羽根英樹
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通信講座『イベント投資倶楽部』主宰。 兼業投資家。投資歴30年以上。現在は株の売買をメインに、年2〜3割のペースで資産を増やし現在の運用資産は数億円となる。 1993年からコモディティ市場でサヤ取りを始める。コモディティの出来高が減ってからは、サヤ取りの技術を応用し、リスク管理を徹底したトレードを実践している。現在はイベントトレードをメインに売買し着実に利益を積み重ね過去十年以上年間プラスを維持し続けている。 サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『サヤ取り入門 [増補版] 』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『マンガ サヤ取り入門の入門』、『マンガ 商品先物取引入門の入門』、『イベントドリブントレード入門』(全てパンローリング)などがある。
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『羽根英樹のイベントドリブントレードブログ』
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LMEの大失態 03月19日
LME(ロンドン金属取引所)は、1877年設立の老舗取引所です。永らくヨーロッパのみならず世界の非鉄金属市場の指標となってきました。そのLMEが3月8日、ニッケルの取引中断と、同日取引された売買の取り消しを発表しました。過去に遡って取引を無かったことにするという、取引所の対応に金属のトレーダーは驚愕したと思います。非鉄金属の現物を扱うトレーダーは、現物を買うと同時にLMEなどの先物市場で売ってヘッジをします。現物や他市場とのサヤ取りも行われています。LMEの取引が無効になっても、他の市場や現物取引を無かったことにはできませんから、いきなりヘッジが無くなってしまったりサヤ取りのポジションが、アウトライト(片張り)になってしまうわけです。これはトレーダーからすればあり得ない事です。
例えば、日本の株式市場で、場が終わってからその日の225先物だけを無かったことにされたら大混乱になることは想像がつくと思います。裁定取引業者は多くの現物株を抱えて、恐らくはCMEの225先物に繋ごうとするでしょう。そうなれば、CMEの225先物は大暴落を起こします。裁定業者は、ヘッジできなくて大きな損失を出すかもしれません。
LMEのニッケル先物取引は16日に再開されましたが、取引所の信用を大きく失いかねない決定に、LME離れが起こるのでは?とも思います。またこの処置は、高値で売っていた特定の中国企業を助けるためではないか?という話も出ています。
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