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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

TOPIXも日経平均もともに時の利が「売り」に転換

12月29日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -111.36 @19,833.68, NASDAQ -48.89 @5,438.56)。ドル円為替レートは116円台後半の円高方向へ振れた。本日の日本株全般は下げた。上昇銘柄数が342に対して、下落銘柄数は1,571となった。騰落レシオは119.60%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆796億円へ増加した。

TOPIX -18 @1,518
日経平均 -257円 @19,145円

米株式市場が下落したこと、さらに円相場が円高方向へ振れたことを嫌気して、TOPIXも日経平均も売りが先行して大きく下げた。日経平均先物など先物市場での売りが下落に拍車をかけた面もあるが、高値警戒感を意識した持ち高調整の利益確定売りが優勢となった。日経平均は下げ幅が一時、300円を超える場面もあった。トランプラリーが始まったとされる11月10日以降では最大の下げ幅だった。TOPIXはすでに26日から10日移動平均線を終値で割り込んでいたが、今日は日経平均も10日移動平均線を割り込んだ。TOPIXも日経平均もともに時の利が「売り」に転換した。

トランプ相場の起点は財政出動による米景気の拡大期待だった。これが米長期金利を急騰させ、日米の金利差が拡大し、それが円安をもたらし、輸出企業の業績回復へとつながるというロジックで上昇してきた。しかし、米国の急速な金利上昇は実体経済を冷やし始めていることがわかってきた。全米不動産協会が発表した11月の仮契約住宅販売指数は、前月の改定値から2.5%悪化し、10カ月ぶりの低水準となった。大統領選後の米国金利急騰による住宅ローン金利の上昇が影響した。これを受けて、12月28日のNYダウは大きく下落した。

33業種中食料品を除く32業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、証券(3位)、銀行(4位)m金属製品(5位)となった。
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TOPIXの時の利は「売り」に転換している

12月29日
昨日の米国株式相場は小幅高となった(DJIA +11.23 @19,945.04, NASDAQ +24.75 @5,487.44)。ドル円為替レートは117円台半ばでの推移。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,411 に対して、下落銘柄数は474となった。騰落レシオは129.25%へ低下した。東証1部の売買代金は1兆5591億円へ減少し、薄商いとなっている。

TOPIX +1 @1,537
日経平均 -1円 @19,402円

TOPIXも日経平均もほぼ変わらずとなった。年末とあって市場参加者が少なく、また、12月期末の配当権利落ち日にあたり、権利確定に伴う手じまい目的の売りにも押され、積極的な売買も手控えられた。東証1部の売買代金は概算で1兆5591億円と、2015年12月28日以来1年ぶりの低水準だった。TOPIXは12月26日以来3日連続で10日移動平均線を割り込んでおり、時の利は「売り」に転換している。

海外勢は2016年12月2週まで現物と先物合計で日本株を2兆8000億円あまり売り越したが、個人投資家も現物と先物合わせ2兆5000億円超の売り越した。外国人と個人合わせて5兆3000億円を売り越しても、それでも日本株は上昇したのだ。外国人と個人の売りを誰が吸収したのか?それは2016年12月2週まで4兆3000億円を超えている日銀のETF買いと、企業の自社株買いだった。企業の自社株買いは2016年に4兆9000億円超に達し、15年の4兆8210億円を上回って過去最高を更新した。これに日銀のETF買いを加えると9兆円超の買い手となった。外国人及び個人の5兆3000億円の売りに日銀と企業の自社株買いの9兆円超が買い向かった結果がことしの相場構図であった。日銀の破壊力はげに恐るべし。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、鉄鋼(2位)、機械(3位)、海運(4位)、金属製品(5位)となった。
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年末で市場参加者が少ない

12月27日
昨日の米国株式相場は休場だった。ドル円為替レートは117円台前半での推移だった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が781に対して、下落銘柄数は1,076となった。東証1部の売買代金は1兆8354億円。

TOPIX -2 @1,536
日経平均 +6円 @19,403円

TOPIXはわずかに下げ、日経平均はわずかに上げたが、実質的には横ばいだった。前日までに3日続落していたこともあり、出遅れていた国内勢から押し目買いが入った。クリスマス休暇明けの一部の海外勢が買いに動き始め、上げ幅は一時80円を超える局面もあった。しかし、年末で市場参加者が少ないうえ、年明けへの警戒感もあり、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。海外勢の多くは休暇中で市場参加者が少ないため、東証1部の売買代金は2日連続で2兆円を大きく割り込んだ。例年1月は株式相場が大きく調整する傾向があるので、そう強気にはなれないのかもしれない。

33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、海運(2位)、その他製品(3位)、医薬品(4位)、銀行(5位)となった。

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26日は主要な海外市場が休場となるため・・・

12月26日
先週の金曜日の米国株式相場は小幅高となった(DJIA +14.93 @19,933.81, NASDAQ +15.27 @5,462.69)。ドル円為替レートは117円台前半での推移。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が848に対して、下落銘柄数は1,040となった。騰落レシオは135.68%へ低下した。東証1部の売買代金は1兆6302億円。

