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鎌田傳


「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」

鎌田傳の「South Bayトレーダー」 日記

買い手もイライラ、売り手もイライラ

02月27日
水曜のマーケット終了まで、あと30分ほどです。下は米国の大型株指数、S&P500指数の日足チャートです。





見てのとおり、抵抗線を瞬時越えることはあるのですが、なかなか決定的なブレイクアウトに結びつかない状態です。ダマシのブレイクアウトが何度も起きた訳ですから、買った人たちはイライラしていることでしょう。もちろん、空売った人たちも、思ったような下げが展開されていない状態ですから、買い手と同様にイライラです。

上のチャートに、広く使われている指標を二つ入れてみましょう。





先ずMACDから見てみましょう。

MACDラインがシグナルラインをクロスして、買いシグナルが出たのは2月7日です(1)。そしてこの買い基調は、デッドクロス(MACDラインがシグナルラインを下抜ける)が起きるまで続きます。ということで、現在MACDが示しているのは買い基調です。

ストキャスティクスが売られすぎゾーンを脱出し、上向きになって買いシグナルが出たのも2月7日です(2)。(20以下は売られすぎ、80以上が買われすぎを表す。) 3で分かりますが、現在の位置は買われすぎですが、まだ80を割っていないので売りシグナルは出ていません。

ということで、売り手が有利になるためには、次の二つが起きる必要があります。


1、MACDのデッドクロス

2、ストキャスティクスの80割れ


もちろん、最初に動くのは株価です。ですから、MACDやストキャスティクスからのシグナルが出てから行動するのでは遅すぎる、という非難もあります。

もう一度、現在の様子を振り返ってみましょう。


1、S&P500指数は、抵抗線の突破に難航している。(黄信号)

2、MACDは買い基調、まだデッドクロスは起きていない。(青信号)

3、ストキャスティクスは買われすぎレベルだが、まだ売りシグナルは出ていない。(黄信号)


ということで、買い手も売り手もイライラしてしまうのは仕方がない状況です。



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米国株式市場: 注目される高配当株

02月24日
投資家たちのムードが変わりつつあるのでしょうか。アンドリュー・スラッシャー氏(投資アナリスト)のブログに、こんなチャートが掲載されています。





SDYとSPYを比較した日足チャートです。(赤い線と数字は私が入れたものです。)


SDY: 高配当株に投資しているETF

SPY: S&P500指数(大型株指数)に連動するETF(ファンド・マネージャーの成績を判断する方法として、ファンドの成績とS&P500指数がよく比較されます。)



ということで、これは高配当株とS&P500指数の比較です。1のように上昇している場面では、高配当株の成績がS&P500指数を上回り、2のように下降する局面ではS&P500指数の成績が配当株を上回っています。

現在の位置は3です。見てのとおり2012年の安値をテスト中ですが、4で示したRSI(相対力指数)を見てください。2の矢印が示すダウントレンドとは正反対に、RSIは上昇が始まり、ダイバージェンスという現象が起きています。

ダイバージェンスは警戒シグナルですから、ここが底になって、SDYとSPYを比較したチャートはアップトレンドに転じる可能性があります。もちろん、ダイバージェンスには一休み、という意味もありますから、このへんでしばらく横ばいして、それから下降の再開になることも考えられます。





慎重に行くのであれば、高配当株のETF(SDY)を買うのは下降するトレンドライン(A)を突破してからです。しかし、RSIに見られるダイバージェンスを考えると、資金を高配当株に移し始めた投資家たちがいることも確かです。ということで、高配当株にも注目してみたいと思います。


(参照した記事: Are Dividend Stocks Preparing to Take The Reigns?)



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そろそろ寒い冬は終わる: 天然ガスに見られるダイバージェンス

02月21日
V字型のマーケットの急激な回復で、個人投資家たちも強気になりました。これがAAIIから発表された、今週のセンチメント調査の結果です。

・ 強気 42.2% 先週から2.1パーセンテージポイント増

・ 弱気 22.8% 先週から4.6パーセンテージポイント減

・ 中立 35.0% 先週から2.5パーセンテージポイント増


AAIIの個人投資家センチメント調査は1987年の7月に始まり、下がそれぞれの歴史的平均値です。

・ 強気 39.0%

・ 弱気 30.5%

・ 中立 30.5%


下は今週の質問と回答結果です。

質問: 向こう数カ月間を考えた場合、どんなものが市場を動かす材料になると思いますか?

