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「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」
政治、経済、海外情勢などは考慮しないで、単にチャートだけで米国株式市場の様子を見てみたいと思います。下は、S&P500指数(大型株指数)の日足チャートです。 今年の動きが示されていますが、先ず明らかに言えることは、トレンドは上昇基調です。言い換えると、S&P500指数がアップトレンドラインより上で推移している限り、買いが基本的な姿勢です。 下に入れた指標はストキャスティクスです。20以下は売られ過ぎ(買いシグナル)、80以上の数値は買われ過ぎ(売りシグナル)を示します。現在のようにアップトレンドの場合は、原則的に売りシグナルは無視です。チャートを見ると分かりますが、ストキャスティクスが80を超えた、という理由だけで空売ると痛い目にあいます。「80を上回る数字はマーケットが強い証拠だから買いだ」、と判断する人たちもいます。 アップトレンドで注目したいのは、買いシグナルとなる20以下の数値です。円で囲いましたが、現在の数値は17.30(A)です。マーケットは売られ過ぎであり、買いのチャンスが訪れていることが表示されています。もちろん、米株は割高だ、マーケットは天井の形成中だ、といった声が聞こえてきますから、ここでの買いに疑問を感じる人も多いことでしょう。 ここでの買いは正しい、この位置での買いは間違っている、ということは最終的にマーケットが教えてくれます。思惑どおりに上昇なら、直近の高値に達したところで一部利食いです。もし見方が外れ、S&P500指数がアップトレンドラインを割ったら損切りです。 次に、小型株指数ラッセル2000に連動するETFの日足チャートを見てみましょう。 今年全体的に見てみると、A、Bの平行に走る線で分かるように、小型株指数はレンジ内での動きが続いています。Bの下限まで下がってくれると買いやすいのですが、現在ラッセル2000は8月の安値をテスト中です(C)。更に、ストキャスティクスは売られ過ぎですから、この辺で反発ラリーが起きる可能性があります。しかし、Bの下辺を割った場合は大きな売りシグナルになります。下が週足チャートです。 正に、小型株指数は天井の形成中といった様相です。もしBの下限を割った場合は、D付近まで大きく下げる可能性があります。 まだS&P500指数の週足チャートを見ていませんでした。 強いアップトレンドですが、注意したいのはトレンドライン(1)と8月の安値(2)です。先ず、トレンドラインを割ることで上昇の勢いの衰えが確認され、更に8月の安値を割ることでダウントレンド入りの可能性が濃くなります。
「強気論者数は相変わらず平均以上」、というのがAAIIが行った今週の意見調査結果です。 質問: 6ヶ月後の米国株式市場は現在よりも高くなっていると思いますか(強気)、安くなっていると思いますか(弱気)、それともほとんど変化は無いでしょうか(中立)? 回答: 強気: 41.8% (先週 42.2% 歴史的平均値 39.0%) 弱気: 28.2% (先週 23.0% 歴史的平均値 30.5%) 中立: 29.9% (先週 34.8% 歴史的平均値 30.5%) 下は、強気センチメントの推移です。 今週の数値は先週の数値をやや下回ったが、強気センチメントが歴史的平均を上回るのは、これで8週間連続となり、これは1月以来最長の連続だ。来週の調査結果が楽しみだ。今日のマーケットは大きめな下げだが、現在のブルマーケットで言えることは、個人投資家たちはやや大きな下げがあると直ぐに弱気になる傾向がある。-- (Bespoke Investment) 6ヶ月後のマーケットは高くなっていると思う、と答えた人たちの理由は下記です。 ・ 上昇の勢いが相変わらず見られるS&P500指数 ・ 企業利益の伸び ・ 回復/成長が続く米国経済 ・ 予定どおり進む量的緩和の縮小 下は、弱気論者の理由です。 ・ 株は割高 ・ 高値更新に失敗したS&P500指数 ・ 中東とウクライナ情勢 ・ 遅すぎる経済の回復速度 ・ 不適切な政策 今週の特別質問は米国の労働市場に関してです。AAIIのメンバーは、こう答えています。 ・ 雇用状況は良くなっていると思う 5% ・ 雇用状況は改善されているが、改善ペースはあまりにゆっくりとしている 24% ・ 雇用状況は相変わらず弱い 24% 「雇用の改善は続くと思う。しかし、創出されている職は給料が低いものばかりだ」、「高い学歴や経験を必要としない職ばかりが増えている」、「職を得られないのは必要な教育や資格が無いからだ」、といったことをAAIIのメンバーは指摘しています。 (情報源:Bullish Sentiment Declines, But Still Above Average AAII Sentiment Survey: Steady Optimism Remains Above Average)
アルバート・エドワーズ(ソシエテ・ジェネラル): 投資家にとって、これが一番重要なチャートだ。 いったい何のチャートでしょうか?正解は日本円です。月曜、顧客に向けたメモで、エドワーズ氏はこう書いています。 投資家たちは、肝心なときに日本を忘れている。もう何度も繰り返されてきたことだが、投資家たちは、日本が原因となった世界の主要市場のトレンド変化に気がついたことは一度も無い。 エドワーズ氏が心配しているのは、1997年に起きたアジア通貨危機/金融危機の再来です。 8月、中国の鉱工業生産は予想以下の伸びとなり、中国経済の弱体化が目立つようになった。同時に円は15年ぶりの安値に転落し、急速に進む円安は、中国経済を更に減速させることだろう。これは投資家にとって、おそらく最も重要なチャートだ。次段階の通貨戦争が既に始まった可能性がある。 ※アジア通貨危機: 1997年7月よりタイを中心に始まった、アジア各国の急激な通貨下落(減価)現象である。この通貨下落は米国のヘッジファンドを主とした機関投資家による通貨の空売りによって惹起され、東アジア、東南アジアの各国経済に大きな悪影響を及ぼした。狭義にはアジア各国通貨の暴落のみを指すが、広義にはこれによって起こった金融危機(アジア金融危機)を含む経済危機を指す。 -- (ウィキペディアから抜粋) 下がチャートです。 エドワーズ氏が指摘しているように、1で分かるように、円は対ドルで15年間続いていたアップトレンドラインを割っています。次の目標は120円付近、30年間継続しているアップトレンドライン(2)です。 エドワーズ氏は、円安は西側諸国の経済をリセッションに転落させる、と結論しています。 ただでさえ西側経済はひ弱であり、ここでの極端な円安は西側企業の利益を減退させ、西側諸国は最終的に景気後退となるだろう。 世界経済を弱らせているのは日本だ、とエドワーズ氏はヒステリックに叫んでいるようですが、こういう意見もあります。 7月以来ドルは5%の上昇だ。これは米国のファンダメンタルズが大きく好転したからではなく、単にアジア、ヨーロッパの経済が一層の低迷となったからだ。要するに、ドルが強くなったのは、ダメな国々の中で現在一番強いのは米国だからだ。ドル高は長続きしないと思う。考えてほしいのは、世界の株式市場で現在最もバブル状態なのは米国株式市場だ。もし空気が抜け始めたら、米株だけでなくドルも惨憺たる状態になることだろう。 -- マイケル・ロンバーディ(Profit Confidential) (参照した記事:ALBERT EDWARDS: This Is The Most Important Chart For Investors アジア通貨危機 Should You Buy Into the U.S. Dollar Rally?)