TOPIX -6 @1,538
日経平均 -31円 @19,397円

12月26日は米国やドイツなどの主要な海外市場が休場となるため、投資家の買い手控え姿勢も強まり、TOPIXも日経平均も小安く終えた。TOPIXは10日移動平均線を11月10日以来初めて終値で割り込んだ。円相場が1ドル=117円近くまで円高方向へ強含んだことも相場を押し下げる要因となった。日経平均は年初来高値(1万9494円)近くで推移する中で利益確定売りが優勢となった。日経平均の高値と安値の差である値幅は47円弱と2014年9月1日に記録した37円強以来、2年3カ月ぶりの小ささだった。東証1部の売買代金は米大統領選後で最低の1兆6302億円へしぼみ、約2カ月ぶりの低水準にとどまった。

11月8日の米国大統領選挙直後から始まった急速な円安・ドル高が今回の上昇相場の大きな背景である。12月の日銀短観の大企業製造業の下期の想定為替レートは103円36銭であるので、足元の円安が続くなら業績上方修正余地も大きい。しかし、円高への巻き戻しリスクも考慮しておくべきだろう。前週末に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した投機筋による円の売り越し幅は約1年1カ月ぶりの高水準に拡大したため、これまでのような円売り建玉の積み上がりペースは期待しにくくなっている。

http://zai.diamond.jp/list/fxmarket/imm
これに加えて、米製造業への打撃を嫌うトランプ氏のドル高けん制懸念発言がいつ飛び出してもおかしくない。新政権のハネムーン期間が続く17年3月頃までは現状ムードが継続するにしても、そこから先は再び円高方向に動き始めるシナリオも忘れずにいたい。さらに、原油などの商品価格の動向にも注意が必要だろう。原油価格は産油国による減産合意への期待から回復基調が続いたが、これも足踏みしている。産油国は一枚岩ではない。合意通りに減産がなされるかどうか。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、石油・石炭(2位)、鉱業(3位)、鉄鋼(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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信用評価損率、マイナス7.31% ⇒ 要注意

12月23日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -32.66 @19,941.96, NASDAQ -12.51 @5,471.43)。ドル円為替レートは117円台後半での推移。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が852に対して、下落銘柄数は990となった。騰落レシオは138.67%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆1590億円。

TOPIX -1 @1,544
日経平均 -17円 @19,428円

米国株式相場の下落を受けて、利益確定売りが優勢となり、小幅続落となった。ただ、下値では足元の相場上昇に乗り遅れた投資家の押し目買いが入り、底堅く推移した。米株式市場でダウ工業株30種平均が2万ドルの大台に迫っており、目標達成後に利益確定売りが膨らむことへの警戒感がある。

米大統領選以降、外資系運用会社などで日本株の投資評価を引き上げる動きが活発化している。世界景気の改善期待が米大統領選で加速しており、海外勢は世界の景気敏感株とされる日本株を買いやすいと見ている。海外勢が強気なら明けも堅調な相場が期待できることになる。しかし、そう強気ばかりでもいられない。皆が皆強気の時には特に用心する必要がある。信用取引で買った株式の含み損益を示す信用評価損益率は、16日申し込み時点でマイナス7.31%まで上昇してきた。経験則ではマイナス5%を超えてくると相場は天井となる場合が多い。

https://www.traders.co.jp/margin/transition/transition.asp

33業種中17業種が下げた。下落率トップ5は、その他製品(1位)、保険(2位)、精密機器(3位)、海運(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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日経平均は「かぶせ線」、TOPIXは「包み線」

12月22日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +91.56 @19,974.62, NASDAQ +26.50 @5,483.94)。ドル円為替レートは117円台後半での推移。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が471に対しいて、下落銘柄数は1,417となった。騰落レシオは147.50%。東証1部の売買代金は2兆4195億円。

TOPIX -7 @1,545
日経平均 -50円 @19,444円

TOPIXも日経平均も小幅反落した。日経平均は「かぶせ線」、TOPIXは「包み線」となった。「かぶせの下抜け」或は「包みの下抜け」となれば当面の高値達成から反落を試す動きに入るか?海外投資家が休暇入りで不在のクリスマス相場に突入しており、方向感は定まらず値幅も限定的となりつつある。日経平均は前日の欧米株高の流れを引き継ぎ、午前中は一時100円高まで迫ったが、上昇相場をけん引してきた海外勢が不在のため、また、年初来高値圏で過熱感もあることから勢いは弱かった。午後に入ると次第に年末を控えた国内機関投資家の利益確定売りに押され、下落に転じた。下げ幅は一時、100円を超える場面もあった。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、その他製品(2位)、電気・ガス(3位)、鉄鋼(4位)、建設(5位)となった。
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債券から株式へ、金融政策から財政政策へ

12月20日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +39.65 @19,883.06, NASDAQ +20.28 @5,457.44)。ドル円為替レートは117円台後半での推移。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,230に対して、下落銘柄数は626となった。騰落レシオは152.34%。東証1部の売買代金は2兆3388億円。

TOPIX +3 @1,552
日経平均 +103円 @19,495円

TOPIXも日経平均も上げて、日経平均は年初来高値を更新した。ザラ場では1年ぶりに1万9500円を回復する場面があったが、終値ではあと5円超届かなかった。正午近くに日銀の金融政策決定会合の内容が伝わった。これまでの金融政策を維持する内容に大きな驚きはなかったが、景気判断を「輸出に鈍さがみられる」から「輸出は持ち直し」とやや上方修正した点が好感されて、株式相場を支えた。日銀が10年物国債の利回りをゼロ%近辺に誘導する「イールドカーブ・コントロール」を維持し、円安基調に変化はないとの見方も広がった。