回答:

・ 企業利益とその成長率 20%

・ 労働市場(特に失業率と新規雇用者数) 17%

・ GDP、経済成長率 12%

上記以外では金利、海外の経済、連銀といった回答があり、今回の調査では特に目立って多い回答はなかった。(AAII)



次は天然ガスに見られるダイバージェンスの話です。

今朝のバロンズには、「異常に寒い気候で天然ガスが高値をつけたが、モルガン・スタンレーのストラテジストは急落を予想している」、といったことが書かれています。

下は天然ガスのETFの日足チャートです。





株価の高値は上昇していますが、買い圧力を見るオン・バランス・ボリュームは既に下げが始まり、危険信号となるダイバージェンスが起きています。

既に空売っている人も多いと思いますが、どのへんまで下げる可能性があるでしょうか?





メガホンが形成されている、と見ている人たちは下限がターゲットです。


(参照した記事:AAII Sentiment Survey: Optimism Rebounds For Second Week

For Natural Gas, the Big Payback is Coming)



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なぜ私たちは思っているようにお金が増えないのか?

02月18日
誰のブログだったか忘れてしまいましたが、「モーガン・ハウセル氏のコラムは面白いからお勧め」、という一文がきっかけになって、氏のコラムを読むようになりました。月曜のコラムのタイトルはこれです。

77 Reasons You're Awful at Managing Money


あなたが、お金をうまく管理できない77の理由、という意味になります。はたして本当に77もあるのかな、と疑問になりましたが、ハウセル氏はたしかに77を挙げています。全部紹介したいですが、面白いと思ったものをいくつか見てみたいと思います。


・ 自分の政治観、政治的な見解を基に投資してしまう。マーケットは、あなたが誰に投票した、あなたがどのニュース・チャンネルを支持しているかなどといった事に興味は無い。

・ あなたは長期投資をしている、と言う。しかし、あなたの言う長期投資というのは、今から次の下げマーケットまでの期間だ。

・ あなたは人に強い印象(自慢)を与えようとして、色々なものを買いすぎる。事実は、他人はあなたが思っているほど、あなたのことに興味はない。言い換えれば、あなたが何を運転している、どんな財布を持っているなどといった事に他人は全く興味はない。

・ あなたは分かっていないことを完全に分かったつもりになっている。良い例は金融政策だ。事実は、あなたは金融政策を人に説明することはできない。

・ 誰もマーケットの動きを正確に予想することはできない。それにもかかわらず、あなたは予想に今日も熱心だ。

・ あなたは他人の間違いから学ぶことを怠っている。お金について真剣に勉強を始めるのは、ある程度年齢が進んでからだから、知識が身につくころには死が迫っている。

・ あなたは国が抱える膨大な赤字に腹を立てている。しかし、あなたは自分が抱えるクレジットカードの借金を全く気にしていない。

・ あなたは20万ドルにも及ぶ借金(学生ローン)をして、職を得ることに全く役にたたない学部を卒業している。

・ あなたは投資に失敗すると、「不運だった」、の一言で片付けてしまう。投資で失敗するのは、あなたには必要な知識と技術が無かったからだ。言い換えると、あなたは失敗から学ぶのではなく失敗を無視している。

・ あなたは一流大学を卒業したから投資もうまく行く、と思っている。しかし事実は、感情をコントロールすることを学ばなければ、あなたは投資で成功することはできない。

・ あなたは、「私は毎年○○%の利益を上げている!」、などといった宣伝を簡単に信じてしまう。彼らには、そんな実績はない。彼らがうまいのは巧みな宣伝だ。

・ あなたは洗濯機を選ぶことに慎重だが、株の場合は知人からの勧めで簡単に買ってしまう。

・ マーケットが上昇している時は、あなたは毎日のように口座残高を調べる。しかし下げマーケットがやって来ると、あなたは口座残高に興味が無くなってしまう。

・ ニュースは投資に役立つ、とあなたは思っている。しかし、それは違う。マスコミが常に考えていることは、どんなニュースが大衆に受けるだろうか、ということだ。



こんな感じで77項目が挙げられているのですが、77番目はこれです。


あなたは、私の語っているのはあなたの事だ、ということを気付かずに77項目を読んだことだろう。実は、これらの項目は、私にも当てはまることなのだ。





(参照した記事: 77 Reasons You're Awful at Managing Money)



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匿名の記事は信用できない??

