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鎌田傳


「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」

鎌田傳の「South Bayトレーダー」 日記

アメリカは既に恐慌???

09月30日

USA TODAYが週末に行った意見調査の結果:

・米国経済は既に不景気だ 36%
・米国経済は既に恐慌だ 33%
・米国経済の成長速度が鈍っている 27%


驚くことは、現実離れした「恐慌」という言葉を使って現在の米国経済状態を表現する人たちが33%もいることだ。(調査は1011人の成人が対象になった。)

アーウィン・ケルナー氏(経済学者)は、こう語っている。



最近の報道で顕著なことは、「恐慌」という言葉が繰り返し使われていることだ。現在の米国経済に、「恐慌」という言葉は全くあてはまらない。もちろん、現状を楽観視しているわけではないが、30年代と現在を比べてみよう。

・1929年の暴落では、ダウ指数は2カ月間で40%の下落となった。現在、ダウは22%の下げ。

・1933年、失業率は25%の高レベルに達した。現在の失業率は6%を少し超えた程度。

・30年代の恐慌では、GDPが25%もマイナスになった。現在のGDPは+3%。

・恐慌時代、住宅価格は30%を超える下げになった。現在、住宅の下げは約16%。

・現在、消費者物価指数は、まだ上昇が続いているが、恐慌時代、消費者物価指数は30%ほど下落した。

・1934年、約40%の人たちが、住宅ローンの支払いが不可能になった。現在この数値は4%。

・30年代、9000を超える銀行が破綻した。最近2年間で破綻した銀行数は20未満。


それでは、USA TODAYの意見調査結果を、もう一つ見てみよう。

・大きな買い物を中止した 15%
・大きな買い物を延期しようと思っている 14%

現在、iPhoneでお馴染みのアップル株が10%を超える大幅下落になっているが、実は上記の理由で格下げされている。格下げを発表した本人、マイク・アブラムスキー氏(RBCキャピタル)によると、アップル社のコンピュータを向こう90日以内に買う予定は無いと回答した人の数が、2.5年ぶりの大幅上昇になったということだ。

クリスマスシーズンを控え、小売業者は、ますます頭が痛い。



(恐慌時代の風景 写真:AP)

(情報源:
http://www.usatoday.com/money/economy/2008-09-28-poll-depression_N.htm


http://www.marketwatch.com/news/story/dont-call-bailout/story.aspx?guid={0A2E0398-2E89-4F7F-B8C7-4150783B1B2E}


http://blogs.barrons.com/techtraderdaily/2008/09/29/apple-falls-sharply-rbc-morgan-stanely-cut-ratings/






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当たり前だが前途多難

09月29日

先ず、時事のヘッドライン。「金融安定法案、大筋合意=米政府、75兆円の公的資金投入へ」 もちろん、この法案が可決したとしても、米国経済が直ぐ上向きになることはない。現時点で、米国消費者が気にしている、五つの点を見てみよう。


1、住宅ローン:

「法案が可決され実施されれば、住宅ローン市場が正常化に向けて動き出すことは言うまでもないが、7000億ドルに及ぶ国債発行は国債利回りを上昇させ、結果的に住宅ローン金利が高くなる。これだけ膨大な資金が注入されるわけだから、長期的にはインフレが大きな心配になり、どちらにしても住宅ローン金利は上昇するだろう。短期的には、下降する経済の影響で、住宅ローン金利は下がることも考えられる。」 グレッグ・マクブライド氏(Bankrate.com)

2、雇用状況:

「救済計画の実施で、失業率が大幅に上昇することはないだろう。もし法案が可決されなければ、失業率は、おそらく12%くらいまで上がってしまうだろう。適切な救済案が可決すれば、来年の失業率は、8%を超えることはないだろう。」 ブラッド・ディロング氏(カリフォルニア州立大学)

3、所得税:

「これだけ巨大な金額の法案だから、言うまでもなく、税金は大幅に引き上げられることになるだろう。ただでさえ問題の多い財政状況が、今回の法案でいっそう大きく悪化することは間違いない。」 ディーン・ベーカー氏(センター・フォー・エコノミック・アンド・ポリシーリサーチ)

現在、大統領に立候補しているマケインとオバマの両氏は、4兆から6兆ドルにおよぶ減税を提唱している、

4、自宅所有者は無視される?:

「政府が、金融機関から不良住宅ローン担保証券を買いあげることで、最終的には月々の住宅ローン支払いに困っている自宅所有者たちも恩恵を受ける、と考えられているようだが、この見方は間違っている。なぜなら、住宅ローン担保証券を保持する金融機関には、住宅ローン金利を変更する決定権が無いからだ。」 ヘンリー・サマー氏(破産法専門弁護士)

5、自己破産法改正の必要:

「現状において、住宅ローンの支払いが不可能になった人たちが、住宅ローンの金利や支払い方法を変更するには、自己破産を申告するしかない。」 ヘンリー・サマー氏(破産法専門弁護士)



ポールソン財務長官 (写真:AP)

(情報源:
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008092900002&m=rss


http://www.marketwatch.com/news/story/five-key-areas-bailout-hit/story.aspx?guid={E9AB1F27-E5A7-461A-8E6E-09092E509973}&dist=TNMostRead)

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全ては最高のAAA

09月27日

USA TODAYの調査によると、78%の米国市民は、政府による金融機関の救済が必要だ、と答えている。しかし回答者の多くは、ブッシュ大統領が提唱する7000億ドル救済案には懐疑的だ。


米史上最大の銀行破綻、と報道されているように、木曜夜、経営難に陥っていたワシントン・ミューチュアルが米貯蓄金融機関監督局によって業務停止が命ぜられ、連邦預金保険公社の管理下に置かれた。

破綻の大きな原因はサブプライム住宅ローンなのだが、このサブプライム住宅ローンは証券化され、モーゲージ担保証券という人気商品になった。しかし、住宅ブームが去り、最近倒産した大手証券リーマン・ブラザーズの例で分かるように、モーゲージ担保証券は金融業界に大打撃を与える結果になった。

そもそも、これだけ米国金融市場を混乱させる原因になったモーゲージ担保証券や不動産担保証券を、なぜ金融機関は積極的に投資家たちに勧めたのだろうか?

9月25日、ブルームバーグは非常に興味深いことを指摘している。下が要旨だ。



2004年8月、格付け会社ムーディーズは基準の甘い新しい格付け方法を導入し、これが金融機関でモーゲージ担保証券が優先されて顧客たちに販売される結果になった。2週間後、遅れては大変と、スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P社)も格付け方法を変更した。

2002年から2007年の間に、ウォール街は、3兆2000億ドルに及ぶサブプライム住宅ローン(主に低所得者を対象にした住宅ローン)をモーゲージ担保証券化し、AAAという最高の格付けをムーディーズとS&P社から得た。

「AAAという格付け無しでは資金が流れ込んできません。S&P社とムーディーズがしたことは、単に顧客を満足させただけでなく、顧客が要望する格付けを与えていたのです。」 ジョセフ・スティグリッツ氏(コロンビア大学教授)

「新格付け方法は、投資銀行に都合が良いように作られた、いい加減な方法です。言い換えれば、新格付け方法が、どん底へのレースを開始させたのです。」 トンコ・ガスト氏(ダイナミック・クレジット・パートナーズ)


さて、上記したように、木曜夜、ワシントン・ミューチュアルが破綻したわけだが、APがこんなことを報道している。

「金曜、S&P社は、連邦預金保険公社の管理下に置かれJPモルガンに吸収合併されたワシントン・ミューチュアルの無担保債を、更に格下げした。 S&P社は、二日前にワシントン・ミューチュアルの無担保債をジャンク債(投資に不適格な債券)に格下げしたばかり。」



(情報源:
http://www.usatoday.com/money/economy/2008-09-25-poll-results_N.htm?loc=interstitialskip


http://biz.yahoo.com/ap/080926/washington_mutual_s_p.html?.v=1


http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601109&sid=ax3vfya_Vtdo&






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移動平均線とMACD

09月26日

最近、全く聞かなくなったのがIPO(新規公開株)だ。もちろん、現在の相場環境を考えれば当然のことかもしれないが、Bespokeインベストメントによると、今年ここまでのIPOはたったの54社で、1991年以来最低の水準だという。


下は、2000年から現在までの、月別に見たIPOの数とS&P500指数の比較だ。



(資料:Bespokeインベストメント)

青: IPOの回数、 赤: S&P500指数

下げ相場で、IPOの数が大幅に減少する様子が、よく分かるチャートだ。極めて単純な結論をすれば、マーケットの天井付近で頻繁な新規公開株があり、マーケットの底付近ではIPOが無い。

それではローソク足で、S&P500指数の流れを見てみよう。



(月足)

2002年の安値から2007年の高値でフィボナッチの値戻しレベルを入れると、現在の位置は、サポートになりやすい50%レベル付近だ。もちろん、これだけの理由で買うことはできない。

上のチャートに、投資家たちに広く利用されている、移動平均線とMACDを入れてみよう。



マーケットが、前回のベアマーケットから抜け出た様子だ。

先ず、1、2の矢印が示すように、MACDのヒストグラムがローソク足の方向とは反対に動くダイバージェンスを起こしている。そしてMACDのクロス(3)、更にローソク足が移動平均線の上にブレイク(4)して、トレンドが下げ基調から上昇基調に転換した。



そして、これが今日の状態。まだ買いシグナルは出ていない。

パラメーターを記しておこう。

MACD: 12、26、9

移動平均線: 12 単純平均ではなく平滑移動平均線(EMA)

(情報源:
http://bespokeinvest.typepad.com/bespoke/2008/09/ipo-market-slow.html






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最高経営責任者の給料は政府が決める!?