何と言っても、今日一番の話題はアリババです。 アリババ:公募価格68ドル 史上最大規模、NY上場へ(毎日新聞) アリババ株、初値は92.70ドル 時価総額25兆円 (日本経済新聞) アリババの取り引きが始まったのは、ニューヨーク時間の午前11時50分頃でした。株価がなかなか決まらず、気配だけが80ドル、83ドル、90ドルとどんどん上がり、結局初値は公募価格を36%も上回る92ドル70セントとなりました。マーケット終了まで、あと40分ほどありますが、下はアリババの1分足チャートです。 取り引き開始約10分後、株価は99ドル70セントに達し、100ドル達成は間違いない、と誰もが確信していました。しかし、見てのとおり結局そこがピークとなり株価は急落です。次に、3分足チャートを見てみましょう。 レンジが形成されています。上限(1)は93ドル50セント、そしてサポートになっている下限(2)は90ドルです。 公募価格で買うことができたラッキーな人は別として、現在の90ドル台でアリババを買う価値はあるのでしょうか?ジェイソン・ツバイク氏は、数日前のコラム(ウォール・ストリート・ジャーナル)で、こう書いています。 70ドル以下なら買っても良い。しかし、パッと飛び乗って手っ取り早く儲けようと思っているなら、ガッカリな結果になることだろう。アリババのIPOを特別視する必要は無い。証券取引所には、多くの同業種銘柄が既に上場されており、アリババは単にそこへ仲間入りするだけだ。 モーニングスター社のアナリストは、アリババの適正株価は90ドルだ、と述べています。更に、キャンター・フィッツジェラルドのアナリスト、ユセフ・スクアリ氏は、向こう12ヶ月の目標株価を90ドルに設定していますから、現在の株価で買うことに躊躇してしまいます。 チャック・ジャフ氏(マーケット・ウォッチ)は、こう述べています。 投資家たちはアリババの魅力に心を奪われ、IPOの意味を忘れてしまった。IPOの3文字は、It's Probably Overpriced.(それは、おそらく割高だ)から取ったものだ。 割安株の投資で知られるアスワス・ダモダラン氏(ニューヨーク大学)は、こんな注意点を挙げています。 株を買うことは会社の一部を買うことであり、保有する株数に関係なく株主には投票権がある。しかし、アリババ株はそのような株ではない。株主には投票権は無いから、会社の役員や責任者は、ごく一部の内部関係者によって決定される。要するに、どんなに多くの株を保有していても、投資家には何の権限も無いのだ。短期トレードをするなら話は別だが、私はこのような会社への長期投資はできない。 アリババを買わないならヤフーを買え、という意見も出ていました。理由は、アリババの22.5%はヤフーが所有しているからです。さて、今日のヤフー株はどうなったでしょうか?下が日足チャートです。 1が今日のローソク足です。見てのとおり陰線が形成され、2.73%の下げで終了となり、期待されていた月曜の高値(2)を突破することはできませんでした。下は週足です。 後味の悪い陰線が形成され、先週突破したばかりのレジスタンスラインの下へ逆戻りですから、更なる売りが出そうです。 IPOはウォール街のお祭りです。繰り返しになりますが、ジャフ氏の言うIPOの意味を忘れずに頭の中へ入れておきたいと思います。 It's Probably Overpriced.(それは、おそらく割高だ) (参照した記事:How High Will Alibaba Pop? Fair Value Could Be $100 Per Share If You Buy Alibaba, Be Ready for a Rough Ride Don’t buy Alibaba stock: ‘Dean of Valuation’ Alibaba IPO bulls are missing some red flags)
