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「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」
トウモロコシの値段が窓開けで大幅に下げている、とMさんが教えてくれたので、さっそくチャートを見てみた。 これはひどい、26.85%の暴落だ。(注:チャートはスポット市場のトウモロコシ) 株の世界なら、著名アナリストによる格下げ、ガッカリな決算内容、来季一株利益の下方修正などといったニュースが売り材料になる。しかしトウモロコシの場合、どんなニュースが、このような大幅下落に結びつくのだろうか? 米農務省の発表によると、農業経営者たちが今年予定しているトウモロコシの作付け意向面積は9728万2000エーカーとなり、これは1936年以来最高の意向面積となるだけでなく、予想されていた数値を約3万エーカー上回る。更にバロンズ誌の報道によると、予想を下回る作付け意向面積を期待してトウモロコシを買っていた投機筋が、一斉に買いポジションを投げたようだ。 トウモロコシに投資している上場投信もある。下が日足チャートだ。 超特大の陰線(A)だ。少しさかのぼってみると、1付近で買った人がいたことだろう。1と2を比較すると、株価は下げているが、その反対にストキャスティクスは上昇しダイバージェンスが起きている。次に週足チャートを見てみよう。 下降するチャンネル内での動きが続いている。そろそろ下辺に到着だから、ここで更に空売るより、一時的な反発ラリーに備えたほうが良さそうだ。 木曜に起きたトウモロコシの下げは、単なる大幅下落ではなく、多数の投機家に衝撃を与えた。業界関係者テッド・サイフリードさん(Zaner社)は、こう語っている。 “今日という日を一生忘れることはないだろう。” (参照した記事:Highest Acreage Since 1936? Corn Futures Slump 5%, Hit ‘Limit Down’ Corn’s Slump Likely Whacked Speculative Fund Managers What We Need To Take Away From This USDA Report)
知人からpriced in gold.com( http://pricedingold.com/)というサイトを教えてもらった。米国では大学の授業料が毎年のように上がり、両親たちの大きな悩みの一つになっているが、もし金(ゴールド)で授業料を支払うとするとどれくらいの量が必要になるだろうか。 上のチャートには、1年分のエール大学の教育費(授業料、部屋代、食費)を払うために必要な金の量がグラムで示されている。 例えば2009年だが、この年の教育費は1932年とほぼ同じだ。しかし、急速に価値を失ったドルのお陰で、教育費だけでなく多くの物の値段が大幅に上昇した。1932年、エール大学の教育費は1056ドルだったが、2009年には4万8622ドルに跳ね上がっている。しかし金で払った場合は、両年とも同様な1585グラムだ。10年後の教育費は、どれくらいになるかは分からない。しかし今から金で教育費を貯めていけば、必要なときに必要な通貨に交換することができる。 米国の総世帯純資産を金に換算したものだ。2001年、2002年頃に5000トンの最高値を記録して以来、米国の総世帯純資産は減少が続いている。 そして下はS&P500指数を金で換算したものだ。 今日S&P500指数は新高値で終了したが、金で換算すると、2000年の高値にはまだ程遠い。2000年、S&P500指数は160グラムを超える金に相当したが、現在の数値は40グラムに満たない。 ドル安、円安という言葉で分かるように通貨の価値は変動する。上の大学教育費の例で分かるように、ドルは価値を失ったが金の価値に変わりはない。多くの人たちが既に繰り返し述べていることだが、資金の一部を金投資に割り当てることは大切だと思う。
Jason Goepfert氏(SentimenTrader.com)のツイートだが、ドルの投機家に関することで、かなり驚いている。リンクを早速クリックすると、このチャートが出てきた。 上半分は米ドル指数、下は大口投機家たちのネット・ロング・ポジション(買いポジション数-空売りポジション数)が示されている。 注目は四角内のコメントだ。「 54,000 contracts New all-time high(54,000枚、史上最高)」。現時点における米ドル先物の買いポジション数は、空売りポジション数を54,000枚上回る史上最高値が記録され、言うまでもなく大口投機家はドルに対して超強気だ。(大口投機家の75%は、マネー・マネージャーと呼ばれる資産運用会社。) そして下は、大衆のドルに対する見方だ。 Aのように、線が上限を突破するときは大衆はドルに対して極めて強気であり、Bのように下限を割るときは大衆は極めて弱気になっている。現時点では、まだ上限を突破していないが、70を上回るかなりの強気レベルだ。 プロも強気、大衆も強気、皆が皆ドルに強気だ。ということは、、、 下は、ドル指数に連動するETFの週足チャートだ。 先ず目につくのは、2週間連続で形成された陰線だ(1)。極めて大きいというわけではないが、今週の陰線に伴った出来高(2)は先週のレベルを上回り、売り圧力の増大を見ることができる。そしてストキャスティクス(3)はクロスして売りシグナルが出ている。売りシグナルと言っても、まだ80のラインを割っていないから、それほど強い売りシグナルではない。 下は日足だ。 はたして今回も、このサポートライン(赤)に支えられるだろうか、それともブレイクダウンだろうか?