09月25日

今日も議会で、バーナンキ氏(連邦準備制度理事会議長)が証言している。単純な言い方をすれば、ブッシュ政権のために、7000億ドルの経済救済案を議員たちに売り込んでいるわけだ。


救済案の一項目に、金融機関からの不良不動産担保証券の買い取りがある。既に、バーナンキ議長は、たとえ政府がそれらを買い取ったとしても、最終的にそれらを売却できると述べているが、いったい政府はいくらで不良証券を買うつもりなのだろうか?

アレサンドロ・パガ二氏(ルミス・セイレス)によれば、今日のような状況でも、不動産担保証券を扱う市場が完全に死んでしまったわけではない。問題は、買い手が表示する価格が、かなり低いことだ。現に、メリル・リンチが膨大な量の不動産担保証券を売却した時は、78%も割引く必要があった。はたして政府は、金融機関に、不動産担保証券の叩き売りを命ずるのだろうか?

どちらにしても、誰もが満足する解決方法はありえない。そもそも不良証券なのだから、タイヤ無し、エアコン無し、エンジン無しの車を買ってください、と頼むようなものだ。あまり高い金額で買い取りなら、納税者たちが黙っていない。かと言って、叩き売りを強要するような低価格では倒産する企業が出てくることだろう。

CNNなどの報道で分かることは、アメリカ国民の憤りだ。金融機関の大失敗を、なぜ国民の税金で救う必要があるのだろうか?現に、ワシントンの議員たちのオフィスは、7000億ドルの救済案に反対する人々からの電話対応に、かなり忙しいようだ。

「偽りの無い事実は、アメリカ国民は激怒している。当然のことだと思う。超党派的姿勢で、経済救済案を検討していくつもりだ。」 チャールズ・シュマー上院議員(経済委員会議長)

「ブッシュ政権の提案する救済案には、いくつかの疑問な点がある。政府が金融機関から不良不動産担保証券を買い取るわけだから、シュマー上院議員が言うように、納税者たちに、それらの金融機関の株を分け与えるべきだと思う。」 サム・ブラウンバック上院議員

さて、APの報道によると、早急に経済救済案を通過させたいブッシュ大統領は、今夜テレビを通じて国民に訴えるようだ。更に、この報道の中には、こんな一文もあった。

「ポールソン財務長官は、両党からの要求を受け入れて、救済対象になる企業の経営陣の給料を規制する、という項目を救済案に付け加える。」

以前から、経営陣に支払われる法外なボーナスや給料が問題視されていたが、いよいよアメリカは、政府が最高経営責任者の給料を決定する時代が訪れるようだ。正に、俗に言う自由資本主義の終わりが近づいている。



(情報源:
http://www.usatoday.com/money/industries/banking/2008-09-23-toxic-paper-bailout_N.htm?loc=interstitialskip


http://biz.yahoo.com/ap/080924/financial_meltdown.html


http://money.cnn.com/2008/09/24/news/economy/bernanke_testimony/index.htm?postversion=2008092412






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内部関係者の動きを見てみよう

09月24日

マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)によると、こんなに悪い相場にもかかわらず、インサイダーたちは相変わらず強気だという。氏の話を要約してみよう。

会社の経営内容を、一番よく知っているのはインサイダーだ。必ず上がるという保証は無いが、内部情報に詳しい彼らが、自らの資金を使って、自社株を買っているという情報は興味深い。

月曜に受け取ったばかりのビッカーズ・ウィークリー・インサイダー・レポートによれば、インサイダーたちは1株の買いに対して、たったの1.3株しか売っていない。更に、ここ8週間の平均は1株の買いに対して1.69株の売りだから、インサイダーたちは強気だ。(注:通常この数値は、2対1から2.5対1の割合で売り株数が優勢になる。)

それでは7月の様子を見てみよう。ダウが安値をつけた週、比率は買い1株に対して1.38株の売りだった。そして、その時点における8週間平均は、1株の買いに対して1.63株の売りだった。言うまでもなく、これらの数値は現在の数値と同様に、強気なインサイダーを表している。

ここで強調したいのは、7月のようにインサイダーが強気だったのは、かなり前までさかのぼった、2000年から2002年のベアマーケットが終わりに近づいている頃だった。

インサイダーが強気でも、実際にこれがマーケットに反映されるには、約12カ月の時間がかかる。言い換えれば、今日の強気なインサイダーのデータが、マーケットの方向に現れるのは今から1年後になる。


このコラムの下は掲示板になっているのだが、批判的な書き込みが目立つ。2、3、見てみよう。

・「インサイダーたちは、良き時代は永遠に続く、という単なる妄想に取り付かれているだけだ。」 lax20cosさん

・「マイケル・ブラッシュ氏(金融コラムで有名)によれば、インサイダーはヘッジという手段を使って、持ち株を処分することができる。SEC(証券取引委員会)には、ヘッジとして登録されるだけだから、大衆にはインサイダーが売ったということは分からない。ということで、インサイダーの売買動向など信頼できない。」 F-T-Analysisさん

・「この混乱した今日のマーケットで、現在の下げを単なる下げと思っているインサイダーは何も分かっていない。」 bertoさん

・「インサイダーが強気でも、数カ月後に、いったい誰が株を買うのだろうか?とにかく、こんな経済状態だから、中産階級の人々には株を買う金など無い。」 sorbonneさん



(情報源:
http://www.marketwatch.com/news/story/markets-problems-havent-deterred-corporate/story.aspx?guid={30A6FC32-D37E-492D-8811-E634DF256A72})






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ウォール街、一つの時代が終わった

09月23日

時事通信から: 米証券最大手ゴールドマン・サックスと2位モルガン・スタンレーは21日、それぞれ米連邦準備制度理事会(FRB)に銀行持ち株会社への移行を申請し承認されたと発表した。リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)で証券会社への信用不安が高まる中、証券専業という経営形態に見切りを付け、総合金融サービスとしての生き残りを目指す。

明らかに、この報道が意味することは、数週間前まで存在していたウォール街の消滅だ。銀行持ち株会社に変身することで、両社はSEC(証券取引委員会)だけに監視されるのではなく、今後は他の政府機関からも取り締まりを受けることになる。

ニューヨーク・タイムズは、こう書いている。



これからのゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、市中銀行のような形で営業することになる。この結果、両社には、より多くの資本準備金が義務付けられ、以前のようなリスクの高い投資をすることができなくなる。

長年にわたり、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、ウォール街の憧れの的だった。外部からの制約を受けず、豊富な自社の資金を使い、高リスクな投資で膨大な利益を上げた。更に、企業の合併や買収、大企業の資産管理、とにかく両社の華やかな活躍は、いつも経済紙の一面を飾った。

しかし、金融ブーム時代に作られた難解な証券(一例は不動産担保証券)のおかげで、投資家は両社を信用することができなくなった。顧客たちは、相次いで口座から資金を引き出し、難解な証券の価格は暴落し、ついに証券業界を絶滅の危機に追いやる結果になった。


まだ議会を通過していないが、ブッシュ政権は、7000億ドルにのぼる金融機関救済案を発表した。これが承認されれば、金融機関が抱える多額の不良不動産担保証券を政府が買い上げることになるのだが、肝心な二つのことが明記されていない。

1、米政府は、一体いくらでこれらの不良不動産担保証券を買うのか?

