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鎌田傳


「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」

鎌田傳の「South Bayトレーダー」 日記

下げが止まらない原油、米国シェール業界に危険信号??

11月29日
半日などという中途半端なことをしないで、いっそのこと休日にしてしまえばよいと思うのですが、短縮された金曜のマーケットで原油が大幅下落となりました。下は、原油価格に連動するETF、United States Oil (USO)の日足チャートです。



20日と50日移動平均線は明らかな下げ。そして、水平だった200日移動平均線にも下げの兆しが見え始め、長期トレンドも下げ方向に変わろうとしています。

先ず目につくのは、一方的な売り圧力を示す窓(1)を開けての寄付きです。終値は25ドル57セント、8%を超える大幅下落、そして半日だけのマーケットでしたが、出来高(2)は通常の約3倍です。

原油価格の下落は、航空会社にとって嬉しいニュースです。



上は航空会社株指数(日足)ですが、見てのとおり、力強い陽線を形成して新高値が記録されています。

今朝のブログで、ステファン・チェプリック氏(StockTwits)は、こんなことを指摘しています。



シェール革命は米国の経済を変えた。シェール・ブームのお陰で、ここ数年間で200万人以上の雇用が創出され、米国は世界最大の原油、天然ガスの生産国家となった。

しかし、シェール・ブームに危険信号が灯っている。原因は下げが続く原油価格だ。現に、金曜の取引で原油は10%の下落、1バレル66ドルという2009年7月以来の安値で取引を終了した。

問題は、70ドルを割った原油価格だ。なぜなら、ほとんどの会社の場合、原油を1バレル生産するには65ドルから67ドルの経費が必要だからだ。

ひょっとすると、米国政府が介入して、原油価格の安定化を試みるかもしれない。しかし、もし何もしないようなら、米国のシェール革命が突然終了となる可能性がある。


レオニード・ フェドゥン氏(ロシア最大の石油会社ルクオイルの副社長)は、こう述べています。

今回の会議で、OPECは原油の生産量を変更することはなかった。これが意味することは、米国のシェール業界の崩壊だ。今日の米国のシェール・ブームは、インターネット株が暴騰したドット・コム・ブームと同じだ。強い者だけが生き残り、弱い者が消え去って行くことだろう。

(参照した記事:The Last Bastion Hope For American Oil Producers

OPEC Policy Ensures U.S. Shale Crash, Russian Tycoon Says)



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ジム・ロジャーズ: ロシアに投資を始めた

11月26日
ロシアの株に投資しているETF、Market Vectors Russia (RSX)の週足チャートです。



「見事なダウントレンドですね!」、とプーチン大統領に面と向かって言うのは怖いですが、これは正真正銘の下降基調です。こんな低迷の続くマーケットですが、著名投資家がロシアに強気になっています。

過去46年間、ロシアに弱気だったジム・ロジャーズ氏が考えを変えた。(ビジネス・インサイダー)

ブルームバーグとのインタビューでロジャーズ氏は、「ロシアに投資を始めた」、と現に語っています。

クレムリンは変わった。昔のクレムリンの態度は、「金を取り上げろ」、「殺してしまえ」、「監獄へぶち込め」、というものだったが今日は違う。外国人投資家、海外からの資本の重要性に、やっと気がついたのだ。共産主義、KGBの時代は終わった。だから私はロシアに投資し始めたのだ。

更にロジャーズ氏は、ロシアの保有する巨額な外貨準備高、そしてロシアがあまりにも投資家たちから嫌われていることをロシアへの投資理由に挙げています。

下のチャートは、ロシア株ETFの資金流入流出状況です。



矢印の部分ですが、今年最初の3ヶ月は資金の流出が目立っていました。しかし今年後半は資金の流入が顕著になり、2014年全体では+13億520万ドルとなり、資金の流入額が流出額を上回っています。

さて、私たちもロジャーズ氏を見習って、ロシアへ投資するべきでしょうか。上のチャートで分かるように、ロシア株ETFは明確なダウントレンドであり、下げがいつ止まるか全く分からない状況です。

原油とルーブルの下落は永久に続くものではない。特に現在の米国株式市場が史上最高レベルにあるだけに、投資家たちはロシア株に興味を示し始めている。 -- サーゲイ・ピガレフ(証券アナリスト)

投資家たちは、ルーブルに対して以前のような極端に弱気な見方をしていない。それに、原油の下げ方も穏やかになっている。更に、投資家たちは「地政学的危機」、という言葉にも疲れ始めている。要するに、悪材料はそれほど重要なものではなくなっている。 -- ベノイト・アン(ソシエテ・ジェネラル)

