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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

「出会い線」で昨日の下げのベクトルの勢いを止めた

08月31日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -137.65 @25,986.92, NASDAQ -21.32 @8,088.36)。ドル円為替レートは110円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が736に対して、下落銘柄数は1,253となった。騰落レシオは88.08%。東証1部の売買代金は2兆4085億円。

TOPIX -4 @1,735
日経平均 -4円 @22,865円

米国株の反落と円相場が円高方向へ動いたことを受けて、TOPIXも日経平均も反落して下放れて始まった、終値では小幅安で済んだ。日経平均は、寄り付き後まもなく200円近く下げる場面があった。日経平均の日足は、昨日の陰線の終値と本日の陽線の終値がほぼ同じ値となる「出会い線」となった。昨日の下方向のベクトルの勢いを本日の上方向のベクトルが止めたと解釈できる。

トランプ米大統領が来週にも2000億ドル分の中国製品に対する第3弾の追加関税を発動するとの報道があり、米中の貿易摩擦への懸念がまたぶり返した。第2弾までの合計額の4倍の規模であり、米国消費者への影響は甚大となる。

前場寄り付き前に発表された7月の鉱工業生産指数が市場予想に反して下げた(3ヶ月連続で下げた。3ヶ月連続の下げは2014年6〜8月以来4年ぶり)こともマイナス要因となった。ただ、午前中に発表された8月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が51.3と市場予想(51.1)を上回り、プラス要因となった。上海株などアジア株が底堅く推移して、後場は株価指数先物が買い戻された。

中国の米国からの輸入額は米国の中国からの輸入額よりもはるかに小さいため、米国との貿易戦争では対等には戦えない。中国政府は景気対策に乗り出しており、景況感は底入れする可能性が高くなってきた。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、保険(2位)、鉄鋼(3位)、非鉄金属(4位)、銀行(5位)となった。
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出会い線⇒トンカチ⇒寄り付き天井の陰線

08月30日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +60.55 @26,124.57, NASDAQ +79.65 @8,109.69)。ドル円為替レートは111円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,167に対して、下落銘柄数は844となった。騰落レシオは92.70%。東証1部の売買代金は2兆6338億円と、久しぶりに膨らんだ。

TOPIX ±0 @1,739
日経平均 +21円 @22,870円

米国とカナダの通商協議が進展するとの期待から米国株は続伸した。さらに、円相場が円安方向に動いたことも支援材料となり、TOPIXも日経平均も高く始まった。しかし、日経平均は前場で23,000円台を一時回復したが、大台の達成感からか利益確定売りが優勢となり、次第に失速した。トランプ米大統領が膠着している北朝鮮との非核化交渉に関連して中国政府を非難する声明を発表したことも相場の重しとなった。やはり、23,000円の上値抵抗線は今日も突破できなかった。

一昨日が「出会い線」、昨日が「トンカチ」、そして今日はほぼ寄り付き天井の陰線となった。日経平均が23,000円の壁を突破するにはより強力な支援材料が必要なようだ。そのような材料の一つは9月20日に開票される自民党総裁選だろう。安倍晋三首相の連続3選が有力視されている。実際に3選が決定すれば、欧州の投資家は政治の安定を重視するので、欧州投資家からの大幅な買い越しが見込まれる。

8月第4週(20〜24日)の投資部門別売買動向によると、外国人は4週連続で売り越したが、売越額は840億円で、その前の週の3449億円からは大幅に減少した。

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、鉱業(2位)、水産・農林(3位)、パルプ・紙(4位)、食料品(5位)となった。
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昨日の「出会い線」に続き、本日は「トンカチ」

08月29日
昨日の米国株式相場は小幅続伸した(DJIA +14.38 @26,064.02, NASDAQ +12.34 @8,030.04)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,443に対して、下落銘柄数は584となった。騰落レシオは96.82%。東証1部の売買代金は1兆9682億円。

TOPIX +8 @1,740
日経平均 +35円 @22,848円

米ダウ工業株30種平均は半年ぶりの高値を付け、ナスダック総合指数やS&P500種株価平均は連日で最高値を更新した。これを受けて、TOPIXも日経平均も続伸して始まった。日経平均はザラ場では150円ほど上げたが、上値抵抗線である23,000円を手間に伸び悩んだ。ローソク足を見ると、長めの上ひげを引いた単陽線の「トンカチ」で終え、上値での売り圧力が大きいことを示している。昨日の「出会い線」に続き、本日は「トンカチ」となり、23,000円の壁は簡単には突破できないことを印象づけた。それでも終値では小幅高となり、7日続伸となった。

米中間選挙の予備選挙が9月12日に終了する。それ以降はトランプ大統領の不規則発言が減るのではないかと市場は推測している。もし、そうなれば9月下旬には日本株全体は上昇する可能性が高くなる。さらに、もし、自民党総裁選(9月20日)で安倍首相が再選されれば、株価上昇に弾みが付きそうだが、さて、どうなるか?

