大リスクが一服したことであるが、最近では中国経済(3月の輸出額は9カ月ぶりに前年同月を上回った)より米国経済の景況感が利上げ観測を左右し、それがドル円相場を動かし、さらに日本の株式市場を動かしている。明日は流石に上昇が一服するのではないか?
為相場ではこのところ円高のペースが急だったことでドルの自律反発的な動きが出ているに過ぎないという見方が多い。したがって、これ以上の円安水準になると、ドルを売り遅れた輸出企業の円買い・ドル売りや、外国為替証拠金(FX)取引勢の利益確定目的のドル売りなどが出てきやすいだろう。
この3日間は大きく反発してきたが楽観は禁物である。まず、4月14〜15日の日程でワシントンで開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での結果を見極めたいとのムードが強い。産油国が4月17日にカタールで開く会合で、もし、増産凍結で合意しなければリスクオフムードが再燃しかねない。4月27〜28日の日銀金融政策決定会合もゼロ回答なら、失望売りが出るだろう。マイナス金利の拡大ではなく、ETFの買い増しを打ち出してくるか?さらに4月下旬からは3月決算企業の決算発表が本格化する。
潮流の変化として、マイナス金利をポジティブに捉える動きが出てきた。インフラ整備に使う資金の民間企業への融資について「日銀のマイナス金利政策で発行コストが大幅に低下した国債を増発し、日本政策投資銀行など政府系の機関を通じて最大で3兆円をほぼゼロの金利で貸し出す仕組みを検討する」と報じられた。新幹線が事業の柱であるJR上場3社は利払い負担が減るので素直に買われた。
33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、保険(1位)、鉄鋼(2位)、ガラス・土石(3位)、パルプ・紙(4位)、陸運(5位)となった。
1 保険業(東証1) 754 +34 +4.73
2 鉄鋼(東証1) 496 +22 +4.61
3 ガラス・土石製品(東証1) 896 +38 +4.42
4 パルプ・紙(東証1) 447 +18 +4.22
5 陸運業(東証1) 2,047 +82 +4.17
6 不動産業(東証1) 1,431 +56 +4.03
7 電気・ガス業(東証1) 449 +16 +3.65
8 証券・商品先物取引(東証1) 350 +12 +3.60
9 非鉄金属(東証1) 796 +27 +3.58
10 銀行業(東証1) 151 +5 +3.26
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原油価格の力強い反発と円安、公的年金買いにより大幅続伸 04月13日
昨日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +164.84 @17,721.12, NASDAQ +38.69 @4,872.09)。ドル円為替レートは108円台後半の円安方向へ振れた。これらを好感して本日の日本株は大幅続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,683に対して、下落銘柄数は195となった。騰落レシオは101.99%へ急上昇した。東証1部の売買代金は2兆3482億円。
TOPIX +33 @1,332
日経平均 +452円 @16,381円
NY原油先物(WTI)価格が上昇したことを受けて米国株が大幅高となった。ドル円も円安方向へ振れたことを好感して、TOPIXも日経平均も大幅続伸した。どちらも10日移動平均線を回復し、時の利は買い転換した。また、3月まで積極的に日本株を買い支えていたとみられる公的年金は4月に入ってから動きを止めていたが、再び買い出動したとみられる。ただ、公的年金の買いまた引っ込めば失速する可能性が高いので要注意である。
原油価格反発の背景には、4月12日にロシアとサウジアラビアが原油の増産凍結で合意したと伝わり、4月17日の産油国の会合でも増産凍結になるとの期待が膨らんだことがある。
さらに、米シェール名門のチェサピーク・エナジーが11日に発表した銀行団との合意も追い風となった。追加担保の差し入れなどで6月に迫っていた融資枠40億ドル(約4300億円)の見直し時期を1年先送りしたと報じられた。原油安で米エネルギー企業への融資が焦げ付きかねないとの懸念が広がっていたため、メガバンクの収益に対する警戒感が高まっていた。この焦げ付き懸念が一旦後退し、銀行株は2日間で9%超反発した。
33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、保険(1位)、海運(2位)、非鉄金属(3位)、鉄鋼(4位)、鉱業(5位)となった。
1 保険業(東証1) 720 +31 +4.43
2 海運業(東証1) 298 +12 +4.25
3 非鉄金属(東証1) 768 +28 +3.84
4 鉄鋼(東証1) 474 +17 +3.80
5 鉱業(東証1) 251 +9 +3.79
6 機械(東証1) 1,343 +49 +3.76
7 銀行業(東証1) 146 +5 +3.73
8 ガラス・土石製品(東証1) 858 +28 +3.41
9 その他金融業(東証1) 585 +19 +3.34
10 電気機器(東証1) 1,636 +49 +3.06
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円高一服で株価は反発 04月13日