当たり前なことを言うな、と怒る人もいるかもしれませんが、トレンドがハッキリしている時にトレードに役立つのは移動平均線です。下は、FOMC(連邦公開市場委員会)終了直前直後のドル円の動きです。(5分足) 横ばいゾーンを決定的にブレイクする長い陽線(1)がFOMC終了直後に形成されました。この巨大な陽線が形成された直後、移動平均線(パラメーターは20)は水平から上向きになり、アップトレンドの再開です。 注目は押し目買いのタイミングとなった2の部分です。ローソク足は移動平均線に接触後、きれいに跳ね返されています。更に、2の陽線をよく見てみると、これは直前の陰線よりも短い「はらみ線」ですから、下げ止まりの可能性が示唆されていました。もちろん、20移動平均線まで下げずに反発してしまうこともありますが、押し目買いのタイミングを計る良い指標になります。 トレーダーたちに人気のオシレーター、ストキャスティクスを入れました。2が買いシグナルとなった陽線です。その時点では(A)、ストキャスティクスは買いシグナルとなる売られ過ぎゾーンまで下げていません。もしストキャスティクスのクロスで買ったとすると、買い出動となったのは3の長い陽線です。 上の移動平均線は単純移動平均線ですが、S&P500指数の場合は、指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average)を使うトレーダーが多いです。下は、S&P500指数の5分足チャートに、指数平滑移動平均線(パラメーター:20)とストキャスティクスを入れたものです。 FOMC終了直後、長い陰線(1)が形成されました。2が押し目買いのタイミングです。上昇する平滑移動平均線に跳ね返され、強気な陽線が形成されています。この陽線が形成されている時、ストキャスティクスは買われ過ぎゾーン(3)で推移していますから、ストキャスティクスに頼ったトレーダーは2で買うことはできません。
『悩めるトレーダーのためのメンタルコーチ術』、『トレーダーの精神分析』などの著書で知られるブレット・スティンバーガー氏は、土曜のブログでこんなことを書いています。 「トレードのプランに従うことができない」、というメールを受け取ることがある。私が担当したトレーダーたちを振り返ってみると、計画に忠実に従ったトレードができない主な理由は3つある。 1、トレードのプランに従う価値が無い。マーケットの環境や状況が変化し、今までのやり方ではうまくいかなくなることがある。言い換えると、状況の変化を目の当たりにしたトレーダーは、自分のたてたトレード・プランに従っても良い結果が出ないことを事前に直感的に知っている。トレード・プランには優位性が必要だ。 2、頭では分かっていても感情に邪魔されてしまう。トレードの計画を立て、それを紙に書き記すことは知的な作業だ。しかし、実際にトレードに臨みプランに従うためには感情的な準備も必要だ。たとえば損切りを考えてみよう。あらかじめ設定したレベルに達したら速やかに損切ればよいのだが、私たちにはメンタル面での準備が無いから、結果的に適切に行動することができなくなってしまう。感情の準備をする一方法として、状況を頭の中で視覚化するイメージ・トレーニングは効果的だ。 3、あなたが実際におかれているトレード環境も重要だ。雑音、騒音はないだろうか?使っているコンピューターはトレードに適したものだろうか?もう一つ指摘したいのは、あなた自身の姿勢だ。一日中モニターの前に釘付けになっていないだろうか?マーケットを常に監視していたい気持ちは分かるが、絶えず値動きを追っていたのでは、あなたのマーケットの見方が極めて近視的になってしまい肝心なトレード・プランを忘れてしまう。 babypips.comという為替トレーダーが集まるサイトは、こんな質問を読者にしています。 あなたがトレード・プランを破ってしまう理由は何ですか? 最も多い回答は「パニック」です。約51%の人たちは、「思惑が外れたり、予想外なことが起きるとパニックしてしまう。そのため、つい感情的な行動をとってしまう。」 スティンバーガー氏の挙げている第2番めの理由です。ということで、イメージ・トレーニングを試してみるのは悪いアイデアではなさそうです。 (参照した記事:Three Top Reasons Why Traders Fail to Trade Their Plans Why Can’t You Just Stick to the Plan?)