02月15日
下は、ウォール・ストリート・ジャーナルから取ったものです。





注目してほしいのは下線の部分です。By MATTHEW FUTTERMANと記され、記事を書いた人の名前が明記されています。では、もし記者名が「怪人二十面相」だったら、皆さんはその記事を読むでしょうか?

問題になっているのは、「Seeking Alpha」という人気株サイトです。





個別銘柄情報、ETF、海外投資、ニュース速報、と幅広い分野をカバーしたサイトなのですが、このサイトでは匿名で記事を書くことが認められています。Seeking Alphaの編集長、エリ・ホフマン氏は、こう説明しています。


企業の不正を暴露するような記事を本名で書くと、書いた人が脅迫されたり、暴行を受けるといったことが時々起きます。そのような被害を防ぐために、当サイトは匿名での投稿を許可しています。言い換えると、匿名を許さず本名で書かれた記事だけを掲載することは、買い推奨ばかりが目立つサイトになってしまいます。


考えさせられる言葉です。暴露記事は本名では書けないものなのでしょうか?極端な言い方になりますが、ホフマン氏の言葉は、「匿名なら人の悪口は言えるが、本名なら言えない」、と聞こえます。

Alexa(ウェブ情報会社)によれば、seekingalpha.comのグローバル・ランキングは第900位です。株のテレビ局として有名なCNBCのサイトは第629位、ブルームバーグは352位、そして日本経済新聞のグローバル・ランキングは842位ですから、Seeking Alphaには大きな影響力があります。

Seeking Alphaが問題になっている、と上記しましたが、経済誌バロンズによると、株価を上昇させることを目的に、Seeking Alphaの匿名性が利用されているようです。


最近Seeking Alphaは、ガレナ・バイオファーマ株に関する2つの記事をサイトから削除した。両記事とも株の買いを勧める内容であり、両方とも匿名が使われていたが、書いたのは同一人物だった。要するに、一人の人物が違った匿名を使って買い推奨記事を書いた訳だが、ガレナ・バイオファーマ株には以前にも同じことが起きている。(2013年1月、同一人物によって書かれた5つのガレナ・バイオファーマ株に関する記事が削除されている。)

今回の記事が特に問題なのは、ガレナ・バイオファーマ社は宣伝会社を雇って書かせた記事をSeeking Alphaに載せた、という形跡がある。入手した書類によれば、記事はガレナ・バイオファーマ社を宣伝することで株価をつり上げる、という目的があった。宣伝が功を奏し、株価は去年の夏から3倍になり、単なる偶然かもしれないが、内部関係者たちは持ち株を処分して大きな利益を手に入れることができた。



多くの人々がSeeking Alphaにアクセスする理由の一つに、大衆はウォール・ストリート・ジャーナルのような既存メディアに飽きてしまった、ということを挙げることができます。ツイッターやフェイスブックの大人気で分かるように、人々は自らが参加できるSNSに大きな魅力を感じています。Seeking Alphaは、正にこのSNS型の株サイトですから、既存メディアのようなお固い感じはありません。

もう一度ホフマン氏の言葉を書きましょう。「匿名を許さず本名で書かれた記事だけを掲載することは、買い推奨ばかりが目立つサイトになってしまいます。」これには一理あると思います。本名と所在する会社を名乗って、他社の悪口を書くことは気が引けるものです。言うまでもなく、賞賛記事を書く方が気が楽です。

しかし匿名なら平気で悪口を書くことができます。良い例はツイッターです。30分もやれば分かることですが、本名でツイートしている人は少なく、ほとんどの人が匿名(ハンドル名)ですから、普通なら面と向かって言えない失礼なことが平気でツイートされています。言い換えると、SNSは人間の本音が表れやすい場所ですから、匿名での記事を許可しているSeeking Alphaは興味深いサイトだと思います。しかし、匿名に隠れていたのでは、ウォール・ストリート・ジャーナルのような権威あるメディアにはなれないことも事実です。


(参照した記事:When Investor Websites Get Duped

Galena Biopharma Pays For Stock-Touting Campaign While Insiders Cash Out Millions)





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裕福な投資家と資金の少ない一般投資家の決定的な違いとは?