昨日の米国株式相場は小幅反落した(DJIA -20.55 @17,556,41, NASDAQ -17.29 @4,833.40)。ドル円為替レートは108円台前半の円安方向へ動いた。これを好感して本日の日本株全般は反発した。東証1部では、上昇銘柄数が1,331に対して、下落銘柄数は515となった。騰落レシオは91.22%へ上昇。東証1部の売買代金は2兆848億円。
TOPIX +20 @1,299
日経平均 +178円 @15,929円
直前4日間は円高の動きにもかかわらず明確に下げ渋っていたが、本日は円高進行が一服したことでTOPIXも日経平均も反発した。やはり、株式相場の鍵は円相場である。
安全資産とみなされる円は世界で何か不安なことが起こると買われやすい。中国経済の減速、原油相場の下落、新興国をはじめとする世界経済の減速懸念など、不安なことだらけである。だが、そのような不安だけが円高傾向の原因ではない。2012年後半から米国はドル高を容認してきたが、最近はドル高是正へ政策転換しているとの見方が強い。さらに、日本固有の事情も円高に拍車をかけている。東日本大震災で日本中の原発が停止し、火力発電のために化石燃料の輸入が急増したことで経常収支の赤字が続いていた。しかし、昨年7月初旬から始まった原油価格の急落(100ドル超⇒27ドル台)が経常収支の赤字を縮小してきた。これは明らかな円高要因である。米企業の収益悪化懸念もあり、円高・ドル安を加速しかねない。アベノミクスの異次元金融緩和による円安、株高の時期は明らかに終わった。これからは為替レートに依存しない日本経済・日本企業の真価が問われるはずだ。
33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(2位)、鉄鋼(3位)、海運(4位)、輸送用機器(5位)となった。直近で下げが大きかった業種のリターンリバーサルが起こっている。
1 銀行業(東証1) 141 +7 +5.27
2 証券・商品先物取引(東証1) 332 +16 +5.02
3 鉄鋼(東証1) 457 +22 +4.94
4 海運業(東証1) 285 +11 +4.05
5 輸送用機器(東証1) 2,407 +79 +3.40
6 非鉄金属(東証1) 740 +21 +2.93
7 機械(東証1) 1,294 +35 +2.75
8 電気機器(東証1) 1,587 +39 +2.53
9 パルプ・紙(東証1) 427 +10 +2.45
10 その他金融業(東証1) 566 +13 +2.41
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107円台の円高でも4日連続で明確な下げ渋りを見せた 04月11日
先週金曜日の米国株式相場は小幅高となった(DJIA +35.00 @17,576.96, NASDAQ +2.32 @4,850.69)。ドル円為替レートは107円台後半の円高方向へ振れた。これを嫌気して本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が698に対して、下落銘柄数は1,116となった。騰落レシオは87.41%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆円を割り込み、1兆8604億円へ減少した。
107円/US$台までの円高進行を嫌気して、TOPIXも日経平均も下げた。しかし、ザラ場では大きく下げたものの、強く下げ渋りを見せて長い下ひげを引いた。明確な下げ渋りはこれで4日連続となった。
TOPIX -8 @1,280
日経平均 -70円 @15,751円
先週は麻生太郎財務相や政府高官から円高をけん制する発言が相次いだが、今週後半に20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控え、自国通貨安誘導と取られかねない円売り介入はしにくく、口先介入が精一杯だろうと誰もが思う。そこを見透かすかのように、投機筋を中心に円買い・日本株売りを仕掛けている。投機筋は短期間で儲けるために売買しているので、どこかで必ず反対売買による巻き戻しが起こる。
年初以来3月末までの統計を見ると、外国人投資家が日本株を5兆円売り越し、公的年金が買い向かったと推測できる。円高を止める大きな鍵は新興国経済を気遣い利上げをためらうFRBの姿勢だろう。もともとFRBは「完全雇用」と「物価安定」に責任を持つ"Dual Mandate"だったが、最近では「新興国経済の安定」にも責任を持たされる"Triple Mandate"となっていると揶揄され始めた。だが、米国は基本的に自己中心的な国だ。完全雇用と物価の安定が海外発の悪材料に十分耐えるほど米国経済がしっかりしてきたと判断すれば、迷わず次の利上げに踏み切るだろう。政府・日銀が、投機筋が円買いポジションを手仕舞いするタイミング(ヘッジファンドの決算期)で為替介入すれば効果は抜群だろうが、その度胸はないだろうな。
もう一つの気になる材料は原油価格の動向。4月17日にドーハで開かれる産油国会合で、増産凍結に向けて何らかの前進があれば、原油高、ドル高の流れが反転するだろう。
いずれにせよ。相場底入れには今や売買代金の約7割を占める外国人の買いが不可欠である。市場は日銀の追加緩和、大型補正予算による財政出動、消費増税の再延期を期待しているが、さてどうなるか?