今週のAAIIの発表によると、株式市場は更に上昇すると思う、と答えた強気論者数は先週の数値より6.5ポイント少ない38.9%に減少した(歴史的平均値は39.0%)。弱気論者は1.3ポイント増え33.3%(歴史的平均30.5%)、そして中立論者は前回を5.2ポイント上回る27.7%(歴史的平均30.5%)となった。 さて、強気、弱気が極端に表れているのが日本円だ。 上半分が円指数、そして下半分が大衆の円に対する意見だ。1のように、線が上限を飛び出るときは、大衆が円に対してあまりに強気であり、2のように下限を割る場合は、大衆が円に対して極めて弱気になっていることを示す。 現状は、最近の急ピッチに進む円安を反映して、人々は極端に円に対して弱気になっている。皆が皆同方向に傾いているときは反転が近いと言われるだけに、そろそろ一時的な円上昇が起きてもおかしくない。 こういういう極論も発表されている。 Yen Is Going to Be Worthless(円の価値は無くなる) この発言をしたのはアクセル・メルク氏、メルク・インベストメンツの社長だ。 日本は世界通貨戦争の勝者となるだろう。円安は更に大きく進み、円の価値はゼロになる。去年11月、当社は「円は崩壊するだろうか?」、と疑問符付きでレポートを発表したが、今日この疑問符は全く必要がなくなった。 ふり返ってみると分かるが、弱い政権が続いた日本だが、それとは関係なく円高という状況が起きた。そして今日の安倍政権は、議会の三分の二を握る強い政権だ。過去の弱い政権と強い安倍政権の決定的な違いは財政支出であり、安倍氏は日本経済を回復させるために、積極的な経済刺激策を実施することを約束している。安倍氏の求める財政と金融両面からの景気刺激策は、新日銀総裁から100%の協力を得ることだろう。 政治家たちは何も分かっていない。彼らはの決めたことは膨大な量の円紙幣を刷ることだ。今日、円の力学は変わった。円安は単なるトレンドではない。もちろん、一時的な円の反発ラリーは起きることだろう。しかし、円は崩壊を避けることはできない。 大衆は円に対して極めて弱気、そしてメルツ氏の極論。やはり、円の反発がそろそろ起きてもよさそうだ。 (参照したサイト:Ongoing Rally Splits Investor Attitudes www.sentimentrader.com Axel Merk: 'Yen Is Going to Be Worthless')
何と言っても話題はキプロスだ。 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は16日、銀行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだ100億ユーロ規模のキプロス救済計画に合意した。ユーログループ議長を務めるダイセルブルーム蘭財務相は会合後、記者団に対し、キプロスが支援を受ける条件として同国は10万ユーロ未満の銀行預金に6.75%の課税、10万ユーロ以上の預金に9.9%の課税を実施すると説明した。(ブルームバーグ) 一生懸命働いて貯めた金に課税!?当然の結果だと思うが、早速こんなことが起きた。 金融支援策の発表を受け、キプロスでは現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がり、ATMの資金は多くのケースで数時間で枯渇した。(ロイター) 実際に金融支援策が実施されるにはキプロス議会の承認が必要であり、JPモルガンのアナリストは、こう述べている。 与党が自信を持って期待できる賛成票は(56議席中)26─28票程度だろう。野党は26票前後の反対票を確保できるとみているのではないか。非常に僅差で、現段階では予想がつかない。 税金が好きな人はいないと思う。「預金に課税」と言うけれども、チェコの元経済相ウラジミール・ドロウヒー氏は、こんなことを指摘している。 ドイツなど欧州北部の有権者が一定の負担を求めるのは理解できる。ただ、事実上預金の1割を没収するというのは、危険な前例だ。混乱が深まれば、5割没収といった話にもなりかねない。 最後の部分、「5割没収といった話にもなりかねない」だが、このZero Hedgeの見出しを見てほしい。 Germany And IMF's Initial Deposit Haircut Demand: 40% Of Total 1割ではなく、ドイツと国際通貨基金(IMF)は「預金への課税40%」を要求していたようだ。