ロシアに賭けるということは、エネルギー価格が上昇することに賭けるのと同じだ。なぜなら、ロシア株のETFは40%から50%の資金がエネルギー株に投資されている。今日、新技術を使って、米国は世界最大の産油国になった。更に、アルゼンチン、ブラジル、そして東地中海でも次々と新しい油田が開発されている。これが意味することは原油供給量の大幅増大であり、言うまでもなく、これはロシア株ETFに悪材料だ。 -- チャールズ・サイズモア(サイズモア・キャピタル・マネージメント)

ロシア株は割安だ。しかし、下降が止まらない原油価格、弱いルーブル、そして低迷する経済を考えれば、ロシア株は引き続き魅力の無い投資先だ。 -- スティーブン・ショーエンフェルト(ブルースター・グローバル・インベスターズ)


私も、「ロシアに賭けるということは、エネルギー価格が上昇することに賭けるのと同じだ」、という見方に賛成です。人々は、「地政学的危機」という言葉に聞き飽きたかもしれませんが、強硬なプーチン氏の態度に変化が起きないかぎり、ロシアは投資先として嫌われ続けることでしょう。

(参照した記事:Ukraine Shrugged Off as Russia ETF Swells to Record

JIM ROGERS: Here's Why I've Finally Started Investing In Russia

Russian Stocks Now Cheaper Than Ever as Oil Rout Deepens)



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ゴールドマン・サックス: 2015年、ドル円は130円に達する

11月23日
2015年のマーケット・テーマの一つとして、ゴールドマン・サックスはドルのブルマーケットをあげています。

ドル高が続く。2015年の年末までに、ユーロ・ドルのレートは1.15ドル、そしてドル・円は130円に達するだろう。



InvesTRACは、このような見方を発表しています。



InvesTRACドル指数の長期チャートです。先ずAの部分で分かるように、ドルは30年間続いていたダウントレンドラインを突破しています。そして現在(B)、ドル指数は11年間続いている横ばいゾーンの上限に迫っています。

30年に及ぶドルのベアマーケットが終わった。短期的には、横ばいゾーンの上限突破に難航するだろうが、そこを越えてしまえば以前の高値を目標に約30%の上昇が見込める。(InvesTRACのブログから抜粋)

ドルの上昇が始まったのは米国経済が強くなったからだ、と言われていますが、ラリー・エーデルソン氏(投資アドバイザー)はこう語っています。

ヨーロッパの経済危機と戦争周期がドル高の主な原因となっている。特に強調したいのは戦争周期だ。まるで旧ソ連の回復を狙うようなプーチン大統領の政策、そしてイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(ISIS)」によるテロ活動の例で分かるように、現在の世の中には、記録的な数の軍事的衝突が起きている。戦争不安は更にエスカレートし、避難場所であるドルへの資金の流入はまだまだ続く。

ヨーロッパの経済危機、日本のリセッション入り、中国の予想外の利下げで分かるように、米国以外の国々における経済の低迷が続いています。言い換えると、米国経済が極めて強いのでドル高になっているのではなく、周囲の国々の不調がドルを押し上げる結果となっています。

米国は量的緩和を終了した。しかし他の国々では、これから本格的な量的緩和が始まる。ドル高は数年以上続くことだろう。(フォーチュン誌)

ドル高は長期間続く、という見方が主流となった今日、投資家たちから注目されているのがドル指数に連動するETFです。下が日足チャートです。



20日、50日、200日移動平均線の3本が揃って上昇し、強いアップトレンドが示されています。金曜の取引では年初来高値が記録され、上昇の勢いに弾みが付いていますから、来週も強い展開になりそうです。もし押し目を待つのなら、20日、そして50日移動平均線が買いタイミングの目安になります。

ユーロが下がると上昇する仕組みになっている、ユーロのベアファンドも注目されています。下は、ProShares UltraShort Euro (EUO)の日足チャートです。(ユーロが対ドルで1%下落すると、このETFは2%上昇します。)



これも強いアップトレンドです。短期レジスタンスライン(1)に迫っていますから、ブレイクアウトを合図に買いが集まることでしょう。ドル指数に連動するETFと同様に、押し目買いのタイミングをつかむには、20日と50日移動平均線を利用するとよいでしょう。

