羽根英樹
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通信講座『イベント投資倶楽部』主宰。 兼業投資家。投資歴30年以上。現在は株の売買をメインに、年2〜3割のペースで資産を増やし現在の運用資産は数億円となる。 1993年からコモディティ市場でサヤ取りを始める。コモディティの出来高が減ってからは、サヤ取りの技術を応用し、リスク管理を徹底したトレードを実践している。現在はイベントトレードをメインに売買し着実に利益を積み重ね過去十年以上年間プラスを維持し続けている。 サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『サヤ取り入門 [増補版] 』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『マンガ サヤ取り入門の入門』、『マンガ 商品先物取引入門の入門』、『イベントドリブントレード入門』(全てパンローリング)などがある。
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名証二部市場で相次いでMBO 02月11日
今年も、昨年同様TOB、MBO案件がたくさん出ています。そんな中で最近名証二部銘柄から相次いでMBOの発表がありました。名古屋木材(7903)と大成(4649)です。この二のMBOには共通点があり、一つは時価総額が非常に小さい事、もう一つは公開買い付け価格がBPSを割っていることです。BPSとは一株当たり純資産ですので、買い付け価格がこれを割っているという事は、資産価値よりも安く買収しようとしているということになります。ちなみにPBRとBPSの関係は、「PBR=株価÷BPS」となります。
昨今コーポレートガバナンスが厳しく問われている中で何故このような「安すぎるMBO」が相次いだのでしょうか?もしこれが東証一部である程度時価総額が大きい銘柄ならばそうはならなかったと考えられます。割安なMBOに対しては、アクティビストファンドが対抗TOBを実施する可能性がありますし、当該企業の株主の中にアクティビストがいれば黙っていないでしょう。上記二つの会社は名証二部というマイナーな市場に上場しかつ時価総額が小さすぎて、買収ファンドも相手にしないだろうという目論見が立つという状況下でのMBOなのでしょう。
しかし昨年やはり名証二部に上場していた小島鉄工所(6112)のMBOに対して個人投資家が市場で買い進めた上で、公開買付価格を上方変更させることに成功したという事例もありました。時価総額が極端に低い会社は確かにアクティビストの標的にはなりにくいのですが、今後も個人投資家が買うケースが出てくるかも知れませんね。
BPS割れのMBOは、バリュ投資家から見ればバリュエーションを無視した酷い行為としか映りません。バリュ投資の根本を崩しかねないと考えられます。
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