33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、精密機器(2位)、銀行(3位)、その他金融(4位)、金属製品(5位)と分かり易い順番となった。1位と2位は円高で損益が大きく悪化する業種、3位は円高を食い止めるためにマイナス金利を拡大すれば収益が大きく悪化する業種である。その他金融の売りは銀行と同一視した勘違いの売りではないだろうか?
24 建設業(東証1) 1,009 -8 -0.76
25 ゴム製品(東証1) 2,874 -24 -0.84
26 化学(東証1) 1,274 -11 -0.87
27 保険業(東証1) 680 -6 -0.92
28 証券・商品先物取引(東証1) 317 -3 -0.98
29 金属製品(東証1) 1,019 -12 -1.15
30 その他金融業(東証1) 553 -8 -1.47
31 銀行業(東証1) 134 -3 -2.11
32 精密機器(東証1) 4,258 -98 -2.24
33 輸送用機器(東証1) 2,328 -56 -2.37
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悪材料に対する抵抗力が増してきた 04月08日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -174.09 @17,541.96, NASDAQ - 72.35 @4,848.37)。ドル円為替レートは108円台前半の円高水準での推移。この数日の動きを見ていると、株式相場は円高を含む悪材料に抵抗力を増してきたようだ。本日の日本株全般は反発する銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,388に対して、下落銘柄数は464となった。騰落レシオは92.91%。東証1部の売買代金は2兆5798億円。
米国株の大幅下落と円高進行(7日の欧米市場で107円67銭まで上昇した)にも強い抵抗力を示し、小幅反発した。急落の後に十字足が2日連続で出現し、本日3日目は長めの陽線で反発した。この背景には売り方の変化があるようだ。4月1日発表の投資主体別売買動向を見ると外国人は現物株を13週連続で売り越したものの、売越額は79億円と前の週の2042億円から大幅に縮小した。他方、裁定取引により指数先物では前の週の1724億円の買い越しから一転して2564億円の売り越しとなった。統計で見ると、現物の売りの勢いは鈍ってきたが、先物の売りに勢いが増した。
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/gai.cgi
麻生太郎財務・金融担当相と菅義偉官房長官が円高の進行に対し「場合によっては必要な措置を取る」とのけん制発言をして口先介入すると、円高が一服して株は買いが優勢になった。今日のところはとりあえず円高モメンタムが止まったが、米国の緩やかな利上げ観測を背景に円の先高観は根強い。OECDが計算した日米の購買力平価PPPによれば105円/US$程度である。これが中長期的な介入するかしないかの分水嶺と考えられる。
ただ、仮に急激にこの水準を割り込んだとしても、目先の14〜15日に20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、5月下旬には伊勢志摩サミットを控え、実際に円売り介入することは難しいだろうが。
TOPIX +15 @1,288
日経平均 +72 @15,822
33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、ガラス・土石(1位)、機械(2位)、水産・農林(3位)、鉄鋼(4位)、石油・石炭(5位)となった。
1 ガラス・土石製品(東証1) 809 +19 +2.35
2 機械(東証1) 1,264 +28 +2.26
3 水産・農林業(東証1) 457 +10 +2.23
4 鉄鋼(東証1) 436 +9 +2.21
5 石油・石炭製品(東証1) 853 +17 +2.04
6 食料品(東証1) 1,771 +33 +1.89
7 精密機器(東証1) 4,355 +72 +1.67
8 銀行業(東証1) 137 +2 +1.66
9 電気機器(東証1) 1,549 +25 +1.63
10 パルプ・紙(東証1) 417 +6 +1.55
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とりあえずこの程度の円高水準は織り込んだか? 04月07日