2、具体的に、何月何日から買うのか?

7000億ドル、全く桁外れの膨大な金額だが、リットホルツ氏の掲示板にこんな書き込みがあった。

現在の時価総額を考慮すれば、7000億ドルもの金があれば、米政府は下記の金融機関を買収することができる。

・American Express
・Citi Group
・General Motors
・JP Morgan Chase
・Morgan Stanley
・Wachovia
・Goldman Sachs
・Bank of America
・Ambac
・Washington Mutual
・Wells Fargo

(情報源:
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008092200254&j1&m=rss


http://www.reuters.com/article/businessNews/idUSN1945959820080922?feedType=RSS&feedName=businessNews&pageNumber=1&virtualBrandChannel=0


http://www.nytimes.com/2008/09/22/business/22bank.html?_r=2&hp=&adxnnl=1&oref=slogin&adxnnlx=1222106699-VumILEU/elCljEYddfAm6A


http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/the-paulson-pla.html
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市場のファンダメンタルズ、テクニカル要素を無視しただけ!?

09月22日

イギリス、アメリカ、そして週末、もう一国がこのリストに仲間入りした。9月19日(金)、米国マーケット終了後、カナダ政府は10月3日まで金融株の空売り禁止を発表した。下記が対象になる13銘柄だ。


Aberdeen Asia-Pacific Income Investment Company Ltd. (FAP)、Bank of Montreal (BMO)、Bank of Nova Scotia (BNS)、Canadian Imperial Bank of Commerce (CM)、Fairfax Financial Holdings Ltd. (FFH)、Kingsway Financial Services Inc. (KFS)、Manulife Financial Corp. (MFC)、Quest Capital Corp. (QC)、Royal Bank of Canada (RY)、Sun Life Financial Inc. (SLF)、Thomas Weisel Partners Group Inc. (TWP)、Toronto-Dominion Bank (TD)、Merrill Lynch & Co, Canada Ltd. (MLC)

投資銀行業界で働くジョン・リー氏は、こんな感想を書いている。



次は、どの国が空売り反対運動に参加するのだろうか?全体的に見れば、空売りをする人たちは少数派であり、現在の金融危機を生み出した犯人ではない。空売りを禁止することは、世界の金融市場に大きな悪影響を与えることになるだろう。

空売りは、株式市場に欠かせない重要な流動性をマーケットに与える。特にベアマーケットの状況では、マーケットの一時的な底付近で、一斉に売り手たちが空売った株を買い戻すから、大衆に安心感を与える短期ラリーという現象が起きる。

下げ相場では、多くの投資家の持ち株に損が出ているから、更に株を買い足そうなどという気にはなれない。これでは買い手が不在になり、マーケットは下げる一方になってしまうが、空売りの買い戻しラリーが一直線の下げを防ぐ。

イギリス、アメリカ、カナダの空売り禁止令は、世界にどんなメッセージを送る結果になっただろうか?三国の行ったことは、市場のファンダメンタルズ、テクニカル要素を無視しただけでなく、自分たちの好き勝手にマーケットを操作しただけだ。


人気ブロガー、「トレーダー・マイク」が、こんなことを指摘している。

「さっそく、米証券取引委員会(SEC)によって、空売りが禁止された799の金融銘柄リストを見てみた。驚くことに、このリストには、金融株に投資する上場投信が含まれていなかった。」

ということは、金融上場投信の空売りは可能なのだろうか?ジョン・ガブリエル氏(モーニングスター)を引用しよう。

「政府は、金融株に投資している上場投信の空売りは禁止していない。だから投資家は、Financial Select Sector SPDR (XLF)、そしてUltra Financials ProShares (UYG)を空売ることができる。」

もちろん、金融上場投信も、空売り禁止リストに加えられるのは時間の問題かもしれない。



(情報源:
http://weeklyta.blogspot.com/2008/09/global-war-against-shorts.html


http://news.morningstar.com/articlenet/article.aspx?id=253823&pgid=rss




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金融テロ、それとも救世主

09月20日

米証券取引委員会(SEC)の緊急措置を、「狂気のピーク」、と表現した人がいた。昨夜(木曜)遅く、SECは799の金融銘柄空売り禁止令を発表し、禁止期間として定められた10日間は30日間に延長される可能性もある。


SECの決定を予測していた人は多かったと思う。具体的に言えば、昨日(木曜)午後1時にシグナルが出ていた。ニュースレターでも書いたことだが、その部分を抜粋してみよう。

下は、SPY(S&P500指数に連動する銘柄)の5分足チャートだ。



マーケットは1時に底を打ち、1時5分に大陽線(A)を形成した。何が起きたのだろうか?三つのニュースがあった。

1、英国の金融取締り機関が、金融銘柄の空売り禁止を発表した。

2、ニューヨーク州検事総長事務局は、金融銘柄空売り禁止を実現させたい、という意見を発表した。

3、何社かの米国年金ファンドが、金融銘柄の貸し出しを止める、と発表した。

言うまでもなく、買い手が金融株に殺到した。下は、シティグループと、モルガンスタンレーの5分足チャートだが、見てのとおり、両銘柄とも1時に底を打って、反発ラリーを開始した。


空売り禁止は、米国が唱える自由市場に反する措置だけに、論争になっているのは皆さんにも簡単に想像がつくことだろう。何人かの声を聞いてみよう。

・「政府の金融市場への介入は不可欠だ。」 ブッシュ大統領

・「短期的な空売り禁止は、金融機関の回復に有効だと思う。この期間を利用して、各金融機関は、問題になっている不動産担保証券などを処分できると思う。」 アート・ホーガン氏(ジェフリーズ&カンパニー)

・「今回の措置は、政府がいかに無能であるかが示されている。既に、ファニーメイ、フェレディマックと救済を続けてきただけに、空売り禁止発表のタイミングは政治的意図があったことが丸見えだ。金融テロリズムだ。」 バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)

・「空売りは、言論の自由の象徴だ。」 crossingwallstreet.com

・「1年前、SECは空売りをしやすいように、アップティックルールを廃止した。そして今日、都合が悪くなったから空売りの禁止だ。これがアメリカだろうか?まるで独裁政権のようだ。」 ケビン・フィーハン氏(証券取引所のスペシャリスト歴任)

・「アメリカは自由市場のルールを曲げた。」 デービッド・リンチ氏(USA Today)

とここまで書いてきたら、デービッド・ワイドナー氏のコラム(7月31日)を思い出した。たしか、タイトルは「損切り売り禁止令」だったような気がする。要旨はこうだ。

「証券取引委は、空売りの規制だけでなく、持ち株を買った値段より安く売ることを禁止するべきだ。これを実施すれば、株で損をする人がいなくなり、全ての投資家が利益を上げることが可能になる。」

もちろん風刺コラムだから、本人は半分冗談のつもりで書いたことだろう。しかし、今回の決定を見る限り、政府は金融市場保護の名目で、何をやっても不思議ではない。

現に、ブルームバーグはこんな報道をしている。

「米証券取引委員会は、各ヘッジファンドに空売りポジション報告の義務付け、そしてトレード記録を召喚することを計画している。」

この一文を読んだ人気トレーダーが、こう語っている。

「まるで魔女狩りだ、、、、」


ニュースレター(無料)をご希望の方は、下記から申し込んでください。右側のSkypeのサインの下に、メールアドレスを入力してください。

http://www.nwt-jp.com/sec1/index.shtml


(情報源:
http://www.usatoday.com/money/perfi/funds/2008-09-19-treasury-insure-money-market-funds_N.htm


http://money.cnn.com/2008/09/19/markets/markets_newyork2/index.htm?postversion=2008091910


http://www.tradingwithtk.com/2008/09/goverment-tilts-game-in-their-favor.html


http://www.crossingwallstreet.com/archives/2008/09/sec_plans_to_te.html


http://www.usatoday.com/money/economy/2008-09-18-free-market-bailout_N.htm


http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/terror-attack-o.html


http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a38SHbVm3Ox0



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リーマンは、犬の尻尾を引っ張る子どものようなものだった

09月19日

破綻したリーマン・ブラザーズ。誰か買収して、と頼み込んでバンク・オブ・アメリカに吸収されたメリルリンチ。政府が救済するしかなかった保険最大手のAIG。次は誰の番だろうか?


と書いたら、リットホルツ氏の説明を思い出した。引用しよう。

・なぜ政府は、リーマン・ブラザーズを救わなかったのか?