02月12日
裕福な投資家には大きな強みがある。彼らには国債、マネー・マーケット・ファンド、不動産、株、と様々な収入源があるから、「利益を上げなくてはいけない」などといった逼迫感は無い。 -- リチャード・ラッセル氏(ダウ・セオリー・レターズ)


銀行に勤めている頃、裕福な家庭に行ってミューチュアル・ファンドの説明をしたことがある。リビングルームの壁には歴史の教科書で見たことのある絵が飾られ、これを売ったら普通の家を2、3軒買うことができるのだろうな、などと憶測した事を憶えている。ラッセル氏の言うように、裕福な人々は既に幅広く投資しているから、差し迫って今直ぐ何かに投資する必要は無い。

ラッセル氏の話に戻ろう。


裕福な投資家は「価値」を重要視する。国債の利回りがあまりにも高く、どう見ても割安だと思う時、彼らは国債を買う。株、不動産、絵画、宝石なども同様に、現在の価格が極めて魅力的な時に買う。言い換えれば、裕福な投資家は、価値を判断するエキスパートだ。もし、現在の価格に価値を見出すことができないなら、彼らは待つ。裕福な人々には、毎日、毎週、毎月投資からの収入があるから、良い投資機会が来るまで待つことに全く問題は無い。


待つことができる、というのは強みだ。「この値段で買えるのは今日だけです!」、などと言われると、私たちは慌てて買ってしまうものだが、裕福な人たちはセールストークに乗せられることなく、次の好機会を待つことができる。

資金の少ない一般個人投資家について、ラッセル氏は更にこう語っている。


一般の個人投資家たちに共通して言えることは、「儲けよう、利益を上げよう、儲けなくてはいけない」、といつもあくせくしていることだ。本当なら、彼らは3%の配当利回りがある株を買うべきだ。しかし彼らのしていることは1等を夢見て宝くじを毎週買い、友人に勧められた、あまりにも話がうますぎる不動産投資に手を出してしまうのだ。彼らには住宅ローン、自動車ローン、教育費、と様々な出費が毎月ある。とにかく彼らは、手っ取り早く儲けて生活を楽にしたいと切望しているのだ。


生活を楽にしよう、良い暮らしをしたい、というのは間違った願望ではない。問題なのは、素早く大きく儲けようということに固執してしまうと、肝心なことを見落としてしまう。ラッセル氏の言葉を借りれば、儲けたいということに一心となった小投資家は、重要な価値判断ができなくなってしまうのだ。

「裕福な投資家は既に資産を築き上げているから、マーケットが無くても困らない。これが持つ意味は極めて大きい」、とラッセル氏は言う。繰り返しになるが、裕福な投資家は余裕があるから、本当に価値のあるものが現れるのをじっくりと待つことができる。しかし、これから一財産を築かねばならない一般個人投資家は、早く儲けようとして危険性の高い投機に手を出してしまう。

では、資金の少ない私たち個人投資家はどうすれば良いのだろうか・ラッセル氏の答えはこうだ。


先ず、収入以上の暮らしをしないこと。そして、配当金や利子を払うものに定期的に投資すること。これを長期間続ければ、小さな投資家も裕福な投資家のように投資から収入を毎月得ることが可能になり、裕福な投資家のように考えることができるようになる。


資産家は、マーケットが価値ある割安なものを提供してくれるまで気長に待つことができる。しかし私たち個人は、躍起になってマーケットから利益を奪い取ろうとする。うまく言えなくて申し訳ないが、奪い取る行為は戦争をするようなものだから、敗けた時の被害は多大なものになる。奪い取るのではなく、マーケットが与えてくれるものをうまく拾うことができる投資家になりたいものだと思う。





(参照した記事: Wealthy Investors Have One Gigantic Advantage Over The Little Guy)