原油在庫の減少を好感してNY原油が上げ、昨日の米国株式相場は大きく反発した(DJIA +112.73 @17,716.05, NASDAQ +76.78 @4,920.72)。ドル円為替レートは108円台後半の円高方向へ動いた。本日の日本株全般は下げ渋りから小幅反発する銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,023に対して、下落銘柄数は776となった。騰落レシオは93.19%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆898億円。
108円台後半まで円高進行したが、TOPIXも日経平均も少しだが反発した。大きく下げた後、十字足が2日連続しており、下げ渋りを見せている。この程度の円高水準は相場に織り込まれてきたか?1ドル=108円台の円高は日銀が追加金融緩和を決めた2014年10月末以来、約1年5カ月ぶりの水準である。米国の利上げが遅れるとの見方が強まり、ドル売り・円買いが続いている。国際的に通貨安競争を避けようとする機運が強まっているので、円売り・ドル買いの為替介入は難しいと、海外投機筋に見透かされているようだ。
TOPIX +5 @1,273
日経平均 +34円 @15,750円
33業種中23業種が上昇した。上昇率トップ5は、医薬品(1位)、石油・石炭(2位)、鉱業(3位)、情報・通信(4位)、陸運(5位)となった。
1 医薬品(東証1) 2,589 +65 +2.59
2 石油・石炭製品(東証1) 836 +21 +2.51
3 鉱業(東証1) 234 +6 +2.50
4 情報・通信業(東証1) 2,845 +53 +1.89
5 陸運業(東証1) 1,950 +31 +1.60
6 その他製品(東証1) 1,602 +25 +1.56
7 建設業(東証1) 1,014 +12 +1.22
8 その他金融業(東証1) 555 +6 +1.16
9 サービス業(東証1) 1,534 +17 +1.12
10 卸売業(東証1) 1,016 +10 +0.99
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米国株の大幅続落と円高進行でも強く下げ渋った 04月06日
昨日の米国株は大幅続落した(DJIA -133.68 @17,603.32, NASDAQ -47.86 @4,843.93)。ドル円為替レートは日本時間で昨夜遅く一時109円台になるほど円高が進行した。しかし、昨日まで大きく下げてきたので、本日の日本株全般は下げ渋った。東証1部では、上昇銘柄数が730に対して、下落銘柄数は1,083となった。騰落レシオは99.42%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆1149億円。
米国株の大幅続落と円高がさらに進行したが、日経平均はすでに7日連続で下げ続けて約1,400円下落していたので、今日は強く下げ渋った。7日続落は2012年11月13日まで7日続落して以来、3年5カ月ぶりである。統計上、海外投資家は3月4週(22〜25日)まで12週連続で日本株を売っており、今日までの下げも海外勢主導とみられる。国際収支統計から中東産油国資金(オイルマネー)の売りが指摘され始めた。他方、主要な大口買い手として期待されているのがGPIFをはじめとする年金基金だが、足元では売り崩されている。ドル円為替レートは昨日の米国市場で109円台後半まで円高が進んだことで、2016年度の多くの企業の想定為替レートとされる117円よりも大幅な円高水準となってきた。自動車は勿論、外需関連企業の業績悪化を見越して日本株全体が売られている。事実、日経平均ベースの16年3月期の予想PERは5日時点で14.06倍。予想EPSは1118円で、直近でピークを付けた15年11月30日(1275円)から157円縮小してきた。あとどれくらい円高に動くだろうか?トレンドフォローで超短期売買に徹するCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)は円買い続行だだろうが、中期的市場の流れを見て売買を仕掛けるグローバルマクロ系ヘッジファンドは、早晩米利上げがあるという読みでドル買い・円売りに動く傾向があるとの指摘もある。円高トレンドの反転は米国の利上げということか。
TOPIX -1 @1,268
日経平均 -17円 @15,715円
33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、倉庫・運輸(1位)、保険(2位)、水産・農林(3位)、鉱業(4位)、卸売(5位)となった。
24 その他金融業(東証1) 548 -2 -0.36
25 銀行業(東証1) 135 -1 -0.37
26 陸運業(東証1) 1,920 -8 -0.40
27 石油・石炭製品(東証1) 815 -4 -0.47
28 化学(東証1) 1,264 -7 -0.53
29 卸売業(東証1) 1,006 -7 -0.66