「リーマンは、犬の尻尾を引っ張る子どものようなものだった。誰が見ても、犬に噛まれるのは時間の問題だった。どちらにしても、噛まれるのはリーマンだけだから、政府はリーマンを放っておいたのさ。」

・政府は、なぜベアー・スターンズを助けたのか?

「ベアーは、マッチで遊ぶことが好きな子どもだった。放っておいたら、ベアーの家だけでなく、隣近所も火事になる可能性がある。だから政府は、隣の人たちを守るためにベアーを救ったのさ。」

・政府は、なぜAIGを救ったのか?

「AIGは、バイオテクノロジー兵器の実験室に迷い込んだ子どものようなものだった。見るもの全てが、とても珍しかったから、AIGはラベルの付いていない瓶をたくさんポケットにつめて、公園に行ってしまった。だから、どうしても政府はAIGを救うしかなかったのさ。」

とにかく混乱する金融市場、とうぜん米国市民は悪影響/好影響を受けている。いくつか例を挙げてみよう。

1、最も直接的な被害は、株式市場のスランプで、株やミューチュアルファンドで損を出した。

2、株の低迷で国債に資金が流れ、保有している国債の値段が上がった。

3、金融危機のお陰で、住宅市場の回復が大幅に遅れそう。

4、大手証券リーマンブラザーズの倒産で、お客さんたちの口座はどうなったのだろう、という質問が多い。簡単に回答すれば、SIPCの保護があるから、お客さんの資金は無事だ。

5、これだけ大きく金融市場がダメージを受けただけに、米国の不景気は長引きそう。こうなると、十分な現金を、いつも銀行に蓄えておくことが必要だ。

ここで最初の質問、「次は誰の番だろうか?」、に戻ろう。

実は、ワシントン・ミューチュアル(銀行)も、メリルリンチのように、どこかに買収されないと倒産してしまう。ニューヨーク・タイムズによれば、ワシントン・ミューチュアルは、シティグループかウェルズ・ファーゴー銀行に吸収される可能性があるようだ。



(情報源:
http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/laymans-explana.html


http://money.aol.com/news/articles/_a/bbdp/sale-of-washington-mutual-expected/177650

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まだ叩かれ方が足りない

09月18日

現在ダウ指数は3%を超える強烈な下げだ。AIGが悪材料、ということになるのだが、「NY株大幅反落、一時260ドル超す下げ 金融株売られる」と題して、NIKKEI NETはこう書いている。

保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済策が発表されたが、金融市場安定には力不足との懸念が根強く金融株が売られている。(
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080917AT2M1704R17092008.html


ウォールストリート・ジャーナルもNIKKEIが指摘したように、たとえAIGを救済したとしても、全世界に広がる金融危機を、もはや食い止めることは不可能だ、というマーケット関係者たちの声を取り上げている。(
http://online.wsj.com/article/SB122164849424947571.html

こんなことを言うと、自慢しているように思われるかもしれないが、うすうす感じていたことは正しかったようだ。昨夜(16日)のニュースレターで書いたことだが、少し抜粋してみよう。

S&P500指数に連動する、スパイダー(SPY)の日足チャートに移ろう。



7月の安値を割るギャップダウンの寄付きだったが、猛然と一転反発して、強気な大陽線を作って終了した。出来高も膨大だ。続伸に期待できそうなのだが、一つ気になることがある。



上は、S&P500指数に属する銘柄の、何パーセントが200日移動平均線より上にあるかが示されている。前回、マーケットが安値をつけた7月(A)、数値は25%を割っていたが、今回(B)は少し30%を割っただけにすぎない。考え過ぎかもしれないが、マーケットは、まだ叩かれ方が足りないような気がする。

週に6回、このUSマーケット・ウォッチを書いている関係上、当然のことながら全ての主要記事には目を通す。もちろん経済だけでなく、政治、スポーツ、アダルト、と色々読むわけだ。こんな毎日を繰り返して言えることは、先日も書いたように、この定義は9割9分正しいと思う。

・マーケット・レポート: なぜマーケットが上がったのか、下がったのかの簡単な説明。99%のレポートは他のレポートを引用したものであり、残りの1%は単なる気まぐれな思いつき。

こんなことを言うと大変失礼になるが、今日のジャーナリストが最も力を入れているのは記事の内容よりも、いかに魅力的なヘッドラインをつけて読者の興味を引こう、ということのような気がする。

情報が氾濫する今日、こんな状況の中で、ブレット・スティンバーガー氏のブログ、「トレーダー・フィード、TraderFeed」はとても貴重な存在だ。

例えば火曜(16日)を見てみると、「ダイバージェンスが続くマーケット」、「弱い株式市場について考察」と題して、洞察力のある専門家の意見が記されている。(
http://traderfeed.blogspot.com/

リットホルツ氏の「THE BIG PICTURE」も見逃せないブログの一つだ。何と言っても氏の貢献は、大衆はマーケット・レポートに騙され続けてきたことを、私たちに教えてくれたことだと思う。(
http://bigpicture.typepad.com/comments/

斉藤氏のブログ、「Espresso Diary@信州松本」もユニークだ。長野県松本というローカルな雰囲気があるのだが、氏の展開するコラムはグローバルな観点で書かれている。なるほど、こんな見方もあったのか、と感銘する読者が多いことだろう。(
http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/

マーケット終了まで、あと30分。ダウは251ポイント安、マイナス2.27%だ。投資家は、よほどパニックしたのだろう。金が10%も上げている。

ニュースレター(無料)をご希望の方は、下記から申し込んでください。右側のSkypeのサインの下に、メールアドレスを入力してください。


http://www.nwt-jp.com/sec1/index.shtml


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下降基調での料金引き上げ

09月17日

一週間ほど前、「シンガポール航空、サーチャージ下げ 日本発着便の一部で」という記事があった。下のチャートで分かるように、7月、1バレル150ドルに迫っていた原油は、現在100ドルを割っているのだから、この引き下げは当たり前かもしれない。



そして16日、ユナイテッド航空は、高騰した原油価格を理由に、チェックインする二個目の手荷物料金を、25ドルから50ドル(約5200円)に引き上げると発表した。(ファースト・クラスとビジネス・クラスには適用されない。)

高騰した原油価格を理由に???下がっているじゃないか!、と誰でも叫んでしまうが、ユナイテッド航空側の説明によると、去年と比べれば、現在の原油価格は50%以上高いということだ。全くタイミングの悪い料金引き上げ、と非難されても仕方ないのだが、見方を変えればユナイテッド航空の経営は中々上向かないようだ。

最近の航空業界の様子を見てみよう。

・アラスカ航空: 9%から10%に相当する従業員削減を発表。

・アリタリア航空(イタリア): 破産保護の申請。

・サウスウエスト航空: 一日のフライト便数を6%削減。

・各航空会社は経費を節約するために、飛行機の燃料タンクを満タンにすることがなくなった。しかし、パイロットたちは乗客や乗務員の安全を考えると、搭載されている燃料は、あまりにも少なすぎるという。

・アメリカン航空: 原油高を理由に7000人を解雇。国際線だけでなく、国内線にも燃油サーチャージを適用。

・二個目の手荷物だけでなく、ハワイで運行されているgo!航空は、一個目の手荷物チェックインにも10ドルの料金を適用した。

・ミッドウエスト航空: 原油高を理由に1200人を解雇。

・ノースウエスト航空: 原油高を理由に2500人を解雇。更に、3%から4%のフライト便数の削減。

・カナダ航空: 原油高を理由に2000人を解雇、そして約7%のフライト便数を削減。

・USエアウェイズ: 機内でのアルコール飲料を5ドルから7ドルに引き上げ。無料だったジュース、コーヒー、ソーダにも2ドルの料金制度を実施。

・ジェットブルー・エアウエィズ: 経費削減のため、予定されていた新ジェット機購入の中止。

サーチャージに関して、「こんなに差がある燃油サーチャージ額」、という記事をお勧めしたい。
(
http://waga.nikkei.co.jp/travel/travel.aspx?i=MMWAc1000007072008)

(情報源:
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080910AT3K1000K10092008.html

http://www.walletpop.com/article/_a/bbdp/united-doubles-fee-for-second-bag/175500)






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リーマン・ブラザーズを見捨てた政府の措置は正しいのか?