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、非鉄金属(2位)、銀行(3位)、その他金融(4位)、精密機器(5位)となった。
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4度目の挑戦、日経平均23,000円の上値抵抗線の壁は厚い

08月28日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +259.29 @26,049.64, NASDAQ +71.92 @8,017.90)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方がやや多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,018に対して、下落銘柄数は982となった。騰落レシオは95.60%。東証1部の売買代金は2兆1493億円となり、8営業日ぶりに2兆円台を回復した。

TOPIX +3 @1,732
日経平均 +14円 @22,813円

懸案だったNAFTAの再交渉を巡って米国とメキシコが大筋合意したことを好感して米国株は大幅高となった。これを受けてTOPIXも日経平均も大きく続伸して始まり、日経平均は一時、23,000円台を回復するほどであった。しかし、さらに上値を買う動きはなく、徐々に値を下げて、陰線で終えたが、それでも前日比小幅高となった。5月21日、6月12日、7月18日以来、4度目の挑戦であったが、日経平均23,000円の上値抵抗線の壁は厚い。日経平均の6日続伸は2017年10月2日〜24日(16日続伸)以来である。日経平均の日足を見ると、前日の陽線の終値と本日の陰線の終値がほぼぶつかり合うような「出会い線」となり、昨日までの上昇の勢いを止める形になった。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、ゴム製品(2位)、輸送用機器(3位)、機械(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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三角保ち合いの上限を上抜け

08月27日
先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +133.37 @25,790.35, NASDAQ +67.52 @7,945.98)。 ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,767に対して、下落銘柄数は273となった。騰落レシオは98.84%。東証1部の売買代金は1兆8434億円。

TOPIX +20 @1,729
日経平均 +198円 @22,800円

前週末の米ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数がそろって過去最高値を更新した。FRBのパウエル議長がジャクソンホール会議の講演で利上げペースを速めない姿勢を示したことが米国株高の背景にある。米国株高を好感して、TOPIXも日経平均も続伸した。株価指数先物が買われて上昇し、これが現物市場で裁定買いを誘った。ファーストリテイリング、ファナック、東京エレクトロンの3社だけで日経平均を約50円上げた。上海株などアジア株が上げたのも日本株を下支えした。しかし、薄商いが続いている。東証1部の売買代金は1兆8434億円と7日連続で2兆円を割り込み、2兆円割れ連続記録としては2017年8月21日〜29日の7日連続に並んだ。

米中貿易戦争やトルコなど新興国経済を巡る不透明感は依然として強い。休場明けのトルコ市場がどうなるか市場は注目している。

日経平均は1月23日高値と3月26日安値を起点とする三角保ち合いの上限を上抜けした。このまま上放れるか?23,000円の上値抵抗線が突破できれば24,000円への道が開ける。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、石油・石炭(2位)、電気機器(3位)、パルプ・紙(4位)、化学(5位)となった。
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日経平均、10日、25日、60日移動平均線すべてを回復

08月24日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -76.62 @25,656.98, NASDAQ -7,788.46)。ドル円為替レートは111円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,497に対して、下落銘柄数は515となった。騰落レシオは92.34%。東証1部の売買代金は1兆7634億円。

TOPIX +11 @1,709
日経平均 +191円 @22,602円

米国株は反落したが、米中貿易摩擦を巡る新たな悪材料が出てこないことと、円安が進んだことを好感してTOPIXも日経平均も続伸した。日経平均は10日、25日、60日移動平均線すべてを回復した。ただ、薄商いが続いており、東証1部の売買代金は1兆7634億円と、6日連続で2兆円を割り込んでいる。これは、2017年8月21日〜29日の7日連続以来1年ぶりの記録である。

日経平均ベースの予想PERは13倍と低い上に、今の円安水準がこのまま続けば秋から年末にかけては企業業績が上振れするとの期待が強い。これが買い材料だろう。他方、8月24日に終了した米中の事務レベルでの貿易協議では目立った成果はなかったものの、さらなる問題は出てこなかった。これで売り材料が少し引っ込んだ。日経平均先物が買われ、裁定買いを誘い、現物株も買われた。しかし、米議会中間選挙を11月に控え、トランプ大統領の強硬姿勢が大きく緩和することはなさそうであり、世界経済を巡る不確実性は高いままである。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、パルプ・紙(1位)、サービス(2位)、情報・通信(3位)、医薬品(4位)、小売(5位)となった。
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足元の企業業績は最高だが、株価は上げにくい

08月23日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -88.69 @25,733.66, NASDAQ +29.92 @7,889.10)。ドル円為替レートは110円台後半の前日比やや円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,317に対して、下落銘柄数は678となった。騰落レシオは86.49%。東証1部の売買代金は1兆8214億円。