考えてみてほしい。救済と引き換えに、あなたの預金の40%が没収される。そんな事を、あなたは黙って認めるだろうか? キプロスの状況は皆が言うほど悪くない。キプロスの失業率は約12%だが、ギリシャやスペインの失業率はその倍以上だ。キプロスの抱える赤字はGDPの87%程度だが、アメリカが抱える赤字はGDPの100%を大きく超えている。キプロスは救済を受けるために、銀行預金への課税を承諾する必要がある。問題は、同様な課税が他国にも起きる可能性があることだ。(The Economic Collapse) 「銀行預金に課税」という条件が提示された背景には、こんな事情もある。 キプロスはタックスヘイブンになることを目指したことでソ連が崩壊後、ロシアの富豪層がマネー・ロンダリングするためにキプロスにペーパー会社を設立するということが流行ったのだそうです。この影響でキプロスの金融機関に預けられている合計700億ユーロのうち、ロシア人の預金が200億ユーロを占めているとされています。つまり、キプロス支援というのはEUに加盟していないロシアの金持ちを助けることにつながる、しかもマネロン、税金逃れしてきた資金を保護することになりかねないから、こんな条件がついたと指摘されています。(ひろこの“ボラタイル”な日々) 支援を受けるのだから、それなりの条件があるのは分かる。しかし、課税という名前で預金の一部が没収されるのは辛い。 (参照した記事:ユーロ、キプロスショックで急落-リスク回避で円は全面高 キプロス支援、預金者負担は「危険な前例」に Germany And IMF's Initial Deposit Haircut Demand: 40% Of Total After The Banksters Steal Money From Bank Accounts In Cyprus They Will Start Doing It EVERYWHERE キプロスショックは買いか?!)
3月のミシガン大学消費者信頼感指数は71.8と発表され、先月の77.6から下落しただけでなく、予想されていた78.0を下回った。何故このような冴えない結果になったのだろうか。ロイターは、こう報道している。 政府の経済政策を好ましくないと答えた人の割合は34%と記録的な水準に達し、1月の31%を上回った。調査を担当したリチャード・カーティン氏は声明で「政府の妥協能力の無さが国民の経済状況にどう影響するかについてほとんど考えられておらず、消費者の不満につながっている」との見方を示した。 今回の71.8という数値は、歴史的に見た場合、どんな水準にあるのだろうか。ダグ・ショート氏のブログに、こういうチャートが掲載されている。 青い折れ線がミシガン大学消費者信頼感指数、灰色の部分は景気後退期、緑と赤の棒線がGDPになる。 ミシガン大学消費者信頼感指数が始まったのは1978年、そして平均値は85.2だから、今日発表された数値は平均値を16%下回っている。非景気後退期の平均は87.7、そして灰色で示された5回の景気後退期の平均値は69.3だ。言い換えれば、今日の数値は景気後退期の平均値をたった2.5ポイント上回っただけであり、非景気後退期の平均値を15.9ポイント下回っている。 先日発表された雇用統計は、失業率の下落、予想を上回る非農業部門就業者数という良い内容だった。しかし、現在の米国消費者たちの心情は景気後退期とほとんど変わりがない。 (参照した記事:3月米ミシガン大消費者信頼感指数、2011年12月以来の低水準 Michigan Consumer Sentiment Plunges to Recession Levels)