アメリカ同時多発テロ事件が起きたのは13年前の9月11日でした。多くの人たちと同様に、私はハイジャックされた航空機の激突で炎上する世界貿易センタービルの様子をテレビで見ていました。報道していたのはピーター・ジェニングスです。ビルが崩れ始めたとき、ジェニングスは沈黙してしまいました。胸を詰まらせてしまったのです。あの報道は忘れることができません。 下のチャートには、「テロリズムは米国にとって最も重大な問題だ」、という回答数の推移が示されています。 多発テロ事件が起きた2001年、テロリズムは重大な問題だと答えた人は46%、そして現在の数値は4%です。4%というのは低いレベルですが、2009年以来1%が続いていましたから、テロに対する関心度が4倍に増えた、と言い換えることもできます。関心度の上昇となった原因として、ギャラップ社はイスラム教スンニ派の過激派組織による米国人ジャーナリストの殺害を挙げています。 下は、ギャラップ社が今月4日から7日にかけて行った意見調査結果です。 質問: アメリカが今日直面する最大の問題は何ですか? 回答: ・ 米政府への不満 18% ・ 米国経済 17% ・ 移民/不法滞在者 12% ・ 失業/雇用問題 12% ・ 外交政策 6% ・ 連邦政府の負債 6% ・ ヘルスケア/医療 5% ・ 道徳、倫理の低下 5% ・ テロリズム 4% ・ 貧困/飢え/ホームレス 3% ・ 教育 3% ・ 貧富の格差 3% ・ 戦争 3% ・ イラク情勢 3% ・ 司法制度 3% ・ 人種差別 3% 一番回答数の多い「米政府への不満」というのは「政治家に対する不満」と置き換えることができます。下のチャートを見てください。 議会の支持率です。中間選挙まであと2ヶ月、議会を支持するという回答はたったの14%ですから、国民は議員に対する不満で溢れています。現在、米国が抱える最大の問題は赤字ではなく議員です。 (情報源: Since 9/11, Fewer Americans Say Terrorism Top Problem Congress Approval Sits at 14% Two Months Before Elections)
今朝目についた二つの見出しです。 ウォール街の最大のベアがブルに転身 走り続けるブル。上げ相場が始まってから2000日が経過です。 ブルマーケットが始まった日に生まれた子どもたちは、今日、幼稚園に入園している。(CNN) 上げ相場が誕生してから2000日も経った今日、強気になったベアというのは誰でしょうか?正解は、ウォール街で最も弱気として知られるドイツ銀行のストラテジスト、デービッド・ビアンコ氏です。ビジネス・インサイダーは、こう書いています。 ビアンコ氏は、S&P500指数の年末目標値を大きく修正した。 2014年: 1850から2050に上方修正 2015年: 2000から2150に上方修正 2016年: 2300 ストラテジストたちの今年の年末目標の中央値は2000だから、ビアンコ氏は明らかにブルに転身だ。 「米国経済のおだやかな成長は今後も続き、アメリカが近い将来に景気後退に落ち込む可能性はない」、というのがビアンコ氏が強気になった理由です。 読者たちは、こんなコメントを書き込んでいます。 ・ 過去5年間、ビアンコ氏の見方は間違っていた。そして今日強気になった氏の意見を聞く価値はあるのだろうか?(AALAN2) ・ 同感だ。今になって、やっと強気になったビアンコ氏の意見に価値は無い。(Anarchus) ・ この記事を読んで、私は更に弱気になった。(grenadetrade) ビジネス・インサイダーは、J.C.オハラ氏(FBN証券)の言葉を引用しています。 株式市場の歴史を振り返って言えることは、多数の強気論者が存在することより、弱気論者が消えてしまうことの方がマーケットにとって危険だ。 ビアンコ氏が弱気から強気に転換したことで、ウォール街にはベアがほとんどいない状態になってしまいました。モルガン・スタンレー、それにRBCキャピタルのアナリストは、「米国の上げ相場はまだ初期段階だ」、と公言しています。正に、ウォール街は強気一色といった様相なのですが、一つ気になることがあります。 株のチャンネルと言えばCNBCですが、先週の報道によると、CNBCの視聴率は21年ぶりの最低値に転落しました。ブルマーケット2000日、という好調な状況にもかかわらず、人々は株番組に興味が無いのです。ブルームバーク・テレビの視聴率は公表されていませんが、業界関係者たちの話によるとCNBCの視聴率を下回っています。 強い相場では人々は株に夢中になり、当然の結果として株番組の人気も上昇します。しかし、現在のブルマーケットに熱狂しているのはウォール街だけであり、大衆はさほど興奮していないといった様相です。大衆が陶酔することなくマーケットは天井を形成するのでしょうか?好調な株式市場ですが、2000年のときのような熱狂的な雰囲気は全くありません。 (情報源:Stocks: Bull market alive for 2,000 days Wall Street's Biggest Bear Just Flipped To Bullish CNBC Viewership Plunges To 21 Year Lows)