TOPIX ±0 @1,698
日経平均 +48円 @22,411円

TOPIXはほぼ変わらず、日経平均は小幅高となった。ただ、ファーストリテイリング1銘柄だけで日経平均を約50円押し上げたので、実質的には前日比ほぼ変わらずと言える。円相場がやや円安となったことと、上海株が反発したことが相場全体を下支えした。米中両国の事務レベルによる貿易協議や、米カンザス連銀主催の経済シンポジウムであるジャクソンホール会議を控えて、様子見が多かった。

トランプ米政権は日本時間午後1時1分に160億ドル分の中国製品に対する制裁関税を発動した。中国も同じ規模で報復措置を講じた。これは既に予定されていたことであり、サプライズとはならず、株式市場への影響は限定的であった。

米国株式相場は過去最長(20%の調整を伴わない期間が2009年3月を起点に3453日)を記録したと報道されているが、東京市場は米国株高の勢いに乗れていない。日経平均ベースの予想一株利益EPSは1,700円程度まで上げており、バブル時代のピークである約700円を大きく上回っている。しかし、将来の期待成長率gがバブル時代は5~6%くらいあったものが、現在は1~2%くらいまで低下しているため、株価はそれほど上がらない。

株価は定率成長モデルでざっくりと次式で表現できる。株価P=予想EPS/(r-g)。rは株主資本コスト(=株主が要求する収益率)は日本株全体の平均は8%と仮定し、EPSの期待成長率は日本経済の潜在成長率である1~2%と見積もる。バブルのピーク時の日経平均株価P=700/(0.08-0.062)=38,888円。現在の日経平均株価P=1,700/(0.08-0.01)=24,285円。現在の株価はこれよりも割安となっているが、当たらずとも遠からずの値となっている。

33業種中17業種が上げた。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、小売(2位)、サービス(3位)、パルプ・紙(4位)、繊維製品(5位)となった。
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日経平均、下向きの10日移動平均線の上に浮上

08月22日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +63.60 @25,822.29, NASDAQ +38.17 @7,859.17)。ドル円為替レートは110円台前半の前日比やや円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,564に対して、下落銘柄数は475となった。騰落レシオは83.85%。東証1部の売買代金は1兆9848億円。

TOPIX +13 @1,698
日経平均 +143円 @22,363円

米国株高と円安を受けて、TOPIXも日経平均も続伸した。米ダウ工業株30種平均が約6ヶ月ぶりの高値を付け、S&P500種株価平均も過去最高値圏まで上げた。米半導体株も上昇した。米中両政府は8月22日からワシントンで貿易問題を巡る事務レベルの協議を開くことになっており、これを受けて上海株は底堅く推移した。

日経平均の日足を見ると、25日および60日移動平均線がほぼ横向きの中、株価は下向きの10日移動平均線の上に浮上してきた。

33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、ガラス・土石(2位)、輸送用機器(3位)、鉄鋼(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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大きな三角保ち合い

08月21日
米国株式相場は続伸した(DJIA +89.37 @25,758.69, NASDAQ +4.68 @7,821.01)。ドル円為替レートは110円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が563に対して、下落銘柄数は1,455となった。騰落レシオは83.11%。東証1部の売買代金は1兆9210億円。

TOPIX -7 @1,685
日経平均 +21円 @22,220円

TOPIXは小幅安、日経平均は小幅高となった。米トランプ大統領がFRBの利上げに不満を表明したため、1ドル=109円台後半まで円高・ドル安が進行し、これを嫌気して売り先行で始まった。日経平均は下げ幅が150円に迫る場面があった。しかし、上海総合指数が堅調な動きを見せたことと、後場で円高が一服したことを好感して買い戻しが優勢となった。日経平均は一時、100円を超える上昇となった。株価指数先物が買い戻され、ファーストリテイリングなど値がさ株に裁定取引に絡む買いが入った。この1銘柄だけで日経平均を約40円押上げた。

米国は8月23日に輸入品160億ドル分に25%の追加関税を課す。中国との対立は長引きそうであり、世界の株式市場にとっては重荷になりそうである。ただ、日本企業の業績は良好であり、下期業績の上振れ期待が根強い。米中貿易戦争によって、むしろ得をする企業もある。新日鉄住金の米国向け輸出は全体の2%程度しかないが、制裁関税による米国内の鋼材価格高騰が米国の子会社や持分法適用会社の利益を拡大させやすい。

日経平均の日足チャートを見ると、大きな三角保ち合いを形成している。1月23日高値と7月18日戻り高値を結んだ下向きの直線と、3月23日安値と7月5日安値を結んだ上向きの直線に囲まれた部分が三角保ち合いのフォーメーションとなっている。早晩、上下どちらかへ放れるはずだ。米中貿易戦争の長期化は下押し圧力となり、PER=13倍は下支え圧力となる。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、情報・通信(1位)、サービス(2位)、卸売り(3位)、ゴム製品(4位)、保険(5位)となった。
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外部環境の不透明感が業績の良好さを霞ませている