30 鉱業(東証1) 228 -2 -0.75
31 水産・農林業(東証1) 445 -5 -1.16
32 保険業(東証1) 687 -9 -1.24
33 倉庫・運輸関連(東証1) 1,374 -20 -1.47
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マイナス金利拡大懸念から銀行株が総崩れ 04月05日
戻り基調だった原油相場が反落基調(WTI原油先物=41ドル台@3月22日 ⇒ 35ドル台@4月4日)に転じていることを嫌気して、昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -55.75 @17,737.00, NASDAQ -22.75 @4,891.80)。ドル円為替レートは110円台半ばまで円高が進んだ。円高に怯えて、本日の日本株は全面安となった。東証1部では、上昇銘柄数が43に対して、下落銘柄数は1,896となった。騰落レシオは101.57%。東証1部の売買代金は2兆2797億円と、大きく下げた割には少ない。
原油価格の下落による米国株安と円高進行のダブルパンチでTOPIXも日経平均も大きく下げた。どちらの指数も4月1日に相場の分水嶺となる25日移動平均線を割り込んでから下げ足を速めている。日銀短観で示された企業の想定為替レートは1ドル=117円台であった。この想定レートと足元のレートとのギャップが拡大して円高が進むほど企業の収益見通しがさらに悪化する。円高がどこまで進むか視界不良の中で、これといった買い手がおらず、売りが優勢となり株価の下げ足を速めた。
円高方向へ動く主な原因は2つある。一つは、イエレンFRB議長が世界経済の減速に配慮して利上げを慎重に進める姿勢を示しているためである。米利上げ観測の後退で、ヘッジファンドなどが主要通貨に対して目先はドルを売り進めている。もう一つは、原油安が資源国の経済を悪化させ、まず新興国を、そして巡り巡って世界経済を減速させるとの懸念から、資源・新興国通貨を売り円を買う動きが強まったことである。原油価格の反落に拍車をかけたのは、サウジアラビアのムハンマド副皇太子が1日、イランが参加しなければ増産の凍結に協力しないと表明したことである。これにより主要産油国による増産凍結の期待がしぼみ、原油相場は3月半ばにかけてみせた回復局面が完全に息切れした。
昨日は自動車株が大きく売られたが、今日はメガバンクから地銀株まで銀行株が総崩れとなり、銀行株が相場の下げを主導した。マイナス金利拡大による追加金融緩和を警戒したと推測できる。日替わりで下げ相場の主役が入れ替わり、買い材料がいっこうに見えない。唯一期待されているのが、財政政策の出動と消費税率再引き上げの延期だろう。
TOPIX -34 @1,268
日経平均 -390円 @15,734円
33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、鉱業(2位)、証券(3位)、海運(4位)、石油・石炭(5位)となった。
24 保険業(東証1) 696 -22 -3.13
25 ガラス・土石製品(東証1) 784 -26 -3.17
26 卸売業(東証1) 1,012 -33 -3.17
27 輸送用機器(東証1) 2,367 -78 -3.19
28 ゴム製品(東証1) 2,841 -98 -3.32
29 石油・石炭製品(東証1) 819 -31 -3.60
30 海運業(東証1) 265 -10 -3.63
31 証券・商品先物取引(東証1) 316 -12 -3.77
32 鉱業(東証1) 230 -10 -4.06
33 銀行業(東証1) 136 -6 -4.31
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円高が足を引っ張ったが総悲観ではない 04月04日
先週金曜日の米国株式相場は大きく上昇した(DJIA +107.66 @17,792.75, NASDAQ +44.69 @4,914.54)。ドル円為替レートは111円台前半の円高方向での推移。本日の日本株は日経平均で見ると小幅続落だったが、上昇銘柄数の方が下落銘柄数よりもはるかに多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,251に対して、下落銘柄数は600となった。騰落レシオは106.54%。東証1部の売買代金は2兆896億円。