(参照した記事:GOLDMAN: Here Are The 10 Big Market Stories That'll Dominate 2015

US DOLLAR AT START OF LONG TERM BULL MARKET

Will the U.S. Dollar's rise last?)
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売りに格下げ、しかしチャートは強気パターン

11月21日
今朝は何が買われているのかな、といつものように調べていると、バービー人形でお馴染みのマテルが出てきました。マテルの本拠地はカリフォルニア州のエル・セグンド、ロサンゼルス国際空港の直ぐ近くです。



株価は2%を超える大幅上昇ですが、今日は何のニュースもありません。下は、11月14日のヘッドラインです。



第3四半期の冴えない決算発表を受け、マテルが「強い売り推奨」に格下げされたことが伝えられています。格下げをしたのは、ザックス社のアナリストです。格下げなどと聞くと買う気を失ってしまいますが、日足チャートには興味深いパターンが形成されています。



ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトムの買いパターンが形成されている可能性があります。ネックライン突破(32ドル)が買いシグナルになり、目標株価は35ドル30セント付近です。ネックラインから頭までの値幅が、期待できる上昇幅です。思惑が外れた場合は、右肩の安値割れ(30ドル65セント)で損切ります。ですから、リスクは1ドル35セント、リワードは3ドル30セントです。

繰り返しになりますが、今日はニュースが無いので、なぜマテルが買われているのかは分かりません。見てのとおり、トレンドは下げですから、もしネックラインを突破するような事態となると、空売っていた人たちは慌てて買い戻してくることでしょう。

(参照した記事:Mattel (MAT) Down to Strong Sell on Dismal Q3 Results)



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これがリセッションなら我が国にもリセッションが欲しい

11月18日
経済ニュースは、どのサイトへ行っても日本のリセッション入りがトップで伝えられています。



期待に反し、日本経済はリセッションに転落(ニューヨーク・タイムズ)



日本経済は驚きのリセッション入り(BBC)

そしてウォール・ストリート・ジャーナルは、日本経済を「Setting Sun(沈む太陽)」と形容です。



こうも大々的に報道されると、日本がまるで滅亡してしまったような雰囲気ですが、事実は日本は世界第3番めの経済大国であり、他国から見ればとても羨ましい国です。

海外から日本を訪れる人々は、日本の豊かさに驚かされる。活況に溢れ繁栄する東京に旅行者たちは驚愕し、しつこい物乞いに街頭で遭遇することなど無い。日本を訪れた英国の政治家が、こんなことを言っていた。「これがリセッションなら我が国にもリセッションが欲しい。」

1ドルが80円台の円高だった2011年の春、ケル・ケリー氏(金融アナリスト)は、こんなことを指摘します。

日本に実際に住んでいる人たちの声を聞いてみよう。

・ 15年前、線路が走っていた場所には20階建て、50階建てのビルが現在建設され、8万人以上の人たちが毎日そこで働いている。

・ 私の住んでいる横浜のマンションの近くには、ここ20年間でショッピング・センター、そして他のマンションが建てられ、毎日工事で忙しい。

・ 過去20年が失われた、という言葉を聞くが、人々は過去20年間何もしていなかった訳ではない。

・ 80年代と比較すれば、今日の日本は明らかに豊になっている。街を走る車を見れば、そのことは明瞭だ。


日本の景気は後退する一方で、回復する力が全く無いのなら、上向きな経済活動は起きません。もちろん、「私の市は淋しくなっている」、と言う方々もいることでしょうが、こんなチャートをケリー氏は掲載しています。



GDPを日本の国民一人あたりに換算したものです。金額は購買力平価説を使って計算されたものがドルで表示され、1980年以来、間違いなく上昇が続いています。

もし日本のGDPが過去20年間下降しているなら、一人あたりに換算したGDPが、このように上昇することはありえない。-- ケル・ケリー

さて、今朝の日本リセッション入りのニュースで、日経225インデックス・ファンドは1.85%の下げとなりました。下が週足チャートです。



全体的に見て言えることは、高値圏での横ばいという状況に変化はありません。リセッション入りのニュースは確かに売り材料とはなりましたが、皆が動転してパニック売りが起きた訳ではありません。言い換えれば、本格的な売りが始まるためには、横ばいゾーンの下辺が崩れる必要があります。

(参照した記事:Defying Expectations, Japan’s Economy Falls Into Recession

Japan's economy makes surprise fall into recession

Japan Falls Into Recession

Don't Shed Tears For "Recession-Hit" Japan

The Myth of Japan's Lost Decades)