08月20日
先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA +110.59 @25,669.32, NASDAQ +9.81 @7,816.33)。ドル円為替レートは110円台半ばの先週末比円高での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が482に対して、下落銘柄数は1,550となった。騰落レシオは89.95%。東証1部の売買代金は1兆6766億円。

TOPIX -5 @1,692
日経平均 -71円 @22,199円

TOPIXも日経平均も小幅安となった。トルコ情勢に対する先行き不透明感から円相場が円高方向に動き、輸出関連株の売りを誘った。上海株が2016年1月に付けた安値を一時下回り、日本株相場全体を下押しした。他方、米中貿易摩擦を巡り両国が週内に次官級協議を開催する見通しとなったので、株価の下値を売り叩くような動きもなかった。

2018年4〜6月決算発表は既に終了し、良好な決算内容が目立つが、日経平均採用銘柄の予想PERは13倍前後で低迷している。

https://www.asset-alive.com/nikkei/fundamental.php
バリュエーション的には日本株はかなり割安と言えるので、何かのきっかけて大きく反発しても不思議ではない。ただ、足元では、中国景気後退への懸念は強く、トルコ情勢も不透明である。外部環境の不透明感が強いため、日本企業の業績の良好さは霞んでいる。米中の貿易摩擦、トルコ情勢など悪材料への不安が大きく後退するにはまだ時間がかかりそうである。

日経平均の日足チャートを見ると、25日および60日移動平均線はほぼ横向きだが、10日移動平均線は下向きで、且つ、株価はその下にある。時の利は「売り」となっている。少し長い時間軸で見ると、22,000〜23,000円の間で上下するボックス圏での動きがまだしばらく続くと見ている。もし、次に大きなショックが来た場合、21,000円くらいまでの深押しも想定しておきたい。その時は年に1回か2回しかない絶好の買い時となるのではないか?

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、倉庫・運輸(2位)、金属製品(3位)、海運(4位)、卸売り(5位)となった。
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上げたが、日本株固有の買い材料が乏しい

08月17日
昨日の米国株式相場は大幅反発した(DJIA +396.32 @25,558.73, NASDAQ +32.41 @7,806.52)。ドル円為替レートは110円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,498に対して、下落銘柄数は523となった。騰落レシオは97.88%。東証1部の売買代金は1兆8455億円。

TOPIX +10 @1,698
日経平均 +78円 @22,270円

米国株が大幅高となったことを受けてTOPIXも日経平均も上げた。上海株や香港株が底堅かったことも日本株にプラスとなった。米中の貿易戦争が激化するとの懸念が後退して株式相場にはプラス要因となったが、日本株固有の買い材料が乏しい。したがって、上値追いの買いも乏しい。米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)など重要なイベントを8月に控えて、国内投資家は様子見を決め込んだ。東証1部の売買代金は大きく2兆円を割り込み、薄商いだった。

米半導体関連のエヌビディアとアプライドマテリアルズが8月16日に業績の先行きに慎重な見通しを示し、株価が下落した。これが東京エレクトロンやSCREENにも波及して売られた。2016年からの長期的の世界的な株高は米国のハイテク株が牽引してきたが、その上昇に陰りが見えてきた。フェイスブック、アリババ集団など主力IT10銘柄で構成する「FANGプラス」指数は年初来高値を付けた6月中旬から約8%下げている。

8月第2週(8月6〜10日)では、海外投資家は日本株を2週連続で売り越した。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、精密機器(2位)、鉱業(3位)、保険(4位)、その他製品(5位)となった。
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下げたが米中貿易摩擦緩和を期待して小幅安

08月16日
昨日の米国株式相場は大幅反落した(DJIA -234.75 @25,065.17, NASDAQ -111.02 @7,759.88)。ドル円為替レートは110円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が367に対して、下落銘柄数は1,673となった。騰落レシオは95.54%。東証1部の売買代金は2兆5867億円。

TOPIX -11 @1,687
日経平均 -12円 @22,192円

TOPIXも日経平均も小幅安となった。中国をはじめとする新興国の景気減速懸念が高まっており、銅などの資源価格が大幅に下げた。これを受けて非鉄金属株の売りが優勢となった。中国ネットサービス大手のテンセントが減益決算を発表したのを受けて、半導体需要が鈍るとの思惑から半導体関連株に売りが出た。また、円相場が円高方向に振れたことも株式相場のマイナス要因となった。しかし、中国商務省が8月16日、王受文商務次官が8月下旬に訪米し、貿易問題を巡ってマルパス米財務次官と事務レベルで協議すると発表した。これを受けて、貿易摩擦が和らぐとの期待が広がり、株価指数先物の買い戻しを誘った。値がさ株には裁定取引に絡む買いが入った。

日経平均の日足チャートを見ると、ひげを無視すれば、昨日の陰線の終値に対して本日は陽線の終値がぶつかる「出会い線」の形となった。この2日間で売りの圧力と買いの圧力が正面からぶつかり4つに組んでいる。