09月16日

けっきょく、米政府はリーマン・ブラザーズを救済しなかった。そして、バンク・オブ・アメリカに吸収合併されるという噂は、バンク・オブ・アメリカのメリル・リンチ買収で消え去り、リーマン・ブラザーズは破綻という最悪の結果になった。


これで、大手証券会社を政府が見放す筈が無い、という考えは単なる楽観論にすぎなかったことが証明され、こうなるとアメリカン・インターナショナル・グループ(保険会社)、そしてワシントン・ミューチュアル(銀行)もリーマン・ブラザーズを追って倒産になるかもしれない。

当然の疑問は、リーマン・ブラザーズを見捨てた、政府の判断は正しかったのだろうか?数カ月前、リーマン・ブラザーズよりも規模が小さい、ベアー・スターンズの救済に政府は乗り出した。米国第5位の証券会社を助けたのなら、なぜ全米4位のリーマン・ブラザーズを救済しなかったのだろうか?

ウォールストリート・ジャーナルは、こう書いている。



6カ月前、政府関係者にとって、ベアー・スターンズの予想以上に深刻な経営難は驚きのニュースであり、当時の混乱した金融市場を考慮すればベアーを倒産させるわけにはいかなかった。

現在の状況は、もちろん完全に落ち着いたと言うことはできないが、6カ月前とは違う。連銀は、窓口貸し出しを拡大していたから、金融機関は連銀から金を借りることができた。要するに、リーマン・ブラザーズには6カ月の時間があり、金融市場の変化で経営が突然悪化してしまったと言い訳することはできない。


ティム・ハーブ氏(オハイオ州立大学)も、政府の措置に賛成する一人だ。

リーマン・ブラザーズの社員、そして株主たちにとって破綻というのは悪いニュースだが、企業責任ということを考えると今回の政府の措置は正しかったと思う。政府は、ベアー・スターンズ、ファニー・メイ、そしてフレディ・マックを救済するという前例を作り、まるで保険会社になってしまったようだ。これでは、企業の経営陣に間違ったメッセージを送ってしまう。リーマン・ブラザーズを破綻させたことで、自分の失敗は自分で処理しろ、という政府からの明確なメッセージが企業の幹部に届いたことだろう。

どちらにしても、リーマン・ブラザーズの一件でまた金融市場は混乱状態に陥り、火曜(16日)の連邦公開市場委員会で、金利引下げが実施されるという見方が高まっている。バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)の意見はこうだ。

アメリカン・インターナショナル・グループ、ワコビア、それにワシントン・ミューチュアルも危険な状態だが、とにかく私たちはリーマン・ブラザーズ破綻という第一のショック波動を乗り切った。連銀は金利を引き下げる必要はない。それよりも大事なのは、金利を2%に据え置いて、金融危機の終盤戦に備えて肝心な弾薬を保管しておくことだ。ここでの金利引下げは、15年間の景気低迷を経験した日本を真似るようなものだ。



リーマン・ブラザーズ (月足)

(情報源:
http://blogs.wsj.com/economics/2008/09/15/the-government-stood-firm-was-it-the-right-call/


http://www.env-econ.net/2008/09/lehmans-moral-h.html


http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/a-disasterous-r.html )






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バンク・オブ・アメリカ、440億ドルでメリルリンチを買収

09月15日

一株あたりに換算すると、買収価格は約29ドルになり、下がメリルリンチの日足チャートだ。



1、金曜の大引けは17ドル5セント。

2、買収価格の29ドル。

これで明らかになったことは、バンク・オブ・アメリカが経営難に陥っている、リーマン・ブラザーズを買収する可能性がゼロになった。

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圧倒的に安いプライベート・ブランド

09月15日

あるテレビ局が、街を行く人たちを止めて、水の味比べテストをした。結果は、ボトル入りの水ではなくて、水道の水が一番おいしいと答えた人が結構多かった。


他にも、有名なものでは、コーラの飲み比べテストがある。結果は、水の場合と同じように、必ずしもコカコーラが一番になるとは限らず、無名の会社でつくられたコーラを、おいしいと答える人が多い。

コカコーラ(ブランド商品)と、あまり知られていない会社でつくられたコーラ(ジェネリック商品、プライベート・ブランド商品)の大きな違いは、何と言っても値段だ。テスト結果が語るように、私たちには大して味の違いは分からないのだから、安いジェネリック商品やプライベート・ブランド商品を買った方が得だ。

では、実際に、プライベート・ブランド商品は、どれくらい安いのだろうか?米国での実例を、いくつか見てみよう。





















(情報源:
http://www.walletpop.com/specials/generic-vs-brand-name-products






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全ては手遅れ

09月13日

倒産寸前の全米第4位の証券会社、リーマン・ブラザーズの運命は、今週末に決まるようだ。CNBCの報道によれば、会社は3つに解体されて、他の金融機関に吸収合併されるというのが、今のところ最も有力な見方だ。


更に、CNBCには、こんなオンライン調査が載せられている。



質問: あなたは、政府がリーマン・ブラザーズを救済するべきだと思いますか?

回答:

はい 15%

いいえ 79%

分からない 5.9%

総回答数 11410

見てのとおり、圧倒的に多い「いいえ」で分かるように、証券会社を救うために税金を使うのは間違っている、というわけだ。

グレッグ・グリーンバーグ氏(thestreet.com)は、こう書いている。



株価が93%も下落した今になって、ディック・フルド氏(リーマン・ブラザーズ最高経営責任者)は、「我々は、株主価値を最大化させるために、あらゆる対策や手段を検討している」、などと語っている。もう、そんな時ではない。全ては手遅れだ。

経営危機に陥ったのは、昨日や今日に始まったことではない。十分な時間があったにもかかわらず、経営陣が成し遂げたことは、日本と韓国から資金を得ることに失敗したことだ。

経営陣は、会社の現状を本当に把握しているのだろうか?投資マネージメント部門を売却すれば、100億ドルの現金を得ることができる、と最近発表しているが、この数字はどこから出てきたのだろう?現時点において、リーマン・ブラザーズには30億ドルの価値しかない。


こんな状況で、「株主価値を最大化させる」などという言葉は、あまりにも場違いな感じがする。下記は犠牲者リストだ。(リーマン・ブラザーズの大株主)

・AXA (フランスの保険会社): 6570万株

・フィデリティ (ミューチュアルファンド): 3950万株

・クリーンブリッジ・アドバイザーズ (資産運用会社): 3910万株

・バークレイズPLC (ファイナンシャル・サービス): 2710万株

・ウェリングトン (資産運用会社): 2550万株

USA Todayの掲示板に、こんな書き込みがあった。

「政府からの支持が無い限り、リーマン・ブラザーズを吸収合併する金融機関など現れないことだろう。」 VincentGallagherさん




(情報源:
http://www.cnbc.com/id/26672266


http://www.usatoday.com/money/industries/brokerage/2008-09-11-lehman-falls_N.htm?loc=interstitialskip


http://www.ibankcoin.com/flyblog/index.php/2008/09/11/an-unfortunate-ending/


http://www.thestreet.com/story/10436970/1/five-dumbest-things-on-wall-street-sept-12.html?puc=newshome






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素晴らしいタイミング

09月12日

今さら何を言っているのだ。全く呆れて物も言えない。とにかく、あまりのタイミングの悪さに、憤りを感じることすらバカらしくなってしまった人が多い。問題になっているチャートを見てみよう。




http://bespokeinvest.typepad.com/bespoke/2008/09/bad-analyst-cal.htmlより)

上は、ゴールドマン・サックスが、どのようにリーマン・ブラザーズ株を推奨していたかの経緯を示している。Bの買い推奨の意味は明解だが、先ず、Hのホールド推奨の意味を説明しよう。

ホールド(Hold、ニュートラル): この株を既に持っている人は、売却しないで保持し続ける。しかし、買い足しは避ける。もし、この株を持っていないなら、この株を買うことは勧められない。

チャートの左側から見ていくと、ゴールドマン・サックスは、長いことホールド推奨を出していたことが分かる。そして2008年3月、ついにゴールドマン・サックスは、リーマン・ブラザーズをホールドから買いに格上げした。その時の株価は46ドルだった。

B、B、Bと何度も表記されているように、ゴールドマン・サックスは、リーマン・ブラザーズの買いを繰り返し発表した。そして今日(9月11日)、一番右側のHが示すように、ゴールドマン・サックスは買い推奨を取り消して、リーマン・ブラザーズをホールド(ニュートラル)に格下げした。現在の株価は4ドル64セント。

リーマン・ブラザーズは、米国第4位の証券会社だが、住宅市場のスランプ、サブプライム問題などが原因となり、不動産担保証券で膨大な損を出している。更に、最近の金融危機で経営がいっそう苦しくなり、倒産の可能性が毎日のように報道されている。現に、今朝、247wallst.comは、こう書いている。

「リーマン・ブラザーズが今日、連邦破産法第11章に基いて、会社更生手続きの申請をしても全く不思議ではない。」

一つ追記しておこう。今日、リーマン・ブラザーズを格下げしたのは、ゴールドマン・サックスだけではない。他にも、シティグループとドイツ銀行が、ゴールドマン・サックスに便乗している。素晴らしいタイミングだ!!