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新相場用語: デッド・バード・バウンス

02月09日
相場には、「デッド・キャット・バウンス(Dead Cat Bounce)」という言葉があります。「死んだ猫でも、高い所から落とせば跳ね返る」、という意味になり、大幅下落した株価が一時的に小さく反発するのがデッド・キャット・バウンスです。





そして今日、「デッド・バード・バウンス(Dead Bird Bounce)」、という新しい言葉が生まれました。





ポール・ラモニカさん(CNNマネー)のツイートです。「ツイッター株が5%を超える上昇だ。デッド・バード・バウンスだろうか?」

ツイッターは、ご存知のように鳥のマークで有名です。





下が、ツイッターの日足チャートです。





昨日木曜(1)、ツイッターは20%を超える暴落でした。決算は予想を上回ったのですが、ユーザー数の伸びに不安がある、ということで大きく売られました。そして今日(2)、続落にはならず、ラモニカさんの言うように5%を超える上昇です。正に、デッド・バード・バンスといった様相です。





この日足チャートだけから判断した場合ですが、現時点ではツイッター株を積極的に買うことはできません。もし買うならレジスタンスの56ドル(1)を突破してから、もし空売るなら50ドルのサポート(2)を割ってからになります。



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ボリンジャーバンドとケルトナー・チャネルを使ったスクイーズ・プレイ

02月07日



上はChartMillのツイートですが、ジョン・カーターのスクイーズ銘柄として、ADEP、HIMX、そしてCYTRの三つがあげられています。スクイーズという言葉を聞いて、ボリンジャーバンドのスクイーズを思い出した人たちもいると思いますが、実はジョン・カーターのスクイーズもボリンジャーバンドのスクイーズに関係があります。

下は、アップル株の日足チャートにボリンジャーバンドを入れたものです。





真ん中の青い線は20日移動平均線になり、上限と下限バンドは移動平均線から±2シグマ離れたところに引かれています。赤い矢印の部分が、ボリンジャーバンドのスクイーズが起きている場所です。要するに、バンド幅が狭くなることがスクイーズであり、スクイーズの後には大きな値動きとなる傾向があります。

ジョン・カーターのスクイーズは、上のチャートにケルトナー・チャネルを重ねます。





赤い線がケルトナー・チャネルになり、パラメーターは20期間、そしてATR(アベレージトゥルーレンジ)は1.5です。

円内、Aの部分がジョン・カーターのスクイーズです。そこではボリンジャーバンドのスクイーズが起きているだけではなく、ボリンジャーバンドがケルトナー・チャネルの中へ完全に入っています。チャートを見比べていただくと分かりますが、A以外の部分は単なるボリンジャーバンドのスクイーズであり、ジョン・カーターのスクイーズは起きていません。

繰り返しになりますが、チャートを見て分かるように、ボリンジャーバンドのスクイーズの後には大きな値動きとなる傾向があります。ジョン・カーターのスクイーズはケルトナー・チャネルを併用することで、よりいっそう強力なスクイーズ・プレイを見つけることができます。



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大幅上昇の米国株式市場、いよいよ上げ相場が始まった!?

02月04日
【ニューヨーク時事】週明け3日午後のニューヨーク株式相場は、世界経済全体の先行きに対する不透明感から下げ幅を拡大し、優良株で構成するダウ工業株30種平均は一時、前週末終値比310ドルを超える下落となった。


まだ終了まで45分ほどありますが、下がダウ工業株30種平均の日足チャートです。





見てのとおり、上下をひっくり返しただけでなく、陰線と陽線も逆にしてあります。


ダウ工業株30種平均は大陽線(1)を形成し、長期トレンドの把握に広く利用されている200日移動平均線を突破した。短期トレンドを示す20日移動平均線(2)、そして中期トレンドを示す50日移動平均線(3)は既に上向きとなり、最近のマーケットの強さが顕著になっている。短期間での大幅上昇だっただけに、マーケットは12月の安値付近(4)まで下げる可能性があるが、それは良い押し目買いの機会になるだろう。買い手たちの目先の目標は、10月の高値(5)だ。


ふざけている、馬鹿にしている、と思われるかもしれませんが、私は時々このようにチャートをひっくり返して見ています。最近の様子を見て言えることは、チャートは右上がりになり始め、買い手が明らかに優勢です。