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金、銀、特大陽線の出現

11月15日
金曜の取引をあと1時間ほど残し、S&P500指数は現在マイナス0.09%のおとなしい動きです。しかし、全てのセクターが静かな訳ではありません。



J.C.パレッツ: ユーロのラリーと共に、多くのコモディティが一転して素晴らしい上昇となっている。これは無視すべき事ではないと思う。

特に目立つのは銀と金です。



銀価格に連動するETFの日足チャートです。4%を超える上昇となり、特大陽線が形成されています。まだ1時間の取引時間がありますから、出来高は半年ぶりの大きな量に達することでしょう。とにかく、極めて明瞭なダウントレンドが続いていただけに、この強力な上昇に多くの人たちが驚いていることでしょう。

下は、金価格に連動するETF(日足)です。



+2.44%、これも目立つ陽線が形成され、下降する20日移動平均線に現在挑戦中です。

両ETFに今日形成されているのは大陽線ですが、「株の達人」は、大陽線をこのように説明しています。

大陽線の出現: 今まで下げ続けていたり、ボックス状態であったり…。この様な変化の無い相場の中で、大陽線の出現は、今までの相場から新しい相場に一変した可能性が高いと見るシグナルです。

銀は2011年の春から、そして金は2011年の秋から下げが始まり、とにかく長い低迷が続いていました。はたして今日の大陽線が100%正確な底打ちシグナルかは分かりませんが、「ACTING MAN」というブログに、こんなチャートが掲載されています。



タイミングの悪いことで有名な、小口投機家たちの動きが示されています。Aの頂点ですが、この時、過去11年間で最大の金買いポジションが造成されていました。その時の金価格は1、天井です。現在の金価格は2、そしてBを見てください。小口投機家たちによって、ここ15年間で最大の金空売りポジションが造成されています。今日、金は大陽線を形成中ですから、小口投機家たちは空売りポジションを大慌てで買い戻していることでしょう。

今日のラリーを見ただけでは、金、銀が本当に底打ちとなったかは分かりません。ということで、来週の注目はこれです。

大陽線の出現後は、大陽線の半値を下回らなければ、新しい相場は継続していると判断する。(株の達人)

米国の場合は、大陽線の三分の一ほど戻したところが押し目買いチャンス、と言われています。どちらにしても、金は早ければ来年1月に底打ち、と言われていただけに、今日の特大ラリーにトレーダーたちは驚きです。

(情報源: 株の達人 大陽線の出現

Gold Sentiment – A Contarian’s Dream?

パレッツ氏のツイート)



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不安定なマーケットから一時撤退は大きな間違い??

11月12日
NYダウ平均の日足チャートです。



影を付けた部分に注目してください。9月19日から10月15日まで、取引日数に直すと19日になりますが、ダウは6.6%の下落となりました。「マーケットは天井だ」、「ベアマーケットがやって来る」、という見方が頻繁に報道されていましたから、この下げで多くの人たちが持ち株を売りました。

私たち投資家は、やや大きな下げが起きると、それは暴落の始まりだと結論してしまう傾向がある。だから私たちは持ち株を処分し、平穏なマーケットが戻るまで様子を見ることにした。しかし問題は、私たちは同じ間違いをまた犯してしまったのだ。-- サム・ロー(ビジネス・インサイダー)

もう一度、ダウ平均のチャートを見てください。その後ダウは、影を付けた部分の下げ幅を全て取り戻しただけでなく、新高値を記録しています。言い換えると、もちろん結果論ですが、売らずに今日まで株を保有し続けることが正解でした。

私も、あの下げで持ち株を減らし、更にベア型のETFを買って下げ相場に備えました。言うまでもなく、ベア型のETFでは大した利益を上げることができず、おまけに10月16日から始まった回復ラリーの大半を逃してしまいました。

サム・ロー氏は、こんなことを指摘しています。

株の保有期間は、投資にとって極めて重要な要素だ。正確に言うと、どんな相場の局面で株を保有していたかが投資成績に大きく影響する。マーケットが荒れてくると、投資家たちは一時的にマーケットから退散し、そして頃合いを見計らってマーケットに戻ることを試みる。しかし、そんなことを完璧なタイミングで実行できる投資家はいない。一時的な撤退、そして様子を見ることで、多くの投資家が強力なラリーを逃す結果となっている。

「最初からタイミングの良い売買など考えず、買った株は持ち続けろ」、と聞こえますが、こういうデータがあります。



調査を行ったのはJPモルガンです。S&P500指数に1万ドル投資(1993年12月31日から2013年12月31日まで)した結果です。

1、 途中で売買せず持ち続けた場合の口座残高: $58,332 (年率 9.22%)