(情報源:
http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/lehman-4.html


http://bespokeinvest.typepad.com/bespoke/2008/09/bad-analyst-cal.html


http://www.247wallst.com/2008/09/will-lehman-leh.html






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たまたま運が良かっただけ

09月11日

相変わらずスランプの住宅市場、上昇する失業率、パッとしない株式市場、嫌なニュースばかりが毎日報道されている。これでは、ますます投資意欲が減退してしまうが、こんな時こそ次の有望株を見つけるチャンスだ、とジム・ジュバック氏は言う。


「景気の良い時は、企業の戦略が次々と成功し、経営陣が天才のように見える。しかし、今日のように景気が低迷する状況では、本当に優れた経営陣と、そうでない経営陣の違いが明確になる。」

この言葉を読んだら、ジェイ・ユー氏の話を思い出した。相場が強い時は、多くの人たちが、さほど努力しないで利益を上げることができる。問題なのは、やり方が間違っていても儲かることがあるから、投資家たちは、そのやり方が正しいものとカン違いしてしまう。ユー氏は、先ず、こんな例え話をしている。

地雷原を目前にして、男は途方にくれてしまった。しかし、どうしても向こう側まで行かなくてはいけない。男は祈り、そして目を閉じて歩き始めた。正に奇跡が起きた。男は、全く地雷を踏むことなく、この地雷原を渡ってしまった。この出来事で、男は自信満々になった。もし、また地雷原に直面したら、同じやり方をすればいいのだ!

もちろん、相場が悪い時でも、たまたま運良く儲けてしまうこともある。これが怖い。本人は、自分の実力で利益を手に入れたと信じているから、当然の結果として同じやり方を繰り返す。言い換えれば、大きな損を出すまで、やり方が間違っていたことに気がつかない。

単にラッキーだったことに気付かず、最終的に大損を出すパターンとして、ユー氏は次のような例をあげている。

・一つの銘柄に、全資金をつぎ込んで大きな利益を上げてしまう。

言うまでもなく、一つの銘柄に、全資金を割り当てるのは賢いやり方ではない。しかし、一度ホームランの醍醐味を味わってしまうと、いつも一発勝負を狙うようになってしまう。

・好決算発表を期待しての投資が見事に当たってしまう。

決算発表の前日に株を買う。翌日、予想以上の決算結果で、買った株は20%も上昇する。一旦こんな形で儲けてしまうと、ニュース、掲示板、チャットルーム、と材料探しに夢中になる。新薬が発表される、何々社は中国へ進出する、最高経営責任者が辞任するかもしれない、そんな話に振り回され、待っているのは大損だ。

・絶望的だった持ち株が回復してしまう。

諦めていた株に、格上げや買い推奨が出て、損が一瞬にして利益に変わってしまう。こんな事が起きると、株は長く持っていれば必ず儲かるという言葉を信じる結果になり、損切りのできない投資家になってしまう。



(情報源:
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/5-stocks-for-riding-the-rebound.aspx


http://www.trade2win.com/knowledge/articles/general_articles/trading-on-borrowed-time/?r






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大幅リストラが必要な7企業

09月10日

MSNBCの報道によると、今年の夏、企業による人員削減は、ここ6年間で最も多かったという。先日発表された雇用統計(8月分)によれば、8万4000人に及ぶ人たちが職を失い、これで8カ月連続で非農業部門雇用者数が減少した。


もし、米国経済が73年のような悪い状態に陥るなら、企業は更に積極的な従業員削減を実施して、失業率は8%から9%に達する可能性がある。下記は、247wallst.comが予想する、1万人を超える大幅人員削減を実行しそうな企業だ。

・フォード・モーター(F): 8月の自動車販売台数は26%の大幅下落、そして今年後半の売上は、更に悪くなることが予想されている。去年、フォードは1610万台の自動車を米国で販売し、今年、この数値は1400万を割ることになるだろう。売上の低下で、フォードの保有する現金も減り、倒産の可能性があることから信用格付けが格下げられている。

・シアーズ(SHLD): 低迷する住宅市場、ガソリン高、食品高の影響を受けて、シアーズ(百貨店)で買い物をする人たちが減っている。30万人という大量な従業員を抱えるシアーズだけに、人員削減は避けられそうにない。

・シティグループ(C): 既に1万7000人をカットしたシティグループだが、目標にしている150億ドルのコスト削減を実現するためには、まだまだ多くの社員を解雇する必要がある。

・ワシントン・ミューチュアル(WM): 住宅ローンを中心業務とするワシントン・ミューチュアルは、株価を見る限り、倒産を避けられそうにない。(現在の株価は3ドル15セント。最近52週間の高値、39ドル25セントから大きく下げている。)企業として存続するには、1万人解雇という厳しい選択をするしかないだろう。

・サーキット・シティ(電化製品店、CC): 最近の決算発表によれば、サーキット・シティの保有する現金は9000万ドルほどだから、既に倒産が近い状態だ。もちろん、破産法第11章を利用して、企業の再生手続きをすることもできるが、当然これは大幅人員削減に結びつく。買収される、ということも考えられるが、これも大幅に従業員が削られる結果になる。

・ブロックバスター(BBI): インターネットの普及で、映画を小売店に足を運んで借りる時代は終わった。ブロックバスターは、7600の店を抱えているが、利益を向上させるためには、多くの店舗を閉鎖する必要がある。

・IBM(IBM): 収益が順調に伸びている企業が、なぜ人員を大幅にカットする必要があるのだろうか?去年の動きを見てみると、IBMはインドでの雇用者数を、52000人から73000に増やしている。明らかにIBMは、コストの高い米国での社員を減らして、アジアでの採用者数を増加させていくことになるだろう。



(情報源:
http://robertreich.blogspot.com/2008/09/todays-jobs-report-and-what-it-means.html


http://www.247wallst.com/2008/09/a-dozen-compani.html






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超迷惑な記事

09月09日

ちょっと待て、何かの間違いだろう、と思った人が多かったことだろう。しかし、もし本当なら、たったの10分間で資金を3倍にすることができた。問題になっているのは、ユナイテッド航空の親会社、UAL Corp(UAUA)だ。



(ヤフー・ファイナンスから)

赤で囲った部分に注目してほしい。Day's Range 3.00 - 12.45と表示されているが、これは月曜の安値は3ドル、そして高値が12ドル45セントという意味だ。どう考えても上下幅がありすぎる。

念の為にMSNマネーも見てみた。



こちらも同じだ。高値は12ドル45セント、そして安値は3ドルと表示されている。繰り返すが、一日で、こんなに株価が変動することはありえない。大手証券会社が、間違ったコンピュータのボタンを押して、大失敗トレードをしてしまったのだろうか?

