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「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」
経済と株式市場の違い(ジョシュア・ブラウン氏のブログから) 男と犬が一緒に公園を散歩している。 お決まりのコースを毎日歩くのだが、たとえ鎖でつながれていても、犬は真っ直ぐに歩くことはない。近くにいる鳩、通り越す自転車を見るたびに犬は吠え、右へ左へと走り回る。 男は時々歩く速度を変えて散歩を続ける。犬は相変わらず忙しく動いているが、最終的にいつものように散歩は終わる。公園にいる人たちは、元気のよい犬に目を向けるが、この男を見る人は一人もいない。なぜなら、男の動きには面白さが全く無いからだ。皆さんには、どちらが経済で、どちらが株式市場であるかが既にお分かりだと思う。このたとえ話は、ファンダメンタルズと投資心理の違いを説明することにも適用できる。 商品市場は中国の次のカジノ(ValueWalkから) ここ数週間ほど前まで、商品の値段が、なぜ急激に上昇したのかは誰にも分からなかった。ご存知のように、商品の供給過剰が依然として続き、世界経済に大きな影響を与える米国と中国の経済状況に目立った回復は無い。しかしバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、この突然の商品市場の急騰は、一部の中国からの個人投資家が余剰資金を商品市場へ流入させたためだと言う。 株式市場の罠について(CNBCから) ベンジャミン・グレアムが言うように、株式市場の毎日の動きはファンダメンタルズを適切に表すものではない。マーケットの動きが示していることは投資家たちの心理状態だから、値動きに惑わされてはいけない。しかし、ほとんどのマーケットのプロたちは、株の値動きに必要以上に注意を払っている。おそらく無駄な努力だと思うが、ファンド・マネージャーたちはマーケットの動きを分析して、絶好のタイミングで株を売買しようとしている。これと反対なのはウォーレン・バフェットとハワード・マークスだ。彼らはマーケットや株の次の動きを予想するのではなく、企業の真の価値を見抜くことに努力している。 格下げされたエクソンモービル(マーケット・ウォッチから) S&P社は、クレジットの悪化を理由に、巨大石油会社エクソンモービルの格付けをAAAからAA+に引き下げた。この結果、S&P500指数に属する企業で、AAAの最高格付けを持つのはマイクロソフトとジョンソン&ジョンソンの2社のみとなった。
ウォール街には、5月に株を売ってマーケットを離れることを勧める、「Sell in May, and Go Away」という格言があります。さて、この言葉は真実でしょうか?ストリート・ドット・コムには、こんなデータが掲載されています。 1950年から2015年までの、各月のS&P500指数の平均上昇率: 11月から4月: +1.42% 5月から10月: +0.52% あきらかに、11月から4月の6カ月間の方が勝っていまが、5月から10月もプラスです。ロバート・ジョンソン氏(アメリカン・カレッジ・オブ・ファイナンシャル・サービシズ)は、こう語っています。 5月にマーケットから離れることを決めた場合、株を売って得た現金は、どこへ移したら良いだろうか?銀行の預金口座の金利がほぼ0%であることを考えると、月平均+0.52%の株式市場の方が魅力的だ。 もちろん、+0.52%は統計的な話であり、株式市場の大幅下落が起きるような事態となれば資金は大きく減ってしまいます。言い換えると、たとえ格言に従って投資をしても、運が悪ければ損が出ます。「運、不運という言葉を株投資で使うべきではない。損を出す原因は不運ではなく、投資技術が未熟だからだ」、という意見もあります。しかし、著名アナリストの一声で、あなたの持ち株が一夜で半減してしまうなどといったことが起きるのも事実ですから、株には運、不運がつきものです。 「好タイミングで株を売買することで運に恵まれた投資ができる」、という考え方がある。しかし、多くの投資家たちを長年見て言えることは、成功している人たちはタイミングよりも資金の分散やリスク管理を重要視している。売買タイミングを重要視しているのは、投資があまり上手くいっていない人たちだ。 -- ポール・メリマン(Merriman, LLC) もし売買タイミングが最も重要な要素なら、優秀な人材を揃えているヘッジファンドが常に素晴らしい成績を上げる筈ですが、現実はそうではありません。 ヘッジファンドの成績は、S&P500指数の上昇率を超えることができないだけでなく、他の株指数にも負けている。(ブルームバーグ) Sell in May, and Go Awayの大きな問題は、具体的なことが全く指摘されていません。売ると言っても、どの株を売るのが正しいのでしょうか?最近好調な金鉱株や石油関連株を既に持っている人たちは、5月になったら、それらを全て売却するべきでしょうか? 上記したメリマン氏は、「重要なのは資金の分散とリスク管理だ」、と述べています。もし、あなたが5月に株を売ることを勧める格言が気になるのなら、こんな方法でリスクを管理することができます。 1、資金の避難場所として選ばれる傾向がある株、たとえば食品や公益株、またはヘルスケア株に資金の一部を割り当てる。 2、マーケットの下げに備えて、資金の一部をベアETFに投資する。 3、マーケットが不安定な状態ではボラティリティの低い株に資金が流れる傾向があるから、PowerShares S&P 500 Low Volatility Fund(SPLV)のようなETFに資金の一部を回す。 もちろん、上記3項目は5月から10月だけに言えることではなく、他の6カ月にも適用できることです。 (情報源:Is the Old Saying 'Sell in May, and Go Away' Really True? Don’t discount the impact of luck on your portfolio Don't "Sell in May and Go Away": Follow 3 ETF Strategies)
スティーブ・バーンズ氏が、株をトレードしている人たちにこんな質問をしました。 大きな損を出した原因は何ですか? 下記が回答です。 ・ どこで手仕舞うかの具体的な計画が無かった。 ・ 絶対に利益を上げることができる、と自信過剰になっていた。マーケットをなめていた。 ・ 頻繁にトレードをしすぎた。 ・ ニュースレターや専門家の意見に頼りすぎていた。 ・ トレードする株数が多すぎた。 ・ 信用取引を最大限に利用してしまった。 ・ 思惑が外れた時の対策が無かった。 ・ マーケットのトレンドが変わったことに気がつかなかった。 ・ 適切に資金を管理することができなかった。 ・ 予定どおりの損切りをすることができなかった。 ・ この下げは一時的なものだ。株価はそろそろ反転する、という考え方に縛られてしまった。 ・ 株価は上昇するだろう、という希望的観測だけでトレードしていた。 ・ 株価が下がるたびに買い足してしまった。 ・ マーケットの先を読むことに執着してしまった。 ・ 出来高が極めて少ない株をトレードしてしまった。 ・ トレンドに逆らったトレードをしてしまった。 ・ その時の気分で買う株数を決めていた。 (情報源:35 Top Destroyers of Trading Capital)
最近目につくのは、世界経済のバロメーターとして知られる、バルチック海運指数の大幅回復を伝える報道です。下は一例です。 バルチック海運指数が5カ月半ぶり高値 ケープサイズ回復 資源を運ぶばら積み船の海運市況が回復している。ばら積み船の総合的な市況を示すバルチック海運指数は18日、659(1985年=1000)となり、過去最低をつけた2月中旬から2.3倍に上昇。約5カ月半ぶりの高値となった。ばら積み船の利用が多い中国では鋼材価格の持ち直しで鋼材メーカーが生産を回復、鉄鋼原料の鉄鉱石や原料炭の調達を進めている。(日本経済新聞) そして下が、バルチック海運指数の最近6カ月間の動きです。 世界経済は恐慌に陥る、といった悲観論が大きく広がっていましたが、上のチャートからはそのような結論を引き出すことはできません。しかし、「最近の回復は、困り果てた業者が有り余る商品を一斉に処分しようとしているだけだから、この回復は長続きすることはない」、という見方もあります。 バルチック海運指数の大幅上昇を反映して、海運株指数も、ここ3カ月で30%を超える上昇となっています。 