33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、非鉄金属(2位)、化学(3位)、情報・通信(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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トルコの対米報復関税&中国株安が株式相場の重し

08月15日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +112.22 @25,299.92, NASDAQ +51.19 @7,870.89)。ドル円為替レートは111円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が422に対して、下落銘柄数は1,618となった。騰落レシオは96.40%。東証1部の売買代金は2兆402億円。

TOPIX -13 @1,698
日経平均 -152円 @22,204円

上海株や香港株が大幅安となったことを嫌気して、TOPIXも日経平均も下げた。さらにトルコが米国製品の一部(自動車、アルコールなど)に報復関税を課すと報道されたためトルコ情勢への警戒感が高まったことが株式相場の重しとなった。

日本株全体は海外要因に振り回されているが、日本企業全体の稼ぐ力は着実に高まっている。2018年4~6月決算では純利益の合計額が約8兆9000億円となり、前年同期比で28%増加した。これで同期比較では2年連続で最高を更新した。ただ、通年では今のところ0.3%減の予想である。円相場も心配されたほど円高には振れなかった。多くの企業は為替レートを固めに見積もっている。平均で1ドル=107円程度で予算を立てており、円相場が足元の1ドル=111円程度で推移すれば業績の上振れも視野に入る。日本だけでなく、世界的に2018年4〜6月期の最終増益率は高い。米国が24%、欧州が10%、アジアが18%となった。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、パルプ・紙(1位)、ガラス・土石(2位)、金属製品(3位)、その他製品(4位)、石油・石炭(5位)となった。
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「たすき線」で大幅反発

08月14日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -125.44 @25,187.70, NASDAQ -19.40 @7,819.71)。ドル円為替レートは110円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。上昇銘柄数が1,795に対して、下落銘柄数は264となった。騰落レシオは100.42%。東証1部の売買代金は2兆533億円。

TOPIX +27 @1,711
日経平均 +499円 @22,356円

米国株は続落したが、トルコリラの下落が一服したのを受けてTOPIXも日経平均も大幅自律反発した。ヘッジファンドなどの短期筋が株価指数先物の売り持ち高を解消するため急いで買い戻して株式相場全体を押し上げた。日経平均の上げ幅は3月27日(551円)以来で、今年3番目の反発幅だった。円相場が前日比やや円安方向に動いたことやお盆休みで売買高が低調だったことも上げやすくした。

やはり、日経平均は3月26と27日、7月5日の時と同じように、上向きの250日移動平均線を僅かに割り込んだがすぐに反発して回復した。今日の反発の形は「たすき線」だった。

33業種全てが上げた。上昇率トップ5は、倉庫・運輸(1位)、精密機器(2位)、情報・通信(3位)、陸運(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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トルコショックで株安

08月14日
先週金曜日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -196.09 @25,313.14, NASDAQ -52.67 @7,839.11)。ドル円為替レートは110円台前半の先週末比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が191に対して、下落銘柄数は1,884となった。騰落レシオは99.35%。東証1部の売買代金は2兆5144億円。

TOPIX -37 @1,684
日経平均 -441円 @21,857円

トルコリラの急落を嫌気して米国株式相場が大幅下落した。これを受けてTOPIXも日経平均も大幅続落した。トルコリラの急落によりトルコ向け債権が多い欧州金融機関の経営に悪影響が及ぶとの懸念が急浮上した。中国株を含むアジア株も軒並み下げた。トルコリラは対円で一時1リラ=15円台、対ドルで1ドル=7リラ台まで下げ、過去最安値を更新した。エルドアン大統領は米国に対する強硬姿勢を崩さず、通貨防衛のためには必要だが景気を冷やす利上げには否定的である。リスクオフとなり、安全通貨とされる円が買われて円高となった。

海外ヘッジファンドが中心となって、お盆休みで市場参加者が少ない夏枯れ相場の隙を突いて日経平均先物に売りを出した。日中売買高は約5.4万枚に膨れ、先週の1日平均の1.8倍に増加した。しかし、日経平均先物の商いは2〜3月の急落局面では1日あたりの日中売買高は10万枚を超えていたことと比べると少ない。売りが増えたというよりも買いが少ないと言ったほうが正確かもしれない。したがって、本日のような売りは長くは続かないだろう。

トルコリラの急落以外に半導体関連株が軒並み安となったことも今日の大幅下落の大きな要因となった。米モルガン・スタンレーが8月9日に半導体製造装置株に対する見方を引き下げるレポートを出したことがきっかけで10日に半導体株は一斉に下げた。米中は半導体関連の品目を制裁関税リストに加えており、農産物だけでなくハイテク製品も貿易摩擦の主戦場となってきた。

トルコリラの急落は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定に影響を与えかねない。FRBは年内に後2回、来年は3回の利上げを見込んでいる。ただ、米景気指標が弱含んでいることもあり、トルコ問題が長引けば、9月に利上げ見通しを変えるかも知れない。もしそうなれば、円高・ドル安へ振れる可能性が高くなり、これが日本株全体を下押しする。