もちろん、長期トレンド(200日移動平均線)は下げ方向ですから、ダウ工業株30種平均がまた下げに転じる可能性は十分にあります。しかし、上昇している20日と50日移動平均線がサポートになる可能性が高いですから、12月の安値まで一気に下げることはないと思います。

ということで、ひっくり返したチャートが買い手優勢ですから、現状は売り手が有利なマーケット展開になっています。短期的にトレードをする人たちは別ですが、現時点では無理な買いはしないで、しばらく様子を見ることが大切と思います。



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米国住宅市場: ローンは不要です、現金で買います

02月01日
「米国における先週の住宅ローンの申し込み数は、ほぼ史上最低の数値だった。しかし、先月12月に住宅を購入した人たちの42%は、ローンを使わず全て現金の一括払いだった。この42%は史上最高だ。」 -- ライアン・デトリック氏(シェイファーズ・インベストメント・リサーチ)


42%ということは、ほぼ半分の人たちが、現金で家を買ったことになる。12月に販売された住宅の中間価格は16万8391ドルということだから、円に換算すると約1720万円だ。金持ちなら1720万円など大した額ではないが、我々庶民には簡単に出せる金額ではない。

現金による購入が50%を超えていたのは次の5州だ。

フロリダ: 62.5%

ウィスコンシン: 59.8%

アラバマ: 55.7%

サウス・カロライナ: 51.3%

ジョージア: 51.3%





上のグラフには、現金で購入された住宅の比率が示されている。先月12月は42%の史上最高の数値となった訳だが、見てのとおり、現金での購入がいきなり増えたのは去年の夏頃からだ。


現金による住宅購入が増えている理由はいくつかある。先ず指摘したいのは、去年の夏に大きく上昇した住宅ローン金利だ。上昇したと言っても、歴史的に見れば現在の金利はまだ低いが、金を借りることが割高になったことは確かだ。





融資基準が高くなっていることも現金購入者が増えている原因だ。銀行の審査が厳しくなり、以前のように簡単に金を借りることができない。

更に、賃貸利益を目的に、機関投資家たちが住宅を積極的に現金で買っている。12月に現金で住宅を購入した人たちの20%が機関投資家だった。ローンを利用した購入も含めて、全住宅販売数で見た場合は、機関投資家が占める割合は約8%になる。



ダレン・ブロムクイスト氏(RealtyTrac)は、こう述べている。「現金による一括払いの購入者が大きく増えているのは問題です。なぜなら、住宅市場の運命は、一部の裕福な人たちにコントロールされているからです。」 クリス・マーテンソン氏(PeakProsperity.com)は、こんな例を紹介している。


ユタ州のソルトレイクシティで講演した時のことだ。会場に来ていた不動産業者が、こんな話をしてくれた。「最近変わったことが起きているのです。資金を豊富に持つ州外からのプライベート・エクイティ・ファンド会社が、現金で次々と住宅を買っているのです。彼らは選り好みすることなく、価格を値切ることなく、表示されている値段でどんどん買っていくのです。ファンド会社と競争はできませんから、一般の人々が、なかなか住宅を買えなくなっています。」


ということで、ソルトレイクシティの住宅価格は上昇し、それと同じ現象が全米各地で起きている。問題なのは、最近の住宅価格の値上がりは、金融機関の資金によって歪められている、とマーテンソン氏は言う。


住宅価格の上昇は米国経済の回復を示している、と報道されている。金融危機で特に大きな被害を受けた地域、たとえばフィニックスの住宅価格は+22.5%、サンフランシスコは+22.2%、ラスベガス+20.6%、アトランタ+19.1%、デトロイト+18.5%、そしてロサンゼルスは+16.6%と大きく上がっている。しかし事実は、それらの市で積極的に現金で住宅を買っていたのは大量な資金を保有するファンド会社だ。量的緩和のお陰で有り余るほどの資金を得た彼らは、一般の人々を住宅市場から締め出しているのだ。


(参照した記事:An Astonishing Share Of Homebuyers Are Paying All Cash

All-Cash Home Sales Hit Record 42% of Sales

Housing Prices Are Being Dangerously Distorted by Big Institutional Money)



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