弱気論を貫いてきたリチャード・ラッセル氏(ダウ・セオリー・レターズ)が姿勢を変えた。下がヘッドラインだ。 Richard Russell ― One Of The World's Most Famous Bears ― Is Now Telling People To Buy Stocks 頑固なまでに株の買いを拒み続け、金の買いを提唱してきたラッセル氏だが、なぜ今になって株の買いを勧める気になったのだろうか? 指標は、マーケットが更に高くなることを示している。ご存知のように、米国の通貨をコントロールしているのは連銀だ。バーナンキ議長の最近の言葉を読むと分かることだが、連銀は出来る限りの手を尽くして、株式市場を上昇させることだろう。言い換えれば、株式市場が生きるか死ぬかは、連銀の一存にかかっている。 先週(8日)のブログで書いたことだが、ラッセル氏は、こう語っていた。 なぜ、このような予想に反するマーケット展開になってしまったのか?原因は、未だかつて見たことのない連銀によるマーケット介入だ。 この時点で、ラッセル氏は考えを変えて、読者たちに株の買いを勧めることができたが、それはしなかった。ここで思い出してほしいのは、「ダウ・セオリー・レターズ」という氏が執筆しているニュースレターの名前だ。 ダウ・セオリーを極めて簡単に説明すれば、ダウ指数とダウ輸送株指数が高値を更新している時は、株は買いになる。現在のマーケットで起きているのは、正にこの両指数の高値更新であり、ダウ・セオリーを信じているなら株は買いだ。「ダウ・セオリーの信奉者がダウ・セオリーを否定している」、という非難に対するラッセル氏の回答が上記の「原因は、未だかつて見たことのない連銀によるマーケット介入だ」になる。 非難に屈してラッセル氏は買い推奨に踏み切った、という声も聞こえるが、氏は更にこう説明している。 マーケットを上昇させる資金源は4つある。 1、まだマーケットに参加していない個人投資家たち。彼らは、金融危機や景気の後退で大きな損を出したが、上昇が続くマーケットを見て、もう一度株を買ってみようと決心するだろう。 2、株を十分に買っていないファンド・マネージャーたち。 3、空売りの買い戻し。 4、利回りの低い国債から、高配当株への資金の移動。 注:ラッセル氏が買いを推奨しているのは、ダウ指数に連動するETF、SPDR Dow Jones Industrial Average (DIA)。 (参照した記事:Richard Russell ― One Of The World's Most Famous Bears ― Is Now Telling People To Buy Stocks Richard Russell - I’ve Never Seen Anything Like This In History)
これを見て思わず笑ってしまった。 2007年の高値を突破して、ダウ指数は高値を更新した訳だが、書いてある言葉が面白い。Buy and Hold is Not Dead After All (結局、買ったまま持ち続ける、という投資方法は死んでいない。) 弘法にも筆の誤り、ということわざがあるように、プロや達人も間違うことがある。例えば、株の買いを勧め続けてきたアドバイザーやアナリストは正解だったが、その反対に売りを推奨していた人たちは相場を完全に読み間違えていた。 間違っていたのなら素直に自分の落ち度を認めてしまえば良いのだが、マーケットの専門家ともなると、そう簡単に敗北を認めることができないようだ。ビジネス・インサイダーは、相場を読み間違えてしまった弱気論者たちの言い訳を取り上げているので、早速いくつか見てみよう、 ・ アルバート・エドワード氏(ソシエテ・ジェネラル): ダウ指数は新高値を達成したが、これで気味が悪いほど2007年の天井の時と状況が似てきた。 ・ ボブ・ジャンジュア氏(野村インターナショナル): 私は、マーケットは下がる前に上がる、と言った筈だ。 ・ マーク・ファーバー氏(Gloom Boom & Doom Report): 現在のマーケット状況が気に入っている。なぜなら、上昇の勢いが強ければ強いほど、やがて訪れる下げも極めて大きなものになるからだ。 ・ リチャード・ラッセル氏(ダウ・セオリー・レターズ): なぜ、このような予想に反するマーケット展開になってしまったのか?原因は、未だかつて見たことのない連銀によるマーケット介入だ。 金曜、2月の米雇用統計が発表された。 米労働省が8日発表した2月の雇用統計によると、労働市場の動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月に比べ23万6000人増えた。市場予想の平均である16万人程度を大きく上回る水準。失業率も7.7%と前月から0.2ポイント低下。製造業、サービス業など幅広い分野で堅調な雇用の伸びが続いた。(日本経済新聞) ということで、現職大統領には嬉しい内容となったが、Zero Hedgeによるとフルタイムで働く人が減りパートタイムで働く人の数が増えた。