11月8日の米国大統領選挙直後から始まった強気相場の背景には2つの大きな潮流の変化がある。第一に、米国の経済対策が金融政策から財政政策へ転換しつつある。FRBは金融引き締めの可能性を示し、低金利誘導によって経済を活性化しようとする金融政策の役目が終わったことを世界に知らしめた。それと交代するように、景気刺激のために登場してきたのは、財政政策である。トランプ氏の掲げる大型減税や規制緩和など強烈な内需刺激策に市場の目は向かい、現在までのところ、好意的に反応している。第二に、このトランプノミクスへの期待と連動して「債券」から「株式」へマネーが急速に移動、転換している。金利が上昇すれば債券価格は下がるので、投資家は債券を売り、そのお金で株を買っている。この株式シフトの恩恵を最も受けるのは、景気敏感な日本株なのである。米景気拡大と日米の金利差拡大によるドル高・円安の追い風を受けやすい。海外勢にとって日本株は最も魅力的となり、16日まで日経平均株価は9営業日続伸し、年初来高値を更新した。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、陸運(1位)、水産・農林(2位)、不動産(3位)、精密機器(4位)、情報・通信(5位)となった。
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海外勢が休暇に入り始めたので

12月20日
先週金曜日の米国株式相場はわずかに下落した(DJIA -8.83 @19,843.41, NASDAQ -19.96 @5,437.16)。ドル円為替レートは117円台前半の円高方向での推移だった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数は856に対して、下落銘柄数は1,022となった。騰落レシオは157.27%と依然として非常に高い。東証1部の売買代金は2兆1437億円。

TOPIX -2 @1,549
日経平均 -10円 @19,392円

TOPIXも日経平均も小幅反落した。前週末までの連騰で過熱感が強まっていたため、利益確定売りが優勢となった。相場上昇をけん引してきた海外勢が休暇に入り始め、上値を追う買い手が不在だった。日銀によるETF買いが入って下値を支えるとの期待感が根強く、下げ渋った。年間6兆円のペースでETFを買うと宣言しているが、足元の買い入れペースはやや遅れている。したがって、今後は小幅な株安でも買いに動くのではとの期待が強い。

日銀の政策決定会合が始まったが、金融政策は「現状維持」との見方が多い。日銀は9月に導入した「イールドカーブコントロール」で10年物長期金利の居所を0%程度と設定している。足元は0.070%前後までじわりと上昇している。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、その他製品(2位)、鉄鋼(3位)、証券(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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日経平均は3日連続で陰線だが、9日続伸 ⇒ 無理して上げている

12月17日
昨日の米国株相場は上昇した(DJIA +59.71 @19,852.24, NASDAQ+20.18 @5,456.85)。ドル円為替レートは118円台前半での推移となった。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,208に対して、下落銘柄数は656となった。騰落レシオは156.07%となった。騰落レシオが最も高かったのは、これまでは12年12月19日の164.5%だっが、アベノミクス相場が幕を開けた直後のことだった。東証1部の売買代金は2兆9082億円。

TOPIX +8 @1,551
日経平均 +127円 @19,401円

米国株が反発したことや円相場が対ドルで10カ月ぶりの安値となる118円台まで下落したことを好感して、日経平均株価は9日続伸し、また7営業日連続で年初来高値を更新した。日経平均の9日続伸は2015年5月15日〜6月1日(12日続伸)以来の長さとなる。ただ、ローソク足は3日連続陰線である。陰線で上昇し続けることは無理があるので、息切れしながら無理して上げているように見える。

国内投資家は利益確定売りと同時に、米長期金利の急騰による米国債での評価損の拡大を背景に、12月15日までの3日間、連日で500億円程度のETF売りを出しているという。日銀のETF買いは1回当たり742億円(12月)で、その7割弱に匹敵する規模となる。これが日経平均は連日で年初来高値を更新する中で上値を抑える要因となっている。

米利上げを受けたドル高進行で円相場は本日、1ドル=118円台を付けた。米長期金利(10年債利回り)は15日に一時2.6%台前半に達した一方、日本の長期金利は0.080%前後で推移し、日米の金利差はこの数年では例のない水準まで達しており、一段と円安が進む可能性がある。東証1部の予想PERは17倍に達しており、バリュエーション的に株価の高値警戒感が高まっている。しかし、円安進行により来期2ケタ増益となれば、決して買われすぎの水準ではないとも言えるところが悩ましい。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、金属製品(1位)、水産・農林(2位)、銀行(3位)、ガラス・土石(4位)、空運(5位)となった。
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1ドル=117円台半ばへの円安進行で・・・

12月15日
昨日の米国株式相場は大幅反落した(DJIA -118.68 @19,792.53, NASDAQ -27.16 @5,436.67)。ドル円為替レートは117円台半ばの円安方向へ動いた。好悪両材料を交えて、本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,115に対して、下落銘柄数は745となった。騰落レシオはなんと165.56%へ上昇した!東証1部の売買代金は2兆8103億円。

TOPIX +4 @1,543
日経平均 +20円 @19,274円

米国株は大幅反落したが円安が117円台半ばまで進行したことを好感して、TOPIXも日経平均も小幅高となった。日経平均は8日続伸し、6日連続で年初来高値を更新した。8日続伸は2015年6月1日まで(12日続伸)以来の長さになった。117円台半ばへの円安進行の主因はFRBの利上げ決定だった。FOMCで0.25%の利上げが決定されること自体は織り込み済みだったが、12月14日に公表した政策金利見通しでは2017年は3回の利上げを想定していることも明らかとなり、驚きを持って受け止められた。日銀が金融緩和姿勢を堅持する限り、日米金利差がさらに拡大するとの見方から、日米金利差の拡大に着目した円売り・ドル買いで円相場が1ドル=117円台まで急落した。円安進行で業績がさらに上向くとの期待から自動車など輸出関連の主力株に買いが入り、相場全体を支えた。朝方には上げ幅を180円超まで拡大する場面があった。