2、上昇率最高の10日を見逃した場合の口座残高: $29,111(年率 5.49%)

3、上昇率最高の20日を見逃した場合の口座残高: $18,140 (年率 3.02%)

4、上昇率最高の30日を見逃した場合の口座残高: $11,984 (年率 0.91%)

5、上昇率最高の40日を見逃した場合の口座残高: $8,146 (年率 -1.02%)

6、上昇率最高の50日を見逃した場合の口座残高: $5,697 (年率 -2.77%)

7、上昇率最高の60日を見逃した場合の口座残高: $4,073 (年率 -4.39%)


サム・ロー氏によれば、上昇率最高の日というのは、極めて大きな下落の後に起きやすいそうです。今回の下げで株を売り、一時的に様子を見ていた私は、正に大きなラリーを逃してしまった訳です。


(参照した記事: If You Missed The Rally, Then You Just Made The Most Classic Mistake In Investing)



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上昇の兆しが見え始めたエネルギー株

11月09日

8分ほどの動画です。

下記からアクセスしてください。



https://www.youtube.com/watch?v=FvvbiorupzY

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ウォーレン・バフェット: コマドリを待っていたら春が終わってしまう

11月07日
金融危機で株が大幅下落となった2008年、"Buy American. I am."(アメリカを買え。私は買っている。)、と題されたウォーレン・バフェット氏のコラムがニューヨーク・タイムズに掲載されました。その中に、こういう一文があります。

“so if you wait for the robins, spring will be over."(だから、コマドリを待っていたら春が終わってしまう。)



2008年、株は暴落し、「401Kが101Kになってしまった、、、」、と人々が嘆く中、バフェット氏は「今こそ株を買う時である。コマドリを待っていたら春が終わってしまう」、と人々に呼びかけたのです。

私には株が短期的にどう動くかは分からない。今から一ヶ月後、一年後のマーケットがどうなっているかは、私には全く分からない。しかし一つ言えることは、投資心理や米国経済の好転が明らかになる前に、株式市場は大きく上昇していることだろう。だから、コマドリを待っていたら春が終わってしまう。

これと、あれと、そしてこの条件が揃ったら買おう、といったことをよく聞きます。もちろん、それは自分のルールに従っている訳ですから悪いことではありません。しかし私たちは、自分の定めた条件が全て揃っていても、他の情報に邪魔をされて買いを見送ってしまうことがあります。

20日、50日、そして200日移動平均線の全てが上昇している強い株を買おう、と決めたとしましょう。



上は、アップルの日足チャートです。見てのとおり、3本の移動平均線は全て揃って上昇ですから、これは間違いなく買いです。しかし、「マーケットは史上最高値、調整が近い」、「不安定なヨーロッパ」、「減速が顕著になった中国経済」、と様々なニュースを聞くと、ここでの買いに足踏みしてしまいます。言い換えると、他の情報が気になって買いを取り止めにしてしまうのは、現状はパーフェクトな買い環境ではない、と判断したためです。マイケル・バトニック氏(リットホルツ・ウェルス・マネージメント)は、昨日のブログでこう書いています。

「ピッチャーが投げる球を全て振るのではなく、打ち易い球が来るのを待て」、という言葉がある。しかし多くの投資家たちは、「打ち易い球が来るのを待て」というのは「完璧な投資環境が訪れるのを待つこと」、とカン違いしている。完璧な状況を待つなど正に無駄な努力だ。

もう一度繰り返しましょう。「コマドリを待っていたら春が終わってしまう。」

(参照した記事:Buy American. I am

The Irrelevant Investor)



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連邦住宅金融局: 信用度の低い人にも金を貸せ!

11月04日
マーケット・ウォッチによると、初めて住宅を買う人たち(ファースト・タイム・バイヤー)によって購入された住宅件数が、27年ぶりの低レベルに転落です。



今年、米国で販売された住宅の33%はファースト・タイム・バイヤーによって購入され、2013年の数値から5パーセンテージ・ポイント下がった。更に、33%という数字は最近27年間で最も低い。(マーケット・ウォッチ)

住宅を買うことはアメリカン・ドリームの一つです。しかし、ファースト・タイム・バイヤーによる購入数が低レベルに落ち込んでいるということは、アメリカン・ドリームを実現することが難しくなっていると言えます。なぜ、このような事になってしまったのでしょうか?