米国株高の好材料を円高が相殺して、本日の日本株全般は冴えない動きだった。TOPIXは僅かに上げ、日経平均は小幅続落した。どちらも上下に短めのひげを引いた短陽線で終えた。先週末の「日銀短観ショック」の直後だったが、東証1部の上昇銘柄数が下落銘柄数の2倍以上あり過度に総悲観となっているわけではない。米ドルの金利引き上げが先送りされたことによる円高が日本株全体の足を引っ張っている主な原因であるが、原油相場も関係してくる。なぜなら、ドルと原油の相場には逆相関関係(ドル高・原油売り、ドル安・原油買い⇒ヘッジファンドのドル買い・原油売り、ドル売り・原油買いといったペア・トレード)があるからだ。ドルの利上げは当初予想より3〜6ヶ月先送りされるだろうが、早晩、利上げは不可避だろう。したがって、いずれ円高から円安に潮目が変わると考えられる。円買い・ドル売りを仕掛けた来たヘッジファンドの決算期が5月であることを考慮すると、巻き戻しによりその辺りが潮目の変化となるか?勿論、それなりの根拠を持って円高がさらに進むという見方もあるが。
TOPIX +1 @1,303
日経平均 -41円 @16,123円
33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、水産・農林(1位)、食料品(2位)、医薬品(3位)、陸運(4位)、鉄鋼(5位)となった。
1 水産・農林業(東証1) 450 +19 +4.31
2 食料品(東証1) 1,776 +30 +1.73
3 医薬品(東証1) 2,551 +31 +1.24
4 陸運業(東証1) 1,985 +22 +1.10
5 鉄鋼(東証1) 436 +4 +0.97
6 精密機器(東証1) 4,364 +38 +0.89
7 パルプ・紙(東証1) 419 +4 +0.89
8 卸売業(東証1) 1,045 +9 +0.82
9 電気・ガス業(東証1) 437 +3 +0.76
10 保険業(東証1) 719 +5 +0.70
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日銀短観の悪さがきっかけだが、受給の悪さが主な原因 04月01日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -31.57 @17,685.09, NASDAQ +0.55 @4,869.85)。ドル円為替レートは112円台前半の推移。本日の日本株全般は大きく下げた。東証1部では、上昇銘柄数が70に対して、下落銘柄数は1,860となった。騰落レシオは104.36%へ急落した。東証1部の売買代金は2兆6570億円。
今朝発表された3月の日銀短観が示す景況感が悪く、TOPIXも日経平均も大幅下落した。どちらも25日移動平均線を大幅に割り込んだ。大企業製造業の業況判断指数(DI)は+6で、15年12月調査(+12)から大きく悪化し市場予想(+8)をも下回った。大企業非製造業のDIはプラス22と好調だったが、プラス23と見ていた市場予想を下回った。先行きについても軒並み市場予想を下回り、警戒感が広がった。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が8カ月ぶりに50台を回復したが、それでも株価は反応せず沈んたままままとなった。今までは景況感が悪ければ経済対策の可能性も高まると期待されて来た。だが、本日の日銀短観を見る限りでは、政府の大規模な財政出動や消費増税の再延期、日銀の追加緩和を促すほど悪化したとは言えないという見方が強くなった。そのため、ある種の失望感が広がったかもしれない。16年度の収益計画では、大企業は2.0%の経常減益を見ているが、その前提となる想定為替レートは1ドル=117円台と、足元の実勢よりも5円も円安水準である。為替レートがさらに円高方向に動けば、減益率が拡大することなる。これらすべてが警戒感を高めた。もっとも、本日の大幅安は需給の悪さに主な原因がある。年金の動きを示す信託銀行は3月第4週まで18週連続で日本株を買い越しており、海外勢による日本株売りの受け皿になっていた。しかし、その主要な買い手が新年度に入ってピタリと買いをやめてしまった。さて、来週は切り返すだろうか?
TOPIX -46 @1,301
日経平均 -594円 @16,164円
33業種すべてが下落した。下落率トップ5は、電気機器(1位)、電気・ガス(2位)、鉱業(3位)、機械(4位)、証券(5位)となった。
24 パルプ・紙(東証1) 415 -17 -3.88
25 輸送用機器(東証1) 2,499 -104 -3.98
26 鉄鋼(東証1) 432 -18 -4.01
27 保険業(東証1) 714 -30 -4.07
28 ガラス・土石製品(東証1) 818 -36 -4.20
29 証券・商品先物取引(東証1) 332 -15 -4.21
30 機械(東証1) 1,282 -57 -4.25
31 鉱業(東証1) 240 -11 -4.30
32 電気・ガス業(東証1) 433 -20 -4.32
33 電気機器(東証1) 1,563 -75 -4.57
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