日経平均の日足を見ると、10日および25日移動平均線を完全に割り込んだ。しかし、上向きの250日移動平均線をやや割り込んだ程度である。同じような状況は3月23、24日、7月5日にも起こった。いずれも絶好の押し目となった。3度目の正直の今回はどうなるか。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、機械(1位)、海運(2位)、非鉄金属(3位)、電気機器(4位)、ゴム製品(5位)となった。
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株式投資・トレードのリスク管理の本質

08月10日
金融のプロを自称する人も含めて、ほとんどの人が株式投資・トレードのリスク管理の本質が分かっていない。

銘柄を分散させるのも積立で分けて買うのも確かに「一本釣り」で一挙に買うよりは賢いやり方ではある。しかし、所詮は「買い一辺倒」である。何らかの大事件(リーマンショック)や大災害(東日本大震災)で相場全体が大きく下落する場面では、どんなに銘柄分散していても、ほとんどの銘柄が下落するのでリスクを抑える効果はない。

リスクを抑える、或いはコントロールするために一番重要なことは、馬鹿の一つ覚えのように「買い一辺倒」ではなく、大きく下げても被害を最小限に限定するようなやり方を工夫することである。相場の下げが長引けば、寧ろ儲かるようなやり方を工夫すべきである。そのためには何が鍵となるか。それは売り玉を活用することである。

日本経済新聞 夕刊 2018年8月10日
十字路

「・・・ これらは投資の基本から離れていってはいないか。本来、リスクを抑えるには「もし何かが『起きた』としても、大きな影響にならないようにしておく」のが基本。分散だ。値動きの異なる資産に分けて投資する。お金もいっときに動かさず、積み立てるように分けて買うのが有効だ。」

リスク限定・元本確保を考える

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180810&ng=DGKKZO34040790Q8A810C1ENI000
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閑散相場に入る

08月10日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -74.52 @25,509.23, NASDAQ +3.46 @7,891.78)。ドル円為替レートは110円台後半での推移だった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が491に対して、下落銘柄数は1,541となった。騰落レシオは111.93%。東証1部の売買代金は2兆6162億円。

TOPIX -20 @1,720
日経平均 -300円 @22,298円

TOPIXも日経平均も大幅続落した。2018年4~6月期の実質GDP速報値が市場予想を上回る伸び(年率1.9%>事前予想1.3%)となった。これを受けて日経平均は小幅高で始まったが、半導体関連銘柄が売られるとすぐに反落し始めた。また、日本政府が本日午前に閣僚級の貿易協議(FFR)を開催したが、合意に至らず、協議を続けることが決まった。最終的な合意内容次第では、週明けの日本株が下落すると懸念され、ヘッジファンドなどが株指数先物を先回りして売った。

トルコリラが急落している。トルコへの貸出規模が大きい欧州の金融機関の信用不安が懸念されるため、円相場が対ユーロで急速に上昇した、これが日本株の売りを加速した。

国内主要企業の4~6月期決算発表は終盤を迎えた。これからお盆休みに入るので、名実ともに閑散相場に入りそうだ。従って、8月は株価が軟調になりやすい。しかし、経験則では9月には上げやすい。とうことは、業績見通しが悪くないのに相場全体の下げに連れやすして下げている銘柄は買い候補ということになる。もし、貿易戦争が9月初旬(米国中間選挙)までに収束すればこのシナリオはさらに実現性が高まる。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、海運(2位)、不動産(3位)、保険(4位)、情報・通信(5位)となった。
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閣僚級の日米貿易協議FFRを控えて様子見が主流

08月09日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -45.16 @25,583.75, NASDAQ +4.66 @7,888.33)。ドル円為替レートは110円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が849に対して、下落銘柄数は1,157となった。騰落レシオは109.08%。東証1部の売買代金は2兆1833億円。

TOPIX -5 @1,740
日経平均 -46円 @22,598円

TOPIXも日経平均も小幅安となった。決算発表が相次いでおり、大幅増益や過去最高益の更新も目立つが、買いはすぐに途切れ、相場全体を押し上げるには至らない。米ダウ工業株30種平均が反落し、6月の機械受注統計は市場予想を下回った。他方、上海株が上昇したことで日本株の下げを緩和した。8月9日から始まる閣僚級の日米貿易協議FFRを控えて様子見が主流となった。日本よりもいち早く協議を始めた欧州連合EUは自動車分野の結論を先送りにしたことで、日米のFFRでも自動車は対象外になると期待されている。それだけに、期待が外れた場合は反動が大きくなるだろう。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、建設(2位)、非鉄金属(3位)、輸送用機器(4位)、鉱業(5位)となった。
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10日、25日、60日の各移動平均線が収斂してきた