株価乱高下の原因は新聞記事だった。

2002年、ユナイテッド航空は、連邦破産法第11章に基いて破産申請をしたことがある。その古い記事が、どういうわけか、今日のニュースとしてSouth Florida Sun Sentinel紙のウェブサイトで報道された。

下は、UAL Corpの10分足チャートだ。



1、新聞記事: 高値 12ドル6セント、安値 3ドル71セント

2、出来高: 7396181株

3、反発: 高値 9ドル98セント、安値 3ドル

4、出来高: 16960483株 (これは、1日の平均出来高の8割に相当する。)

5、取引停止

6、取引再開

どちらにしても、これは裁判沙汰になることだろう。

(情報源:
http://news.moneycentral.msn.com/ticker/article.aspx?Feed=AP&Date=20080908&ID=9112566&Symbol=UAUA




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チャートで占う次期大統領

09月08日

マケイン氏、カップ・アンド・ハンドルをブレイクアウト、というタイトルを見つけた。マケイン氏は、共和党から大統領に立候補している上院議員だが、先ず「カップ・アンド・ハンドル」から説明しよう。



(チャート:
http://stockcharts.com/school/doku.php?id=chart_school:chart_analysis:chart_patterns:cup_with_handle

ウイリアム・オニール氏(オニールの成長株発掘法の著者)が有名にしたパターンだが、ようするに、下の写真で分かるように、コーヒーカップの形がチャートに出来上がるわけだ。



それでは本題に戻ろう。



(チャート:
http://alphatrends.blogspot.com/2008/09/mccain-breaks-cup-handle.html

このパターンを見つけたのはブライアン・シャノン氏だ。上のチャートは、intrade.comという予想サイトからだが、マケイン氏が大統領に当選する可能性が示されている。(注: intrade.comは、単なる予想サイトではなく、参加者は実際に金を賭けることもできる。)

下が、シャノン氏の説明だ。

「8月の初旬、マケイン株は20日と50日移動平均線を突破して、その後も値を崩すことなく、高値圏で安定した動きを見せている。カップ・アンド・ハンドルも形成され、共和党に勢いがついている。」

シャノン氏は、オバマ株のチャートを見て、こう書いている。



「天井を形成しているようだ。50日移動平均線も下降が始まっている。56ドルのサポートを割るようなら、持ち株は処分だ。」

2カ月ほど前だと思うが、ブライアン・シャノン氏が本を出した。Technical Analysis Using Multiple Timeframes(複数のタイムフレームを利用したテクニカル分析)、という本だが、お勧めの一冊だ。(
http://www.technicalanalysisbook.com/

たとえば、1分足でトレードしている人は、もう一つ上のチャートとして何分足を選ぶべきだろうか?5分足だろうか、それとも15分足だろうか?移動平均線のパラメーターとして、20を使う人が多いが、それは本当に有効だろうか?とにかく、一読をお勧めしたい本だ。



ブライアン・シャノン氏






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米国マーケットの季節性

09月06日

毎年この時期になると、必ず報道されることがある。米国マーケットの季節性に関することだが、ストック・トレーダーズ・アルマナックの統計によると、年間で最も株の成績が悪いのは9月だ。


あいにく、手元にストック・トレーダーズ・アルマナックが無いので、プレクサス・アセット・マネージメントの資料を見てみよう。



上は、1958年から2008年までの、ダウ指数の成績を示したものだ。

(A): 最も平均リターンが少ない月: 9月 マイナス1.02%

(B): 最も乱高下する月: 10月 5.39%

(C): 最大の下げ幅: 1987年10月 マイナス23.22%

(D): 最も下落回数が多かった月: 9月 32回

(E): 10%以上の下げが最も多かった月: 8月と9月が、それぞれ3回

一般的には、暴落の思い出がある10月が年間で最も株が不調と信じられているが、上の数値を見る限り、9月は明らかに厳しい月だ。

もう一つ、プレクサス・アセット・マネージメントからの資料を見てみよう。



上は、1958年から2008年までの、ダウ指数の平均リターンを月別に示したものだ。

確かに9月が最悪だが、ここを乗り切ると、矢印で分かるように、10月、11月、12月、そして1月のマーケットは好調だ。今年も歴史が繰り返されるなら、9月の下げは、割安株を拾うチャンスと言うことができる。

(情報源:
http://seekingalpha.com/article/94113-september-off-to-a-rough-start






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売りのプロから投資家へ、「強気になれ!」

09月05日

大引けまで約3時間。ダウ、ナスダックとも2%を超える大きな下げだ。新学期セールの売上が予想以上に悪かった、失業保険申請者数が跳ね上がった、と悪いニュースばかりが報道される中、空売りで有名なダグ・カシュ氏が強気な見方を発表した。

早速、氏が指摘する、いくつかの点を見てみよう。

・商品、特に原油、天然ガス、ガソリンなどのエネルギー関連商品の価格が大きく下がっている。これは減税と同じ効果があるから、個人消費に好影響となる。

・上記した商品価格が下げたところで安定すれば、心配された企業利益が受けるダメージが軽減され、これが株式市場の良い追い風になる。

・原料価格の下落、それに賃金インフレも存在せず、問題になっていた急騰する物価も、おそらく天井を打ったことだろう。

・マスコミは、副大統領候補に指名された、サラ・ペイリン氏(共和党)を過小評価している。昨夜のペイリン氏の演説はホームランだ。11月の本選挙に向けて、ペイリン氏は、マケイン陣営を引っ張る大きな力になることだろう。

・現在の米国経済を考慮すると、次期大統領は、減税などを実施して経済刺激策を優先させることだろう。

・金融問題の中心点となった住宅市場も、底打ちの兆しが見え始めている。どんな速度で回復するかは分からないが、住宅価格の下落に関しては、あと6カ月から9カ月で終わる可能性がある。

・ここ数年間、ヘッジファンドが、買いに対してこれほど消極的になったことはない。

正に売りの専門家が、「強気になれ!」と投資家に発破をかけているわけだ。カシュ氏は、最後にこう記している。

「金融危機、借金だらけの消費者、ガタガタなヘッジファンド業界、世界的に低迷する金融機関、低下する企業利益、と現状には難問が多数ある。もちろん、私は、それらを無視しているわけではない。しかし、現在の株価は、ほとんどの悪材料が既に織り込まれたようだ。トンネルの向こう側に見える光は幻ではないと思う。それよりも、まだトンネルの中にいる、という考え方が間違っているような気がする。」



(サラ・ペイリン氏) (写真:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7588542.stm

(情報源:
http://biz.yahoo.com/ap/080904/wall_street.html


http://www.thestreet.com/story/10435762/1/kass-im-sprouting-bull-horns.html






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迷解株式用語辞典

09月04日

ノーゲート・インベスター・サービスが、ユーモア、皮肉たっぷりの株式用語辞典なるものを発表した。たとえば、ファンダメンタル分析の定義はこうだ。「なぜ、株価が下がるべきでないかを、説得力を持って説明するための分析方法。」 それでは、他の定義を見てみよう。


・バックテスト: 過去のトレードに最高の利益をもたらし、将来のトレードには利益ゼロを約束するテスト。

・浮動株: 他に買い手が無く、最終的に、あなたに回って来た株。

・ヘッジファンド: 金持ちから資金を集めて、好き勝手に投資すること。ヘッジファンドには、ミューチュアルファンドのような厳しい監視は無いから、マーケットで思う存分遊ぶことができる。

・機関投資家: あなたが買った後、大した理由も無いのに、膨大な量の株を投げ売る投資家。

・マーケット・レポート: なぜマーケットが上がったのか、下がったのかの簡単な説明。99%のレポートは他のレポートを引用したものであり、残りの1%は単なる気まぐれな思いつき。

・資金管理: 株での損失を、妻から隠すための行為。

・ストキャスティクス: テクニカル分析を、テクニカル分析らしくさせるために、そう名付けられた指標。

・損切り注文: コンドームのようなもの。利用しておけば良かった、と後悔する注文方法。

・天才トレーダー: 強い上げ相場で出現する無謀なトレーダー。

・トレンドライン分析: 自由に消したり引いたりすることができ、更に消した跡が残らないコンピュータ画面上で、とても有効な分析方法。

・長期ポジション: デイトレードに失敗し、元の値段に戻ったら直ぐ処分される予定の持ち株。

・中央銀行: 損切り注文を全く利用しない大投資家。タイ銀行は、40%に相当する外貨準備を、一日で失ったことがある。

・金融派生商品: CHIPS、 STEERS、ZEPOSといった頭字語(アクロニム)で表現され、それ以上の意味は不明な商品。

・口座資金減少: ペーパートレードを卒業して、実トレードに移ると起きる現象。

・ファンダメンタルに問題は無い: マーケットが暴落した後、頻繁に使われる言葉。

・買われ過ぎ: あなたを除いた、ほとんどの投資家が買ってしまった時に起きる現象。

・ゼロサム・ゲーム: 投資家が負け証券会社が勝つゲームのこと。



(情報源:
http://www.premiumdata.net/support/alternative.php






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安売りよりも安いモノ

09月03日

食品価格の上昇で、アメリカでは、冷蔵庫ではなく冷凍庫の売上が伸びている。NPDグループの調べによると、今年1月から6月の冷凍庫売上数は110万を超え、去年の同時期を7%上回っている。



(冷凍庫 写真:AP)

ほとんどの家庭では、冷凍庫は車庫に置かれ、肉やフルーツの保管に利用されている。こんなアンケートがある。



(AOLlより)

質問: あなたは、冷凍庫を所有していますか?(あなたは、冷凍機能だけを備えた冷凍庫を持っていますか?)