Zero Hedgeはこう書いている。 しかし2月の雇用統計で最も驚いたことは、複数の職を持つ人の数が34万人も増え、これは史上最高の増加だ。 フルタイムの就業者数が減り、パートで仕事をする人が増加、そして複数の職場で働く人たちの数が史上最高に達した。当然のことながら、景気が本当に回復しているのなら、フルタイムで働く人の数は増える筈だ。非農業部門の雇用者数は予想以上に増えたが、それと同時に、家計をやりくりするために複数の職に従事する人が増えていることも確かだ。 (参照した記事:Friday Charts: The Best (and Worst) Investments of 2013 Here's The Ridiculous Way Bears Are Justifying Their Wrong Calls While The Stock Market Is At All-Time Highs 米雇用者数23.6万人増 2月、予想大きく上回る In February Multiple Jobholders Rose By A Record, As Full-Timers Dropped, Part-Timers Increased)
ダウ指数は史上最高値を更新し、さっそく予期したように出て来た質問は、「まだ株は買えるのだろうか、それとも売るべきだろうか」、というものだ。 まだ遅くない。株を買うべきだ。 ・ ラズロ・ビリニ氏(ビリニ・アソシエイツ): 上昇相場には4つのステージがあり、マーケットには、最後の第4ステージがまだ残っている。この第4ステージは「熱狂ステージ」に相当し、平均上昇率は38.7%だ。 ラズロ・ビリニ氏 ・ ジェームズ・スタック氏(インベステック・リサーチ): 景気の後退がマーケット下落の原因となるが、ここまでのデータを調べる限り、米国に景気の後退が差し迫っているという兆しはない。 ・ 豊富な資金: 2012年末時点における定期預金、普通預金、そしてマネー・マーケット・ファンドの残高は10兆ドルだ。更に、過去5年間で1兆ドルにおよぶ資金が債券へ流入している。将来的に株へ回される可能性が資金は、まだ十分に残っている。 ・ グレート・ローテーション(債券から株へ): ポートフォリオの調整が進んでいる。最近7週間を振り返ると、株のミューチュアルファンドに542億ドルの資金が流入した。特に1月は、1年ぶりに株ファンドへ流入した資金が流出資金を上回った。 ・ まだ割安な株: 例えば2007年の天井では、S&P500の株価収益率は17倍、そして2000年の場合は28倍だった。現在の数値は、まだ15倍だ。 今は株を買う時ではない。売るべきだ。 ・ 年老いたブル: この上げ相場が始まって既に4年が経つ。過去11回の上げ相場を見てみると、5年間続いたのは5回しかない。1932年以来、平均的な上げ相場の長さは4年半だから、現行の上げ相場は終わりに近い。 ・ 最高値更新は嬉しいニュースではない: ダウ指数14000突破、ナスダック総合指数5000突破といった記録が樹立された後は、マーケットが下落または方向性を失う傾向がある。2000年3月、ナスダックは5048.62の最高値を記録したが、5000を超えて終了したのはたった2回だけであり、その後ナスダックは暴落となった。1966年1月18日、ダウ指数は初めて1000を超えて終了となった。しかし、1000を超えての終了はその日だけとなり、次に1000を突破したのは1972年の11月だ。 ・ 不安な米国財政: 財政の崖、自動歳出削減は完全に解決した訳ではない。民主党と共和党の争いが相変わらず続き、いつ合意するかが全く分からない。 ・ 人気が最終的に上げ相場を崩す: アップル株を思い出してほしい。世界最高の株ともてはやされ、アップルは極めて高いレベルまで買われた。しかし、買い材料は全て出尽くしとなり、株価は大幅下落となった。現在のマーケットに買い材料がなくなるのは時間の問題だ。 ・ 調整の必要: 現在のマーケットには調整らしい調整が起きていない。最後に10%を超える下落が起きたのは500日以上も前のことだ。多くのマーケット関係者が調整を予想しているように、現時点では下げの可能性に注意を払うべきだ。 (参照したサイト: Should you buy stocks? Should you sell stocks?)