08月08日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +126.73 @25,628.91, NASDAQ +23.99 @7,883.66)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,039に対して、下落銘柄数は984となった。騰落レシオは109.94%。東証1部の売買代金は2兆5466億円。

TOPIX -1 @1,745
日経平均 -18円 @22,644円

TOPIXも日経平均も小幅安となった。材料不足で夏枯れ相場となっている。米中貿易摩擦の激化という悪材料にも反応が鈍くなっている。7月30~31日の日銀の金融政策決定会合で金融政策の微調整が発表されてからは一段と相場が膠着している。相場の膠着が長引くと異なった期間の移動平均線が徐々に収斂してきてエネルギーが溜まっていき、早晩、上下どちらかへ放れることになる。日経平均の10日、25日、60日の各移動平均線が収斂してきた。同じような局面を求めて過去数年を振り返ってみよう。20116年6月初旬は収斂後、下放れた。2016年10月は上放れた。2017年3月中旬は下放れた。2017年8月初旬は下放れた。今回はどちらへ放れるか?

上昇企業が8月8日までに発表した2018年4〜6月期決算の集計によれば、純利益は29%増加した。しかし、2019年3月期予想の純利益は0.4%減である。株価全体が大きく上げる材料にはならない。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、ゴム製品(2位)、食料品(3位)、建設(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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NYダウ平均株価はダブルトップを形成中?

08月07日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +39.60 @25,502.18, NASDAQ +47.66 @7,859.68)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,382に対して、下落銘柄数は644となった。騰落レシオは105.22%。東証1部の売買代金は2兆1525億円。

TOPIX +13 @1,746
日経平均 +155円 @22,663円

米国株か小幅続伸したこと、上海株が大きく反発したことを好感して、TOPIXも日経平均も上げた。ソフトバンクは2018年4~6月期決算が良かったため大幅高となり、この1銘柄だけで日経平均を約70円上げた。上昇企業が8月7日までに発表した2018年4~6月期決算集計によると、純利益は12%増加したが、2019年3月期予想の純利益は3%となっている。これでは相場全体が大きく上げるのは難しそうだ。

米国株が独歩高となっているが、NYダウ平均株価はダブルトップを形成しそうに見える。米国株高の理由の一つが大幅減税というカンフル剤である。しかもこのカンフル剤は景気が悪いときに打たれる通常のものと違い、景気が良い時に打たれたものである。景気はかなり良くなると過剰に期待され、株価は割高になっていないだろうか。金融緩和は終わり、徐々に引き締めの方に向かっている。財政赤字がGDPの5%まで拡大(1兆ドル)している中で、長期金利にも上昇圧力がかかりやすい。もし、割高まで買われたとすれば、落ちるときは速い。そうなれば日本株も無傷ではいられない。好事魔多し。だから日本株の上昇力が弱いのかも。

33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、情報・通信(2位)、鉱業(3位)、建設(4位)、保険(5位)となった。
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材料不足で小動き

08月06日
先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +136.42 @25,462.58, NASDAQ +9.33 @7,812.01)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が540に対して、下落銘柄数は1,486となった。騰落レシオは95.18%。東証1部の売買代金は2兆858億円。

TOPIX -10 @1,733
日経平均 -18円 @22,507円

TOPIXも日経平均も小幅下落した。上海株は先週末にほぼ1ヶ月ぶりの安値を付け、今日も下げたことで日本株に買いが入りにくかった。他方、対ドルの円相場の上昇が一服したことが日本株の買い要因となった。売り買い両要因が綱引きして、結局、小動きとなった。米長期金利が下げたことで、利ざや改善が期待されて上げてきた銀行株や保険株が下げた。

日経平均の25日移動平均線は上向きで、且つ、株価がその上で推移しているので、買いポジションはで良いと一応判断できるが、23,000円に上値抵抗線があるので、これが株価の上値を抑える。この上値抵抗線を一気に突破できれば上昇に弾みが付くのだが。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、その他製品(1位)、建設(2位)、金属製品(3位)、銀行(4位)、繊維製品(5位)となった。
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アップルが時価総額1兆ドルを記録したが日本株は・・・

08月03日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA -7.66 @25,326.16, NASDAQ +95.40 @7,802.69)。ドル円為替レートは111円台後半の前日比やや円安の水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が435に対して、下落銘柄数は1,609となった。騰落レシオは100.12%。東証1部の売買代金は2兆3264億円。

TOPIX -10 @1,743
日経平均 +13円 @22,525円

TOPIXは小幅高に対して、米国のハイテク株高を好感した日経平均は小幅高となった。日本株は全体としては下げたが、一部の値嵩株(ファーストリテイリングやファナック)が上がり、指数を上げた。米国市場ではアップルが時価総額1兆ドル(=111兆円:トヨタの4倍)を記録し、アマゾンやアルファベットも1兆ドルの大台が近くなってきた。ハイテク株に弾みがつきやすい地合いだろう。しかし、上海株式相場が軟調に推移し、米中貿易戦争が景気減速につながるという懸念が消えない。これが日本株全体の頭も抑えている。