年内最後の重要イベントであるFOMCを通過した今、当面の好材料は出尽くした。気になるのはドル高・円安のリスクである。米利上げペースの加速によりドルが急伸してきたことで、米企業の業績減速懸念や、米国への資金流出リスクにさらされる新興国経済への警戒感が高まるからだ。他方、海外投資家は日本株買いと並行して円売り・ドル買いのヘッジをかけることが多いので、「円安・株高」の流れは当面続き易い地合いである。

ただ、もし日経平均が20,000円に届けば、当面の達成感から反落局面も想定しておきたい。日銀が19〜20日に開く金融政策決定会合は何事もなく終わる公算が大きく、年内の重大イベントは終わったも同然である。年明けは1月20日からトランプ氏が米大統領に就任し、政策運営は期待から実行を見極める段階に移る。「噂で買って事実で売る」という相場格言も忘れずにいたい。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、精密機器(3位)、小売(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。
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一旦は「毛抜き天井」か?

12月15日
昨日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +114.78 @19,911.21, NASDAQ +51.29 @5,463.83)。ドル円為替レートは115円台前半での推移だった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が695に対して、下落銘柄数は1,165となった。騰落レシオは149.99%へやや下げた。東証1部の売買代金は2兆5448億円。

TOPIX -2 @1,539
日経平均 +3円 @19,254円

本日は円安進行が一服したことに加え、FOMCを前に利益確定売りも出やすい局面だった。TOPIXはわずかに下げ、日経平均はわずかに続伸した。日経平均は5日連続で年初来高値を更新した。TOPIXも日経平均も3日連続で高値がほぼ並んだ。2日連続で高値が並ぶと「毛抜き天井」というが、3日も並ぶといよいよ上値の重さを強く感じざるを得ない。

日本株には海外の年金基金や投資信託など中長期投資家がまとまった買いを入れている。だから大型株の上昇が際立っている。円安進行以外にも株高を支える背景が3つある。(1)国内の景況感が好転してきた、(2)中国経済が堅調である、(3)原油をはじめとする商品市況が回復している、などである。まだある。日銀によるETF買い期待が大きい。最新の12月日銀短観によれば大企業製造業の16年度下期の想定為替レートは103円36銭で、足元の相場に比べて10円以上円高の想定になっている。日銀が国債の買い入れオペで長期金利上昇を押さえ込もうとしていることで、日米金利差縮小により円高方向へ円相場が振れるのが阻止される。

バリュエーション面では、東証1部の加重平均PERは12月13日現在で17.2倍に達し、過去5年の平均値の16.3倍に比べて割高となっており、過熱感が高まっている。米国の大統領選以降の上昇率はニューヨーク・ダウ工業株30種平均が8.0%、ドイツ株式指数(DAX)が7.4%なのに対して、日経平均は12.1%に達している。マーケットは円安進行で業績が上方修正されるのでPERは割高でない水準まで低下することを予想しながら株を買い上げているようだ。しかし、そうは言ってもドル高・円安をトランプ氏がいつまで容認するかわからない。さらに、「トランプノミクス」そのものが期待された成果をもたらさない可能性も高い。例えば、公約している所得税減税では、最高税率を39.6%から33%に引き下げるなど、高所得の富裕層ほど恩恵は大きい。しかし、経済学的には、高所得層の消費性向は低いため、減税による景気押し上げ効果は限られるはずだ。

33業種中12業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、情報・通信(2位)、精密機器(3位)、電気・ガス(4位)、証券(5位)となった。
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「はらみの下抜け」となれば、売りサイン

12月14日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +39.58 @19,796.43, NASDAQ -31.96 @5,412.54)。ドル円為替レートは115円台前半での推移だった。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,395に対して、下落銘柄数は493となった。騰落レシオは150.90%と高い水準が続いている。東証1部の売買代金は2兆8389億円。

TOPIX +9 @1,540
日経平均 +95円 @19,251円

前場は1ドル=114円台後半まで進んだ円高・ドル安と、日経平均が昨日、約1年ぶりとなる1万9000円台を回復していた反動で、目先の利益を確定する売りが先行した。しかし、後場になると切り返してTOPIXも日経平均も年初来高値を4日連続で更新した。相場の上昇を支えたのは水産を含む食品大手や情報・通信業など内需ディフェンシブ業種だった。これらは低金利下で債券の代わりに利回りを確保できる「債券代替」として買われてきた業種だったが、11月中旬以降の長期金利の上昇や円安進行によってその魅力が薄れたため売られてきた。33業種別で上昇率2位となった医薬品は年初から直近の下落率が15%を超える出遅れセクターである。足元で過熱感の高まった「割安銘柄」を売り、内需銘柄を買う循環物色に移行している。輸出関連でいったん利益確定売りを出した後、さらなるリターンを求めて出遅れ感のある内需株に資金を移している。

外国人投資家は11月28日〜12月2日の週まで4週連続で買い越しており、今回の上昇相場の原動力である。ただ、本日のTOPIXも日経平均も昨日の高値と安値の範囲内での動きであり、ひげを無視すれば「はらみ線」となり、もし、明日、「はらみの下抜け」となれば、売りサインとなる。また、日経平均のPERは16.5倍まで上昇してきており、さらに上値を追うにはより大きな材料が必要だろう。

今年6月下旬に350円台でポジショントレードとして大量に仕込んだ大手某証券株は本日、逆指値成り行き売りが発動されて手仕舞いとなりました。

33業種中22業種が上昇した。上昇率トップ5は、水産・農林(1位)、医薬品(2位)、情報・通信(3位)、石油・石炭(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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バブル期以来の5年連続陽線となるか?