全米不動産業者協会によると、1987年以来の平均値を計算してみると、米国で販売された住宅の40%がファースト・タイム・バイヤーによって購入されている。しかし、今日の若い世代は多額な学生ローンの返済を抱えるだけでなく、高いアパート代、弱い労働市場などの問題にも直面している。(ウォール・ストリート・ジャーナル)

ということで、若い人たちは肝心な頭金が中々貯まらないという現状なのですが、こんな問題もあります。

たとえ頭金を貯めることができたとしても、希望する価格の住宅在庫数は少なく、豊富な資金を持つ投資家たちとの競争、それに金融逼迫という現状だから、若い人たちは銀行から金を借りることが難しくなっている。(ゼロヘッジ)

正に、米国の住宅は富裕な人々、そして機関投資家たちによって買い漁られているといった雰囲気ですが、こんな記事があります。

去年の同時期と比較すると、住宅を現金で買う(キャッシュ・バイヤー)の数が減っている。米国の最も大きな市126の住宅販売状況を調べた結果、102の市ではキャッシュ・バイヤー数が減少している。これから更に大きなリターンが見込めるのであれば、キャッシュ・バイヤーが減ることはない。要するに投資家たちは、現価格での住宅購入は魅力無し、と判断した訳だ。(フォーチュン)



米国の住宅販売価格(中央値)の推移です。2012年の底から順調に回復が進み、現在の販売中央値は21万1000ドルに達し、金融危機以前のレベルに迫っています。フォーチュン誌が指摘しているように、現在の価格は底よりも天井に近い訳ですから、投資家たちは、ここで積極的に買う気にはなれません。

繰り返しになりますが、ファースト・タイム・バイヤーの著しい減少で分かるように、頭金を欠く若い世代は家を買うことができません。投資家たちも、ここまで住宅価格が上がってしまうと、現時点での買いに躊躇してしまいます。もちろん、ここで住宅市場が失速してしまったのでは米国経済の成長に悪影響となってしまいますから、政策立案者たちは何としても住宅市場の下降を避けたいのが本音です。

FHFA Said to Plan Steps to Ease Lending to Riskier Buyers

上は、10月17日のヘッドラインです。連邦住宅金融局は、信用度の低い人たちが住宅を購入できるように検討中という意味になります。言い換えると、住宅ローンの審査を甘くして、もっと多くの人たちに金を貸すということになりますから、どうしてもサブプライム・ローンを思い出してしまいます。具体的にどのような対策が発表されるかは分かりませんが、連邦住宅金融局は、米国住宅市場を株式市場のように史上最高レベルへ押し上げたいようです。

(参照した記事: First-time buyers' share of home sales hits 27-year low

Why Housing Is Dead: First-Time Buyers Collapse To 27-Year Lows

Why the housing recovery is over, in four charts

FHFA Said to Plan Steps to Ease Lending to Riskier Buyers

Linwood Bolles氏のツイート)



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世界を驚かせた日銀総裁

11月01日
思ったとおり、金曜のトップ・ニュースになったのはこの人です。



日銀、追加緩和を決定 資金供給10兆〜20兆円拡大(日本経済新聞)

・ こんな事が発表されるとは誰も予想していなかった。正に驚きだ。(ビジネス・インサイダー)

・ 今朝の私は正に最悪だ。日本から、こんなことが発表されようとは全く予想することができなかった。 -- キース・マカルー(Hedgeye Risk Management) (マカルー氏は米国債の買い、そして小型株指数の空売りを勧めていました。)

・ 日銀の決定は、株の強気論者にとって、とても嬉しい贈り物だ。 -- ボブ・ピサニ(CNBC)

・ 連銀の量的緩和など必要ない。アンクル黒田が日銀流の仕事をしてくれる。-- リー・アドラー(The Wall Street Examiner)

・ 何だかんだ言っても、要するに量的緩和の世界なのだ。 -- ダグ・カス(シーブリーズ・キャピタル)

・ 日経225はピンク・シート銘柄にまだなっていないのかな?-- (ゼロヘッジ) (ピンク・シート銘柄: 主要取引所に上場されていない銘柄のこと)

・ 33社の中で、日銀の追加緩和を予想していた三菱と野村の2社に脱帽。 -- アシラフ・ライディ(City Index / FX Solutions)

・ Boo - Yah(ブーヤ) -- (Rudolf E. Havenstein) (Boo - Yah: 嬉しいとき、興奮したときに発する言葉)



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