我々の経済は、トイレットペーパー同然な紙幣と債務で築きあげられた巨大な砂の城だ。 -- Zero Hedge マイケル・スナイダー氏(The Economic Collapse)は、経済の回復は単なる幻であり、今日の社会には経済再失速の兆しが既に見え始めているという。 ・ 最新のデータによると、米国企業の役員や最高経営責任者などの内部関係者による自社株買いが史上最低レベルに落ち込んでいる。金融機関は、個人投資家たちに株を買うことを積極的に勧めている。しかし、内部関係者による自社株売りと買いの比率は50対1であり、売りが圧倒的に多い。 ・ 1月の米国個人所得は5055億ドルの減少、パーセンテージでは3.6%の下落となり、ここ20年間で最大の下落率となった。 ・ イタリアの失業率は11.3%から11.7%に上昇し、最近21年間で最高のレベルに達した。(若者の失業率は史上最高の38.7%) ・ ユーロ圏の失業率は史上最高の11.9%に達した。 ・ ギリシャの失業率は27%に達し、年末の失業率は30%が予想されている。(若者の失業率は59.4%) ・ ゴールドマン・サックスの調査によると、ヨーロッパ全土における1月の銀行預金残高が減少した。 ・ 週末の報道によると、中国も通貨戦争参加への準備を進めている。 更にスナイダー氏は、米国内のこんな状況を指摘している。 ・ 24%のアメリカ人は、貯金額よりクレジットカードの借金の方が多い。 ・ 最新のレポートによると、ほとんどの米国中産階級は新車を買うことができない。 ・ サブウェイ(サンドイッチショップ)の創立者フレッド・デルカ氏は、「増税の影響が売上減少という形で既に表れ始め、消費者たちは増税の圧力を明らかに感じている」、と語っている。 ・ 売上の低迷はウォルマート(小売最大手)にも見られ、多くの小売チェーンが今年閉店を予定している。例えば、ベスト・バイは200-250、JCペニーは300-350、Kマートは175-225、オフィス・マックスは150-175の閉店を予定している。 ・ 米国世帯の中間所得は4年連続で下がっている。 (参照したサイト:12 Things That Just Happened That Show The Next Wave Of The Economic Collapse Is Almost Here Consumer Spending Drought: 16 Signs That The Middle Class Is Running Out Of Money)
こういうチャートを見つけた。 Pragmatic Capitalismというサイトに掲載されていたものだが、上の折れ線はユーロ/円、そして下の折れ線がS&P500指数だ。数字は私が入れたものだが、話を要約するとこうなる。 ・ 先ず、チャートをパッと見て言えることは、ユーロ/円とS&P500指数の動きは、とてもよく似ている。 ・ 興味深いのは、両者の動きが一致しない場合、ユーロ/円が先に動きS&P500指数がユーロ/円を追従する傾向がある。 ・ 1の場合: ユーロ/円は下げ始めていたが、S&P500指数は上げ方向だった。結果は、S&P500指数はユーロ/円を追って調整した。 ・ 2の場合: これも1と同様に、S&P500指数はユーロ/円を追って下落となった。 ・ 3の場合: ユーロ/円は上げ方向、しかしS&P500指数は下げ方向。結果は、ユーロ/円が先導する形となり、S&P500指数は一転して上昇の開始となった。 ・ 4の場合: ユーロ/円は下げ、S&P500指数は上げ。2月5日にユーロ/円はピークとなり、そして3カ月間におよぶ上昇するトレンドラインを割った。S&P500指数も下落となったが、現在回復ラリーが展開されている。もちろん100%の保証は無いが、過去の例から判断すると、現在進行中のS&P500指数のラリーは長続きしない可能性がある。 (参照したサイト: http://pragcap.com/the-euroyen-cross-rate)
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