12月13日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +142.04 @19,756.85, NASDAQ +27.14 @5,444.50)。ドル円為替レートは115円台半ばでの推移。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,119に対して、下落銘柄数は773となった。騰落レシオは151.97%まで上昇したが、これは明らかに加熱気味である。早晩調整があったほうが自然である。東証1部の売買代金は3兆3144億円となり、連日の3兆円台で大商いである。

TOPIX +6 @1,531
日経平均 +159円 @19,155円

前週末12月9日に米ダウ工業株30種平均が連日で過去最高値を更新し、東京外国為替市場で円相場が1ドル=115円台半ばと約10カ月ぶりの安値を付けたことを好感して、日経平均は今年に入り初めて終値で1万9000円を上回って終了した。12月10日にウィーンのOEPEC本部で開かれた閣僚会議では加盟国と非加盟国が15年ぶりとなる協調減産で合意した。これを受けてNYMEXの原油先物相場は時間外取引で急伸して投資家心理の改善が進んだ。しかし、日経平均の日足ローソク足は上下に長めのひげを引いた短陰線で終えており、先詰まり感がある。そうは言っても、市場の先高感は強く、このまま年末を迎えれば、日経平均の年足は5年連続で終値が始値を上回る陽線となり、そうなれば第二次石油危機直前の1978年からバブル期ピークの89年までの12年連続陽線以来の出来事となる。

日本株は11月8日の米国大統領選挙直後から誰の目にもわかるような急上昇をし始めた。しかし、ファンダメンタルズはそれより少なくとも半年は早く変化していた。データの発表が遅いのが欠点だが、法人企業統計によれば7〜9月期の大企業・全産業(金融保険を除く)の売上高営業利益率は円高にもかかわらず4.7%と7〜9月期としては高度経済成長期の70年代前半並みの水準となった。この重奏低音に俄に進行し始めた円安が加わり、外国人投資家は主力株を中心に買い始めた。海外投資家が主力となって海運や証券、鉄鋼などこれまで割安感のある銘柄を買ってきた。しかし、流れが少し変わってきた。今まで買い進めてきた主力銘柄を利益確定売りする一方、これまで上昇率が鈍かった食料や小売り、医薬品といった内需株が買われた。

1年単位の視点で相場を見てみる。中国景気が持ち直すなか中国国内での建設需要が回復しつつあり、鉄鋼製品や建機の需給改善が進んでいる。昨年末と比較すると、鉄鋼と機械は上げており、建設機械を手掛けるコマツや日立建機は水準を30%以上切り上げた。他方、足元の円安基調で追い風が吹いているはずの自動車株は業種別で見ると、意外にも昨年末比でやや下落している。もしトランプ次期米国大統領の主張通りNAFTA見直しとなれば、稼ぎ頭の北米の新車販売に重大な悪影響が避けられないからだろう。

円安はどこまで進むのだろうか?市場は17年に3 回の米国利上げを意識している。日米金利差の拡大を背景とする円安・ドル高の地合いは長く続くきそうだが、短期的にはどうだろうか。円相場の2015年の安値は125円86銭、16年の高値は6月24日に付けた99円ちょうどなので、この値幅から「フィボナッチ・リトレースメント」を設定すると、高値から61.8%円安が進んで115円60銭程度となる。この水準が円相場の下値メドと思われていたが、本日すでにこれを一時突破した。米商品先物取引委員会(CFTX)によると、12月6日時点の投機筋の円持ち高は3万3937枚と2週連続の売り越しとなった。投機筋はさらに円売りを進めそうな勢いである。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、食料品(1位)、水産・農林(2位)、サービス(3位)、小売り(4位)、医薬品(5位)となった。
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「ドラギマジック」炸裂で日経平均19,000円台を一時回復

12月10日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +65.19 @19,64.81, NASDAQ +23.59 @5,417.36)。ドル円為替レートは114円台半ばでの推移。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,250に対して、下落銘柄数は606となった。騰落レシオは142.46%と再び140%台に突入した。当面の「成層圏」入りと言えるだろう。SQの影響もあるが、東証1部の売買代金は3兆9249億円と、大商いが続いている。

TOPIX +13 @1,525
日経平均 +231円 @18,996円

ECBが12月8日に量的金融緩和の延長(毎月の国債購入額は800億ユーロから600億ユーロへ縮小)を決定した。債券市場では減額に注目して長期国債の利回りが上昇する一方、買い入れ対象の拡大を受けて短い年限の利回りは低下した。結果として、ドル高・ユーロ安と長期金利上昇が両立した。欧米の長期金利上昇を背景にしたドル高・円安が再び勢いづき、一服していたトランプ相場での円安を再点火した。この「ドラギマジック」を好感して8日の欧米株式相場は上昇し、東京市場でも円安が進み、本日の東京市場にも買いが広がった。TOPIXも日経平均も4日続伸し、日経平均は一時19,000円台を回復する場面もあった。しかし、大引けでは利益確定売りが集中し、19,000円の節目を割り込んで終えた。先物が先行して上昇する過程では相対的に割高な先物を売って割安な現物株を買う「裁定買い取引」も入り、値がさ株の上昇が加速した。

