羽根英樹
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通信講座『イベント投資倶楽部』主宰。 兼業投資家。投資歴30年以上。現在は株の売買をメインに、年2〜3割のペースで資産を増やし現在の運用資産は数億円となる。 1993年からコモディティ市場でサヤ取りを始める。コモディティの出来高が減ってからは、サヤ取りの技術を応用し、リスク管理を徹底したトレードを実践している。現在はイベントトレードをメインに売買し着実に利益を積み重ね過去十年以上年間プラスを維持し続けている。 サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『サヤ取り入門 [増補版] 』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『マンガ サヤ取り入門の入門』、『マンガ 商品先物取引入門の入門』、『イベントドリブントレード入門』(全てパンローリング)などがある。
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『羽根英樹のイベントドリブントレードブログ』
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kabuberryでのご質問にお答えします 07月12日
7月1日、非営利の投資勉強会であるkabuberryに登壇させていただきました。
イベントドリブンについて1時間半以上講演させていただきました。
当日の模様は、既にYoutubeにアップしていただいております。
https://www.youtube.com/watch?v=njIHRmB0JVA&t=286s
当日、参加者の皆様からご質問を頂きましたが時間の関係上お答えできなかったものがありました。イベントドリブンの勉強をされている方には有意義と思われる質問もありますので、この場でお答えをさせていただきます。
Q1.TOBに関する情報収集で参考にしているサイト等の情報源で話せる範囲で何かありますでしょうか?
A.ロイター、ブルームバーグなどの金融系通信社のニュースサイトやベタですが日経電子版は必ずチェックします。また共同通信、時事通信など通信社、新聞社もチェックしますが、信頼性はロイター、ブルームバーグ、日経の3社が上で、それ以外だとやや下がります。
またM&Aオンライン、
https://maonline.jp/ MARR online
https://www.marr.jp/mainfo/news/ などM&A専門サイトがまとめられていて便利です。
Q2.イベントや需給を見るうえで、参考にしているニュースやサイトなどあればお聞きしたいです。
A.先に挙げたロイターなどの金融系通信社、新聞社、通信社のサイトをチェックします。各社により得意不得意分野がありますので、見極めることも大事です。大手新聞社の中にも科学記事に弱い会社もありますし、特定分野のニュースを異常に正確に予測する会社があります。また株探プレミアム、バフェットコードは非常に便利でよく使っています。また大口の空売りを調べるのkarauri.netも使います。もちろんTDnet,EDINETのチェックは毎日のルーティンに入ってます。
Q3.持ち株の売り時の目安は?
A.イベントの賞味期限が終わる前です。いつまでそのイベントが有効なのかを検証から判断しています。もちろんイベントが消滅するなどホールドする大前提が無くなれば即エグジットします。
Q4.イベントドリブン手法としては、何種類くらいの手法を使っていますか?また手法の分類などがあれば教えてください。
A.一つのイベントでも複数の手法で取りに行くので数え方が難しいのですが、小さいものを入れれば100は超えると思います。分類は、狭義と広義のイベントドリブンで大きく違います。検証方法からは大きく分けて、1.事前にイベントが分かっていて期間も決まっている。2.イベントは突発的に起こる。の2種類になります。1はイベントの前後の値動きをイベント日基準で検証します。2の場合は、イベント後の反応を検証する形になります。
Q5.戦争時のイベントドリブントレードについて教えてください。
A.日本で国防関連銘柄と言われている、三菱重工(7011)、川崎重工(7012)は全体の売上に占める防衛省に納入する売上の割合はせいぜい10%台です。しかしアメリカのノースロップ グラマン(NOC)やロッキード マーチン(LMT)は軍事部門の売上が80%を超えます。戦争に直接関わる米国の2銘柄を過去20年ほどの期間で、戦争、紛争時にどのような動きをしたのか調べてみましたが、かなり動きがバラバラで傾向が掴めませんでした。検証方法に問題がある可能性もありますが、おそらくは戦争紛争の始まり方に原因があるように思います。戦争紛争は突発的に始まるケースは少なく、ほとんどの場合、前兆があります。ウクライナ戦争の場合も、段階的にクリミア半島侵攻、東部の独立運動、そしてロシアの国境付近での軍事演習と前兆、予兆がありました。ですから記録上の戦争の始まりの日を基に検証を行なってもそれより前からの予兆があるので、インパクトがそれほどないのかもしれません。このような長期にわたるイベントはなかなか傾向がつかみにくいように思います。
Q6.今年3月、東証の方からPBR1倍を割れている企業に対して改善を求める要請が出されました。しかしながら、PBR1倍を割れている企業はかなりの数になるため、イベントドリブンの機会と捉えるにはやや難しいように感じているのですが、羽根さんはどのようにお考えでしょうか?
A.PBR1倍割れの対策について、各企業が「いつ、何を」やってくるのかが判らないために、短期に直接このイベントを利用してトレードするのは難しいかと思います。ただ間接的には、親子上場廃止の要因にもなります。東証の市場再編に加えて、親子上場廃止の動きが更に加速化するのではないでしょうか。バイアウト目的のTOB、MBOが増えてくるでしょう。
Q7.今年、東証市場再編による経過措置期間が2025年3月1日という期限が示されましたが、このように期限が明記されたことによる東証プライム市場の当落線上の企業に関するイベントドリブン等による見方・考え方の変化等がございましたら、教えてください。
A.これまで曖昧だった経過処置期間が定められたことで、上場維持基準への適合に向けた計画を変更しなければならない会社も出てきそうです。長期の計画だったりひどいのは期間を定めていない会社もあります。これらの会社は計画を出し直すことになると思いますのでその内容が楽しみです。ただあと2年を切った状態でできることはそれほど多くなく、ぎりぎりの会社については、配当、優待、大株主の売出といったこれまでの施策が前倒しになるでしょうし、諦めた会社は、グロース、スタンダードに甘んじるか、それも無理なら、MBOなどで上場時廃止になることになるのではないでしょうか。
Q8.ご無沙汰しております、以前お話の中のイベントドリブン、早売り後悔銘柄のPCデポのMBOは予想されてましたでしょうか?
A.予想できませんでした。
Q9.平日の普段のルーティンを教えてください。
A.寄り前に注文は出してしまします。場中は殆ど見ていません。夜になったら一人反省会を行います(笑)その後各サイトをチェックします。検証は休日にまとめてやることが多いですが、急遽エントリーするものについて、緊急的に検証することはあります。
Q10.銘柄のフィルタリングをどうされてるか知りたいです。
A.これはイベントによって異なります。基本的には期待値の高いもの、流動性があるものを優先します。
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