回答:

はい 61%

いいえ 39%

総回答数: 25271

ポーラ・ドレイク氏(Home Depot )は、こう語っている。

「冷凍庫の売上は、経済が低迷する時に上昇します。景気が悪い時は、消費者はレストランでの外食を避け、 安売りされている食品を大量に買い込む傾向があります。」

それでは、安売りではなく、消費者に嬉しい無料サービスを見てみよう。

・デニーズ(ファミリー・レストラン): 毎週火曜の夜は子どもはタダで食べることができる。

・送料無料: たとえばアマゾン・ドット・コムの場合、買い物高が25ドルを超えると、送料が無料になる。

・無料外国語レッスン: www.bbc.co.uk/languagesにアクセスすれば、無料で初級フランス語、ドイツ語、スペイン語などを受講できる。

・無料で宿泊: CouchSurfing.com、HomeExchange.comなどのサイトは、無料で宿泊できる場所をおしえてくれる。

・無料オフィス・ソフトウェア: OpenOfficeを利用すれば、高いマイクロソフトのソフトウェアを買う必要がない。

・無料ワイヤレス・インターネット・アクセス: WiFiFreeSpot.comで調べれば、無料でアクセスできる場所が分かる。

商売をする人にとって、最も重要なことの一つに、製品やサービスの価格設定がある。ブラッド・シュガーズ氏(Entrepreneur.com )によれば、特に起業家たちが犯しやすい間違いは、競争相手を意識しすぎて、必要以上に価格を低く設定してしまうことだ。

(情報源:
http://www.walletpop.com/article/_a/bbdp/freezer-sales-climb-as-food-prices-soar/152480


http://www.walletpop.com/specials/kiplinger/fabulous-freebies


http://www.thestreet.com/story/10435208/1/seven-biggest-mistakes-in-setting-prices.html



グーグル、新ブラウザー発表

Google (GOOG) Browser: Crush Mozilla, Challenge Microsoft (MSFT)


http://www.247wallst.com/2008/09/google-goog-bro.html

モジラを潰せ、マイクロソフトにチャレンジ、のヘッドラインで分かるように、いよいよグーグルがブラウザー市場に参入する。

下は、日経ネットからの抜粋。

「新ブラウザーの名称は「グーグル・クローム」。電子メールやカレンダーなど、グーグルが展開するネットサービスが使いやすくなる。複数のウェブサイトを表示する速度なども高めた。2日に開催予定の記者会見で詳細を明らかにする。 」


http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080902AT2M0200X02092008.html






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トレーダーからの熱いメッセージ

09月02日

「日本のサラリーマン山本」、と自称する山本氏から、「トレードのビジネスプラン」と題されたメールが送られてきた。精神面の話、それに具体的なトレード方法までが詳細に記され、とにかく熱気のこもったメールだった。さっそく抜粋してみよう。

2006年8月にトレードを開始し、約2年間、現物、信用、先物、FX、オプションと、一般的トレーダーが歩むお決まりのコース(奈落の螺旋階段)をたどってきたようだ。過去2年間の累計損失額は自分だけが知っていればよい。過去100冊以上の株本を読み、オンラインを含めてどれだけのセミナーに参加したことだろう。

現時点において、自らのトレーディングスタイルがあいまいである点、マネーマネジメント(リスク管理)が甘い点(ストップロスオーダーで満足している点)、さらに人生の目標が明確でなく、単に惰性でトレードしている面を憂慮している。トレーディングをビジネスとして捉えれば、ビジネスプランは詳細かつ明確でなければならないはずだ(そうでないと資本は集まらないし融資も受けられない)。そこで、長期的な人生の視野に立ち、いまこのプランを作成し、トレーディングをビジネスとして真摯に行い、継続的なプラスキャッシュフローを積み重ね、ひいてはこれを通じて人生の自己実現を図ること、上記3点を大目的としてこのプランを作成するものである。

マインド(心のありよう): 常にマーケットニュートラルの視点を維持すること。材料がすべて織り込まれたのが現在時点の市場合意価格であることを常に忘れず、強く認識し続ける。 したがってバイアスは一切持たず、感情・希望を排除し、チャートシグナルのみを判断材料としてスイングトレーディングを実践していく。

マネーマネジメント(資金管理、リスクマネジメント):

・1トレードのリスクを、ストップアウト基準で資金額の3%に「常に」限定する。

・総ポジション(片方向)のリスクを、ストップアウト基準で資金額の10%に「常に」限定する。

・両方向(ロング・ショート)をあわせたリスクは、ストップアウト基準で資金額の15%に「常に」限定する。(少なくとも暴落はヘッジされているので、むしろ好ましく15%を許容できる、という考え方に基づく。)

・上記「3ー10ー15」はアレキサンダー・エルダー著「投資苑3」の推奨する「2ー6ルール」よりかなり高いリスクを享受することを認識するが、本プラン作成時点での「絶対的な自信、恐るべき燃え」から、あえて高いリスクを許容し、緊張感と真剣味を維持し、ひいては高水準のリターンを追及していくものとしている。

見るべきもの:

・日経225、およびダウの日足。その他の複合判断材料として原油、ドル円、ナスダック、TOPIXもちょろちょろ参照。

・騰落レシオ。

・外人動向。

・MA、日足で8ー21ー89を見続ける。たまに週足でよい。

・MACD、 初期設定12ー26ー9でよい。ヒストグラムのダイバージェンスを重点チェックしていく。

・RSI、7期で見ていき、水準はともかく、何はともあれダイバージェンスをチェックしていく。特に日経225のダイバーだけはもう二度と、絶対に、死んでも見逃してはならない。

・プットコールレシオ。$VIXもたまに見て感覚を少しずつ養う。

・価格フシ 指標のフシ、個別のリトレースメント水準は意識しておく。

・出来高 個別銘柄毎にチェックしていく。

・需給 信用残の推移を個別銘柄毎にチェックしていく。


これで終わりではない。更に、ダイバージェンスの買い、売り、ローソク足の仕掛け、整然とした押し、と具体的な方法に話は進んでいく。「移動平均線の熱くぬれた毛布」、という面白い手法もあった。最後に、山本氏は「トレードは自己責任」と強調しておられたことを記しておきたい。






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選挙本番、面白くなってきた

09月01日

驚いた! 共和党から大統領に立候補しているマケイン氏は、副大統領候補として、アラスカ州の州知事サラ・ペイリン氏(44才)を選んだ。言うまでもなく、女性票の獲得を狙ったものだが、ペイリン氏の知名度は低い。



(サラ・ペイリン氏、 写真:Getty Images)

報道によれば、ヒラリー・クリントン氏(民主党)を支持していた人たちは、本選挙でオバマ氏に投票するつもりはない、と回答する人が多い。こんな状況を、既に察知していたマケイン陣営は、クリントン支持者の獲得に本格的に乗り出したわけだ。(こんな声もよく聞く。オバマ氏は、バイデン氏ではなく、クリントン氏を副大統領候補に指名するべきだった。)

週末は、どのテレビもペイリン特集に忙しいが、ここで掲示板を見てみよう。

・「もしオバマ氏が、クリントン氏を指名していれば、ほとんどの女性はオバマ氏に投票することになったことだろう。しかし、ペイリン氏の指名で、間違いなく女性票は割れる。」 ronjsqさん

・「オバマ氏は、バイデン氏を指名したことを後悔していることだろう。」 mizzou-fanさん

・「ペイリン氏には新鮮なイメージがある。バイデン氏のような、典型的な政治家という嫌なイメージが無い。」 AmericanPhilさん

・「私はオバマ氏を支持している。マケイン氏のペイリン氏指名は、たしかに賢明だと思うが、明らかに切羽詰った行動だ。」 jeff777さん

・「マケイン氏のペイリン氏指名はホームランだ。」 gulfcoasttraderさん

・「ペイリン氏の指名は勇気のある行動だ。マケイン陣営の作戦は正しいと思う。」 BryManさん

下は、ペイリン氏の簡単な履歴だ。

・1964年 2月11日、アイダホ州で生まれる。

・1987年 アイダホ州立大学卒業。

・1992年ー1996年 アラスカ州ワシラ市 市議会議員

・1996年ー2002年 ワシラ市 市長

・2006年ー現在 アラスカ州 州知事

(情報源:
http://www.cnn.com/2008/POLITICS/08/29/palin.republican.vp.candidate/index.html


http://www.marketwatch.com/news/story/mccain-picks-sarah-palin-running/story.aspx?guid={D899CC99-49A4-4345-8980-9814FBCC06C6})




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