また、寄り付きの株価指数先物・オプション12月物のSQ算出に伴う売買が買い越しとなったことも投資家を強気にさせた。SQ値は1万8867円45銭と、今年の最高値で決着した。SQ算出に関連した現物株の寄り付き注文は日経平均型で差し引き18万株の買い越しだった。

年初から米大統領選までに海外勢は現物・先物を累計約6 兆円売り越していたが、大統領選後4週間は約3兆円の買い越しとなった。運用の比較対象とするベンチマークに成績が負けないために、12月末に決算を迎える海外の年金基金などは慌てて買いに動いているのだろう。

欧州ではECBが量的金融緩和の延長を決定した。米国では大規模減税とインフラ投資の拡大を掲げるトランプ次期大統領の下で米長期金利は上昇し、日米金利差の拡大に着目した円売り・ドル買いが進んでいる。日本企業の業績回復期待は高く、景気敏感株の多い日本株は選好されやすくなっている。

12月12日からの相場は、日銀短観とFRBの利上げが注目材料になる。日銀短観は集計日が米大統領選の後となり、景況感の回復期待が数字に織り込まれる見通しである。FRBの利上げはほぼ確実と見られている。

12月9日の欧米時間帯の外国為替市場で円安・ドル高が進み、円相場は一時1ドル=115円台まで下落した。
米長期金利が2.4%台と高水準で推移しており、日米金利差の拡大を受けてドルを買って円を売るトランプ相場の勢いが再び強まっている。主要なテクニカル指標の一つである「フィボナッチ・リトレースメント」によると、当面の円安の限界は115円60銭程度だが、目前まで来ている。さて、これからどう動くか?

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、証券(3位)、海運(4位)、陸運(5位)となった。
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米国株大幅高で日経平均は年初来高値を更新

12月08日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +297.84 @19,549.62, NASDAQ +60.76 @5,393.76)。ドル円為替レートは113円台半ばの円高方向へ振れた。しかし、本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,414に対して、下落銘柄数は485となった。騰落レシオは129.18%となった。東証1部の売買代金は3兆3930億円と大商いとなった。

TOPIX +22 @1,513
日経平均 +269円 @18,765円

12月7日の米株式市場でダウ工業株30種平均が300ドル近く上昇し、3日連続で過去最高値を更新した。これを受けて、TOPIXも日経平均も3日続伸して1週間ぶりに年初来高値を更新した。昨日に続き、今日も主役はソフトバンクだった。ソフトバンクは大幅に上昇し、1銘柄で日経平均を46円強押し上げた。

直近までの相場上昇は短期筋主導だったが、出遅れていた国内外の投資家から米国株高を背景に我慢できなくなり買いに大きく傾いたようだ。日経平均はかなり高くなったが、ドル建て日経平均はまだ安い水準にあり、外国人から見ればまだ買い出動したくなるのだろう。
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/domestic_market/kokunai_index/kokunai_index_chart.asp?ID=0102
12月8日発表された11月の対外及び対内証券売買契約などの状況によると、海外投資家は日本株を2カ月連続で買い越した。買越額は1兆2103億円で、月間の買越額が1兆円を超えるのは7カ月ぶりとなった。

http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/itn_transactions_in_securities/data.htm

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、証券(2位)、保険(3位)、その他金融(4位)、情報・通信(5位)となった。
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今日の主役はソフトバンク

12月08日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +35.54 @19,251.78, NASDAQ +24.11 @5,333.00)。ドル円為替レートは114円台前半の円安方向での推移だった。本日の日本株全般は上昇した。東証1部では、上昇銘柄数が1,483に対して、下落銘柄数は422となった。騰落レシオは124.19%。東証1部の売買代金は2兆6919億円と商いは活発だった。

TOPIX +13 @1,491
日経平均 +136円 @18,497円

米国株高と円安を受けて、TOPIXも日経平均も上昇した。前日の米株式市場に続き、銀行株や証券株の一角も買われた。先高観が強まっていることから、個人が信用売りの一部を買い戻しているはずである。

今日の相場をけん引したのはソフトバンクグループ株だ。「孫・トランプ会談」で孫正義社長が米国のIT(情報技術)関連企業を対象に500億ドル(約5兆7000億円)の投資と5万人の雇用創出を公約した。ソフトバンクは一時、前日比355円(5.1%)高い7311円に上昇し、約4カ月ぶりに年初来高値を更新した。売買代金も前日の3倍強に膨らんだ。ソフトバンク1銘柄で日経平均を50円近く押し上げた。ソフトバンクは2013年に約1兆8000億円で米携帯電話3位(当時)のスプリントを買収した。4位のTモバイルUSと合併させて、AT&T、ベライゾンに対抗する第三の勢力をつくる構想だった。しかし、米連邦通信委員会(FCC)が認可せず、合併を断念せざるを得なかった。今回のトランプ氏との会談で、オバマ政権時代に却下されたソフトバンク傘下の米スプリントとTモバイルUSの合併が再度実現するかもしれないという思惑が急浮上し、買いを誘った。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、銀行(2位)、証券(3位)、海運(4位)、石油・石炭製品(5位)となった。
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5日連続陰線となり、チャート的には上値が重いが・・・