今月は5日が休日なため、3日が事実上の5・10日(ごとうおび)となり、事業法人の決済が集中し、輸入企業の円売り・ドル買いが多くなった。その結果、円安・ドル高の方向へ円相場が動いた。

日本時間の今夜、米雇用統計が発表される。雇用者数や賃金などは堅調な数字が予想されているが、さて、どんな数字が出てくるか?来週は、日本企業の四半期決算の発表ピークを迎える。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、食料品(1位)、海運(2位)、鉄鋼(3位)、銀行(4位)、保険(5位)となった。
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米国、中国からの総輸入の半分に制裁関税を課す

08月02日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -81.37 @25,333.82, NASDAQ +35.50 @7,707.29)。ドル円為替レートは111円台半ばの前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が509に対して、下落銘柄数は1,509となった。騰落レシオは102.56%。東証1部の売買代金は2兆7678億円。

TOPIX -18 @1,752
日経平均 -234円 @22,513円

上海総合指数をはじめとするアジア株全般の下落と円高を受けて、TOPIXも日経平均も下げた。米トランプ大統領が中国への制裁関税の第3弾として2000億ドル分に25%(従来は10%の予定だった)の追加関税を課す方針を示した。これが発動されれば、合計で中国からの輸入分の約半分が制裁の対象となる。米中貿易戦争の激化と懸念して、上海総合指数もハンセン指数も急落した。

長期金利の上昇を受け、前場は銀行株や保険株が買われた。しかし、後場になると日銀が国債買い入れオペの実施を通知すると長期金利の上昇幅が縮小し、金融株は利益確定売りに押された。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、海運(2位)、鉱業(3位)、石油・石炭(4位)、鉄鋼(5位)となった。
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優れたトレーダーに必要なもの 〜 武道の型と同じ

08月02日
2000年代の前半、大林組のトレードをほぼリアルタイムで実況中継したことがあります。急落する大林組を逆張り建玉で仕込みながら買い下がり、最後のダメ押しの下げも買い、その後の急反発で短期間に大きな利益を上げたトレードです。

トレードを見るのは「見世物」として割り切ってみるのは良いと思います。しかし、敏腕トレーダーのトレードをリアルタイムで見てもそれだけでは決してトレードが上手くなることはありません。単なる「ショー」、「見世物」ですから。タイガーウッズがゴルフのプレーをするのをリアルタイムで見たからといって、自分のゴルフが上達するかどうか?一郎の野球のプレーをリアルタイムで見たからといって、自分の野球が上手くなるかどうか?

それでは、何が足りないのか?敏腕トレーダーは、なぜ、そのとき、どのような判断で、その行為を決断し、なぜそれが迷わず上手く実行できたのか、このようなことがわからないと単なるスポーツ観戦と同じです。

武道が良い例ですが、どんなことでも技能が必要なことには、傍目には決して見えない極めて重要なことが隠れています。優れたトレーダーは原理原則を心底理解し、基本動作と定石を嫌というほど繰り繰り返し、反復練習しています。だから、瞬時に条件反射的に、判断、決断、行動ができるのです。武道の型と同じです。継続的な努力を惜しみ、付け焼刃的な「すぐ使える」小手先の小ワザを求める大多数の個人投資家にはハードルが高いでしょう。それに加えて、百戦錬磨の実戦経験を通して、訓練していない人に不可能な強靭な精神力をもっています。大暴落の時こそ大きなチャンスと見て大歓迎します。大波でも中波でも小波でも波はチャンスですから。トレードでは必要以上に詳細な業界知識や早耳情報は殆ど重要ではないです。自分の売買ルールに従って、株価の動きにどう反応して建玉するかのみです。



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利ざや・運用改善期待で銀行、保険が上げた

08月01日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +108.36 @25,415.19, NASDAQ +41.78 @7,671.79)。ドル円為替レートは111円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,144に対して、下落銘柄数は888となった。騰落レシオは108.43%となった。東証1部の売買代金は2兆9652億円。

TOPIX +16 @1,770
日経平均 +193円 @22,747円

TOPIXも日経平均も上げた。日銀の金融政策と米中の貿易摩擦という2つの懸念が和らぎ、さらに金融緩和がまだ継続するとの見通しから円相場が円安方向へ動いたことが背景にある。新発10年物国債の利回りが一時0.120%まで上昇し、2017年2月以来の約1年半ぶりの高さとなった。利ざやや運用の改善を期待して銀行株や保険株の買いが目立った。しかし、4~6月期の四半期決算の発表が終われば、国内材料は出尽くしとなり、株価は動きにくくなると見られる。日経平均が23,000円を超えるのは時間がまだかかりそうだ。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、非鉄金属(2位)、その他製品(3位)、銀行(4位)、保険(5位)となった。
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