下降する200日移動平均線で分かるように、長期トレンドの下げ基調に変化はまだありませんが、上昇するチャネルで分かるように、短期トレンドは明確なアップトレンドに変わっています。目先的には、ストキャスティクス(A)の現在の数値は、買われ過ぎを示す93.67ですから、そろそろ利食いの売りや空売りに注意です。もちろん、現在の指数は中途半端な位置にありますから(B)、実際の売りは指数がチャネルの上辺に達するまで起きない可能性もあります。 次に、海運株指数の月足チャートを見てみましょう。 Aで分かるように、指数は下降する長期トレンドラインに迫っています。興味深いのはRSI(相対力指数)です(B)。こちらの方は一足先に下降するトレンドラインを突破して、長期トレンドがアップトレンドに変わる可能性が示唆されています。 (参照した記事: バルチック海運指数が5カ月半ぶり高値 ケープサイズ回復 About That "Surge" In The Baltic Dry Index)
米国株式市場に本格的なベアマーケットが訪れる、という見方が広がっていましたが、ダウ平均はそれを無視して18000に復帰してしまいました。下が日足チャートです。 特に最近2カ月間は好調な展開となり、約15%の上昇です。こんな状況ですが、ベアたちはまだ諦めていません。 ダイバージェンスが起きています。ダウ平均は上昇していますがMACDは下降が始まり、ダウ平均の上昇には以前のような勢いがありません。このダイバージェンスを見て既に空売っている人もいると思いますが、多くの人たちは、宵の明星などの弱気なパターンが出現するのを待っていることでしょう。 上のチャートには、ニューヨークに上場されている銘柄の何パーセントが40日移動平均線より上にあるかが示されています。80を超える数字はマーケットが過熱状態であることを表し、現在の数値は83.55ですから、ここで積極的に買うことは勧められません。 季節的な要因にも注意です。 上のチャートには、ダウ平均の過去20年間の季節性が示されています。円で囲いましたが、ダウ平均は5月の中頃、または6月の初旬が天井となり、10月の中旬まで低迷する傾向があります。Sell in May and go away(5月に株を売って相場を離れなさい)という格言どおり、米国株式市場は、パッとしない低迷の期間にそろそろ入ります。
最近好調な動きとなり、新興国の株が話題になっています。下は、新興国市場の株に投資しているETF、iShares MSCI Emerging Markets(EEM)の日足チャートです。 1月20日に底打ちとなり、コモディティ市場の回復、そしてドルの下落が主な買い材料となって、この3カ月間で22%の上昇です。(同期間のS&P500指数は+12%) ・新興国市場のダウントレンドに変化は無い。この上昇は一時的なものだ。世界経済の成長は鈍化している。コモディティの生産、たとえば有り余る原油を考えると、新興国市場の株の上昇が長期化することは不可能だ。 -- スザンヌ・ハッチンズ(ドライファス/ニュートン・グローバル・リアル・リターン・ファンド) ・新興国市場の株は底を現在形成中だ。しかし、ここで買うことは勧められない。今年中に米連銀が金利を再度引き上げることが予想され、金利の引き上げはドル高に結び付く。一般的に言えることは、ドル高は新興市場の株に悪影響だ。 -- ジェフリー・クライントップ(チャールズ・シュワブ) 両者の意見を支持するように、日足チャートからも警報が出ています。 先ず、約2ドル上にはレジスタンスライン(A)が控えています。既に買っている人たちは、このレジスタンスライン付近が利食いの目標になり、そこでは空売りを試す人も大幅に増えることでしょう。更に、ストキャスティクス(B)も買われ過ぎを示していますから、ここでの積極的な買いは勧められません。もし買うのであれば、私ならストキャスティクスが売られ過ぎレベル(C)に再度下がるのを待ちます。または、ETF価格がチャネルの下辺付近(D)まで下げたところで買いを考慮します。 (参照した記事:Beware the dollar before chasing emerging-market stock rally)
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