12月06日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +45.82 @19,216.24, NASDAQ +53.24 @5,308.89)。ドル円為替レートは113円台後半での推移だった。本日の日本株全般は上昇した。東証1部では、上昇銘柄数が1,241に対して、下落銘柄数は631となった。騰落レシオは118.11%。東証1部の売買代金は2兆6935億円。

TOPIX +10 @1,477
日経平均 +86円 @18,361円

欧米株高を受けて、TOPIXも日経平均も上昇した。日経平均は取引開始直後に前日比209円高の1万8484円まで上昇したが、そこからは利益確定売りが優勢になって伸び悩んだ。これで5日連続陰線となり、チャート的には上値が重いと言える。そんな中でも、リスク選好の動きが再び強まるなか、金融など主力株が軒並み高となった。前日はイタリアの国民投票における憲法改正の否決とレンツィ首相の辞意表明を警戒した売りが優勢だったが、欧米株式相場は小安かったイタリアを除いてほぼ全面高となった。原油や非鉄金属などの商品相場の上昇も、関連企業の業績が上向くとの期待から買いを後押しした。

英国のEU離脱を巡る国民投票、米大統領選挙、そして今回のイタリア国民投票、3回とも日本株の初期反応はリスクを警戒した売りだったが、欧米相場の受け止めはほぼ真逆という展開となった。世界各国の市場のなかでも企業収益の改善が見込まれる日本株に、海外投資家の資金回帰が進んでいると見られる。

リスク回避からリスクテイクへの変化は債券市場にも見られる。12月6日の債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、前日の0.035%から0.050%に上昇(価格は下落)した。2月以来約10カ月ぶりの高水準となった。前日の米市場で米長期金利と株価が上昇したのを受け、投資家がリスクを取る姿勢を強め、国内でも安全資産とされる債券を売り、株が買う動きが優勢となった。

過熱感が警戒される一方で、あまりの急上昇に買い遅れた投資家が多くいる。彼らの買いで相場が底堅く推移し、我慢しきれなくなった出遅れ筋の買いをまた呼び込んでいる構図である。投資部門別売買動向を見ると、海外勢はこのところ買い越し基調に転じているとは言え、16年初めからの累計では依然として、4兆5000億円程度の売り越しとなっている。日本株をさらに買い進む余地はまだ大きい。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、非鉄金属(3位)、証券4位)、電気・ガス(5位)となった。
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しばらく調整の後、もう一段の上昇もありうるか?

12月05日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -21.51 @19,170.42, NASDAQ +4.55 @5,255.65)。ドル円為替レートは113円台半ばの円高方向での推移だった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が539に対して、下落銘柄数は1,327となった。騰落レシオは119.38%。東証1部の売買代金は2兆2937億円。

TOPIX -11 @1,467
日経平均 -151円 @18,275円

TOPIXも日経平均も続落した。11月4日に実施された憲法改正の是非を問うイタリア国民投票で改憲反対派が勝利し、改憲派でEU再建を唱えてきたレンツィ首相が辞意を表明した。反EUの流れが各国に広がりかねないとの懸念からリスクオフの動きが強まり、安全通貨とされる円が買われ円高・ドル安に振れた。これを嫌気して日本株の多くが売られた。しかし、引けにかけては押し目買いも入った。日本株は中長期的な強気シナリオが勢いを増しており、しばらく調整した後、もう一段の上昇もありうると見る。ただし、1月20日までという期間限定だが。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、サービス(2位)、不動産(3位)、建設(4位)、保険(5位)となった。
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金融株は逆行高

2016年12月3日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +68.35 @19,191.93, NASDAQ -72.57 @5,251.11)。ドル円為替レートは114円台前半での推移だった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が700に対して、下落銘柄数は1,172となった。騰落レシオは123.41%。東証1部の売買代金は3兆178億円。

TOPIX -5 @1,478
日経平均 -87円 @18,426円

TOPIXも日経平均も小幅反落した。一時は1ドル=113円台後半まで円高に振れたことに加えて、これまでの急上昇で過熱感が出ていたこともあり、利益確定売りが優勢となった。さらに、12月2日発表の米国の雇用統計、週末のイタリアの国民投票を控えることも、投資家の慎重姿勢を誘った。しかし、12月1日の米国株市場での米金融株高の流れを引き継ぎ、銀行株や証券株など金融株は逆行高となった。米モルガン・スタンレーと資本関係のある三菱UFJの上昇率は一時6%を超えた。海外収益の比率が相対的に高い野村證券は年初来高値を更新した。米金利の上昇や米国の次期政権による金融規制の緩和で銀行の収益が拡大するとの見方が強まったことが重奏低音である。金融株主導の上げ相場はなお続きそうである。これまで値動きが堅調だったハイテク株などから、金融株やインフラ関連への資金シフトする「トランプローテーション」が起こっている。 1月20日までは上昇トレンドが続くと見てはいるが、本日はトレーリングストップが発動されて某電子部品銘柄が数銘柄利食い売りとなった。今年6月に350円台で大量に仕込んだ大手証券株もトレーリングストップで付かず離れずで上昇トレンドに乗ってビッグウェーブをサーフィン中???・*:..。???*゚¨゚゚・*:..。?