雇用統計が予想を大幅に下回ったことを報道する見出しです。 8月の米国非農業部門雇用者数は14万2000人増にとどまり、予想されていた23万人増には程遠い結果でした。 上のグラフで分かるように。+14万2000人というのは、今年に入ってから最低の伸びになります。ガッカリな結果だった、という声が聞こえてきますが、こういう見方もあります。 今回の統計を額面通りに受け取る必要はない。先月、そして2ヶ月前のデータを調べて言えることは米国の雇用状況は今朝発表された数字以上に成長している。例を挙げれば、新規失業保険申請者数、求人数、ISM雇用指数を考慮すると、実際の数値は今朝発表されたものより大きくなる。もう一つの問題は、発表された結果は8月分であったということだ。歴史的に見て言えることは、8月は労働省からの調査質問に回答する人たちが減る傾向がある。(マーケット・ウォッチ) 現に、イアン・シェパードソン氏(Pantheon Macroeconomics)は、「今回の統計結果は単なる一時的な雑音だ」、と述べています。株式市場も、今日の発表を気にしていません。あと1時間ほど取引時間を残し、ダウ平均は現在+0.24%です。 CNBCテレビは、視聴者が参加できる「#NailTheNumber」という非農業部門雇用者数の予想コンテストを毎月行っています。見事に予想が当たったロニー・スクワイアズ氏は、どう予想したのか、という質問にこう答えています。 私には、あちこち旅をする機会があります。どこへ行っても聞くことは、「なかなか仕事が見つからない」、という声です。私は毎日CNBCを見ていますが、放送されているような経済回復は起きているとは思えません。ウォール街の人たちは、本当に外へ出て調査をしているのでしょうか?私が数々の町や市に行って実際に人々と話をして言えることは、人々はウォール街の人たちのように楽観的ではありません。 シェパードソン氏が指摘するように、今回の結果は一時的な雑音かもしれませんが、米国の雇用状況は決して良い内容ではありません。たとえば、前回の62.9%から62.8%に下がった労働参加率です。62.8%というのは36年ぶりの低数値であり、言い換えると9226万9000人の人たちが労働力人口に参加していません。 今回は予想以下になってしまいましたが、上のグラフで分かるように、去年の8月以来、非農業部門雇用者数は毎月増加しています。爆発的な伸びではありませんが、これを見る限り、米国の雇用状況は好転しています。しかし、ゼロヘッジはこんなことを指摘しています。 ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、アメリカには現在5300万人のフリーランサーが存在する。これは米国の労働力人口の34%に匹敵する数字だ。フリーランサーと言えば聞こえが良いかもしれないが、要するにパートタイマーのことだ。 34%もの人々がパートタイマー、まことに驚くべき数字です。コストの削減に忙しい企業は正社員の採用を避け、臨時社員を増やしている状況ですから、パートタイマーの増加は今後も続くことでしょう。 (参照した記事:HUGE MISS ON THE JOBS REPORT Whoops! Jobs recovery lost steam in August Record 92,269,000 Not in Labor Force; Participation Rate Matches 36-Year Low "The People On Wall Street Aren't Seeing What's Really Going On In America" 53 Million Temps: All You Need To Know About The "Jobs Recovery")