33業種中上昇したのは14業種だった。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(2位)、海運(3位)、パルプ・紙(4位)、保険(5位)となった。
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OPECの減産合意で円安・株高

12月02日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +1.98 @19,123.58, NASDAQ -56.24 @5,323.68)。ドル円為替レートは114円台後半の円安方向へ動いた。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,137に対して、下落銘柄数は735となった。騰落レシオは129.99%。東証1部の売買代金は3兆2911億円となり大商いだった。

TOPIX +14 @1,483
日経平均 +205円 @18,513円

OPECが8年ぶりに減産に合意したことで原油価格の先高期待が高まり、米国長期金利が上昇、さらに中国の経済指標が改善するなど好材料が重なった。これらを受けて「安全通貨」とされる円は円売り・ドル買いが進み、日本株が買われた。大幅な円安を好感してTOPIXも日経平均も大幅続伸した。日経平均は上げ幅を一時437円高まで広げ、節目の1万9000円まであと250円あまりに迫ったが、その後大きく伸び悩んで長い上ひげを引き、日足は「塔婆」となった。高値圏での「塔婆」は基本的に売りサインである。本日の上昇の背後には、信用売りを仕掛けていた個人による損失覚悟の買い戻しもあった。信用売り残は11月25日時点で約9300億円と約7年ぶりの水準にまで積み上がっていたからだ。
http://www.traders.co.jp/margin/transition/transition.asp

円安効果で日本株は上昇している。ただ、OPECの減産合意自体の円安効果は長続きしないと見ておきたい。今回、OPECは9月の臨時総会で合意したレンジの下限である日量3250万バレルへの減産で一致した。しかし、原油価格が高くなれば米国のシェール業者は増産のチャンスとみて開発を活発化させる。さらにトランプ次期米大統領の規制緩和策が後押しする。結果的に、OPECの減産による原油価格の上昇はシェールオイルの増産で打ち消される。したがって、円売り・ドル買いに波及する円安圧力はそう長続きしないかもしれない。

米大統領選後、日経平均の上昇幅は2261円に達し、過熱感が警戒される。12月4日にはイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が予定されており、結果次第では現職のレンツィ首相が辞任に追い込まれ、極右政党が台頭する恐れもある。イタリアで極右政党が躍進すればその動きはフランスなど欧州各国に拡散し、反グローバリズムのうねりが欧州全土に及びかねない。その結果、世界貿易全体は縮小し、世界の経済活動を停滞させるリスクが大きくなる。これが各国の株価を下げることに繋がる。

そうは言っても、株価を支える重要な変化が一つある。海外投資家は日本株を10月までに6兆円弱売り越していたが、11月に入ってから海外投資家は日本株をまだ1兆円程度買い越したに過ぎない。したがって、彼らが売ってくるのはもう少し先になると見る。

33業種中26業種が上昇した。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、証券(3位)、保険(4位)、銀行(5位)となった。
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師走相場「掉尾の一振」となるか?

12月01日
昨日の米国株式相場は小幅高となった(DJIA +23.70 @19,121.60, NASDAQ +11.11 @5,379.92)。ドル円為替レートは112円台後半での推移。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数は1,065に対して、下落銘柄数は791となった。騰落レシオは131.48%。東証1部の売買代金は3兆2492億円と膨らんだが、これはMSCI構成銘柄の入れ替えに伴う売買の増加が主な理由である。

TOPIX +1 @1,469
日経平均 +1円 @18,308円

米国株高と円安基調を背景に、TOPIXも日経平均も僅かに上げた。今晩のOPEC総会を控えて目先の利益を一旦確保する売りが出て、下落に転じる場面も目立った。主力株は当面は積極的に手掛けにくい状況が続きそうだ。OPEC総会終了後も、12月2日には米雇用統計、12月4日にはイタリアで憲法改正を問う国民投票が控えている。特に市場はイタリアの国民投票に注目している。もし政府案が否決されてレンツィ首相が辞任すれば、政治混乱が他のEU加盟国にも飛び火しかねないからだ。

明日、12月1日から師走相場に入る。戦後67回の12月相場では平均上昇率は1.30%で、月別では1月の2.34%と4月の1.45%に次いで上昇しやすい。昨年末の日経平均は1万9033円だったが、今年も大納会でこの水準を上回れば、5年連続の上昇相場となる「掉尾の一振」となる。さて、これからどう展開するか?

イエレン議長の発言内容から、FRBが12月14日に1年ぶりの利上げをすることはほぼ確実と見られる。問題は2017年中に何回利上げをするかだ。2回という見方が多いが、トランプ政権は財政出動を拡大すると明言しているので、インフレを抑えるために利上げ回数が多くなるはず。すると日米金利差がさらに拡大し、円安が進行して株高となるというシナリオが描ける。しかし、相場格言に「噂で買って事実で売る」というものがある。来年1月20日の大統領就任式を経てトランプ政権が実際に始動すれば、株式相場は噂や期待で買う局面から事実で売る局面に移る可能性も高い。また、トランプ政権はTPPからの撤退だけでなく、NAFTAの再交渉も行うと公言している。実際に再交渉が始まり、メキシコからの輸入品に35%もの関税がかかるようになればメキシコに進出した自動車など日本を含む世界の製造業にとって大ダメージとなるのは必至である。

33業種中17業種が上昇した。上昇率トップ5は、証券(1位)、ガラス・土石(2位)、水産・農林(3位)、建設(4位)、食料品(5位)となった。
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