Aha moment: 〔問題の答えが突然ひらめいたときなどの〕なるほど!と思う瞬間 have an aha moment: 目からうろこが落ちる思いがする トレードをしていると、突然ハッと気がついたり、目からうろこが落ちる思いをすることがあります。下は、為替サイトの掲示板に書き込まれていたトレーダーたちの「Aha moment」です。 ・ 長いタイム・フレーム(時間軸)のトレンドに逆らわないこと。 ・ 重要なのはポジション・サイズだ。(株の場合ならトレードする株数) ・ トレード方法より大切なのはポジション管理と危機管理。 ・ 複数の時間軸のチャートを利用すること。たとえば、日足、4時間足、1時間足のチャートを活用することで、どこにトレードチャンスが現れているかを見ることができる。 ・ トレードで生きのびるためには損を最小限におさえること。しかし、利益を最小限におさえてはいけない。 ・ 儲からないのはテクニカル分析、ファンダメンタル分析が間違っているからではない。問題なのは、自分が持つマーケットに関する大局観や偏見だ。 ・ MACD、移動平均線、ストキャスティクスなどの指標はトレードの邪魔になるだけだ。 ・ チャートには、やたらと指標を入れないこと。トレンドライン、サポートライン、そしてレジスタンスラインだけで十分だ。 ・ なぜ損ばかりするのだろう、と真剣に過去のトレードを振り返ってみた。分かったことは、儲けが出ているトレードはトレンドが明確な状況で行われていた。損が出たトレードは、マーケットに明確なトレンドが無い状況で行われていた。 ・ Aha momentには感激、興奮が伴うものだ。しかし、Aha momentは単なる思い違い、カン違いである場合もある。Aha momentが単なる早合点であったことは、損という形で直ぐに実証される。重要なことは、常に学び続ける姿勢だ。 私の場合は、Aha momentなどと言えるほど大したものではありませんが、失敗から色々と学びました。特に重要だと思うのは待つことです。自分の好きなパターンが現れるのを待てばよいのですが、トレードをしたいという気持ちに押されて、不満足なパターンでトレードをしてしまうことがあります。もちろん、こんなトレードで成功することはありません。 (情報源:AHA moments in your trading career)
月曜は祭日、米国は連休の週末です。この連休で夏休みが終わり、来週からいよいよ秋の相場が始まります。 上の表は、ライアン・デトリック氏のツイートからとったものです。1950年以来のS&P500指数の成績が月別に示されています。赤で囲った部分が9月になり、9月は年間で最も不調な月です。S&P500指数の9月の平均リターンはマイナス0.47%、そして9月がプラスで終了する可能性は45%です。 トレーダーや投資家は、株式市場から利益を上げるために、上のような統計だけでなく様々な指標を利用しています。株トレーダーのスティーブ・バーンズ氏は、こんなことを述べています。 当然のことながら、私たちは全ての指標、そして全てのトレード手法を使うことはできない。重要な事は実際に役立つものを選ぶことであり、ダメなものは切り捨てることだ。 更にバーンズ氏は、トレーダーが切り捨てるべき癖として、下記を指摘しています。 ・ 自分の見方が正しい、自分の予想が正しいなどといった偏見を捨てること。常に正しいのは、あなたではなくマーケットだ。 ・ チアリーダーになることをやめる。あなたが、どんなに応援しても株価は上がらない。言い換えると、チアリーダーになっているということは、あなたが感情的になっている証拠だ。 ・ 損を他人のせいにしない。マーケットメーカーのお陰で損をした、などといったことを言う人がいるが、損が出たのはあなたの責任だ。 ・ 損を出したことを、いつまでもクヨクヨしない。自分の手法に従いルールどおりに損切ったのなら、敗けたことに固執するのではなく、さっさと次のトレードに移ること。 ・ 予想していなかった方向に株が動いたらポジションを手仕舞うこと。逆行する株価は、あなたの見方が間違っていたことを明確に示している。 ・ これは絶対に行ける、と感じる時は危険だ。なぜなら、必要以上に大きな株数でトレードしてしまうからだ。 ・ 過去のトレードを必要以上に重要視しないこと。この銘柄で勝てたからといって、いつもこの銘柄でやったら勝てるという保証はない。 ・ トレードが全てではない。家族や友人はトレードより大切であり、あなたの人生=トレードではない。 ・ 損切りを遅らせてはいけない。株価は戻って来る、などといった希望的な考えは捨てること。 ・ 早すぎる利食いを避けること。2ポイント上がったら利食ってやろう、とあらかじめ目標を設定することは大きな利益を逃す原因になる。ポジションの手仕舞いにはトレーリングストップを利用しよう。 (情報源: デトリック氏のツイート Trading Tips: 10 Things A Trader Needs To Give Up)
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